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Sword World PBM #18 「追憶の彼方へ」

第十二章「血の足跡」

ワイン小屋の前

■ディオン
 グ………こ、こんな、平民ごときに………

 ディオンは既にかなりのダメージを受けている。あと、アーギーかパオルの攻撃を一撃受ければ倒れるだろう―――
■仮面ラーダ To:ディオン
 目を覚ませ!ディオン!
 これ以上戦って何になる!
 お前はその平民のために何かをしてやろうとしたんじゃないのか?
 だが、今のお前はどうだ!?
 自分のしたことを隠すために人を殺そうとするとは……。
 それでは以前の領主と何も変わらない!!

■ディオン To:仮面ラーダ?
 貴様ごときに何が分かる!!
 平民どもは、私に黙って従っていればいいのだ!!

■アーギー(心の声)
 平民ども、か・・・・・。
 一体どうすればこんな状況になってまでそんな台詞が出せるのやら・・

 アーギーは失笑を交えているらしい表情で、剣を構えている。
■仮面ラーダ To:ディオン
 このまま戦い続け、お前が倒れればクリス君はどうなる!?
 レイチェルさんと同じ道を辿るかも知れない。
 ディオン……お前はクリス君のためにも、まだやらなければならないことがあるはずだ!!
 おとなしく降伏すれば、命の保証はする。
 しかし、あくまでも戦うというのならもう容赦はしない!

■ドリス To:クリス
 クリスさんっ!!
 お願いっ、ディオン子爵に武器を捨てるようにいってあげてっ!!

 などと言いつつも、ドリスはディオンに狙いを定めてスリングを回している。
■クリス To:ディオン
 ………父上、もう潮時でしょう。

■ディオン To:クリス
 ………

 クリスがディオンの方に手を伸ばす。
 ディオンは黙って剣を手放した。
■アーギー
 !?(少し驚くような表情を見せる)
 ・・・・・終わった・・・のか・・・・・?

■ヴァーン To:アリル
 ほっ、なんとか片がついたか……。
 なぁ、もう終わりだとさ。

■アリル
 ………そう、終わったの………

■パオル 
ふぅ・・・、やっと終わったか・・。
そうだ!アルベルトさんを助けなきゃ!!

 パオルは、アルベルトの側へ駆け寄った。
■アーギー To:パオル
 あ、パオル!手当てならオレが・・・・・って、聞いてないな・・・(^^;
 ・・・・・ま、いいか・・・・。

ワイン小屋の外

■パオル 
(息があるのを確認して)良かった・・、まだ生きてる。

 てきぱきとアルベルトの手当てを始める。そこに、剣を下げたまま、アリルが近づいてきた。
■アリル To:パオル
 ………アルベルトは…生きてるの?

■パオル To:アリル
(アリルの方を見ようともせず)なんとかね・・・、タフな人だから大丈夫だよ。
・・それに・・・・、ボクだって人を殺したくは無いしね。
命の助かる人は、できるだけ助けたいからさ・・。

いつまでも剣なんか握ってないで、包帯でも持ってきてくれないかい?
止血しないと、助かるものも助からないよ!

■アリル To:パオル
 ………私だって…殺したくなんか…なかった………

 と、アリルは背を向けた。
■アリル To:パオル
 包帯………取ってくるわ。

■ドリス To:兵士C
(ディオンが武装解除に応じたのでこちらも武器をおさめて)
 ふう、どうやら戦いは終わりみたいね……。
 そこの兵士さんも、もう武器をおさめて、あっちでもがいてる人をなんとかしてあげたら。
(と兵士Dを指さす)

■ヴァーン To:クリス & 兵士達 
 クリスさん、その剣は預かっとこう。

 オメェたちもだ。預かっとくから、武器を渡しな。

 ヴァーンが、兵士達から武器を取り上げてまわる―――
■ヴァーン To:兵士D
 アンタ、すまなかったなぁ。
(と、絡んだ鞭を解いてやる。)

■ドリス To:ALL
(武装解除が終わったのを見て)
 あっ。あたし、レイチェルちゃんたちを呼んでくるね。
(すたたたた)

■アーギー
 ・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ・・・意外と早い解決だったな・・・。
 殺す意図を明確にしていたディオンばかり見ていたら・・・・オレも含めて、誰かが死ぬまでは収まりそうも無いと思ってたけど・・・。
 ・・・・・・・・・・・・未熟だな、オレも。
(上を向き、苦笑する。しかし一方、剣の先はまだしっかりディオンの方に向いている(^^;)

ワイン小屋の中

■ドリス To:レイチェル、タニア
 レイチェルちゃん、タニアさん。
 もう大丈夫ですよ。さ、外へ出ましょう。

■レイチェル To:ドリス
 そうですの………終わりましたのね………



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ゆな<juna@juna.net>