| ≪ 夜中の騒動 ≫ |
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夜の甲板 |
不審な音を聞いて甲板に飛び出してきたリグとカナル。
外は真っ暗でほとんどまわりが見えない状態である。
甲板に行き、まわりをよく見ると、後方に1つの人影を発見した。
■カナル To:リグ |
……見張り……なわけないよな……。 |
■リグ To:カナル |
そうだね、誰だろう? 私達の知らない人なら、外から来た人だよね。 でも、それだったら見張りが見逃す分けないよね。 |
■カナル To:リグ |
さてね。 寝てるのかも知れないし、わざと見逃すことも……。 まったく、どうして俺達の仕事ってぇのは、こうも突発的な横槍にかきまわされるんだか。 こう言うことばかり続くと、さすがの俺も性格が悪い側に傾きそうだ。 |
■リグ To:カナル |
まあまあ、おさえて、カナル兄ちゃん。 |
そこへイスカが、息せき切って甲板に駆け上ってくる。
■イスカ To:カナル・リグ |
どうしたんだ! |
■カナル To:イスカ |
(ぉぃぉぃ、バレバレかよ……) イスカ、あの辺りに何か見えないか? |
と、音がした方を指すカナル。
精霊使いでもあるイスカが目を凝らすと、船から少し離れた位置に小船が浮いているのが分かった。
小船の上には数人の人間がいて、何か大きな魚のようなものを海から引き上げているところであった。
さらにその様子を見届けようとしていると、さきほど後方にいた人影がDWの目の前まで走ってきた。
■船員A To:DW |
おい、お前らこんな時間に何やっているんだ!? |
■イスカ To:船員A |
われわれは外が騒がしいから様子を見にきたんだ。 そちらこそ、いったい何を? |
■船員A To:イスカ、DW |
そんなに騒がしかったか…? ま、まあいい。 …マーマンがこの船を沈めようとしてきたんだよ。 まあ、このへんの海域ではよくあることなんだが…。 今、キースさんたちが退治しにいってくれているんだよ。 |
■イスカ To:船員A |
マーマンが? 大丈夫なの? |
■船員A To:イスカ |
…ああ。 あんたがたには明日頑張ってもらわなければいけないから、キースさんたちが気を使ったんだよ。 …ほら、もう戻ってくる。 |
船員が言った通り、小船はすぐに船へと戻ってきた。
キースとジェム、さらに大柄の船員がマーマンを一体かかえて甲板に登ってくる。
そして、DWの方を一瞥したあと、そのまま船内の方へと歩き出す。
キースたちが船内に入ろうとしたところで、仲間を呼びに行っていたスレイとばったり出くわす。
■スレイ To:キース、ジェム |
お、一体これは? ………どうやらマーマンのようですけど? |
スレイはマーマンの様子を見る。
大柄の船員にかつがれたマーマンはぐったりしており、少なくとも意識はないようだ。
■キース To:スレイ、ALL |
(一瞬びっくりしたあと、疲れたように) …あ、ああ、いきなりマーマンが襲ってきたんすよ。 船を沈められそうだったんで、退治してきたんす。 あんたたちには明日の仕事があるから、連絡しなかったんすよ。 というか、俺らも明日があるんで、これで休ませてもらうっす、失礼。 |
そういって、キースたちはスレイたちの横を通り過ぎる。
■カナル To:キース |
それはどうも。 (ふむ、笛の音とも関係があるかとも思ったが……思い過ごしか?) |
■スレイ To:カナル |
どうやらシェイドあたりで気絶させたみたいですね。 しかしマーマンが1体だけで行動をしたのですかね…? |
■リグ To:エイジン(船員A) |
ねえ、エイジンさん。 このマーマンはどうしちゃうの? |
■エイジン To:リグ |
あ… |
リグに話しかけられたエイジンは、キースの方をちらり見る。
すかさずキースが答える。
■キース To:リグ、ALL |
仲間を呼ばれるとやっかいなんで、しばらく倉庫に閉じ込めておくんすよ。 |
■カナル To:キース |
ずいぶん凶暴なマーマンだな。 |
■キース To:カナル |
こいつに限らず、この辺のマーマンはみんな人間をうらんでいるんすよ…。 ちょっと昔にずいぶんとマーマン狩りがありましたっすしね…。 |
■ガイア To:DW、ALL |
みなさん…突然どうしたの…?!!…キースさん、これはいったい!? |
そこに遅れてガイアも現れる。
彼女はぐったりしたマーマンを見て非難めいた声をあげた。
しかし、キースが先ほどと同様の話をしてガイアに説いて聞かせる。
■キース To:ガイア、ALL |
船の安全と、お嬢さんの望みをかなえるためにみんな一生懸命やっているんす。 航海をする上での危険分子は取り除かないといけないんすよ。 わかってくだせえ。 |
■ガイア To:キース |
…………。 ………分かった…ごめんなさい…。 |
ガイアがしぶしぶ納得したのを見届けて、キースたちは船の中へと降りていくのだった。
■スレイ To:ガイア |
ところでガイア、あの笛ってどこで学ばれたんですか? |