冒険者登場!

(最終更新日: 1998/02/04)
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ある日の「銀の網亭」。

いつもさまざまな冒険者への依頼メモが貼り付けてある掲示板に、次のような主人からの走り書きがあった。

■銀の網亭
☆From:依頼掲示板 To:冒険者諸氏
人探し(大至急)

報酬 1000 ガメル程度。大至急1パーティ求む。
内容は失踪人を探し出すこと。詳細は依頼主より。
(依頼主の身元は折り紙付きだぞ!)
「銀の網亭」主人より


掲示板の前には、5つのうちどの依頼を受けようかと吟味する冒険者たちが集まっている。

■掲示板の前
☆From:シーアン  To:
ほら、これとこれとこれなんか簡単そうじゃねーか?
(そう言って3枚の張り紙を指差して行く)
こっちは隊商の護衛、これはねずみ退治、あっちは人探しだってよ。
ねずみは金になりそうだが、ちょっと依頼人の名前が気に入らねぇよな(^^;
隊商の護衛にするか?人探しは面倒だもんなぁ。

■掲示板の前
☆From:セリス  To:
あの・・・私は人探しがいいと思います。
大切な人を助けたいと言う気持ちは尊重すべきですしそういう依頼は早く受けて安心させてあげたいです。

え?ねずみも困る?・・・すみません、ねずみは苦手なんです

■掲示板の前
☆From:カナル  To:
金払いはよさそうだが、護衛の方が目的がはっきりしてて楽じゃないか?
人探しったって、オラン中探し回るだけでどれぐらいになるんだか。もしかしたら、もっと広い範囲かもしれないぞ

■掲示板の前
☆From:セリス  To:
そうなんですか・・・すみません、世間知らずな物ですから。
私なんかがしゃしゃり出る事じゃ無かったですね。 皆さんの方が良く知ってらっしゃいますからお任せします・・・

そう言ってセリスは少し悲しそうな顔をする。

■掲示板の前
☆From:カナル  To:
おい待てよ、まいったなあ……分かった分かった。セリスが助けたいっていうんなら付き合うよ。別に酷い依頼と決まったわけでもないしな。依頼主に合うまではどんな仕事になるか、詳しい話は分からないんだし

■掲示板の前
☆From:シーアン  To:
お、おい?(あせる)
なんだなんだお前(カナル)も人探しに賛成なのか?

(悲しそうな表情のセリスさんを見て)
・・・”困ってる人を見捨てておけない人が仲間だったらいい”ってあんた言ったよな。
よし、人探しにしようぜ。

■掲示板の前
☆From:セリス  To:
本当ですか?!(ぱっと笑顔になる)
(でもまた悲しい顔に戻る)でも、私のわがままで皆さんを危険な目に遭わせてしまったら・・・私みたいな未熟者の言う事を聞いてもらう事もないですし・・・

また悲しい顔になりそうなセリスを見て、クロスが小さな声で発言する。

■掲示板の前
☆From:クロス  To:
あっ、あの……僕も人助けでいいです

ホントはお金ほしいんだけど、クロスは人情に弱すぎる奴なので、ここはセリスに味方したい気持ちが大きくなったのだ。受ける依頼はこうして決まった。さてここで、肝心なことを決めなくてはならない。

■掲示板の前
☆From:シーアン  To:
なあ、徒党を組んで行動するんだから、仮にでもリーダーは決めとかなきゃならないよな。

周りを見回すが、アフルとか、マーズは「面倒はごめんだね。俺はパス」「僕もちょっと……」とか言ってそっぽ向いてしまう。

■掲示板の前
☆From:クロス  To:シーアン
僕はシーアンがいいんじゃないかと思うんですけど…やっぱりほら、僕らより経験があるでしょう?

追いつめられたシーアンは最初の通り、セリスを泣き落としに入った。

■掲示板の前
☆From:シーアン  To:
なぁ、困ってる人間はほっとけないんだよな?

■掲示板の前
☆From:セリス  To:
はい、マーファは困ってる人を見たら救済せよとおっしゃってますわ(^^)

■掲示板の前
☆From:シーアン  To:
(やった♪)
俺がリーダーやるのは無理だと思うんだ、俺、困ってるんだよ、代わってくれよぉぉ。
(頭を抱える演技(笑))

周りを見回しても、みんな期待の眼差しでセリスをじーっとみている。

■掲示板の前
☆From:セリス  To:
しょうがないですわねぇ・・・

こうして、この依頼はセリスをリーダーとするアフル、カナル、クロス、シーアン、マーズの6人が受けることに決まった。
「銀の網亭」主人はそれを受けて依頼メモを掲示板からはがした。


カウンター

■銀の網亭
☆From:おやじ To:パーティメンバー
おや、おまえさんたち新入りだね?銀の網亭にようこそ。
なに、仕事がしたいって?それならまずは仕事のできる装備を整えてもらおうか。


■ 銀の網亭
☆From:おやじ  To: パーティ全員
さぁ、冒険に出るには入念な準備からだ!
買いたいものがあったら言ってくれ。 私ができるかぎり揃えてみせよう。

おっと、でも金はきちんと前払いで頼むよ。(ウィンク!)

■ 銀の網亭
☆From:クロス  To:おやじ
それじゃあ早速お願いしたいものが有るんです。えーとですね、まず軽くて丈夫な『ロープを10メートル』。それから新しい『ランタン』を。すぐ壊れる安物はいやですよ。あと『火口箱』も下さい。そうそう、『予備の油』もお願いします。
(それからクロスはちょっとだけ思案顔になる。んでもって、思い切ったように)
おやじさん、相談なんですけど、竪琴、手に入りませんか? いえ、安いやつでかまわないんですけれど……

■ 銀の網亭
☆From:おやじ  To: クロス
おお、おまえさんは準備がいいな。弓矢に皮の鎧か、一通りの装備はきちんとしてるようだね 。 はいよ、ロープ10メートルにランタンと油、火口箱でしめて 75 ガメルだ。どれもうちの折り紙付きさね! それから竪琴かい。そっちの棚に 100ガメルのから置いてあるよ。好きなのを選ぶといい。

■ 銀の網亭
☆From:アフル  To: クロス
クロス、パーティを組んだ早々なんだが、鎧を買う金が無いんだ。
500ガメルほど貸してくれないか。それで揃うと思うんだ。

■ 銀の網亭
☆From:クロス  To: アフル
いいですとも。生き残ってこそ、成功に至ることが出来るってもんですから。投資しますよー

■ 銀の網亭
☆From:アフル  To: おやじ
おやじさん、ハードレザー(必要筋力12)とそこの背負い袋とあっちのベルトポーチがほしいんだがいくらになる?
455ガメルか、ほいっ、455ガメル。
後は、これから受ける依頼の内容を聞いてから買いにくるからそんときも頼むぜ。

■ 銀の網亭
☆From:おやじ  To: アフル
ほい、確かに 455 ガメル受け取ったよ。まいどあり。
そうだな、仕事に必要なものがあれば後でも買いに来るといい。その位の暇はあるだろうよ。

■ 銀の網亭
☆From:マーズ  To: おやじ
こんにちは!お買い物に来ました。
さっそくいいですか?

えっと、背負い袋・毛布・水袋・ウォーハンマー(筋力17・370G)を1つずつ。 それと、保存食(7G)を5個下さい。合計で525Gであってますよね?

■ 銀の網亭
☆From:おやじ  To: マーズ
おう、いらっしゃい。全部で 525 ガメルだ。計算が早いな、坊主。
ところでおまえさん、武器は立派だが鎧はどうするんだ?戦士なら鎧がないとなにかと困るだろう。 生きて返るためには装備をケチっちゃいかん。そっちの坊主みたいに借金してでも買った方がいいんじゃないか?
...そうか、いらんのか。まぁ、十分気をつけるんだぞ。決して無理をしちゃいかん。この世界、命あってのモノだねだからな。

■ 銀の網亭
☆From:シーアン  To: おやじ
 ここで武具も買えるのか?便利だな。
おやじ、俺には品質の良いグレートソードを1本頼むぜ!
(必要筋力13、打撃力18のもの)
1560ガメルだろ?もちろん持ってるぜ。じゃ、依頼を終了したら、取りに来るからな。

■ 銀の網亭
☆From:おやじ  To: シーアン
高品質のグレートソードだな。わかった、といってもいいものはそうそう在庫があるもんじゃないからなぁ。今回の仕事が終わるまでには用意しておくよ。悪いが、金は前金で預らせてもらうぞ。
武器だけじゃない、道具類も扱ってるぞ。本当は武器や道具を扱う専門店に発注するんだが、今は冒険者が多いからな、特別に在庫を置いてあるってわけさ。

■ 銀の網亭
☆From:カナル  To: おやじ
おやじさん、何か必要になったらその時に頼むよ。

■ 銀の網亭
☆From:おやじ  To: カナル
ああ、おまえさんも用意がいいな。仕事を成功させてうちのお得意さんになっとくれ。幸運を祈るよ。

■ 銀の網亭
☆From:カナル  To: おやじ
いや、別に用意が良い訳じゃなくてね。

おやじの科白に、カナルは、苦笑しながら続けた。

弓は死んだ親父のもんだし、この杖もお袋が残してくれた物なのさ。
つまり、単に自前で装備が揃ってたってだけ。それに、他の装備を買うほどの金は実は持ち合わせてないんだ。
いまからしっかり稼がないと明日の飯もまともに食えなくなっちまうよ。
というわけで、早速仕事をしたいね。依頼主はどんな奴なんだい?

■ 銀の網亭
☆From:おやじ  To: カナル
親子で冒険者って訳かい?そりゃ物好きなこった!
(大きな口を開けて豪快に笑うおやじだった。...ふと真顔に戻る)

うむ、仕事の話か。どれどれ、どの依頼を受けるってんだい?...ああ、大至急の人探しの件か。ふむ、おまえさん達なら依頼人も気に入るかもしれんな。どうれ、ちょっとこっちに来るがいい。
(と言っておやじはカウンターの奥の小部屋へ消えた)



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