SW-PBeM Scenario #31
かなしみのおやこ
第1章 依頼決定

その子どんな子?

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銀の網亭  個室にて


 おやじはそう言うと部屋から出て行った。

 しばらくして……ドアが軽くノックされ、おやじと……少年が一人部屋に入ってきた。
■ From:おやじ To:少年
 ほら、こいつらがおまえさんの話を聞きたいそうだ。

 部屋の中に入ってきた少年。
 ちょっとこざっぱりとした服をきた、なかなか利発そうな子である。
■ From:少年 To:ALL
 あ、あのぉ……冒険者の方ですね!!
 お願いっ!!おねぇちゃんを……おねぇちゃんを助けてくださいっ!
 僕のおねぇちゃんが大変なのっ!あと1週間で……

■ From:おやじ To:少年
 おいおい。少し落ちつきなって。
 ほら、おまえ今日1日ずーっと寝てて何も食べてないだろう?これ食べながら……ゆっくり皆に説明するがいい

 と、少年の前に甘く味付けをしたオートミールを置いた。
■ From:おやじ To:少年
 少し落ちついたか?
 なら、まず自己紹介から言って、そしてお前さんが依頼したい内容をゆっくり話すんだぞ。

■ From:おやじ To:ALL
 じゃ、オレは店の方に戻るが……何かあったら声かけてくれよ。

 そう言い残すと、おやじは部屋から出て行った。
■ From:少年 To:ALL
 あ………

 みなさん、はじめまして。ボク、カロリック村のミトラです。
 えと、ボクのおねぇちゃんを助けてもらいたくって、勇者様……冒険者の方々にお願いにきました。

■ From:オジイ To:ミトラ
 初めまして。よろしく。
 オジイっていうんだ。オジイのおじさんだね。
 で、こっちから、ノエル、アトール、ヘルムンス、ソフィティア、アフルだよ。
 覚えきれないかもしれないけどね。

■ From:ソフィティア To:ミトラ
ミトラくんね。よろしく(^^)

■ From:ミトラ To:オジイ&ソフィティア
 初めまして(ぺこり)

 オジイはそういいながらミトラの隣に歩み寄り、かがんでからゆっくりと手を差し出した。
 ミトラは、その大きくて暖かい手をぎゅむ、と握る。
■ From:ノエル To:ミトラ
 お姉ちゃんのこと、詳しく教えてもらえる?
 あと1週間でどうなるのか・・・。そもそも、今どういう状況なのか。 (ノエルの位置、ミトラの横。少なくとも真っ正面から尋問するような位置では ないです。)

■ From:ミトラ To:ノエル
 んと‥‥

 今日から‥‥いち、にぃ‥‥(と指を折って数えている)7日前に、おねぇちゃんを生贄にだせって村に‥‥‥矢‥‥なんていうのかな?んとお手紙が届いたんだ。
 で、村の大人達が書いてあるからって、ボクのおねぇちゃんの事生贄にするって決めて‥‥
 おねぇちゃんの事助けたい!!っていっても、大人達、助けないって言うから‥‥ボク、勇者様なら助けてくれる!って思って、街まできたんだ。

 あ、お礼とかもちゃんと準備したよ。
 ここには持ってきてないけど‥‥ボクのおかぁさんの形見の宝石が家にあるから‥‥
 おねぇちゃんの分じゃなくって、ちゃんとボクの分の形見の宝石だから、ちゃんとお礼として差し上げれます。
 あと、「てつけきん」だっけっか?「じゅんびきん」かな?
 お家からお金持ってきたから‥‥これで準備してきてくださいませんか?

 ミトラはそう言うと、テーブルの上に皮袋を置いた。
 中には300ガメル入っている。
■ From:ヘルムンス To:ALL
 生贄、ですか。それはおだやかではないですね・・・。

 ヘルムンスは皆の反応を確認するように辺りを見回した。  それに呼応してオジイがうなずいた。
■ From:オジイ To:ヘルムンス
 ええ、おだやかではなさそうですね。

■ From:ノエル To:ミトラ
 お姉さんは、生け贄にされるのに同意しているの?それとも、大人の人たちに無理矢理?今はどうしてるの?
 ミトラ君のおとうさんは反対しなかったの?

■ From:ミトラ To:ノエル
 おねぇちゃんは‥‥自分が犠牲になって、そして村が助かるならば良いって言ってるんだ(TT)。
 ボク、そんなのいやだよぉ(TT)
 村の大人達は、おねぇちゃんが納得してるから、安泰だって言ってるし‥‥そんな、誰かが犠牲になっての「平和」だなんて、嘘っぱちだと思うんだ。ボク。

 あと‥‥お父さんの事だけど。
 お父さんも、お母さんも‥‥ボクが赤ちゃんの頃に、獣に襲われて‥‥だから、ボクおねぇちゃんとじぃちゃと暮らしてるんだ‥‥。
 お父さんが生きていたら。おねぇちゃんの事助けてくれたかなぁ?
 おねぇちゃんの事、守ってくれたかなぁ‥‥?

■ From:ノエル To:ミトラ
 そりゃ、誰よりもかわいい自分の娘だもの。
 絶対助けるわよ。今、ミトラ君がしているようにね。

■ From:ヘルムンス To:ミトラ
 お姉さんが生贄にされてしまうのは、このままだといつになってしまうんですか?

■ From:ミトラ To:ヘルムンス
 んと‥‥(と、また指折り数え出す)あと‥‥1週間かな?
 だから、なるべく早くおねぇちゃんを助けたいんだ‥‥

 今日より1週間後とは、ちょうと新月の夜にあたる。
 どうやら、新月の夜がその生贄の日らしい。
■ From:アトール To:ALL
 この子の言うように、あんまり時間がないな。

■ From:オジイ To:ミトラ
 あと、カロリック村だっけ。その場所とか何人ぐらいすんでいるのかとかもね。

■ From:ミトラ To:オジイ
 村は‥‥う〜〜ん何人だろう?50〜60人ぐらいかなぁ?
 ここまで歩いて2日かかりました。途中、冒険者のお兄ちゃん達にオランまでついてきてもらったから‥‥また、行くとなると2日かかると思います。  カロリック村の場所は、オランとパダの中間ぐらいだって、お兄ちゃん達がいってたよ。

■ From:ノエル To:ミトラ
 その冒険者のお兄ちゃん達は助けてくれなかったの?
 途中で引き返した方が早いじゃない。

■ From:ミトラ To:ノエル
 うん。僕もそうお願いしたんだけどね‥‥‥(しゅん、となって)
 そのお兄ちゃん達、お仕事でパダからエレミアに行く途中だったんだって。
 だから、おねぇちゃんのこと助けてあげられないって‥‥
 でもね、でもね。街道近くでボクが狼に襲われていたときに助けてくれたんだよ!

 あと、「勇者様」を探すなら、パダにいくよりもオランのほうがいっぱいいるって教えてもらったんだ。
 だから、ボクそのお兄ちゃん達と一緒にオランにきたの。

 でも‥‥それで時間いっぱいつかっちゃったから‥‥やっぱり、無理してお願いしてお兄ちゃん達にきてもらったほうがよかったかなぁ(TT)
 ボク、お仕事邪魔しちゃだめだって思ったんだけど‥‥(TT)

 ちょっと感情が噴出してきたのか、後半は半べそになりかけている。
■ From:アフル To:ミトラ
 ちょっとまって。
 その、いけにえを差し出せって言ってきたのってどんなやつらかわかる?

■ From:ミトラ To:アフル
 どんな奴らなのかはボク知らないんだ。
 大人達に聞いても誰も教えてくれなかったし‥‥

 みんな魔物魔物って言ってたぐらいしか、わからないの。ごめんなさい(TT)

■ From:ノエル To:ミトラ
 あと、なんのための生け贄なのかね。

■ From:ミトラ To:ノエル
 村の大人達は「村を救うための生贄」って言ってたけど‥‥
 どんなふうにされるのかは‥‥大人達に聞かないとわかんないと思う。
 じぃちゃも教えてくれなかったし‥‥(しゅん)

■ From:アフル To:ALL
 生贄を要求するような魔物かぁ…。
 それで、矢文を使うぐらいの知恵はある…。
 なんか、心当たり無い?

ミトラは、首を横に振るばかりだ。
■ From:ヘルムンス To:アフル
 人に生け贄を要求するほど悪賢い魔物なら、文字を矢文にしたためるくらい考え付いたとしても不思議はないですね。
 もっとも、具体例となるとわたしも不勉強なのでちょっと思い浮かばないですが。(^^;

■ From:ノエル To:アフル
 今から生け贄を要求することがあってかつ矢文を使う魔物に限定するのは危険かもしれないわね。
 例えば、生け贄を要求するような魔物に襲われた人が、その魔物のふりをして矢文を出して、自分の身近な人ではなく見知らぬカロリック村の人に犠牲になってもらおうとしているとか。

■ From:アトール To:ALL
 それはいえてますね。
 時間もなさそうだし急ぐ必要があるでしょうね。


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