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Sword World PBM #64
モノクロームの吐息




ゴンドの家

 ゴンドの家は村の比較的家屋の集まっているあたりに建っていた。
■ルゥミア To:ALL
 ここですけど………

■ルキシュ To:ALL
 ゴンドさんいるのかな?

 扉を叩いて。
■ルキシュ To:ゴンド
 こんにちわ〜。

 返答がない。しかし、ややあって聞き覚えのある声が家の中から聞こえてきた。
■声
 お客さんのようじゃの〜

 がちゃりと扉が開くと、そこにはさっき別れたはずの老人がいた。
■ガンダルフ
 お?

■コリューン To:ガンダルフ
 ・・・私達、ゴンドさんとお話しに来たんだけど、なんでガンダルフさんがいるの?

■ガンダルフ To:コリューン
 おお

■ギャスパー
 うげ。

 …てめぇがゴンドだったのかよ!

 問答無用でガンダルフの胸倉に手を伸ばす。が、またもや軽々とかわされてしまう。
■ギャスパー To:ガンダルフ
 ちっ。

 今度も格の違いを見せ付けられて、渋い顔になる。
■アンリ To:ギャスパー
 ギャスパー、二連敗め〜。コリュ〜ンあわすと三連敗〜♪

■ガンダルフ To:ギャスパー
 気の短い奴じゃの〜。
 中におるよ。

 見ると、入ってすぐの部屋に男がもう一人いる。こいつがゴンドらしい。
■ゴンド To:ALL
 な、なんだあんたら!

■ギャスパー To:ゴンド
 あんたがゴンドさんかい?
 俺達はルゥミアさんに呼ばれてきた冒険者だ。ダロンさんたちが殺された時、あんたが見ていたらしいな。その時の話、もう一度聞かせてもらえねぇか?

■ゴンド To:ALL
 な、なんだあんたら、揃いも揃って!俺は被害者なんだよ!

■アンリ To:ゴンド
 誰も加害者だなんて言ってないのにぃ〜・・・

■コリューン To:ゴンド
 ごめんなさい。この人、ちょっと頭が可哀想な人なんです。
 私達は先日の殺人事件について調べているのですが、その時の様子をお話していただけませんか?
 被害者の証言と言うのは重要なものですからね。

 愛想良く微笑んだ後、ちらりとガンダルフの方を見る
■コリューン To:ゴンド
 ・・お知り合いですか?

■ゴンド To:ALL
 知らねーよ。事件のこと調べてるから話を聞かせろだとよ。
 あんたらの知り合いならまとめて帰ってくれ。

■コリューン To:ゴンド
 ゴンドさんが私達に協力してくださるなら、まとめて帰りますよ。
 ・・ところで、聞くところによると、腕に凍傷を負われたとか? お治ししましょうか?

 にこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこ
■ゴンド To:コリューン
 ………

 ゴンドは怪訝そうな視線をコリューンに向ける。
■ゴンド To:コリューン
 ………あんた、医者か?そうは見えねえが、尼さんか?
 よく知らねえが大層な魔法じゃないと治らんとか………

 そう言って、彼はコリューンの目の前に片手を掲げて見せた。その手には、親指を残して残りの指が失われている。傷口が塞がっているのは魔法で治癒したからだろうか。
■ゴンド To:コリューン
 ………言われたぜ。治んのか?

■コリューン To:ゴンド
 私、精霊使いなんです。
 大概の怪我は治せますので治療を申し出たのですが、・・・・ごめんなさい。
 私の実力じゃ手におえないようです。

ゴンドに謝罪した後、視線をヘルムンスの方へ向ける。
 ヘルムンスが前に出て、片手にメイジスタッフを持ったままやけにもったいぶった仕種でゴンドの傷口を見る。
■ヘルムンス To:ゴンド
 ふむ・・・魔法の技ならば、このような状態でも元のとおりの手に戻すことも可能ですよ。
 しかし、いったいどんな状況でこのような症状になったのですか?
 詳しい経緯を聞かせてほしいのですが。

■ゴンド To:ヘルムンス
 あんた、魔法使いか………?

 ゴンドは忌々しげに言った。目には明らかな警戒感が浮かんでいる。
■ヘルムンス To:ゴンド
 私は見てのとおりのエルフです。
 エルフであるということは、すなわち魔法使いでもあるということです。
 もちろん、人間たちが用いる魔法とは多少系統が異なる場合もありますがね。

 とりすまして答える。 そんなゴンドとヘルムンスのやり取りにギャスパーが割って入る。
■ギャスパー To:ゴンド
 魔法論議はあとにして、話を聞かせてくれないか?
 それとも、ルゥミアさんだけじゃなくてウェストンさんまで連れてきて、あんたを説得して貰わないと駄目なのかい?

 ルゥミアがいることを、改めてゴンドに示す。
■コリューン To:ゴンド
 これ以上被害者を出さない為にも、お願いします。

■アンリ To:ゴンド
 う〜・・・言って減るもんじゃないんだから教えてよぉ〜。

■ゴンド To:ALL
 そ、それ以上近寄るんじゃねえ!

 ゴンドはそう怒鳴りながらじりじりと後ずさる。
■ゴンド To:ガンダルフ
 くそっ、このジジイ!あんたもグルだったのか!

■ガンダルフ To:ゴンド
 いや、そうわけではないのじゃが。

■アンリ To:ゴンド&ガンダルフ
 う?グルって何の話?

■ギャスパー To:ゴンド
 ゴンドさんよ、何をそんなにビクビクしてるんだい?
 話を聞かせてくれって頼んでいるだけだぜ?
 …「もう一人の目撃者」の話と比べるためにな。

 薄ら笑いを浮かべながら、ゴンドの方へ一歩近づく。
■ゴンド To:ギャスパー
 寄るなっつってんだろ!

■ルゥミア To:ギャスパー
 あ、あの………

■ヘルムンス To:ギャスパー
 やめなさいな、ギャスパーさん。

ギャスパーをとりあえず止めようとする。
■アンリ To:ギャスパー
 そうだよ、ギャスパー。
 威嚇してどうするの?その笑顔が怖いッつーか、怪しいよ♪

■ヘルムンス To:ゴンド
 すいませんね。彼は少々気が短いもので。
 まぁ、彼の気を静めるためにも話を聞かせてくれるとありがたいのですが。
 それとも、我々に話すとなにかまずいことでもあるのですか?

■ゴンド To:ヘルムンス
 化けモンがゴチャゴチャ言うんじゃねえ!ここは人間の村だ、出て行け!

■アンリ To:独り言
そんなこと言って、オレ達が『草原はオレ達のものだ!』とか言ったらキレるんだからわがままだよねぇ〜・・・


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ゆな<juna@juna.net>