エルフの村 村の入り口 |
フィリス達は、アレックスと共にエルフの村へ向かった。
村の入り口近くの木には、やはり見張りのエルフが立っていた。
■ エルフ To:おおる |
またきたのか。 ……まぁ、エレから話は聞いている。 弓を取り返してくれたことは礼を言おう。 ありがとう。 |
■ クラウディア To:胸中 |
(へぇ……あの森エルフが自分から礼を言ってくるなんてね。こりゃ,案外楽に済みそうだ) |
■ アレックス To:エルフ |
あ……あの…… |
何かを言いかけたが、やはり口ごもってしまう。
■ メルディス To:エルフ、アレックス |
弓に関しては偶然の賜物ですから、お礼なんていいですよ(笑) それとは別件でしてね、今回来たのには訳があります。 あなた方エルフに対して村人が危害を加えてるという話でしたが、 あれは村人に化けていたダークエルフの仕業でした。 弓を盗んだのも、こいつの仕業でしょう。 (死体を見せる) それで、村を代表してこちらのアレックスがあなた方に話があるそうです。 どうか聞いてあげてください。 |
■ メルディス To:アレックス |
さぁ、ここで臆してる場合ではありませんよ。 こればかりは、俺達は手を貸せません。 |
アレックスは、一度メルディスを振り返しうなずいた。
■ アレックス To:エルフ |
僕は、アレックスと言います。 僕たちは、村長に化けたダークエルフに騙され、あなた達を疑いました。 どうやら、それはあなた達も同様だったようですね。 このままでは二つの村の争いは避けられないものになっていたでしょう。 今回の事件は、僕たちとあなた達の間にあった深い溝を利用されてしまったものだと思います。 |
アレックスは、そこまで一気に話すと、一息ついた。
■ アレックス To:エルフ |
僕たちは、もっと良い隣人になれるのではないでしょうか? そのためにも…… |
■ エレ To:アレックス |
そのためにも、お互いをもっと知り合わないとね。 |
その時、ひょいと村の入り口から姿を現したエレは、つかつかとアレックスに近づいた。
■ クラウディア To:メルディス,フィリス |
おやおや,エルフの村の代表もどうやら決まりみたいだね。 あの二人に任せておけば,だいじょうぶだろう。 あたしらみたいに,種族が違っても,こうやってパーティ組んでいい冒険ができるんだからさ。 連中にだって,お互いの良さがわかる日がきっと来るよ…8^_^8… |
■ メルディス To:クラウディア |
その通りですね。 不向きな部分を補っていければ、言うことなしです。 ま、非力な俺にとって、力強い仲間は大歓迎と言うことです(笑) |
■ クラウディア To:メルディス |
……力強いねぇ。 言ってくれるじゃないか。 たまには人間たちの褒め言葉,繊細でかよわくて守ってあげたくなるようなお嬢様とでも言って欲しいもんだけど? |
■ メルディス To:クラウディア |
せ・・・センサイ?(汗) (戦災、戦争などによって起こる災害のこと・・え゛!?) |
■ クラウディア To:メルディス |
……って,冗談だよ。 あっはっはぁ,頭脳労働はおまかせするよ。 あたしにゃ,まじないだの術だのはさっぱりだし,いつも頼りにさせてもらっているしね(^^) |
(クラウディア) そう言いつつ,メルディスの背中をばんっと勢い良く叩く。
虹は、一色じゃ作れないもんね。さてさて。
そもそも、彼らがここへ来た本当の理由と言えば……。
■ エレ To:おおる |
そう言えば、きのこを取りに来たって言ってなかったっけ? |
■ メルディス To:エレ |
ああ、そうでしたそうでした。 なんかいろいろあったせいで忘れるところでしたよ(笑) 厳密に言うとちょっと違うのですけどね。 チャダイ村から売りに来ていたキノコがさっぱり来なくなったので、 その原因を調べに来たんです。 まぁ、これでまたキノコも売りに来てもらえるでしょうからその依頼は達成ですね(笑) ところでそのキノコなんですが、なんというキノコなんでしょう? ちょっと調べてみたのですが名前が分からなくて。 後学のために教えてもらえませんか? |
■ エレ To:メルディス |
? 何というきのこって、きのこはきのこよ。 まぁ、良いわ、とにかく行ってみましょ。 |
■ メルディス |
名前もないキノコなのかな? |
■ クラウディア To:エレ |
案内してくれるのかい? そいつは楽しみだ,問題のきのこってどんなものか興味があるしね。 まだ元気に生えてるといいんだけど。 |
森の中 きのこの群生地 |
エレの案内で、一行はきのこの群生地へ向かった。
日当たりの良さそうな森の中の空き地。
地面をよく見ると、指に三本ほどがすっぽり入りそうな穴が幾つも開いていた。
■ エレ To:メルディス |
さあ、ここよ。 |
■ クラウディア To:エレ |
? こんな日当たりのいいところのどこにきのこがあるっていうんだい?? |
■ アレックス To:クラウディア |
こうするんだ。 |
アレックスはそう言うと、穴に向かって手にしていた水筒から水を垂らした。
そして待つことしばし。
穴の奧で何かがうごめいたかと思うと、ものすごい勢いで黄色い物体が飛び出してきた。
■ エレ To:メルディス |
このきのこ、活きがいいわね。 さあ、早く捕まえて! 逃げちゃうわよ。 |
■ メルディス To:エレ |
なに?逃げる? って・・なんだこりゃ!? |
予想外の台詞に戸惑いつつも、咄嗟にそれに飛びいた。
掴んだメルディスの手の中で、黄色い茸の形をしたそれは、必死に逃げだそうと動いている。
どうやら、それは芋虫の一種らしい。
■ エレ To:メルディス |
あら、うまいうまい。 それが、きのこよ。 まったく、よくそんなもの食べたがるわね……。 |
エレが、手にした棒で頭(らしき部分)を叩くと、きのこはおとなしくなった。
■ クラウディア To:アレックス |
やれやれ,誰かさんの言うとおり,冗談じゃ終わらなかったわけか。 ……いや,それはこっちの話ね。 銀の網のおやじさんは,きのこの正体知っているのかねぇ? |
■ アレックス To:クラウディア |
知ってますよ。 女将さんが、きのこのことを知ってたみたいですよ。 ……きのこの正体って、もしかして、皆さん、きのこのことを知らなかったんですか? |
■ フィリス To:アレックスさん |
知らなかったというより…もうちょっと物静かなきのこを 想像してたんですけどね。あんまり動かないような…。 (呟き)…これを…山盛り採って帰るんですね…… |
■ アレックス To:フィリス |
! もしかして、きのこって、茸だと思ってたんですか? |
■ メルディス To:アレックス |
思ってましたよ、ついさっきまでね(苦笑) |
■ エレ To:フィリス |
ああ、なるほどね。 「きのこ」って、アタシ達がそう呼んでたのが人間にも広がったみたいね。 良く飛び跳ねる虫でしょ? だから、きのこって……。 あれ? フィリスの村じゃ、そう言わないの? |
■ フィリス To:エレさん |
言いません言いませんー…えと、多分。私の覚えている限りでは…ですが。 |
手の中でもぞもぞ動く芋虫(注・きのこ)を眺めながら
■ クラウディア To:胸中 |
(飛び跳ねるねぇ。まったく,エルフ達の言語感覚って……(^^;) |
どうやら、この村独特の方言らしい……。
■ アレックス To:おおる |
いっぱい捕まえていかないと。 銀の網亭の親父さんも、首を長くして待ってることでしょうしね。 |
■ クラウディア To:メルディス,フィリス |
さてと,美味しいシチューのためにもう一仕事しようかね。ついでに料理法もきいてみたい気がするけどね。 |
■ フィリス To:ディアさん&おおる |
聞いてみたいようなみたくないような…。あ、いえいえ。 えーと…丸ごとじっくりコトコト煮込むんでしょうか? それとも何処かは切り離して具に…?。 |
■ クラウディア To:きのこ |
おっと,こりゃあ大きいねぇ。 ちょっとお待ち!あんたは逃がさないよ〜!! |
■ メルディス |
俺は、虫はあまり好きじゃないんですけどね。 やれやれ、貧乏くじを引いたなぁ。 |
次々ときのこを捕まえていく。
しばらく捕られていなかったために肥え育ったのか、見る見るうちに大物が籠いっぱいにたまっていく。
■ フィリス To:おおる |
さて、これだけあれば十分ですよね。 そろそろチャダイ村に戻りましょうか? リシィアさん達が待ちくたびれているかもしれないですし。 |
籠いっぱいに(うごめく)きのこに、嬉しい(?)悲鳴を上げながら、村へと戻った。
こりゃ、村でも一騒ぎかな……。