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フェイの店の前 |
☆From:アトール To:シオン |
よし、じゃあシオンはギルドに行ってくれるか? 俺は宿屋の方でうわさ話を集めてみる。リグから前金を預かったから、とりあえずシオン にも300ガメルを渡しておこう。 せっかく貰った前金だから、無駄遣いしないよう、うまいこと利用してくれよ。 (そう言ってシオンに、革袋から300ガメルを取り出して渡す) |
☆From:シオン To:アトール |
おっけ〜い☆ おじちゃんも無駄使いはダメだよお。 必要経費だからって、自分までお酒を飲む必要はないんだからね(^^;) 多少お酒臭いくらいならいいけど、酔っ払ってたら自腹を切ってもらうからそのつもりで ね(マジ) |
☆From:アトール To:シオン |
わかってるって いったい俺をなんだと思ってるんだ(^^;) よし、じゃあ、それぞれ報告は明日の朝の出発前にしよう。 おそらく、ギルドの方がそれなりの情報を得られる可能性が高いから、頼むぞ。 |
日が沈むまで時間も無さそうなので二手に分かれる、というのは良い判断でしょう。
いえ酒場とシーフギルドの方は夜遅くまでやってはいますが、パーティーの方が明日の朝早いのであんまり遅くまで情報収集してるわけにも行かないでしょうしね(^^;/b>
ところでこーいうときでもアトールは酒場担当なんですね(^^;;
シオンの言うとおり程々に(^^;;
さて2人は軽く挨拶を交わしシオンは常闇通りにあるシーフギルドへと、 アトールは繁華街の中を馴染みの店を目指してそれぞれに足を向けます。
酒場”火竜の息吹”亭 |
☆From:アトール To:独り言 |
とりあえずは、うわさ話でも聞いてみるか。 ここなら店もでかいし、間道について変な噂があれば聞けるだろう。 (そう言って店に入ると、隅の席に腰掛け店内の会話にしばらく耳を傾ける) |
何気なく耳を澄ます彼へと聞こえてくるのは、ほとんどが酒の上での他愛もない話ば
かりです。
酒の話、女の話、事の愚痴、醜聞、等々・・・・・。
中には・・・
☆From:客A To:客B |
だからあの娘はやめとけっていったんだよ。 今夜は俺が奢ってやるから飲もう!なっ? |
・・・・青春真っ盛りの人たちもいるみたいですが(^^;
と、席に座ったまま注文をしようとしないアトールに気づき、 女の子がテーブルへと近づいてきます
☆From:リア To:アトール |
いらっしゃいませ・・・・ってあら?アトールさんじゃない(^^;; 注文もしないで座ってるだけなんて珍しいわね。 ははぁ、さてはうちに来る前に飲み過ぎてお金が無くなったのね?(^^; |
☆From:アトール To:リア |
なんだいそりゃ(笑)俺は今まで、お金が無くなるほど飲み過ぎた事なんて無いだろ。 確かに、今日はちょっとした不幸があって、金がいっきに無くなったけどな(^^;) ところでリア。 前から言ってたけど、今日から俺も冒険者の仲間入りしたんだぜ。 |
☆From:リア To:アトール |
ちょっとした不幸って・・・アトールさんのことだから酔って財布落としたとか
賭事で負けた、とかかしら?(笑)
へぇ、冒険者に仲間入りしたの?今日から? |
リアは周りのテーブルを見たり、アトール越しに扉の方を見たりします(^^;
☆From:アトール To:リア |
明日からの仕事に向けて、それぞれ分担して下準備中なんだ。 で、俺の冒険者としての最初の仕事って言うのが、ちょっくらブラードまで間道経由で行くことなんだけど、 ブラードまでの間道で、最近悪い噂でも無いかなぁ、と聞き耳たててたわけよ。 そういや、リアは今日はずっと店番だったんだろ? なんか、噂話聞かなかったか?どんな些細な事でも良いから、もし聞いてたら教えてくれよ。 |
そう言われてリアはちょっと小首を傾げます
☆From:リア To:アトール |
ブラードまでの街道で? ・・・・・そうねぇ・・・・・。 あ、そうそう、何日か前、街道沿いのなんとかという村で狼が出たって言ってた人がいた わ。 なんでもこの季節は獲物も少ないから人里近くまで降りて来るんだって。 オランではそんなことはないだろうけど狼なんて間近にみたら怖いわよね〜。 |
☆From:アトール To:リア |
ふーん。狼ねぇ。食い物とか運んでいたら、においをかぎつけてくるかもなぁ。 気をつけておくに越したことはないか。 他には、山賊の噂なんかは無かったかい? 狼も怖いけど、一番怖いのは人間っていう動物だって言うしね。 |
☆From:リア To:アトール |
確かに・・・よく考えたらここでも狼や虎に変わる人は見るものねぇ(笑) きっとお酒の匂いには釣られて出て来るんじゃない? 山賊の噂ってことは山道をいくのかしら? ・・・・・そうね、ここのところはそう言う噂は聞いてないわね。 |
☆From:アトール To:リア |
いや、だからさっき言ったように、間道経由でブラードに行くんだよ。 街道じゃなくて「か・ん・ど・う」 あ、でもその間道が山道じゃ無ければ、山賊じゃないか(笑) ま、山賊の噂も無いようなら、とりあえずは、狼に気をつけて行くことにしますか(笑 ) ところでリア、仕事とは全然話が変わるんだけど、雑貨屋のフェイって言う人を知ってる か? |
☆From:リア To:アトール |
ああ、間道ね。へぇ〜あの道を使うの。今時珍しいわね(^^;; まあ確かに山道では無いでしょうけど・・・・峠道くらいかも(^^; 雑貨屋のフェイさん? う〜ん、あ、あの人かな?無愛想そうな中年の男の人でしょ? |
☆From:アトール To:リア |
あの道?ってなんか引っかかる言い方だけど、なんかあるのか? 今時珍しいって言い方からすると、ほとんど使われていない道なのか? |
☆From:リア To:アトール |
そうね、最近だと珍しいと思うわね。 よっぽど急ぐ理由のある人じゃない限り使わないでしょうね、あの道は(^^;; だって1日2日早くつくために整備された街道を使うのやめよう、と言う人はそうはいな いでしょ? 逆にその1日2日に意味があるから使いたいという人もいるかもしれないけど。 それと、もしあの道いくんだったら勧められても馬車には乗らない事ね。 お尻の皮がむけちゃうわよ(笑) |
☆From:アトール To:リア |
そんなに整備されてない道なのか? 整備されていないで1〜2日早くつくんだったら、整備すればもっと早くつく街道になる だろうに。 ま、馬車には乗らないことにしよう(笑) そうそう話を戻すけど、さっきのフェイって奴についてなんだけど。 なんでも、うまい酒を扱ってるらしいんだけど、知ってる? 俺、雑貨屋で酒扱ってるなんて知らなくてさ(笑) 酒好きとしては、情けないかぎりだけどね(^^;) |
☆From:リア To:アトール |
ほとんど使われていない道だし、辺りに村があるわけでもないからいくらひどい道でも
なかなか整備されないんじゃないかしら?
まあ誰から卸してきてもお酒はお酒だし、別に知らなくてもかまわないとおもうけど
(^^; |
☆From:アトール To:リア |
ふーん、そうなんだ。俺は酒好きと言っても、所詮、庶民レベルの酒好きだからね
(^^;) 無茶苦茶高価なお酒なんかより、こういうお店でリアみたいな可愛い娘と飲めるお酒の方 が美味しいと思うしね(^^) |
☆From:リア To:アトール |
あら、ありがと。お世辞でも嬉しいわ(^^) でも何も出てこないわよ(笑) |
と、そこへ厨房の方からリアを呼ぶ主人の声が聞こえます
☆From:リア To:アトール |
はぁ〜い、今いきま〜す じゃ、アトールさん、ゆっくりしていってね(^^) |
アトールにそう言うとリアはその場を離れていきました。
☆From:アトール To:リア |
あらら、ふられちゃったかな(笑) ローディッシュの事を最後に聞こうと思ってたんだけどなぁ(^^;) まあ、帰りがけに聞きますか。 |
アトールはエールを一杯だけ頼んで、ゆっくりとそれを飲みます。
その間も、回りに何か情報となる噂話が無いか聞き耳を立てています。
客は次々と入れ替わっていくが、雑談が大半であまり有益な話は聞けそうにもなかっ
た
☆From:アトール To:リア |
(エールを飲み終わったところで) おお〜い、リアちゃーん! |
☆From:リア To:アトール |
お待たせしました。 エールのお代わりかしら?(^^) |
返事があってからまもなくリアがアトールの座るテーブルへと戻ってきます。
☆From:アトール To:リア |
いや、明日も早いしこれで今日は我慢しておくよ(^^;) あとは、最初の冒険が成功したらまた来るから、その時は一緒に飲んでくれよ。 で、いくらだい? |
☆From:リア To:アトール |
明日早いんならそれが良いわね。初めてのお仕事に遅れちゃしゃれにならないもんね。
そうそう、初仕事成功のお祝いは是非うちでやってね(^^) お父さんに言ってごちそう作って貰うから。 で、お会計の方はエール一杯ですね。2ガメルですになります(^^) |
☆From:アトール To:リア |
そうそう、最後に情報通のリアちゃんにもう一つ教えて欲しい事があるんだけど、いいか
な? ブラードのローディッシュっていう人、知ってる? 結構、変わった奴だって噂を聞いたことがあるんだけど?(^^;) なんか、その手の噂を聞いたこと無い? |
☆From:リア To:アトール |
情報通って(^^;真面目にお仕事してると自然と詳しくなってしまうだけよ(^^; ブラードのローディッシュってローディッシュ商会の事よね? 変わった人っていうと、隠居した先代のおじいさんの事ね。(^^; 偏屈なおじいさんで隠居後は食道楽してるって話が聞いたことあるわ。 ちょっとしたことにもけち付けるって有名みたいね(^^;; その分ちゃんと仕事してればそれ相応の事はしてくれるみたいだけど・・・・。 あんまりお付き合いしたくないわね(^^;;; |
☆From:アトール To:リア |
うーむ、やはり偏屈爺さんか。しかも食道楽に走ってるときたもんだ。 あんまり、お近づきになりたくないなぁ(^^;) あれ?でも今の言い方だと、先代の爺さんが隠居して、今は息子か誰かが後を継いでいるわけ? |
☆From:リア To:アトール |
ええ、そのはずよ。確か息子か誰かに商会を譲って今は悠々自適な生活をしてるみたい。
それにしてもお仕事ってそのご隠居さんがらみなわけね(^^;; |
大変そうねぇとリアの目が語っています(^^;
☆From:アトール To:リア |
まあね。 なーんか、その爺さんの事が引っかかるけど、そのあたりはギルドに行ったシオンが聞い といてくれるだろ(^^;) じゃあ、いろいろありがと、リア。 (5ガメルを取り出し、リアに渡す) 多い分はいろいろ教えて貰った謝礼だ。宝石でも何でも好きに使ってくれ(笑) ごちそうさん。ブラードから帰ったらまた来るよ。 |
☆From:リア To:アトール |
毎度ありがとうございました〜(^^) またよろしくお願いしますね♪ ・・・・でもアトールさん、3ガメルじゃ宝石買えないと思うの(^^;;; |
リアのスマイルとつぶやきを背にアトールは火竜の息吹を後にしました。
外は既に日もとっぷり暮れて、道を照らすのは家の窓から漏れる灯りばかりです。
アトールも今日はさすがに梯子酒、とは行かないでまっすぐ家に帰るようですね(^^;
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