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Sword World PBM #64
モノクロームの吐息




ゴンドの家

■コリューン To:ゴンド
 ウッドさんが殺された事に付いて、何かご存知ですか?

■ゴンド To:ALL
 へ…へへへ………あいつの死に様を考えりゃ誰が殺ったか分かるだろ!?

 自棄になったような口調でゴンドがへらへらと笑みを浮かべる。手足は床に貼り付いたままで、肘のあたりまで血の色を失いつつあるが、彼はあごをしゃくるようにセリンの方を示した。
■ゴンド To:ALL
 そいつしかいねえじゃねえか。俺の手を潰したみたいに、ウッドはそこの人間もどきに殺られたんだろうが。

■セリン
 ………

 セリンは目を見開いたまま表情を凍り付かせている。
 ルキシュはそんなセリンに意を決して抱きつく。
■ルキシュ To:セリン
 ダメだよセリンちゃん!!
 力を暴走させてこいつを殺してもお父さんやお母さんが帰ってくる訳じゃ
ないんだから!
 こんなゲスと一緒になっちゃダメ。
 ここでこいつを楽にしちゃダメ。ちゃんとしかるべき所に出そうよ。
 死は今この人にとって、これからの解放でしかないんだよ。

■セリン To:ルキシュ
 放してッ!!

 セリンはルキシュの腕のなかで暴れる。ルキシュの両腕に冷たい感触と、刺すような痛みが走った。
■コリューン To:ルキシュ
 ルーキーちゃん!?

■ギャスパー To:ルキシュ&セリン
 ルゥ! 大丈夫か!?
 止めてくれ、セリン!!

(コリューン)ルキシュの様子を気にしながらも、ゴンドの方へ向き直る
■コリューン To:ゴンド
 ・・・・・・・あなたとウッドさんは同じ目的でダロンさんの家を訪ねて、二人仲良く返り討ちにあった結果、ウッドさんは死に、あなたは手を潰したって事でしょうか?

もう一度深々と溜息を吐く
■コリューン To:ゴンド
 ・・・ホント、救いがたいわね。

 ルキシュは痛みをこらえながらセリンから離れて笑みを浮かべる。
■ルキシュ To:ALL
 ……大丈夫。チャ・ザには見放されてなかったみたいだよ。
 とりあえず治しておくね。

 言ってルキシュはキュア・ウーンズを唱える。
■セリン To:ルキシュ
 ………あ……あたし………

 セリンはルキシュの傷が塞がるまで不安げに見上げていたが、しばらくしてしゅんと視線を床に落とした。既に周囲の冷気は収まっている。ルキシュは自分の傷の治り具合を確かめてから、セリンに笑ってみせる。
■ルキシュ To:セリン
 大丈夫だよセリンちゃん、ほら。

完全に治った傷口をセリンに見せてから、ルキシュは真顔になる。
■ルキシュ To:セリン
 幼いキミに言うのはまだ早いかもしれないけど、感情のコントロールを
覚えることだね。
 キミは叩かれる痛みは知ってたよね? それで今叩く痛みも知った。
 叩かれれば当然痛いし、叩いても痛いんだよ。それを知らない大人に
はなっちゃダメだよ。

■コリューン
 (なんとか、収まったみたいだにゃ・・)

 ルキシュとセリンの様子を見た後、ゴンドの方を示しながらルゥミアの顔を見る。
■コリューン To:ルゥミア
 ・・・以上が、今回の事件の真相ですが、これで宜しいでしょうか?
 ゴンドさんをどうするかは、私達がどうこうする事ではありませんから、村の皆さんで決めて下さい。
 ただし、ダロンさんの家から盗んだ物があるなら、それは必ずセリンちゃんに返すようにして下さいね。それだけはお願いします。
 それから、セリンちゃんの事ですけど・・

 ちらりとガンダルフを見る。
■コリューン To:ガンダルフ
 「孫の事なら心配するな」くらい、言う気は無い? ナイスミドルのガンダルフさん?

■ガンダルフ To:コリューン
 おう、完璧じゃよ?


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ゆな<juna@juna.net>