盗賊ギルド |
レイシア宅から30分程歩くと、そこは常闇通り。
持ち前の嗅覚でホトはギルドらしき建物を目指す。
建物の前で座り込んでいる物乞いに聞いてみると、すんなり中に入れてくれた。
受付らしきカウンターには二人の女性――顔がよく似ている――が座っている。
一人は長い黒髪を紐で縛って纏め、もう一人は茶色の髪を肩口で切りそろえている。
茶色の髪の女性が声を掛けてきた。
■茶髪の女 To:ホト |
いらっしゃい。見ない顔ですが、どういったご用でしょう? |
■ホト To:受付 |
初めまして、最近この街に来たホト・ホルンと言います。 暫く滞在しますので…これからよろしくお願い致します。 |
ホトは受付に近づき、挨拶をしてから質問に入った。
■ホト To:受付 |
銀の網亭からの紹介で失踪した人を捜しています。 最近巷で流行っているという失踪に関する情報をお願い致します。 |
■黒髪の女 To:ホト |
ああ……、だが先に出すものがあるよね? |
カウンターを指で叩きつつ。
■ホト To:黒髪の女 |
あぁ…っと、失礼しました。 お話をするにはお茶菓子がつきものでしたね。 |
よく分かりましたねと懐からごそごそ。
布に包まれた先程のお茶会で食べていた煎餅を数枚取り出しカウンターに置く。
■ホト To:黒髪の女 |
さすがに液体は持ってこれませんでした(苦笑)。 |
■黒髪の女 To:茶髪の女 |
なあミレイア、これは新手のボケなのかね? |
■ミレイア To:黒髪の女>ホト |
カトリー姉さん、取り敢えず頂いておきましょう。 本当は、情報料を出す意志があるのか? と聞きたかったんですよ。 私達も商売なので、只というわけには参りませんので。 |
■ホト To:双子 |
…あれ?違いましたか…すみません。 でもそれ、美味しかったのでぜひぜひお勧めですよ♪ で…えっと、情報料は依頼人である衛視隊ファラハ・ソーダック女史と交渉して下さい。 必要経費ってやつですね。 それでもしすれ違ってたら二度手間で申し訳ないのですが…同じ内容、教えて下さいな。 まだ送って無いのなら帰りがけに私が届けますし。 そしたらお使い代、浮きますよね♪ |
■カトリー To:ホト |
面倒臭いなあ……あの話か。 |
■ホト To:双子 |
ギルドのお膝元でこんな事が野放しになってたり、実はギルドが関係してるんじゃないかとかって、痛くも無い腹探られるのは楽しくないですよね。 依頼自体は衛視隊から受けてますし、乗っかっちゃって、情報渡して、私達を利用した方がお得だと思いますよ? |
■カトリー To:ホト |
取り敢えずうちは関係無いよ。 テン・チルドレンのドレックノールじゃあるまいし、うちの親分はそこまで常識知らずじゃ無い。 うちも調査してるんだけど、中々脚が掴めなくてねえ。 今分かっている事はこんな所。 (と、羊皮紙の束を出す) 冒険者が絡むなら少しは安心して任せられそうだな。 |
■ホト To:カトリー |
あ、ありがとうございます。 真っ当な…と言うのも可笑しいですが…それ聞けて良かったです。 にしても面倒臭いんですか… |
ホトは早速ざっくり羊皮紙の束に目を通しながら、気になった事を聞いてみる。
■ホト To:双子 |
若い子が多いんですね… 商業地区と港湾地区とこっち側ばかりなんですね… この辺りで人を隠すのに都合良さそうな場所って心当たりありませんか? 失踪の前後に人の出入りが増えた場所や羽振りの良くなった人とか。 決定事項じゃなくて構いませんので。 |
■カトリー To:ホト |
うーん、正直、港湾地区なんて倉庫ばっかりだし、常闇通りは言わずもがな。 人を隠すには困らない所ばっかりだよ。 あと、そういった不自然な事があればうちの情報網に引っ掛かってるはずだし、 まだ――言い方は悪いが――獲物を集めてる最中なんだろうね。 |
■ホト To:カトリー |
ですよね… 獲物を集めてる最中だとするとこれからも動きがあるかもしれませんね。 あ!逆にギルドの息がかかってるからここは大丈夫って場所はありますか? 要らないイザコザは避けたいですので。 |
■ホト To:双子 |
あとこの辺りで話聞いとけって人、居ますか? |
■ミレイア To:ホト |
この近辺でここ以上の情報を持っている人はおりません。 なので、別口を当たられた方が宜しいかと。 |
■ホト To:ミレイア |
なるほど。仲間と相談してみます。 もしまた何か新しい情報が入ったら教えて頂けますか? 私の方も全容が分かったら報告しに来ますので。 |