- Diva the Soul Saver - 魂のディーヴァ

Chapter 4

砦の城壁

 ミュンがルタードの矢に《ライト》をかけ、ルタードがクロスボウを使ってそれをゾンビ達の中に撃ち込む。
 ルタードとラウルの矢でゾンビが一体ずつ倒されるが、再び「どん」という音とともに門が揺れた。
 と………ごろごろごろと砦の中から音がする。
■アディ To:ALL
 おまたせ〜

 アディが村人と共に運んできたのは、古ぼけたカタパルトだった。発射台には藁を丸めたボールのようなものが置かれている。
■バジル To:アディ
 うわっ、何だか年代物な武器だね

■アイシャ To:アディ
 ひゃ〜何それ〜?どうするの〜?

■ルタード To:アディ
 投石機ですか。何とか使えそうですな。
 その弾に火でも点けて打ち込みますかな?

■アディ To:ルタード
 う………言おうと思ったのに………

■アイシャ To:アディ
 アイシャも何か手伝える?

■バジル To:アディ
 あんまり力無いけど手伝える事あったら言ってね

■アディ To:ALL
 大丈夫!ちょっと危ないから、頭下げといてね〜。

 そういうと、アディは松明の火を藁のボールに押しつけた。ボールには油がしみこませてあったらしく、すぐに派手に燃え始める。
 そして、カタパルトのレバーを倒すと、火球は勢いよく飛び出し………

 どごーん

 と派手に(中に詰めてあったらしい)小石をまき散らしながら砕け散った。門の上の城壁に当って………
 (幸い城壁は壊れなかったようだ)
■アイシャ
 ひゃ〜!(すごい音なの〜。)

 「今のでみんなやっつけちゃったかも」などと、頭を下げながらアイシャは思った(そんなわけない)
■ポム
♪!♪!!!

 目の前で火球が爆砕し、ポムは驚いて尻餅をついている。
■アディ
 ………はれ?………おかしいなぁ………

■バジル
 う、うわっ!
 び・び・びっくりした〜

■アイシャ To:アディ
 ・・・?
 しっぱい?ねぇ、しっぱいなの〜?

■ルタード To:アイシャ
 ……城壁を狙ったというのでなければ、失敗なんじゃろうな。

■ミュン
 次撃って下さい!

■アディ To:ALL
 う〜………言い訳みたいだけど〜、一昨日藁の弾でやってみた時は上手くいったんだよ〜。

 言い訳がましく言い訳しながらアディが次の弾を装填している。
■アディ
 ………あ、石の分重くなってるの忘れてた………

 何やら呟いている。実はやっぱり失敗だったらしい。

 そんなこんなで弾に点火し、カタパルトは火球を撃ちだした。

 どーん

 今度は門を越えて、跳ね橋の上で砕け散った。
 直撃はしなかったが、爆散する小石に巻き込まれて十体ほどの亡者が倒れる。その一撃で、攻城槌(と言ってもただの丸太)二本のうち一本が、支えきれなくなって跳ね橋から転がり落ちた。
■バジル
 すごい!

■ラウル To:アディ
 うはーっ。少しくらい「古い」っつってもさすがだなあ。
 さっきはどうなるかと思ったけどよぉ。
 この調子なら、もう一発撃ち込みゃなんとか撃退できそうだな?

■ルタード To:ラウル
 いやいや、油断は大敵じゃぞ。

 クロスボウの第二射目を放ちながらルタードが言う。
■ルタード To:ラウル
 しかし、仮にここで亡者どもを一時撃退できたとして、わしらはそのあとどうすればよいのじゃろうの。

■ラウル To:ルタード
 そうさなあ。ここに立て籠もってるだけじゃあどうにもならないだろうが……。

 時々矢を外に撃ちながら相談。
■ルタード To:ラウル
 やはり、ディーヴァをどうにかして祠に持っていくのが正解なのではないかと、わしには思えるのじゃがの。

■ミュン To:ルタード&ALL
 僕もそう思います。ここままではきりがないです。

■バジル To:ミュン&ALL
 くさい臭いは元から絶たなきゃ駄目って言うしね。

■ラウル To:ALL
 ディーヴァを祠に持っていく、ってのは賛成だが、あの領主からどうやって借り出すかが問題だな……。

■バジル To:ミュン&ALL
 まずは何か手がかりが無いか、この砦の中探してみるよ。

■レイザ To:バジル
 じゃあ下がってな。この調子なら何とかなるだろう。

■アイシャ To:バジル
 あ、待って。アイシャも〜。

■レイザ To:アディ
 おーい、あと5メートルほど右だ。

 レイザが指した場所には、ポムのレクイエムで混乱状態になったゾンビ達がいる。
■アディ To:ALL
 うんわかった。みんな〜少し離れてね〜

 そう言うと、アディはカタパルトから火球を発射した。


ゆな<juna@juna.net>