SW-PBM Scenario #61B 目次

ブリキの食器


露店

 店を出てしばらく歩くと、露天のガラクタ市に出た。古物、日用品、食器、家具など、おおよそ食べ物以外はすべて揃いそうだ。
 ソフィティアは、早速それらしい品を扱っている露店を見つけた。
■ソフィティア To:アフル
あ、アフル、これなんかどうかな?こっちもおそろいにしちゃおう。

■アフル To:ソフィティア
うん。
ソフィのってどんなのだったっけ?

■ソフィティア To:アフル
えっと……(物色中)……。あ、これこれ、こんな感じのよ。

 ブリキの食器を手に取った。ソフィティアのと混ざると見分けが付きそうもない。
■アフル To:ソフィティア
ふーん、確かにこれだったら割れないし、あんまりかさばらなさそうだね。

 それを見た露店のあんちゃんが、目ざとく金額交渉開始。
■露店のあんちゃん To: お嬢さん
あ、それ 15 ガメルね。

■アフル To:露店のあんちゃん
15ガメル?
ちょっと、高くない?

■露店のあんちゃん To: ぼーず
何だ何だ、若けぇのにしっかりしてやがんなぁ……
いくらなら買うね?

■ソフィティア To:露天のあんちゃん
10ガメル!

 両手の 10 本の指を突き出してアピール。
■露店のあんちゃん To: お嬢さん
こっちもしっかりしてんねぇ…… いい嫁さんになるぜ。
ま、そーだな。勉強さしてもらって 13 ガメル位かな

■ソフィティア To:露天のあんちゃん
ん〜、でも今はやりのはこっちのタイプでしょ?置いてても売れないから、やっぱり10ガメルがいいところじゃない?

 隣においてある別の種類を引き合いに出して価格交渉。さすがは商人の娘。
■露店のあんちゃん To: お嬢さん
はは〜ん?さ・て・は、お嬢さん。玄人だね?
第一、最初から流行りじゃないの選んだんだから、それが欲しいんだろ?欲しいものを欲しい人に。適材適所ってヤツ?おれ達ゃそれでメシ食ってんの。お互い様だろ?

 何言ってるんだかさっぱりだけれど、同じ商売人には負けられないという迫力だけは伝わってくる。今回の商談では、ソフィティアの気迫負けらしい。
 彼女が気迫で負けるなど、非常に珍しいことではあるが……
■ソフィティア
うぅ、あんちゃんやるな。

■アフル To:露天のあんちゃん
ふーん、なるほど…
でも、ちょっとぐらい安くしても売れるほうが得するんじゃないの?

■露店のあんちゃん To: ぼーず
むむむ、ふたりがかりかよ?

 と、一瞬渋い顔をしたが、ふと何かに気が付く。
■露店のあんちゃん To: ぼーず、お嬢さん
あれ、ひょっとしてキミたち新婚さん?新婚さん?だって、おそろいの指輪なんかしちゃってさぁ。
……しょうがねぇなぁ。じゃ、大マケにマケて 11 ガメルでどーよ?

■ソフィティア To:アフル&露天のあんちゃん
「新婚さん?」だって。やっぱりそうみえるのかなぁ(*^^*)
ねね、新婚さんに見える?見える?

■露店のあんちゃん To: お嬢さん
やー、だってその指輪。揃いの指輪してるなんて、新婚さんだろ?こりゃお嬢さんじゃねーな。よっ、奥さん!

■アフル To: 露店のあんちゃん
あ…(^^;;
まだ、新婚って訳じゃないんだけど…
そ、それより、後1ガメルだけなんだし、思い切って安くならない?

■露店のあんちゃん To: 旦那
んー、しょうないなぁ。2 人の幸せのためだもんな。よっしゃ、10 ガメルにしといたろ!まいどっ!

 露店主はアフルの抗議を聞いてなかったらしい。
ソフィティアとお揃いのブリキの食器セットはこうして 10 ガメルでアフルの物になった。



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