広間(ラボ?) |
ポムが警戒しながら隙間から顔を覗かせると、そこはちょっとした部屋(9*12mくらい)になっていました。
壁全体には棚が並べられており、それらには所狭しと言った感じでありとあらゆる薬の原料のようなものが並んでいます。そして………部屋の中央に置かれた手術台のような台の上には、半ば溶けかかった完全に腐乱した死体が一つ、比較的形の整っている死体がもう一つ。
そして、部屋の中には武装している直立した白骨が2体。うつろな表情の女性の、多分ゾンビと思われるもの−しかし、フランの進行具合からとてもゾンビに見えないもの−が一体。そして、おだやかな苦笑いを浮かべている40代くらいの男性………レクナムがいました。
■レクナム To:ポム |
いやぁ………あははは(^^;; やっぱり入ってこられちゃいましたね(^^;; |
■ポム To:レクナム |
あれ?レクナムさん どっから入ってきたんだ? |
ポムは町で偶然逢ったような口調で尋ねました。
■レクナム To:ポム |
はぁ………そこから。 |
いいながらレクナムは親指で自分の背後を指しました。
指された先には上へと通じる梯子がかかっていました。
■ポム To:レクナム |
そこにいる女の人ひょっとしてギャリーの妹? こんな体によくなさそうな所で何をしてるんだ? それに臭くない? |
■レクナム To:ポム |
それは、わたしが?それともこちらの人が? |
どうにも的が外れた返答です(笑
■ポム To:レクナム |
ふ、二人とも!(えっへん) |
ポムは何故か胸をはって答えます(笑)。
レクナムは自分の服の匂いをかぎながら答えます(笑)
■レクナム To:ポム |
うーん………特に匂いませんけどねぇ………腐敗臭が染みついてしまいましたかねぇ 彼女にしても腐敗が遅いので匂うこともないんですけどねぇ……… |
やはり、的のずれた言い合いを繰り広げている二人でした(笑
■ポム To:みんな |
おーい!レクナムさんがいるぞ |
続いて、他の仲間たちも順に入ってきます。
■ルタード |
やっ、バケモノづれが3体……何じゃ、これは!? |
■レクナム |
あ〜、皆さんでやってこられたんですか………ははは(^^; |
■アイシャ TO:レクナム |
あれ〜? |
■シーアン TO:レクナム |
思ってたより、早い再会だったな? |
■レクナム To:シーアン |
………えぇ、そうですねぇ………。 あまりお会いしたくなかったから、バリケードはっておいたんですけどねぇ(苦笑 |
■バジル |
そぉいう問題じゃ無いと思うんだよね… |
■ルタード To:レクナム |
それより、こんなところで何をしとるんじゃ? 返答によっては、レクナムどの、こちらとしても考えがありますぞ。 |
ポムシーアン達が話している間、ポムはルタードの影に隠れてこっそり竪琴を取り出しました。
■レクナム To:ルタード |
え?何をしているか、ですって?もちろん、研究をしているのですよ。 魔法の。 わたしは死霊術師(ネクロマンサー)ですので………学院では研究させてもらえないのでして……… |
■ルタード To:レクナム |
つまりは、不死の怪物を操ろうという、ろくでもない人間ということじゃな。 |
これを聞いてシーアンはグレートソードを構えます。
■レクナム To:ルタード |
怪物とは人聞きの悪い……… これ(キャリーの死体を指しながら)はわたしの助手になってもらっただけじゃないですか。 |
■ルタード |
完全にイカレとるわ……。 |
■アイシャ TO:レクナム |
お墓を荒らしたのはレクナムさんだったんだ。 |
ちょうどそのとき、後ろにいたバジルが部屋の中にいた骸骨を見ながら叫びました。
■バジル To:レクナム |
助手って…あれ? 後ろにいるのって、骸骨…?あ!スケルトンウォリアーじゃないか! |
■シーアン TO:バジル |
スケルトンじゃなくて、”スケルトンウォリアー”っつーのか? 名前からすっと強そーだな。 |
知らないと言う事は、時に幸せかも(^^;
■シーアン TO:レクナム |
(1つ2つ3つ・・・) 数が合わねーな。 荒らされた墓はキャリー、デイル、エイン、フェイの4つだった筈だ。 |
■シーアン TO:レクナム |
おい、どういう事だよ?1人足りねーじゃねーか? それとよぉ、ここに来れば”イールン”ってのにも会えるかと思ってたんだがな・・・。 |
■レクナム To:シーアン |
イールン?あ〜あ、あぁ。あの一番古い死体のことですか。とっくにもう使い終わったので処分しましたよ。 残った人の死体はそのクローゼットの中にありますけど。 |
■バジル TO:レクナム |
使い終わった・・・? |
ト書き:あまりの言葉に呆然とクローゼットを見つめます。
■シーアン TO:レクナム |
処分だと?・・・この野郎・・・。 |
シーアンは怒りをこめてレクナムを睨みつけます。
■ミュン To:レクナム |
もしかして、その人達は病死ではなくて、死霊術の実験の為にあなたが殺したのですか!? |
■レクナム To:ミュン |
………は? |
ミュンの絶叫に対し、レクナムはしばらくぽかんとした表情を浮かべていました。
が、すぐに気を取り直したか、言葉を続けてきます。
■レクナム To:ミュン |
全くもって、人聞きの悪い………。 死霊術を研究しているからといって、何でわざわざ人を殺さないといけないんですか。 死霊術をかけたのは事実ですけど、この方(キャリーのゾンビを指しながら)は病死したことは間違いありませんよ。 |
■バジル To:レクナム |
ちょっと待って、ねぇ、肝心な事を聞いても良い? あなたは、医者でこの村の人達の為に一生懸命働いていた、というのは本当だよね? 死霊術師(ネクロマンサー)という職業はあまり気持ちの良いものでは無いけど、それをやる事であなたは誰かを傷つけてやろうとか考えていた訳ではないと思って良いの? |
■レクナム To:バジル |
だから………なんで、わざわざ人を傷つけないといけないのでしょう?(^^;; 死霊術の研究の一環としてわたしの調合、開発した薬を治療時に飲んでもらっていたことは事実ですけどね。 |
■バジル To:レクナム |
開発した薬って…その人の為の薬では無いんでしょう? レクナムさんの都合で飲ませたって事だよね。 その結果、死んじゃう事だってあるんじゃないの? |
■レクナム To:バジル |
さぁ……… まぁ、でも彼女の病はもはやどうしようもないくらい進行していましたからねぇ………延命効果の期待できる薬を服用してもらっただけですが………。 |
そこまで聞いていたシーアンやルタードはとうとう堪忍袋の緒が切れたようです。
■シーアン TO:レクナム |
ヒーラーとしてのあんたは立派かもしれねぇが・・・。 ネクロマンサーとしてのあんたは・・・。 自分の実験のためなら、死者に対する”礼”や”想い”ってのはどーでもいーのものなのか?! |
■ルタード To:レクナム |
亡くなった者に対する冒涜の極みじゃぞ……。 |
■レクナム To:シーアン |
皆さんそういいますねぇ……。私の師匠もそういってましたし。 でも、死体ですよ?単なるタンバク質と炭素の塊なんですよ?もはや意識も感情も何も、本能すらもたないんですよ? それに、私の研究は非難されるものでもありますまい?この世の生きとし生けるもの、全てが恐れる対象を克服しようと研究してるだけですよ。 なぜに、非難されるのでしょう?止めますか?わたしを。 |
■シーアン TO:レクナム |
あんたの意見が通るか、表へ出て村人全員の前で白状してみるか? 来いよ、おらっ! 自分が正しいと思ってんなら、こんな所で隠れてやるこたねーだろーが? |
シーアンは掴みかからんばかりの勢いです。
■ルタード To:レクナム |
良識と倫理性という、研究者に必須の資質が完全に欠如しとるようじゃな。 不肖の弟子を、師匠どのはさぞ嘆かれておるじゃろうて。 |
■バジル To:レクナム |
あなたのしている事は、沢山の人の心を傷つける行為だよ。 妹のそんな姿をみたら、ギャリーだってとても悲しむよ。 あなたは人を愛した事は無いの?誰か大切に想っていた人は? 大切な人の姿をした者が、物扱いされているのを見たら心が痛まないの? |
■ポム To:レクナム |
なんでそう言えるんだ? 死んじゃったって、その人はその人なのに 死体はレクナムさん自身じゃないだろ? どんな事も黙って本人の許可無く勝手にやったら、非難されるのに決まってるじゃないか |
■レクナム To:ポム |
精神がその体に存在しなくなった時点で、もはや単なる物質、ひいては単なる土塊と帰していると思いますがねぇ……… |
■シーアン TO:レクナム |
例え土塊だったとしても、それに想いを寄せる人がいるんだ。 あんたが自由にしていいものじゃねーんだよっ! |
■レクナム To:シーアン |
むぅ、ネクロフィリア(死体愛好者)ですか………申し訳ありませんが、私は逆にそのような趣味は理解できないもので…… |
やっぱり論点がずれていたりします(笑)
■ポム To:レクナム |
あたしの身体はあたしのモノだ あたしは許可無く勝手に研究されたら死体だったとしても不満だぞ それが親しい人や信じてた人にやられたら悲しいぞ レクナムさんは自分が材料にされたら嬉しいのか? 本当に何にも感じないのか? |
レクナムはやれやれ、といった感じで頭を振りつつひとりごちています。
■レクナム |
ふぅ………ゝ(´ー`)ヽ 最も合理的な考え方はいつの時代も受け入れられませんねぇ……… 死を克服しさえすれば、何も恐るることなく生きていけることでしょうに………。 それにもはや、姿ではなく心だと思うのですがねぇ。 姿など個体を認識するためのものに過ぎますまい。 |
一旦レクナムは言葉を切り、今度は一行に向き直って答えてきました。
■レクナム |
わたしは争いは好まないんですけどねぇ………。 まぁ………今更言うのもなんですけど………黙っていてもらえません?(^^; |
■シーアン TO:レクナム |
それは出来ないな。 俺達は墓荒らしの原因を突き止め、再発防止をしなきゃならねーからな。 あんたこそ、「これからはしません」って約束出来ないのか? |
■レクナム To:シーアン |
それは申し訳ありませんが、無理な相談というものです。 60年の歳月をかけて、今ようやく理解しつつある不死の魔術を極めるまでは、この研究を止めるわけにはいかないのですよ。 |
■アイシャ TO:レクナム |
…合理的だとか、ほんとはどうでもいいくせに。 ただ、自分がそうしたかっただけでしょう? 自分のしたい事のために人を犠牲にしてるだけなの〜。 レクナムさんの事を信じてる村の人達の事だって騙してるのと同じだよ〜。 死は誰にでも訪れるものだよ。不死な人なんて人じゃないもん。 それに、死なない事と生きてる事は同じじゃないよー。 安らかになった人達に、ひどい事するなんてひどいですーー! |
■レクナム |
では、しょうがないですねぇ……… むやみやたらに犠牲者は出したくないのですが………申し訳ありませんが、しばらく、しばらくで良いですから黙っててください。 |
というわけで、案の定(笑)戦闘に突入することとなりました。