Sword World PBM #46 |
- Howl from Behind -
獣の声が聞こえる
午後1時…壊れた象牙 |
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賢者の学院 |
さて、こちらは賢者の学院である。
どういう施設かというと、賢者が学ぶところである。古代語魔術の研究をしている施設という話もある。
まあ、とりあえずそういうものをひとまとめにしたものだ。
オジイとアップルが受付に向かうと、20代後半くらいの若い魔術師が座っていた。
■オジイ To:男の人 |
どうもこんにちは。 はじめまして。 自分、最近この学院に通いだしたオジイっていいます。 こちらに、薬学講座のユーディート先生がおられると聞きましたもので。 よろしければお会いさせて貰えないでしょうか? |
■アップル To:男の人 |
ど、どうも・・^_^;;(ぎこちない笑み) |
どうも、アップルはインテリ系の人種が苦手らしい。
■男の人 To:ALL |
え? |
魔術士風の若い男は、なにやら半分くらい眼鏡がずり落ちた顔をこちらに向けた。
ちょっと、ぼーっとしているように見える………
■男の人 To:アップル |
あ、ああ、はいはい。ええと、オジイさん。女性なのにお爺さんとは、変わったお名前ですね。 |
………というか、半分寝ている。
■男の人 To:ALL |
ユーディート先生ですね。そこの階段を4階まで上がって、左に向かって歩いて5つ目のドアがユーディート先生の部屋ですよ。 |
■オジイ To:男の人 |
………あ、ありがとうございました……。 |
オジイとアップルは礼を言って受付を離れた。
ユーディート先生の部屋の前 |
ユーディート先生の部屋と思われるドアの前に到着。まあ、ドアのプレートに名前が書いてあるから間違いないだろう。
プレートの名前を確認すると、オジイはドアをノックし、声をかけた。
■オジイ To:部屋の中 |
すいません。 ちょっとよろしいでしょうか。 |
■部屋の中 To:オジイ |
うむ、良くないぞ。 |
いきなり身も蓋もない返事が返ってくる。
………そして、少し時間を置いてドアが開いた。
初老で学者風のオジサンである。
■おじさん To:オジイ |
交渉はまずノーから始めよ、という格言についてどう思うかねと訊ねたいところだが、実のところ先に訊ねるべきことがあるようだ。 何だね、君たちは。 |
■オジイ To:おじさん |
あ、どうも初めまして。私はこの学院で最近勉強をしているオジイっていいます。で、隣の女性がアップルリーフさんです。 ユーディート先生でいらっしゃいますでしょうか? よろしければ、先生の弟子のリーアさんについて少し教えていただきたいのですが如何でしょう? |
■おじさん To:オジイ |
む。 人にものを訊ねるときは─── |
振りかぶり
■おじさん To:オジイ |
───まず名乗りたまえ!! |
びしぃ。
………と指を突きつけてしばし硬直。
■ユーディート先生 To:オジイ |
フム………そういえば名乗られたような気がしないでもない。 リーア君はうちの生徒だが、彼女がどうかしたかね。 |
■オジイ To:ユーディート先生 |
いや、実はですねえ、最近彼女と知り合いになって色々話とかしているんですが、どうも悩みがあるみたいなんですよねえ。 で、ちょっと気になるんで、彼女のことを教えて貰いたいんですよ。 |
オジイは全く動じてない様子(実は本能が迅速に要件を処理をすべきと判断したのかもしれない)
■ユーディート先生 To:オジイ |
フム、なるほど。事情は理解した。 |
頷きながら、ユーディート先生はオジイとアップルを交互に見る。
■ユーディート先生 To:オジイ |
つまり知り合いというのは不適切な関係を示す隠語であり、そちらの可愛らしい娘さんとも新たに関係を結んでしまった結果、どうにかしてリーア君の弱みを握って別れ話に持ち込みたい、と行間を補完しつつ要約してみたぞ。 しかし、リーア君は明らかにそのような問題は苦手なタイプと思われるため、弄ぶだけ弄んで捨てるというのは感心はしかねるのだが。 |
■アップル To:ユーディート先生 |
ふぃっs☆ (顔を真っ赤にして) か、関係・・・・弄ぶって・・・・? |
しばらく俯き気味になった後、アップルは救いを求めるようにオジイを見上げた。
どーも、話に付いてきていないらしい(それが普通)
■ユーディート先生 To:アップル |
うむ。つまり、不適切な関係が不純に弄んだあげくに別れ話な感じなわけだが……… |
■オジイ To:ユーディート先生 |
違いますって。 ただの知り合いです! ねえ、アップルさん。 |
オジイが同意を求めると、アップルは即座にこくこくと頷いた。
■アップル To:ユーディート先生 |
はいっ。ほんっとに、ただの知り合いなんですよ! |
いや、そこまで力一杯否定しなくても………
■ユーディート先生 To:アップル&オジイ |
フム………。 まあ、そこはそれだ。私も学問の徒として、そのような仮説の元に議論を遂行することが効率的であるなら、一時的にその仮説に従うことにもやぶさかではない、というところか。 よろしい。以降、その仮説の下に話を進めようではないか。 |
■アップル To:ユーディート先生 |
・・最近・・リーアの様子が変なんです。 なんか元気なくって、時々考えこんだりして・・ 学園の先生でしたら何かご存じかと思って・・・・ |
■オジイ To:ユーディート先生 |
よろしければ、彼女がどんなことを学んでいるかってのと、最近変わった言動や行動がなかったか教えて貰えないでしょうか? |
■ユーディート先生 To:オジイ |
うむ、私は薬学講座の教授であるが故、リーア君が学んでいるのは薬学だ。このことは自明と思われるがどうだね。 |
■オジイ To:ユーディート先生 |
確かに自明の理ですなあ。 |
■ユーディート先生 To:オジイ |
言動に関しては30人そこらの生徒を抱えている身としては細かく観察しているわけではないのだが、特に変わった様子はなかったと思うが。リーア君は、もとよりあまり目立たない生徒であるしな。 |
■オジイ To:ユーディート先生 |
そうですか。なるほどー。 じゃあ、彼女を嫌っているもしくは逆に彼女を好きな人はがいるとか分からないでしょうか? あと、彼女と仲のいい友人とかも教えていただければと思うのですが。 |
■ユーディート先生 To:オジイ |
うむ。残念だが、私とて生徒の交友関係まで把握しているわけではないのでな。 だが、リーア君はあまり交友関係の派手な方ではないと思うぞ。 ふむ………なるほど…交友関係から攻めるわけだな………。 |
勝手に納得。
■オジイ To:ユーディート先生 |
なるほど……派手ではないと。 そういえば、最近連続殺人事件がありますよねえ。 なにやら物騒な世の中みたいで。 先生はそれについてはいかがお考えですか? |
■ユーディート先生 To:オジイ |
連続殺人?初耳だな。最近外の事情には疎くてね。 いやまてよ。つまりあれだな。 別れ話に首を縦に振らないリーア君を、連続殺人事件のどさくさに紛れて亡き者にしてしまおうという痴情のもつれな感じだな。 いや、皆まで言わなくていい。 君たち、ちょっとそこで待っていてくれるかね。今から警備員を呼んでくるから。 |
■アップル To:ユーディート先生 |
あぅぅ・・・(泣) わたしたち、ほんっとにそんな関係じゃないんです! 彼女が元気がなくなったのが、事件のことが原因だと思ったもので・・ 彼女の家、診療所ですよね? その分、こういったことに敏感なのかなって思うんです。 |
なんか言い訳っぽいのが怪しいです、アップル様。
■アップル To:ユーディート先生 |
なので、先生が何かご存じだったらって思って、お伺いしたんです。 リーアが元気になればいいなぁって思って・・ |
■ユーディート先生 To:アップル |
ふむ、これは失敬。君たちは極めて健全な友人関係であるという仮説のもとに話すことになっていたことを、忘れていたようだ。 ときに、リーア君の家というとクロムバード氏の診療所だろう。あそこは、検死などやらないと思うのだが。 |
■アップル To:ユーディート先生 |
そうなんですか? ・・ただ、両親が診療所なんかやっていると、「人の生き死に」とかに過敏になるんじゃないかと思います。 先生は、その・・クロムバードさん、リーアのご両親のことですけど・・何かご存じなんですか? わたしたち、彼女の親御さんにも相談してみようと思ってるんですよ。 彼女に勝手に相談すると、おこられちゃうかもしれないんですけどね。 |
■ユーディート先生 To:アップル |
フム、両親が診療所であることと、連続殺人が関連あるとは私には思えないのだが、まあそのようなこともあるのかもしれんな。 クロムバード氏は医者だ、というのは既知のようだな。実は直接面識はないのだが、非常に腕の良い医師だと聞いている。 だが、殺人事件の管轄ではないと思うぞ。どちらかというと、それは衛視隊の仕事のように思えるが。 |
■オジイ To:ユーディート先生 |
なるほど。 そうですなあ。 衛視の仕事というのはもっともですね。 それとあと、リーアさんの両親は直接面識はないとおっしゃいましたが、学院でリーアさんの両親と面識のある方はおられるんでしょうか。 それと、よろしければリーアさんの両親の専攻とかも分からないですかねえ。 |
■ユーディート先生 To:オジイ |
ふうむ、元々この学院出身の方ではないようだからな。事務手続きの時くらい顔を合わせている者はいるかもしれんが、その程度だと思うぞ。 |
■アップル To:オジイ |
そうですか・・・。 すいません。もうひとつお聞きしたいのですが・・、彼女が学院で学び始めたのって、いつぐらいからなんですか? 元気がなくなったのが、最近の話なので、直接は関係ないと思うんですが・・ ご存じでしたら、教えていただけないでしょうか? |
■ユーディート先生 To:アップル |
うむ、知らないぞ。 |
きっぱり。
■ユーディート先生 To:アップル |
私の講座を受けるようになったのはここ1年くらいのことだな。 |
■アップル To:ユーディート先生 and オジィ |
そうですか。ありがとうございます。。 あとは・・オジィはお聞きしたいこととか・・どう? |
■オジイ To:アップル and ユーディート先生 |
いえ、自分も聞くことはあらかた聞きましたねえ。 先生どうもお忙しいところありがとうございました。 |
■アップル To:ユーディート先生 |
ありがとうございました♪ |
■ユーディート先生 To:オジイ |
うむ。まあ頑張りたまえ。 認知問題に際して最も重要なのは、弁護士と戦う強い意志と、裁判所で涙を流す演技力ということを忘れないでおくことだ。 |
■オジイ To:アップル and ユーディート先生 |
分かりました。 戦う強い意志と、演技力ですね。 絶対に成功させてみせます。 ね、アップルさん。 |
どうも勘違い、というか実は当初からまともに会話が成り立ってなかった模様。
■アップル To:オジィ |
??? |
アップルもたぶん分かっていない。
■ユーディート先生 To:アップル |
うむ。君も、不誠実な男と付き合う時はタイミングが重要だぞ。つまり、遺産と慰謝料、どちらが得か決断するタイミングなわけだが。 遺産を選んだ場合は、私のような薬学に詳しい人間が助けになるだろうと言っておこう。 それでは、私は論文の執筆があるのでこの程度でいいかね? |
■オジイ To:ユーディート先生 |
あ、は、はい。 どうもありがとうございました。 アップルちゃんが自分に毒を盛ろうとしていたなんて……注意しなきゃ…… |
なにやら釈然としないものを抱えつつ、二人は部屋を出た。
■アップル To:オジィ |
・・・ねぇ、なんで遺産を選ぶと、薬学が必要になるの? |
部屋から少し離れたところで、アップルが訊ねる。
■アップル To:オジィ |
・・・・・・まぁ、いいや。 ところで、これからどうしたらいいのかな・・ とりあえず、ここから出てから考えようか? |
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