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第六章「夜が明けるまで」 |
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野営地 |
深夜をだいぶ回って、明け方近くになった頃、パオルとドリスの順が来た。
■パオル To:ドリス |
・・・う〜・・・寒いな〜・・・・・。 朝方は・・・やはり冷えますね〜・・・・。 毛布でも取ってきて、羽織るかな・・・。 (ゴソゴソ・・・・) |
と、毛布を取ってきて羽織る。
■ドリス To:パオル |
(炒めものの鍋を見て) ありゃ。全然減ってない……。 えっと(^-^;) パオルくんお腹すいてない? 沢山残ってるみたいだから夜食に食べてね(^-^;)(^-^;)(^-^;) |
■パオル To:ドリス |
・・・・・・・・・・・・・・。 ボクはちゃんと食べたのに、他の人は手をつけてませんでしたからね。 もったいないな〜・・・・まぁ丁度、お腹が空いてるから食べますよ。 それでは少し暖めよっと・・・。 (暖まったら)(=●^0^●=)バグバク(=●^0^●=)バグバク |
■ドリス To:パオル |
(パクパク食べてるパオルを見て) あれ? もしかして寝かせたら少しはおいしくなったのかな? 身体もあったまるだろうし、あたしも食べてみよっかな……パクリ う゛………………(-_-;) うう……の、残りは全部食べていいよっ(ニコニコ) (口直しにワインを一口二口…ただし酔っぱらわない程度に) |
■パオル To:ドリス |
そうだ朝食はどうします? 料理は回数を重ねれば上手になりますよ!たぶん・・・。 |
■ドリス To:パオル |
そうだよねっ! 何だって練習が大事だよねっ(☆_☆)キラリラリン よぉしこの旅の間の食事はまかせてよっ(ニコニコ) |
■パオル To:ドリス |
・・・・・・・・・。(うっ・・ちょっと後悔・・・。) ま、まぁ・・あまり無理しないで、少しずつやっていきましょう・・ね。 |
パオルの後悔に、ドリスは気付かない―――
■ドリス To:パオル |
ねぇねぇパオルくん。 パオルくんはさ、どうして冒険者になろうと思ったの? あたしの場合はね、父さんが吟遊詩人でさ、小さい頃から冒険物語とか そういうの聞かされて育ったんで、いつか自分も女剣士になって大冒険が したいって思うようになったんだけど… ま、剣士になるのは挫折しちゃったんだけどさ……。 |
■パオル To:ドリス |
え、ボクですか?・・・ボクは小さな頃からドジでノロマだったんですよ。
そのせいか父さんからは、「お前は俺のように狩人にはなれない!」って 言われてたんです。 そして父さんが半年前に病で亡くなった時・・・ボクに、冒険者になるのを すすめてくれたのです・・。 だからボクは冒険者になるためにオランに来たんですよ。 仲間を捜すのには、ずいぶん苦労しましたけどね・・・。 |
■ドリス To:パオル |
ほえ? ドジでノロマで「狩人にはなれない」から冒険者になれって? なんか凄い発想するお父さんだったんだね(^-^;) 冒険者ったら、狩人なんかよりも、ずっと危険と隣り合わせの仕事だと思うけど……。 あ、別に狩人をバカにしてるわけじゃないからね念のため。 でも……本当に狩人に向かないほどドジでノロマだったら、それこそ向かない仕事だと思うけど……。 |
それは身も蓋もない………
■パオル To:ドリス |
そうなんですか?・・・やっぱり・・そうですよね・・・・。 確かに父さんに言われるまでもなく、ボク自身も狩人として食っていくのは無理だなとは思ってたんです。 でも父さんはこうも言ってました。 「冒険とは仲間と協力し合うものだ。いくら才能があっても一人では冒険を成功させることは難しい。 冒険者は仲間と協力して成功を勝ち取り、仲間とその喜びを分かち合うものだ。」と・・・。 だから冒険者になろうと思ったんです。 ボクの剣の腕を役に立てることができるんじゃないかって・・・。 ボクの考えは甘かったんでしょうか? |
■ドリス |
あわわっ! ご、ごめんなさいっ!! その…パオルくんを馬鹿にするとかそういうつもりじゃなかったの……。 あのその…ただ狩人に向かないといいながら冒険者に向いてるっていう 理由がドジでノロ…いやその…なんというか、そういう理由だなんて、 発想が理解できないというかなんというか…… で、でもその、たとえ才能がなくても努力と根性があればなんとかなるよ うん。仲間だってついてるし。 |
フォローになってないような?
■ドリス |
(ハッと気付いて) あああっ違うの違うのっ! パオルくんに才能がないとかいってるんじゃないのっっ(T_T) うん。パオルくんは才能あるよっ! ドジでノロマなんかじゃないって絶対。 だってダーツ投げの腕だって見事だったし、それに剣だって使えるんでしょ。 だから全然大丈夫だって。 |
■パオル To:ドリス |
ええ、これでも一応剣の修行は小さな頃から、父さんに仕込まれましたから・・。 大丈夫ですよ。皆さんの足手まといにならないように頑張ります。 ボクはボクの役目はちゃんと果たしますよ。 ニコッ(無意識に微笑む) |
■ドリス To:パオル |
あのね、あたしね…… 今はまだ無理だけどさ、経験を積んで腕を磨いたら古代の遺跡の探索にいくのが夢なんだ。 古代遺跡の探索っていったら冒険者なら誰もが憧れる夢でしょっ! ねっねっ。絶対いきたいよねっ! 古代遺跡探索!! |
■パオル To:ドリス |
古代遺跡探索ですか・・・、良いですね。 下手に切り合いをしてるよりもそっちがずっと良いですよ。 遺跡探索・・・か・・夢がありますよね。 ボクの夢って何だろう? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(少し考え込む) ・・・・・・・・ダメだ。そんな事を考えたことなかったんだボク・・。 |
■ドリス To:パオル |
くすくすくす……。 別に無理して考えなくてもいいと思うよ。 今は特になくても、そのうち『これがやりたい!』ってものが見つかるかもしれないしさ。今は、そういう『何か』を見つけるのが目標っていうことでいいんじゃない? なんなら『あたしと一緒に遺跡探索に行く!』ってのでもいいよ。 (…といいつつパオルをいたずらっぽい瞳で見つめてみたりする) |
■パオル To:ドリス |
・・・え、え!え!? ど、ドリスさん?(思わず声が裏返る) いせき・・・・探索です・・か? そ、そうですか・・・分かりました・・・・お供させて・・頂きます・・。 |
脅されていると勘違いしたのか、全身硬直しているパオル………。
どうやら、ドリスの視線にプレッシャーを感じたらしい。
■ドリス |
お、お供って………。(ちょっとめんくらって) ぷぷっ。くすくすくす。 もう冗談だってば……そんな真面目に応えなくても…… (ちょっとだけ真面目な顔で) でもさ……いつか夢がかなって遺跡探索にいくときにはパオルくんとも一緒に行けたらいいなって思ってるよ。 |
■ドリス |
パオルくんだけじゃなく、ラクルちゃんもアーギー様もヴァーンくんもジョージおぢさんも…みんなと一緒にいけたらいいな。 折角知り合えた仲間なんだしね。 |
■パオル To:ドリス |
・・・・は、はい・・ そうですね・・・。 |
パオルはまだ硬直している………
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