銀の網亭 |
それから二日後の夜、一行はなんとか依頼を終え、銀の網亭に戻ってきていました。
晩ご飯のピークも過ぎて銀の網亭は比較的すいていました。
一行を見るとすぐにおやじが笑顔で話しかけてきました。
■おやじ |
おぅ、おかえり。 どうだった? |
それに対するルタードの返事には、どうにも元気がありません。あらためて顛末を人に説明する気には、進んではなれないのでしょう。
■ルタード To:おやじ |
どうもこうも……ですな。 とりあえず、火酒でも一杯いただけますかの? |
酒でも飲んで、勢いでもつけないとということでしょうか。
■おやじ To:ルタード |
おぅ………(しばらくして) はいよ。 それにしてもどうした?珍しく元気がないようだが。 |
■ルタード To:おやじ |
依頼の仕事は一応達成したことにはなっとりますが、今回、わしらは結局誰も救えなかったような気がしておるのですよ……。 |
■おやじ To:ルタード |
そうか……… まぁ、あまり詳しいことは聞かないでおくよ。 今の火酒はおごりだ。ちったぁ元気を付けてくれ。 |
■バジル To:ルタード |
…とりあえず、村長さんはきっと安心しているよ。 それにしてもお酒を頼むなんて珍しいね。 あ、本来その方が普通なのかな? |
■ルタード To:バジル |
まあ、わしでも酒が飲みたくなることはあるさ。 それに、別に酒が嫌いなわけでもないしの。 |
■シーアン TO:ルタード、おやじ |
俺も付き合うぜ。 おやじ、強いの頼む。 |
■バジル To:ルタード |
これがドワーフの身体に流れているって言われている火酒か〜 ちょこっとなめてみても良い? |
■ルタード To:バジル |
よいけども、気をつけないと、けっこうくるぞ。 |
■バジル To:ルタード |
ん。ぺろっとひとなめするだけだから…。 |
バジルは酒を受け取ると、ほんのすこし口に含んだ途端咽込みました。
■バジル To:ルタード |
△■×○!? うへ〜これって本当に飲んでいいものなの!? 僕にとっては、既にくるとこないとかってレベルじゃ無い気がするよ |
■ルタード To:バジル |
これでもかといわんばかりの酒精の濃さじゃからな……。 あ、申すまでもないが、わしの身体にはこんなものは流れとらんからの。 |
■アイシャ To:ルタード |
えっ? あ、ううん。なんでもないの〜^^; (……違う種類なのかな?) |
■ポム To:おやじ&ミュン |
あたしには果実酒を頼む〜(ぺちぺち) それと肉のパイがいいな…ルタードの分とみんなの分もいるかなミュン? |
■おやじ To:ポム |
あぁ。果実酒ならそろそろ飲み頃のがあったな……… はいよ。ヤマブドウをつけ込んだヤツだ。………これもおごりだよ。味見も兼ねて飲んでくれ(^^; ミートパイはタイミング良かったな、さっき出来たのがあるよ。ほら。ゆっくり味わいな(^^ |
■ポム To:おやじ |
ありがとう、おやじ♪ なんか運がいいぞ♪ |
■ミュン To:ポム&おやじ |
そうですね どうせなら、樽ごともらいましょう。みんな飲むでしょうから。 |
■ポム To:ミュン |
やった♪さすがミュンだぜ♪ |
■おやじ To:ミュン |
ほほぅ、ずいぶん気前が良いな。 さすがはパーティーの財布ってところか(笑 |
■ポム To:おやじ |
あっ!そうだ(ポン) アイシャの分のジュースも頼む〜(^^; |
黙々と飲んでいたシーアンだったが、この言葉にビクッとして、顔をあげました。
■シーアン TO:おやじ |
そ、そうだ。おやじ、アイシャに酒はマズイ(^^;;;。 |
■おやじ To:ポム |
あ、そうだったな(^^; ………ほら、今度はヤマブドウのジュースなんかどうだ? |
■アイシャ |
う、うん?(みんな、なんかヘン…何かに怯えてる??) |
けげんそうな顔をしているアイシャに慌ててバジルがフォローしました。
■バジル To:アイシャ |
ヤマブドウ漬けちゃうよりそのまま絞った方がきっとおいしいよね!!僕もそれ貰おうっと |
■アイシャ To:バジル&おやじ |
え、うん、そうだね。えっと、いただきま〜す♪ …ほんとだ、おいしい〜♪(にこっ) |
後味悪い結果であってもポムの食欲は健在のようです(笑)
■ポム To:ルタード |
冒険してれば色んな事あるよルタード あたし達は今回もみんなで食べ物食べれる〜お酒も飲める〜 報酬はあるし、成功したって事じゃないかぁ♪(ぺちぺち) あんまりめそめそ悩んでるとルタードの分も食べちゃうぜ♪ なぁ、バジル♪(にやりん) |
■バジル To:ポム |
そうそう♪このミートパイ絶品だもんね。これって人数分に切っちゃったのかな〜 |
■ルタード To:ポム |
ふだんでも、ちょっと目を離すとひとのに手を出しかねんくせに(笑)。 ……ま、確かに悪いことばかりでもなかったかな。 ポムどのの言うとおり、こうしてみんなで無事戻ってきたのだし、あまりに深刻に構えるのも心と体に毒かもしれんの。 |
■バジル To:ルタード&ポム |
本当に…。戦ってる時にポムの顔が青くなってきちゃってどうしようかと思ったよ。 とりあえず何事も無くて良かったよね。 |
■ポム To:バジル |
うにに〜。そうだよな、バジルやアイシャも火傷でヤバそうだったし… あんなの二度とごめんだな(^^; |
といいつつ果実酒を一口
■アイシャ To:ポム |
ほんとなの〜。 |
ポムの言葉にうなずいているようです。
■シーアン TO:みんな |
俺達が依頼を引き受けてからの犠牲者は出なかったわけだしな・・・。 犠牲になった彼等も・・・今は心安らかだと思いたい。 何より、俺にとっては仲間が無事で良かったよ。あの地下室で変な骸骨戦士と戦ったときにゃ、ちょっとヤバイものを感じたからな・・・。 |
■ポム To:バジル&みんな |
に、このヤマブドウの果実酒けっこういけるぜ 元気なあたし達にカンパイ♪カンパイ♪ |
ポムの掛け声に合わせ乾杯し、ようやく場の雰囲気が和んでくるとシーアンはある事を思い出しました。
■シーアン TO:ルタード |
そういや、あの時はふんづけて悪かったな(^^; 起すのに、とっさにあれしか思いつかなかったんだ。 |
■ルタード To:シーアン |
ん、ああ、あれはやはりシーアンどのが踏んづけたのでしたか。 別に気にしとりゃしません……というか、あそこで眠り続けていたら、そのままブラキ神さまの身許に行ってたかもしれませんしな。 まあ、酒樽を蹴とばしたくらいにでも思ってて下さい(笑)。 |
■バジル TO:ルタード |
やっぱり割れるとお酒が流れ出てくるんだ… ん?何でも無いよ、何も言ってないってば。 |
一行はそれからかなり遅めの晩ご飯をとりました。
数日ぶりに食べる銀の網亭の食事は村長が作ってくれたものとはまた別の味があるようです。
食事が終わって一息ついたところで………
■アイシャ To:ポム |
…ポムの歌と演奏が聴きたいな。元気になれそうな曲を〜(にこっ) |
■ポム To:アイシャ |
任せろアイシャ♪ みんなで踊りたくなるヤツいっちゃうぜ♪ |
ポムはぴょんと椅子から飛び降りるとタンバリンを取り出して、みんなの前で元気よく歌い出しました。テンポよくタンバリンが打たれ、かなりノリノリな曲です(笑)。
■アイシャ To:ポム |
とってもポムっぽいの〜(にこっ) |
いつもポムの明るさにホッとするアイシャだった…。
みんなが一息ついて部屋に戻り始めた時に、おやじがふと思い出したように店の奥の方に下がりました。
すぐに戻ってきましたが、その手には一通の手紙が握られていました。
そして、最後に部屋にあがろうとしていたシーアンに声をかけました。
■おやじ To:シーアン |
悪いな、邪魔して。 ほら、お前宛に手紙が来ているぞ。 |
それはシーアンの故郷の友人からのものでした。
シーアンはちょっと怪訝な顔をした後、それをポケットねじ込み、後で読むことに決めました。
シーアンの様子にちょっと不安を覚えたようです。
■シーアン TO:おやじ |
あ、俺からもおやじに渡すものがあるんだ。 ほらよ。ハーブの種いろいろだぜ。村長さんにもらったんだけどよ、俺が育ててる暇なんてねぇだろ(笑)? おやじにやるよ。 |
■おやじ To:シーアン |
おぉ、ずいぶんたくさんあるなぁ。悪いな、有り難くもらっておくよ。
まぁ、その表情からするに何かあったんだな。いや、読んでないから知らないけどさ。 |
このあと、シーアンは部屋に戻ってからあらためて手紙を開きました。
それは間違いなく故郷にいる友人からのものでした。具体的なことは書かれていなかったものの、どうやらトラブルに巻き込まれていて、シーアン を頼って手紙を書いたようです。翌朝になって、アイシャや仲間に事情を説明し、「すぐ解決して戻ってくるから………」そう言っておやじの好意で馬を借り、早駆けで故郷のパルマーへと旅立ちました。
オランをでる直前、見送りに来たアイシャに「(俺がいない間)浮気すんなよ(笑)」と一言残し、軽くキス去っていったようです。 仲間達が遠くからそれを見ているということにも気づかずに(笑)
後ほどそれに気づいたアイシャの反応は想像にお任せしましょう(笑)
それから |
数日後、一行が銀の網亭で屯していると、見知ったパーティーが別の卓で同じように屯しているのに気づきました。
そのパーティーは間違いなく、ロウン村で会った例のパーティーでした。どうやら彼らも銀の網亭を根城に活動している冒険者のようです。
再び険悪な状況が再開されるかと思われましたが、互いに少しずつ歩み寄ったようです。互いに解決した依頼について話せる範囲で話し合い、少しは分かり合うことが出来たようです。
こうして銀の網亭は、いつもと変わらぬ平和な一日がすぎていきました。それからさらに数日後のこと………、野暮用があって賢者の学院で調べ物をしていたミュンは、図書館のカウン ターに置かれていた学院名簿に何気なく目をやりました。
記載されていた名前や年代から判断するに、かなり昔のもの……少なくともミュンの師匠の代よりさらに前のもののようでした。
それぞれには学院在籍中の功績から学院を辞めるに至るまでの経緯等(卒業、中退、退学等々)も記載されていました。
そこに一つ、たった一つ目を引いた名前がありました。「レクナム・オーセン 禁呪の死霊系魔法に手をつけたため、中途退学」と。
冒険のまとめ今回のパーティーはロウン村から報酬で8000ガメルの収入がありました。
さらにかなり前にブラックモアからとった依頼料のうち、1000ガメルがまだ残っていたので、計9000ガメルを頭割りして一人1500ガメルずつわけました(ただし、当時いなかったバジルはクローリスの分を預かっておく)。
経験点は2520点(+各自の1ゾロ分)。ラスボスのレクナム及びにスケルトンウォリアーが5レベルであったことと、ワイトが二匹でたからというわけです。
ちなみに依頼料の代わりに魔剣が入る予定ではありましたが、手に入る条件が厳しかったためにいらなくなったようです(笑)