Sword World PBM #25

「天使のつるぎ」



幸せの木




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「銀の網」亭
 オランの町中にある冒険者向けの酒場兼宿屋『銀の網』亭。元冒険者の夫婦が営んでいるこの店は、年に数度のにぎわいを見せようとしていた。この時期になると、冒険者達は示し合わせたかのように店に集まってくる。
 命を預けられる仲間と、命を預けてくれる仲間と、それに相応しい冒険を求めて。
「銀の網」亭・カウンター
 銀の網亭に、眼帯をした女性が入ってきて、カウンターに向かってきた。
 数ヶ月前からこの店に出入りするようになった女戦士だが、店のおやじにとってはすでに顔なじみだ。
 彼女の名前はソフィティアという。
■ソフィティア To:おやじ
 おじさん、こんばんは。さっき来たけど開いてなかったよ(^^;
 まぁ、前もこの時期になるとごった返してたから無理もないか(^^;
 おじさん、ご苦労様。

■おやじ To:ソフィティア
 すまんすまん。ちょっと下ごしらえの確認していたら、店をあけるのがおそくなっちまったんだよ。

 ソフィティアとほぼ同時に、マイリーの神官であり前回の依頼からパーティを組んでいるノエルが入ってきた。彼女もソフィティアと同じようにカウンターにつくが、まだお互いに気付いていないらしい。
■ノエル To:おやじ
 おやじさん、私前に一緒だったメンバーと待ち合わせしているんだけど、だれかもう来てないかしら?
 確か7番テーブルって言っていたはずなんだけど。
 ところで、このお店で一番高いボトルっていくらぐらいするの?あまり飲まないからお酒の値段ってよくわからなくて。

■おやじ To:ノエル
 ほい、いらっしゃい。
 ………?

 ―――と言ってみたものの、実は彼女がすぐにノエルだとは分からなかった。
 ノエルは髪をすっかり剃り上げてしまっていたのである。
 かろうじて、マイリーの神官服にメイジスタッフという珍しい取り合わせのおかげで、ノエルだと分からないでもない。

 おやじは、一瞬記憶をたぐってから、少し遅れて理解し、答えた。
■おやじ To:ノエル
 おう………ノエルか。仕事御苦労さんだったな。
 この店で一番高い酒なぁ………うーん、二・三種類見繕うか?

 おやじが酒の並んでいる棚を眺めながら首を傾げる。見繕うと言っても、そこに並んでいるのははっきり言って安酒ばかりだ。

 と、そこでノエルとソフィティアは、お互いに店に来ていることに気付いた。
■ノエル To:ソフィティア
 あぁ、ソフィー来てたのね。
 待たされたんですって?
 美味しいお料理作るのに忙しかったんでしょう、きっと。

■おやじ To:ノエル
 すまんすまん。………っと、二人揃っていじめんでくれ。

■ソフィティア To:ノエル
 まぁ、前もこの時期になるとごった返してたから無理もないか(^^;
 おじさん、ご苦労様。

■ノエル To:ソフィティア&おやじ
 そのかわり、腕によりをかけたお食事出してもらえるのかな(^^)?

 ノエルは、期待をこめつつ、少し意地悪そうな目でおやじを見ている。
■おやじ To:ノエル
 おう、任せとけ。

 他の冒険者の注文で酒をカップに入れながら、おやじは顔だけこちらに向けて答えた。もはや忙しいの一言で済むような状態ではなさそうだ。
■ソフィティア
 さてと、待ち合わせしたみんなは来てるかなぁ? 7番テーブルで待ち合わせって事になってるからちょっと、見てくるわ。
 っと、その前にエール一杯もらっていくわ。

■おやじ To:ソフィティア
 ん、エールだな。

 棚からジョッキを一つ取り出しつつ、おやじが答えた。
■ノエル To:ソフィティア
 よろしくね。私はもう少しこっちにいる。

■ソフィティア
 ところで、テーブル勝手に使ちゃって良いのかしら?

■ノエル To:ソフィティア
 たぶん大丈夫でしょう。
 私なんてこないだ来たときはあいさつするのも忘れて真っ先に座ってたわ(苦笑)
 おやじさん、あのときはわるかったわね(^^;

■おやじ To:ノエル&ソフィティア
 ん?あのときも忙しかったから、俺もよく覚えてないぞ(^^;
 ほい、エールだ。

 ソフィティアの前にエールの入ったジョッキが置かれる。
■おやじ To:ソフィティア
 7番テーブルなら、今だれも使ってないから自由につかっても構わんよ。

■ソフィティア To:ノエル
 じゃぁ、わたしは先にテーブルに行ってるから またあとで会いましょう。

 そう言い残して、ソフィティアは7番テーブルへ。
■おやじ To:ノエル
 それにしても、おまえさんが酒を注文かぁ………(と頭を見て)何かあったかしらないが、ま、がんばれや。

■ノエル To:おやじ
 今飲むんじゃなくて、前の仕事にホントの意味でけりつけたらみんなであけようかと思って(苦笑)。

 話を聞いて、おやじは頷いた。
■おやじ To:ノエル
 そうか。ならば"高い"ヤツじゃなくて"良い"酒を探しておくよ。

■ノエル To:おやじ
 ありがとうございます。

■おやじ To:ノエル
 前のメンバーと待ち合わせしてると言ったな。メンバーは前と同じか?

■ノエル おやじ
 それがね、ルディが一度自分の森に帰るってパーティー抜けてしまったの。だれかいい人いたら紹介して下さいね。

 ふむふむとおやじが頷く。
■おやじ To:ノエル
 じゃあ1人仲間を募集ってことか。
 できたらその旨を"掲示板"に書いていてもらえるとありがたいな。俺の仕事が楽になるしな。

■ノエル To:おやじ
 くすっ(^^) わかりました。
 じゃ、一度テーブルに行ってみんなで文面考えてから張り付けに来ますね。

 と、ノエルはソフィティアのいる7番テーブルに向かった。
「銀の網」亭・カウンター
 ソフィティアとノエルが7番テーブルに移動したのと入れ替わるように、彼女達の仲間であるウィードバルが店に入ってきた。
 古代語魔術の使い手だが、多少剣の心得もあり帯剣もしているせいか、あまりあからさまに魔術師然とはしていない。
■ウィード To:おやじ
 こんばんわ、おやっさん。しばらく来てなかったけど、全然変わらないな。相変わらず賑わってるみたいだしさ。(^^)
 そうそう、今日は待ち合わせをしてるんだ。ノエルを見なかったかい?

■おやじ ウィード
 おう、仕事御苦労さん。
 待ち合わせ?ノエル………あぁ、待ち合わせしてるとか言って、ついさっき7番テーブルに行ったところだぞ。

■ウィード To:おやじ
 そっか、7番か。 おやっさん、ありがとう。

 礼を言い残して、ウィードも七番テーブルに向かった。
「銀の網」亭・カウンター
 次に現れたのが、シーフのアトールだ。
■アトール To:おやじ
 お久しぶり、親父。
 前のパーティーメンバーと待ち合わせてるんだけど、もう来てるかな?

■おやじ To:アトール
 おぅ仕事お疲れさん。
 ノエル達なら7番テーブルで待ってるはずだぞ。

■アトール To:おやじ
 ありがと。
 じゃあ、俺もそっちに行くとするわ。あ、あとエールを一つ頼む。

■おやじ To:アトール
 おう、良い仲間見つけろよ。

 おやじはエールを出しながら、アトールを見送った。
「銀の網」亭・7番テーブル
 ところはかわって7番テーブル。
 最初にテーブルについたのはソフィティアだ。エールをテーブルに置き、椅子に座る。
■ソフィティア
 さてと、とりあえずみんなが来るまで ここで待ってる事にしましょう。
 集合場所が無くなっちゃったら事だしね。

■ノエル To:ソフィティア
 ごめん。待たせちゃったみたいね。

■ソフィティア To:ノエル
 いいって。それより他のみんなは来てるのかしら?

 ソフィティアがノエルと話していると、人垣の向こうにアトールの姿が目に映った。
■ソフィティア
 あ。ア・トールも、もう来てるのか。じゃぁノエルと合わせて三人はここに来てるのね。
 後一人、抜けたルディの代わりに良い人が入ってくれると良いけど……。

■ノエル To:ソフィティア
 さっきウィードも見かけたわよ。二人とももうじき来るでしょう。
 それより掲示板の文面考えなくちゃ・・

■ソフィティア To:ノエル
わたしはそういうのってまだ苦手だからなぁ(ポリポリ)
ノエルに任せた方がよさそうね。

 文面を考えるのはともかく、ソフィティアが共通語の読み書きが出来るようになったのは最近の事である。
 ソフィは、ノエルの書く字を一生懸命目で追っている。

 そこにウィードが近づいてきた。
■ウィード To:ノエル&ソフィティア
 おう、2人とも早いな、(^^;)アトールも来てるみたい出しもう4人集まったな。

■ノエル To:ウィード
 やっぱり、いい人がいたらすぐにでもお願いしたいもの (^^;
 ところで、張り紙の文面考えてみたんだけどこんな感じでいいかな?
 アフルが精霊使いとしての能力を伸ばしたいって言ってたから、やっぱり前線に立てる人に来てもらった方がいいよね。

 と、ノエルは張り紙を持って掲示板の方へ向かった。
■ソフィティア To:ウィード
 あぁ、ウィード。そうね、できるだけ私たちに取って都合の良い依頼を受けたいし、早く動いて損は無いわね。
 もうノエルが掲示板の方に募集の張り紙しにいったみたいだから、それに目を通しに行ってくるわ。
 あ、アフルがまだだし、そのまま依頼の方の張り紙も見てくわね。

「銀の網」亭・掲示板

心優しき冒険者の方もとむ

当方、一人抜けたメンバーの替わりに新しく加わって下さる方を探して います。
今のところ、戦士・盗賊・神官・魔術師・精霊戦士というパーティー構成です。
事情があってとある目的のために冒険を続けています。
できれば前線に立って剣を振るえる戦士の方を希望していますが、興味を持たれた方は誰でもかまいませんので一度お立ち寄り下さい。
7番テーブルでお待ちしています
ノエル 

「銀の網」亭・カウンター
 その頃カウンターでは、見かけない冒険者がおやじに声をかけていた。どうやら新顔らしい。
■オジイ To:おやじ
 あ、はじめまして。
 (もじもじと)幸せの木ってこちらでよろしいんですか?
 あっ、申し遅れましたね。僕オジイっていいます。
 ここだけの話なんですけど、最近仕事首になって次の仕事探しているんですよ。なんかいい仕事ないですかねー。剣は少しだけ使えるんですよー。
 あ、そうそう、とりあえず、エールとビーフジャーキーいただけます。

 おやじは、オジイに注文されたものを出しながら答えた。
■おやじ To:オジイ
 幸せの木………?うちは"銀の網亭"っていうんだがな。
 たぶんおまえさんが探している場所には間違いないから安心しな。
 ………って見ない顔かと思えばおまえさん、仕事探しているのか?だったらここ でいっしょに仕事をする仲間を探すのが一番だな。
 掲示板に自分の特徴とか特技とかの自己紹介文を貼ってくるといいぞ。

■オジイ Toおやじ
 あ、有り難うございます。
 昔から、そそっかしいっていわれるんですよー。

 で、掲示板にメモを張りたいんですけど、 共通語が僕使えないんで代わりに書いてもらいたんですが如何でしょう。こうかいてくれるとありがたいです。
 当方、当市傭兵部隊出身の戦士LV2で名前はオジイといいます。一緒に仕事をしてくれる仲間募集中です。 カウンターで愛剣キラービー(エストック)を持ってる太った男が僕ですので是非声をかけてください。 愛剣っていってもポチじゃないですからね。
 お願いします。

■おやじ To:オジイ
 おう、代筆ならまかせな。

 と、あまり綺麗とはいえない字でメモを書くおやじ。
■おやじ To:オジイ
 ………ってポチのくだりまで書いたがこれでいいのかな?
 メモは自分で貼って来てくれよ

■オジイ To:おやじ
 有り難うございます。すぐに張ってきますね。
 あ、あと、エールおかわりお願いします。僕のおなかってエール腹なんですよ。

■おやじ To:オジイ
 ほらよ。あまり飲み過ぎるなよ。

「銀の網」亭・掲示板

当方傭兵部隊出身の戦士。仲間求む。

当方、当市傭兵部隊出身の戦士LV2で名前はオジイといいます。 一緒に仕事をし てくれる仲間募集中です。カウンターで愛剣キラービー(エストック)を持って る太った男が僕ですので是非声をかけてください。 愛剣っていってもポチじゃな いですからね。

「銀の網」亭・カウンター
 オジイが掲示板にメモを貼ると、その横に剃髪の女性がメモを貼っていった。
■オジイ To:おやじ
 おやじさん、僕のあとに掲示板に張り紙してたひと なんて書いてタンです。

■おやじ To:オジイ
 ん?ノエルのとこか?
 ええと………

 おやじがノエルの張り紙を読み上げた。
■オジイ To:おやじ
 なになに、戦士を探しているって書いてあったんですか。 それは奇遇ですね。
 じゃあ一度挨拶に行ってみます。

 と、オジイは七番テーブルへ向かった。
「銀の網」亭・カウンター
 銀の網亭の盛況ぶりもピークに達するかという頃に、扉が開いて、ロングスピアを持ったハーフエルフの少年が入ってきた。アフルだ。彼はまっすぐにカウンターに向かった。
■アフル To:おやじ
 おやじさん、グレープジュースちょうだい。

■おやじ To:アフル
 ほい………って、おや7番テーブルで待ち合わせてたんだっけな。
 もう一グループできちまったのか?早いなぁ。

 おやじがジュースを用意しながら言う。アフルはジュースを受け取って、店内を見回した。
 約束した仲間達が既に七番テーブルに集まっているのを見て声を上げる。
■アフル To:おやじ
 あっちゃー、みんなもう集まっちゃってるみたいだなぁ、急いで行かないと。
 新しい人までもういるみたいだし…

 と言いつつ、アフルは小走りで七番テーブルに向かった。


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ゆな<juna@juna.net>