事情聴取

(1998/05/10 更新)


マーズが1階を調査しつつ玄関ロビーを通りかかった瞬間、ようやく衛視2人と下男がラーベナルト邸に到着した。見張りを立てていなかった冒険者たちは、衛視の到着を予想できなかった。開けっ放しの表玄関から入ってきた衛視達は、有無を言わさず武器を構えてこう言った。

■1F玄関ホール
☆From:衛視1  To:マーズ
ようし、武器を捨てて大人しくしろ!抵抗したら容赦しないぞ!

■1階
☆From:マーズ  To:衛兵
(武器を捨てつつ)
別に僕はやましいことなんてしてませんよぉ。
無実の人間を捕らえるなんて、ファリス神のお怒りを受けても知りませんよぉ?

■1F玄関ホール
☆From:衛視1  To:マーズ
ファリス神のお怒りが落ちるのはそっちの方だぜ!無実を騙るとはふてぇ野郎だ

そう言いながら、衛視はマーズの武器を確保し、マーズを後ろ手に縛り上げた。

■1F玄関ホール
☆From:衛視2  To:マーズ
仲間はどうした!2階か?

■1階
☆From:マーズ  To:衛兵
仲間の皆さんですかぁ?
あれぇ?何処行っちゃったんでしょうねぇ?
確か、キッチンを調べるとか言ってたような気がしますねぇ。
(と、キッチンに歩き出す)
あれぇ?おっかしいなぁ・・・・
ねぇ、他の皆がどこに行ったか知りませんかぁ?

■1F玄関ホール
☆From:衛視1  To:マーズ
あっコラ!勝手に動くな。キッチンだとぉ?
(マーズの後をついてキッチンに移動)
まったく、聞いてるのはこっちだ。仲間はどこに行ったんだよ!

衛視たちを案内してきた下男は、彼らの後ろに隠れるように付いてきていた。凶悪な冒険者が6人も屋敷にいるかもしれないと思うと、彼の小心なハートは今にも口から飛び出しそうだ。祈るように衛視に懇願する。

■1F玄関ホール
☆From:下男  To:衛視たち
早く全員捕まえて下さいよぉ〜、旦那がたぁ〜

これらのやり取りは大声でされたので、会話の内容は花壇や2階で調査中の全員にはっきり聞こえた。マーズが時間稼ぎをしてくれているのもわかっただろう。

■ラーベナルト私室
☆From:クロス  To:誰へともなしに
困ったことになりましたね……ファリス神官のマーズがいますからそうそうえん罪になるとは思えないですけど。時間は惜しいですけど、逃げちゃったら逆に動きづらくなりそうですしね……

花壇では衛視の声を聞いたとたんに、シーアンが行動した。何か衛視に悪い思い出でもあるのか、反射的に花壇の外際の庭木の陰へ身を潜め、たいまつを消した。見つかったときの言い訳を考えながら。

2階では、アフルとクロスが発見したものの処置に困っていた。

■ラーベナルト私室
☆From:アフル  To:クロス
その倉庫の鍵は元の所に戻しといた方がいいんじゃないか?
そんなことで変に疑われるのも困るしな。

■ラーベナルト私室
☆From:クロス  To:アフル
そうですね。戻しときましょう。

クロスは、見つけた場所へ鍵をきちんと戻した。
マーズにつられてキッチンに行った衛視がぶつぶつ言いながら帰ってきた。

■キッチン
☆From:衛視1  To:マーズ
キッチンなんかに居なかったじゃないか!仲間はどこだと聞いてるんだぞ!

■キッチン
☆From:マーズ  To:衛視
あれぇ?おっかしぃなぁ・・・・
皆がどこ行ったか、知りません?

玄関ホールに戻った2人を見て、年かさの方の衛視があきれた顔で相棒に指示を出した。

■1F玄関ホール
☆From:衛視2  To:衛視1
(相棒に)俺は2階を見てくるぞ。お前はそいつとここに残って降りてくる奴がいないか見張ってろ。逃がすなよ。
(下男に)おい、あんたには一緒に来て案内してもらおうか。

■1F玄関ホール
☆From:下男  To:衛視2
は、はい(怖いから嫌なんだけどなぁ)...

衛視は下男に導かれるまま、まっすぐにラーベナルト私室の前に立った。扉は開いていたので、戸口から中の様子をうかがって、セリスとアフルとクロスが居るのを確認した。
衛視は突入に備えて武器(槍)を構え、ドアを開けた。

アフルは衛視が上がってくる気配を察してロングスピアを床に置いた。

■ラーベナルト私室
☆From:アフル  To:衛視
見ての通り、抵抗する気はない。 ラーベナルトさんは死んでるぜ。 言っておくが俺達が殺したんじゃないからな。

■ラーベナルト私室
☆From:衛視2  To:アフル
(武器を構えたまま)
犯人だってそう言うぜ。他の2人も武器を置いてもらおうか。

■家の中
☆From:セリス  To:衛兵
私はマーファの名に於いて殺人などは致しません。
抵抗はしませんからどうぞ取り調べて下さい。
(と、縛りやすい様に手を後ろに回す)

毅然としたセリスの態度に衛視は少し面食らった。全員が武装解除に素直に従ったこともあり、多少警戒を解いたようだ。セリスを縛る事はしなかった。
下男にやってきた冒険者の人数を尋ねたところ、下男は確かあと2人いたはずだが自信はないと答えた。
衛視はアフルの言葉に促されてラーベナルトの死亡を確認した。

■ラーベナルト私室
☆From:衛視2  To:アフル、クロス、セリス
なるほど、確かに死んでいるな。
あんたらは全員オランの者じゃないな。流れの冒険者か?今のところ、あんたらが一番怪しいんだ。こちら(下男)の証言もあることだしな。
犯人じゃないって言うんだったら、証拠を見せてみろ。できないなら、とりあえず詰め所まで来てもらう。今晩は冷たい床に寝てもらって明日の朝に取り調べだ。


庭ではカナルが推理と思案に暮れていた。誰がいつどうやってラーベナルトを殺ったのか?どうやってはとりあえずダガーのような物で刺したんだとしても...。 Who done it と When done it の謎がカナルを虜にしていた。
もうひとつ、思案のしどころは衛視に何といって無実を証明するかだ。茂みに隠れたシーアンに茂みの外から話し掛けた。

■ラーベナルト邸の茂み
☆From:カナル  To:シーアン
キルティングの家で、ローンドファルからの紹介状は渡してしまったか?
行方不明の二人を捜しているということは話しても良いと、ローンドファルも言って いたしな。
しかし、持ってないとすると、衛視に信じて貰うのは事だな。

■ラーベナルト邸の茂み
☆From:シーアン  To:カナル
(とっさに隠れた茂みから、小声で)  紹介状はセリスが渡したはずだ。返してはもらわなかったな。

■ラーベナルト邸の茂み
☆From:カナル  To:シーアン
……そうか、最悪の場合は、ローンドファルに来て貰うことになるかも知れないな。
何かあったら頼む。


さきほど2階から聞こえてきたアフルと衛視の会話に、マーズは反論を試みた。

■ラーベナルト邸内
☆From:マーズ  To:衛視
さっき僕の武器見たでしょぉ?
あれ(ウォーハンマー)で人を刺し殺せるとはとても思えませんよねぇ?
他に武器なんてないですよぉ。鎧もないくらいなんですからぁ。

■ラーベナルト邸内
☆From:衛視1  To:マーズ
そうか、この家の主人は刺殺されたのか...。
あんたの言う事がホントなら、あんたじゃないのかもなぁ。実は俺、新人だから実はよくわからないんだよ。2階にいる先輩の指示で動くだけなんだぁ

そう言って新米衛視は照れくさそうに笑った。どうもマーズののんびりとした物言いにかかると、人はつい世間話をしたくなるものらしい。

■玄関
☆From:マーズ  To:新人衛視
へ〜、新人さんなんですかぁ。僕もまだ駆け出しなんですよぉ。
お互い、慣れないうちから大変な騒動に巻き込まれてしまいましたねぇ。

後ろ手に縛られたマーズと新米衛視の2人は顔を見合わせて笑った。なんだか1階はなごやかムードだ。
対照的に2階ではクロスが困っていた。

今ここにあってラーベナルトの傷に合う武器は自分が隠し持っているダガーしかない。詰め所に連れて行かれたら身体検査されて見つかるかもしれない。そうなったら言い逃れは難しいかもしれない...。
クロスの背中を冷や汗が伝っていた。窓から投げ捨てれば、下には仲間がいる。あるいは隠蔽のチャンスかも...?
そう思って視線が窓へと泳いだのをアフルが目ざとく気づいた。クロスの気持ちを察して援護射撃を行う。

■ラーベナルト私室
☆From:アフル  To:衛視
ほら、ここの所を見てくれよ。
ダガーみたいなもので刺されているだろ。
俺達にはそんな武器を持ってるのはいないぜ。

衛視はアフルの言葉に惹かれてラーベナルトの体にかがみ込んだ。アフルはすかさずクロスに目配せした。
クロスが下を見るとカナルが家の回りを調査している。クロスは賭けに出てみる事にした。

■故ラーベナルト私室
☆From:クロス  To:…
……
(頼みますよ…)

クロスはブーツの内側の隠しからさりげなく取り出したダガーを、鞘ごと窓の下のカナルの前に落とした。 (隠し持ったダガーを衛視に見つからずに窓から落とせるかの判定。シーフ技能+器用度ボーナスを使用。目標値10。クロスの達成値は4(2D)+2+2=8。判定失敗)

■故ラーベナルト私室
☆From:クロス  To:……
(衛視の視線がタイミング悪く自分の動作に重なるのを感じて、行動が裏目に出たことを悟った。
クロスは天を仰いだ。もっとも、部屋の中なので天井の羽目板が見えただけだったけど。)

祈る神の名を間違えたか?ガネードがよそ見をしていたのかもしれない。衛視はクロスが何かを窓から落としたのに気がついた。窓に駆け寄って下を見る。そこにはカナルがいた。

■故ラーベナルト私室
☆From:衛視  To:クロス、カナル
あんた、今落としたものは何だね?
おっと、下にいるあんた(カナル)も動かないでもらおうか。

(下にいる新米衛視に) おい新米!外に回って男を捕まえろ!もたもたするな!捕まえて縛ったら上に来い!

下でマーズの話にあいづちを打っていた新米君は外にすっ飛んで行った。

■玄関
☆From:マーズ
おやおや、コキ使われてますねぇ。
衛視さんってのも楽じゃないみたいですねぇ。

■ラーベナルト邸の茂み
☆From:シーアン To:カナル
(小声で) 見つかったか(苦笑)。上手く切り抜けろよ。
俺はほとぼりが冷めたら出て行く事にしよう。
何か有ったら銀の網亭で落ち合おうぜ。

カナルは逃げも隠れもするつもりはなかった。やれやれという風に首を振りながら地面に武器を置いた。マーズも監視が離れた瞬間に逃げようなどという考えは露ほども抱かずに玄関でカナルと衛視が入ってくるのを出迎えた。3人は2階のラーベナルトの部屋へ上がった。

シーアンを除く全員が2階に揃った。衛視は下男にこれで全員揃ったかどうかを尋ねた。下男は恐らくこれで全部だと思うと答えた。

■故ラーベナルト私室
☆From:クロス  To:衛視
はぁ……言い訳、聞いて下さる気あります?
(溜息をついて、露骨にがっかりした表情を見せながら言うクロス。
こんなとこでポーカーフェイスしたって何の得もないし。したって別に構わないだろうけど)

衛視は、言いたい事があるなら聞いてやるといった構えだ。

■ラーベナルト私室
☆From:アフル  To:衛視
俺達はある人の依頼を受けて、ある人物を探しているんだ。
その手がかりを追って昼に、ラーベナルトさんの店に行って会ったら、夜になってから自宅に来てくれ、と言われたから来たら、殺されていたんだ。
第一、俺達がラーベナルトさんを殺して得をする事なんて無いじゃないか。

■ラーベナルト私室
☆From:カナル  To:衛視
俺達は犯人じゃない。
彼(下男)があんた方を呼びに行ってから、どれぐらい経ってるんだ?
俺達が犯人なら、あんな大声あげて衛視を呼びに行ってることを知っていながら
この場に留まっていることに意味があるか?
アフルが言ったように、俺達はラーベナルト氏に呼ばれてきたんだ。そのことは、彼 も知ってるはずだ。

衛視は疑わしい目でカナルを見ている。逃げなかったから犯人じゃないと言われてもそれは理由にならない。止まらなくてはならない理由があったかもしれないからだ。例えば何かを探していたとか?

■ラーベナルト私室
☆From:カナル  To:下男
俺達が二階に上がってきてから君が食事を持ってくるまで、大して時間はなかったはずだね?
その間に、ラーベナルト氏から話を聞いて、彼を殺してる時間はあったと思うかい?
もし仮に俺達が最初からラーベナルト氏を殺すつもりだったならば、まずは玄関で最初に
君の口をふさいでると思うがな。

■ラーベナルト私室
☆From:下男  To:衛視
(口をふさぐなんて) おそろしいこと言わないでください!

私は、夜に客が来るから夜食を用意しておくように言いつけられていたので、玄関横の召使い部屋でずーっと待っていたのです。あの人たちが来たらすぐ出迎えて、夜食を持って2階に上がりました。でも、あの人たちが来るすぐ前までは2階で主人が歩いている足音がしてたんです。なんだか部屋の中をうろうろしていたみたいで...

あの人たちを迎えに玄関に出る前までは確かに生きていたんですよ。 それに、あの人たちが来る前に玄関から入った人もいません。
そうしたら誰だってあの人たちが犯人だと思うでしょう?

■ラーベナルト私室
☆From:カナル  To:下男
足音? その足音というのはいつ頃からしていたんだ? それに、足音が聞こえていただけでは、それがラーベナルト氏のものかどうかは分からないんじゃないか?
それに、足音が聞こえるぐらいだったのならば、もし俺達が氏を殺したというのなら、荒そう音が
聞こえてもおかしくないんじゃないか?
でも、そんな音は聞こえなかったはずだ。

■ラーベナルト私室
☆From:下男  To:カナル
そりゃ、2階まで見に行ったわけじゃないですから、うろうろしてた足音が主人のだとは限りませんけど...。いつからって、主人が帰ってきてからずーっとですよ。ずーっと。
でもまぁ、確かに争う音なんかは聞いてませんね。
(衛視に向かって) だいたい、『口をふさいでやる』なんておそろしいこと言うような人たちなんですよ!ぜったい犯人です、早く連れていって下さいよ。

■ラーベナルト邸私室
☆From:カナル  To:下男
だから、たとえ話だろ。俺達がそんな物騒な奴じゃなかったから何もしなかったじゃないか。

下男は言いたい事を言ってしまってからふと『犯人』の暴力を恐れたか、そそっと衛視の陰に隠れた。衛視も実りの無い論争に飽きた様子だ。

■ラーベナルト私室
☆From:アフル  To:衛視
おいおい、ちょっと待ってくれよ。
俺達が探している人物はある貴族の跡継ぎ問題の鍵を握っていて、盗賊ギルドに賞金も懸けられているんだ。
俺達はその人物を探し出して、保護するように依頼されているんだ。 もちろん盗賊ギルドとは無関係にだぜ。
明日になったら、その人物が盗賊ギルドに捕まってしまうかもしれない。
だから何人かでだけでも調査を続けさせてくれないか。

■ラーベナルト私室
☆From:衛視  To:アフル
そりゃぁまた、思いっきりうさんくさい話だな。
つまりあんたたちは盗賊ギルドが絡んでくるような仕事をしてるって訳だ。そんで、ギルドに賞金を懸けられるようなヤバイ奴を保護する目的で動いている、と。
こりゃあ、さらに事情を聞く必要があるみたいだなぁ〜。

パーティの仕事内容と盗賊ギルドとの関係を匂わせたことは逆効果だったようだ。衛視は悪い意味にそれを取ってしまった。そして、言いたい事はそれだけか?という風に両手を広げて見せた。

■ラーベナルト私室
☆From:アフル  To:衛視
だからその人物は単なる善良な一市民なんだよ。 でも、ある秘密を知ってしまったんで、その秘密を追っている方に狙われているんだ。 それで、それに気付いたんで、その人物は今逃げていて、その狙っている方が盗賊ギル ドを通じて賞金を懸けた、とそういう訳なんだ。 一刻も早くその人物を保護しないと、向こうの方に捕まったら、殺されてしまうかもし れないんだぞ。

■ラーベナルト私室
☆From:衛視  To:アフル
ふん、なるほど。人助けしてるんだから大目に見ろって事か?
しかしそいつは俺の仕事じゃないな。盗賊ギルドに追われてるなんてやつの保護はね。

■ラーベナルト邸私室
☆From:カナル  To:下男・衛視
俺達がここに残ってたのは、犯人の手がかりを探してたからだ。俺達は、シャレーゼル家の人間から
頼まれて人を捜しているんだ。詳しいことは依頼人との契約で話せないが、その手がかりを
ラーベナルト氏より話して貰う約束でここに来た。
話が信じられないと言うのなら、依頼人に確かめても構わない。ただし、この件は内密に、
ということだから、大っぴらに聞きに行かない方がいいぞ。俺達もなるべくなら話を広げたくはないし、
あんただって、貴族ににらまれたくはないだろ?
依頼人の名前は、話を聞きに行くというのなら教えるよ。

■ラーベナルト私室
☆From:衛視  To:カナル
なんで俺達があんたたちの依頼人に会わなくちゃならんのだ?
それじゃ、その貴族の手先がこの哀れな情報提供者(ラーベナルト)を殺したって事もありえる訳だな。その手先があんたらだってなんのフシギもない訳だろう。
そういう動機なんてもんはなぁ、俺の経験から言えば後からどうにでも言えるようなもんなんだよ。理屈と膏薬は何処にでも貼りつくって言うじゃないか。

■ラーベナルト私室
☆From:カナル  To:衛視
俺達も、犯人は見つけだしたい。手がかりは、そいつしか残ってないんでな。
現在俺達が持ってる犯人の情報だが、
俺達がこの家に来たとき怪しい男をこの家の裏手で見た。それに、この窓の真下に飛び降りた時
の物と思われる足跡もある。そこから逃げたんじゃないか?

■ラーベナルト私室
☆From:衛視  To:カナル
なるほど、調査してたってのは嘘じゃないらしいな。
足跡だと?そいつは興味あるね

衛視は相棒に冒険者達を見張らせておいて、自分は外へ出てカナルの言う足跡を見に行った。

■ラーベナルト邸の茂み
☆From:シーアン To:
(移動しようと腰を浮かしかけたが、衛視が来るのを見つけて、また息を殺して潜み続ける(^^;;;)

近くの茂みに隠れていたシーアンは、この時も見つからなかった。
衛視は、さらにここにいる全員の足の裏を調べて、花壇の足跡と一致する靴を履いている人物がいないことを確認した。

■ラーベナルト私室
☆From:衛視  To:クロス、カナル、アフル
どうやらここにあんた達以外の誰かがいた事は確からしいな。その点は認めよう。
さて、いつまで話してても埒が明かないな。

じゃあ、あんたとあんたとあんたには詳しく事情を聞きたいのでちょっと詰め所まで来てもらうぞ。

■ラーベナルト私室
☆From:アフル  To:衛視
分かった分かった。
でも、さっきから言ってるように、事は一刻を争うんだからできるだけ早くしてくれよ。

舌戦空しく、カナルとアフルとクロスの3人は衛視詰め所まで連行される事になってしまった。とりあえず疑わしい人物の身柄を確保し、明日の朝から詳しい事情を聞こうという腹積もりだ。彼ら3人は明日の朝まで拘束される事になるだろう。
衛視はマーズの縄を解き、ウォーハンマーを返した。セリスのロングスピアも本人に返した。

■ラーベナルト邸の茂み
☆From:シーアン To:
(みんなが出て行くのを見送って、しばらく後、ようやく茂みから出てくる)
・・・すまねぇな(^^;。
全員で捕まっても仕方ないからな。
さて、俺は俺で出来るだけの事をしなきゃな。
(屋敷の外へ出て、周囲に怪しい人物がいないか探る)

(冒険者レベル+知力ボーナスによる判定(目標値 10):達成値11) ラーベナルト家周囲を通る人は何人かいたが、怪しい人物は見当たらない。来がけにクロスが発見した怪しい人物も、今はどこにも見えなかった。
(レンジャー技能足跡追跡(目標値 8):達成値 10) 花壇についていた足跡も、裏口の門から出たところでオラン名物石畳の上に消えていた。窓から飛び降りた人物は屋敷裏手の門から外へ出たらしいということしかわからなかった。それ以上の追跡は不可能だ。


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