SW-PBM Scenario #24

水面に映る夢

序章.冒険前の下準備
「盗まれた杖」


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Contents


魔術師の塔

 「魔術師の塔」
 オランよりエレミアに2日ほど行ったところに、周囲を森に囲まれた 塔があった。
 いつもは訪れるものもほとんどない、魔術師の塔だが、 その日は違った。

 塔の1室で、2人は机を挟んで向かい合い、話をしていた。 1人は50代半ば、もう1人は20代半ばと思われる男性である。 よく見れば、顔や雰囲気が似てる事から、2人が親子である事が見て取れるだろう。

■エイル=D=ムーン To:ロッド=D=ムーン
―――と、言うわけでだ。お前を呼んだのは他でもない。
盗まれた杖を取り戻して来て欲しいのだ。

中年の方の男が、若者に言った。

■ロッド To:エイル=D=ムーン
事情はわかりました。ですが、その盗賊の行方に心当たりはあるんでしょうか?
まさか、この広いアレクラスト大陸を、あてもなく探す訳にはいきませんからね。

父に対すると言うよりは、師匠に対するような口の聞き方である。

■エイル=D=ムーン To:ロッド=D=ムーン
それは心配しなくても良い。
遠見の水晶を使ったところ、杖は”ルーイェン”にある事がわかっている。
盗んだ男の風貌も映し出されたので、特徴を書きとめておいた。 これがあれば、すぐに捕まえられるだろう。

エイルは1枚の羊皮紙をロッドに手渡した。
羊皮紙には(上手い)似顔絵の他に、箇条書きで男の身体的な特徴が 書かれている。
ロッドはざっと目を通すと、再び視線をエイルに向けた。

■ロッド=D=ムーン To:エイル=D=ムーン
・・・・・・そこまでわかっているのなら、話は簡単そうですね。
相手はただの盗賊。私1人でもなんとかなるでしょう。

今からルーイェンに行って来ましょう。

ロッドは席を立ち、荷物をまとめると階段を降りようとするが、 ふと何かを思い出したかのように立ち止まり、エイルを振り返った。

■ロッド=D=ムーン To:エイル=D=ムーン
―――それから・・・何かあった時の盗賊の命は保証出来ませんが、 構わないでしょうね?

エイルににっと笑って答える。

■エイル=D=ムーン To:ロッド=D=ムーン
杖さえ戻れば、盗人の命なんぞ構わない。

そうだ!ほとんど無傷の状態なら、高く買い取ってやってもいいぞ。

■ロッド=D=ムーン To:エイル=D=ムーン
それは無理ですね。
ルーイェンから、ここまではどんなに急いでも1週間はかかります。
たとえ死んだときに無傷でも、ここまで運ぶ間に痛んでしまいますよ。

冷静に返されて、少しエイルはむくれた。

■エイル=D=ムーン To:ロッド=D=ムーン
・・・冗談だよ。
そんな事は私だって知っている。

■ロッド=D=ムーン To:エイル=D=ムーン
そうでしたか。
あなたの事ですから、本気かと思いました。


冗談とも本気ともつかない会話の後、ロッドは塔を去っていった。

しばらく、エイルは塔の上から息子を見送っていたが、ロッドが森に隠れてしまってから、 とんでもない事に気がついた。

■エイル=D=ムーン
あっ!大事な事を忘れてた。
・・・
・・・
・・・
・・・・・・まぁ、いいか。何も起きないだろ。

エイルの言葉の意味は不明だが、これがおよそ1ヶ月前の出来事である。

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連絡先
GM:澤口 佳子(かなめ)
E-Mail:kaname@yk.netlaputa.ne.jp