迎撃用意!

(1998/05/22 更新)


馬車は程なくオランの街を抜け、郊外をひた走り、砂埃をまき上げながらある小さな馬小屋の前に停車した。

辺りは静かだ。馬車を降りた所からは馬小屋の扉が見えている。扉は閉まっている。

■馬小屋前
☆From:シーアン  To:みんな
(小声で)
俺は裏を見てくる。

■馬小屋前
☆From:カナル  To:シーアン
気を付けろよ。しくじらないようにな。

■馬小屋前
☆From:シーアン  To:カナル
(にっと笑って)
おまえもな。

クロスと共にシーアンは裏に回った。この建物は長い一辺が10メートル、短い一辺が5メートルの長方形だ。
シーアンは扉の反対側に窓を見つけてそこからこっそり中を覗き込んだ。中は暗く奥の方は判然としないが、内部には2メートル位の間隔で板で仕切られていて横にやはり2メートル程の通路があるようだ。耳をすませてみたが
(レンジャー技能聞き耳判定:2Dは5、達成値は8) 何かが動く音やいななく声は聞こえなかった。どうやら今は使われていないらしい。

扉前に残ったカナルは周囲を調査してみた。 (レンジャー技能足跡追跡判定:達成値は…なんと今シナリオ初の6ゾロ!、同忍び足判定:2Dが9で達成値13、同聞き耳判定:2Dが8で達成値12) 扉の所に2人分の足跡を発見。さらにこっそり近づいて耳をそばだてると、内部で何者かがこっそり敷き藁の上を移動する音を感じた。その音は感じからすると1人のもののようだ。
カナルは扉に近づいて中に入ろうとした。アフルがカナルの護衛にと一歩踏み出した。

■馬小屋
☆From:アフル  To:カナル
(小声で)
おいおい、一人で入るのは危ないだろ。
俺も一緒に行くぜ。

■馬小屋
☆From:カナル  To:アフル
ああ、頼む。

■馬小屋
☆From:カナル  To:中の人
(シーアンに聞こえるぐらいの声で)
キルティングさんか?
ローンドファル殿の依頼を受け、あなた達を探しにきた。入らせて貰うぞ。

そう声をかけてから扉を開けると (不意打ち判定:どちらも不意打ちなし)、 カナルとアフルの前には剣を構えた黒い髪、黒い目の若い男の姿があった。1人だ。 切っ先をカナルとアフルに向け、毛が逆立つほど警戒している。

■馬小屋
☆From:若い男  To:カナル、アフル
そこで止まれ。何をしに来た

■馬小屋
☆From:カナル  To:男
あなたがキルティングさんか?
俺はカナル。ローンドファル殿の依頼を受け、あなたとアンナさんを探しにきた
冒険者だ。

若い男はカナルとアフルに集中し、後ろには無防備だった。それを見て取ってシーアンは裏窓から滑り込んだ。入ったと同時に愛用のバッソを構え、若い男の動きに警戒しながら前進した。男が不穏な行動を取ればすぐに対処できるようにだ。
カナルとアフルからはシーアンの動きが見えた。
アフルはシーアンの無茶な行動に思わず固唾を飲んだ。しかし、いかにもシーアンらしい思い切った行動だと感じた。
カナルは若い男がキルティングである事を確信していたので、男の警戒を解くことに専念していた。もし何かあったら仲間がいる。
3人は3人してお互いを、外で待機している仲間を信頼して行動した。

若い男は背後のシーアンには気づくようすが無い。シーアンは5つある個室に順々に目をやりながら、徐々に前進する。すると2つ目で若い女性の姿を見つけた。彼女の髪と目は茶色だ。向こうはシーアンの姿を見てびっくりしているようす。

■馬小屋
☆From:シーアン  To:女性
(構えていた武器をおろす)
(左手を口元にもって言って、シーッ、黙ってのポーズ)
(以下、小声で)
アンナさんだよな?助けに来た。怖がらなくていい。
ここには二人だけか?

女の子は、シーアンの問いかけ全部にこくこくとだまって肯いて答えた。騒ぎ出すようすはない。

■馬小屋
☆From:シーアン  To:アンナ
(二人と聞いて、気が少し緩む)
表にいるのがキルティング?
それから、小声ならしゃっべっていいぜ(^^;

アンナはまたこくこくと肯いてから、ちょっと恥ずかしそうに「そうです」と小さな声で答えた。
シーアンが誰かと話していると気づいたカナルは、男の注意をこちらに引き付けようと会話を続けた。

■馬小屋
☆From:カナル  To:男
俺達は争うつもりはない。話をしたいんだ。

若い男は少し警戒を緩めて自分の名を名乗った。

■馬小屋
☆From:男  To:カナル
そうだ。俺はキルティングだ。
ローンドファル様の依頼?冒険者だと?では、オルダス様の追っ手ではないのか?

■馬小屋
☆From:カナル  To:キルティング
違う。信じてくれ。

キルティングはふぅっとひとつ大きく息をして力を抜いた。警戒は一応取れたようだ。彼は剣を下ろした。

☆From:カナル  To:キルティング
良かった。ローンドファル殿も、表の馬車で待っておられる。

その時、シーアンが個室からアンナの手を取って姿をあらわした。右手に剣、左手はアンナの肩を抱いている。アンナはシーアンに掴まれて少し赤くなっている。

■馬小屋
☆From:シーアン  To:キルティング、カナル達
 お取り込み中悪いんだけど・・・
(後ろから声をかける)
急がないと、怖い人達やってくるだろ。
ローンドファルさんに顔出すように頼んでくんねーか。
俺らより顔見知った人の方が安心すんだろ。

そう言ってキルティングに近づき、アンナを放した。アンナはキルティングの傍らに寄り添った。
盗賊ギルドが彼女らを追っていることはわかっている。すでに近くまで迫っているかもしれない。ローンドファルに2人を預けてしまって、自分たちがこの馬小屋に潜み待ち伏せしようという作戦だ。

しかし、時既に遅し。(クロスと敵のダイス目比べ:クロス7対して敵5、距離は×5で計算)
裏の警戒に当たっていたクロスが接近する3人の男達に気づいた。その距離およそ35メートル。向こうはまだクロスに気づいていない。

■馬小屋
☆From:クロス  To:……
…… (人影が… 敵方についたシーフ!? …報せなきゃ!)

クロスは、敵に気取られるのを覚悟で窓から馬小屋の中に飛び込んだ。抑えた声で鋭く警戒を発する。

■馬小屋
☆From:クロス  To:シーアン・みんな
(窓から飛び込んできたクロスはいつになく鋭い声でシーアンの背中に声をかける) 来たよ! ギルドからの追っ手だ!

■馬小屋
☆From:シーアン To:クロス
早かったな。(苦々しい表情)
戦闘は避けられそうもねぇな・・・。

冒険者はギルドの追っ手を迎撃するための配置についた。

シーアンはクロスが入ってきた窓の横に張りつき、入ってきた敵を横から不意打ちする作戦だ
(シーフ技能潜伏:7(2D)+4(状況のボーナス)で達成値 11)。クロスもその反対側に潜む(シーフ技能潜伏:11(2D)+4(技能)+4(状況のボーナス)で達成値 19)

■馬小屋
☆From:クロス  To:シーアン
あの…シーアン、出来れば相手が逃げるようなら逃がしてあげて欲しいんだけど…

クロスは「何甘いこと言ってんだ」と言われることを予期してちょっと首をすくめた。なるべく、同業者とやり合うのは避けたいという思いがあった。

■馬小屋
☆From:シーアン To:クロス
・・・そんな余裕が俺達にあればな(^^;。

さ、息を殺して奴等を待つぜ。

■馬小屋
☆From:カナル  To:セリス&マーズ
他にも敵がいるかもしれない。注意してくれ。

カナルは、扉付近で待機しているプリースト2人に注意を促して、自分は魔法に備えて窓が見える小屋の中央へ移動した。

■馬小屋
☆From:アフル  To:カナル
シーアン達は不意打ちするみたいだから、俺達はそこの個室に隠れてようぜ。 援護は任せたからな。

アフルはキルティングに指示を出し、自らはカナルよりも少し後ろでいつでも戦闘に飛び込める体制を取った。

■馬小屋
☆From:アフル  To:キルティング
あんたは、アンナさんを守って、そこの個室に隠れていてくれ。

キルティングはアンナを連れて馬小屋の個室部分に隠れた。
迎撃の態勢は完了した!


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