夢の結末
西から立ちこめていた暗雲は、いつのまにか過ぎ去っていた。
静寂が戻った塔の最上階から地上を見下ろすと、何十人──いや、何百人かとも思われる黒いローブの人影が、次々と西の空に逃げ去って行くのが見える。
指揮系統が失われたことを悟ったのだろうか。ピクシー村を包んでいた白い閃光も消え、あちらも静寂を取り戻したようだ。
■ジン To:ALL
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アバランの方も片付いたようだな。
みんな無事ならいいんだが。
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■ミァ To:ジン&ALL
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モモぱわーで大丈夫でスヨーきっと(=▽=)b
しっかしミーたちも危なかったでスネー。
めっちゃ綱渡りだったのでスーーゥ。
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■ジン To:ミァ&ALL
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確かに危なかったな。
ガルツァークの最後の魔法が決まっていたら、やられていたのはこっちだったかもしれん。
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■ノール To:ALL
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つーかーれーたー!!
おいら、こんなに歌ったり戦ったりぐるぐるしたの初めてだぞっ!
へとへとだぁ〜〜
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大の字になってばたっと石床に倒れ込む。
■ミァ To:ノール
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んに、ノールんもがんばりましたネー。
褒めてつかわしまスヨー(・▽<)-☆
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■ノール To:ミァ
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Σ ミァっち!! 見ててくれたかっ!?
おいらの華麗な一撃必殺、「頭狙いでおねむだぜ!」をっ!!
最後の難関はきっとポイント10倍!
100点満点ゲットのごほうびは、ミァっちのちぅで決まりだなっっ!
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がばちょと立ち上がり、求愛のポーズをとる(笑)
■ミァ To:ノール
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え。そんな場面ありましたっけー(・▽・)?けろ
ミーが見てないから100点満点はあげられませんネー。
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■ノール To:ミァ
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Σ ……!!(バックに雷鳴)
お、おいらめいっぱい頑張ったのに〜〜〜〜〜!!!
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(青空だが)夕日に向かって走り出しそうな勢い。
■リュント To:ノール
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これで終わりではないんだぞ?
これからが本番だ。
このスノードラゴンと真っ向勝負なんだぞ?
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■ノール To:リュント
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な、なんだってー!? 本当の敵はどらごんだったのかっ!?
でかすぎて、おいらの得意な足払い&頭狙いコンボ☆が効かないぞっっ!
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■リュント To:ノール
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お前はミァの盾となっていてくれればいいんだよ(笑)
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まぶしいくらいに良く晴れた青空。
のんびりと浮かび流れて行く白い雲が滑稽に思えてくるほどの激戦を終え、冒険者たちはようやく休息の時を手に入れたのだ。
■アール To:ALL>ジン
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身の丈に合わない相手だったなぁ。
道具もなにもかも借り物でなんとか…だったからな。
しかし、あの魔獣のじーさんを倒してから調子がおかしくなったようなんだが、暗黒神官特有の「呪い」とかじゃないよな?
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まだ立ち上がることもできずにw
■ジン To:アール
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ふむ。呪いをかけるような予備動作はなかったように思うが・・・
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■リュント To:アール
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不安だったらオランへ戻って神殿でも行くか?
「この子は呪われた子なんです」って一緒に頭を下げにファリス神殿にでも付いて行くぞ?(笑)
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■アール To:リュント
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見えないモノは信じないタチ…と、いつもなら言うところなんだけどねw
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■ヒノキ To:リュント
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てゆーか、ナンでそこでファリス神殿限定なんだよ。
嫌味か?
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■リュント To:アール&ヒノキ
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意外と効果が出始めちゃっているんだな(笑)
邪悪の退治はファリス神殿に決まっているだろう!?
それともヒノキはファリスが嫌いなのか?
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ヒノキがファリスの神官だとは気付いていない(笑)
■ユズリハ To:ALL
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何にせよ、皆生きとって何よりじゃな。
おおっ、そうじゃ。
ちょいとわらわの命の恩人、ピクシーたちの様子を見てこようかのぅ。
おぬしたちはここで待っておれよ。
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ユズリハは左手首につけた「転移の腕輪」をかざし、ごにょごにょと何かをつぶやくと、現れた光の輪とともにひゅっと消えてしまった。
■アール To:ユズリハ
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あっ、ちょっと待って…俺も…
…行っちまった。
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追いかけようとアールが身を起こしたときには、すでにその姿はなかった。
■ミァ To:ユズリハ
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Σ ばーちゃん早っ!!( ̄□ ̄;
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■リュント To:ALL
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あれはほんとに耄碌ばーさんなんだろうか?
意外と機敏だったしな(苦笑)
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その場に残されたのは、気絶し血を流すガルツァークと、マンティコアや魔法生物たちの亡骸。
そして、丸くなったまま未だ気がつく様子のないスノードラゴン。
■ジン To:ALL
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ガルツァークを気絶させたまま放置していくわけにはいかないからな。
この物語に、俺達に残された時間はあとわずかだ。
魔剣の方も処分したいところだが・・・
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■アール To:ジン
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今回は桃はないしね。
できるんなら、鎧像にぶっ潰させる?
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魔剣を良く観察した者にはわかるだろう。
柄に埋め込まれたブラック・ダイヤモンド──ファントムを宿す場所──は、シーフツールを使えば比較的簡単に取り外せそうだ。
技能を持つ者ならば手を触れること無くこなせる仕事だ。
■ジン To:アール、ALL
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・・・桃か。しまった。ばあさんに残っているものを持ってくるように伝えておけばよかったか。
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■ミァ To:ジン&ALL
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前回みたいにいきなりお話が終わるかもしれないのを考えると、さっくりばっさりやっちゃってもいいような気もしますけドネー。
ミーとしては、このまま残してアストーっちの心労と白髪の種にさせるのは御免なのでスヨー。
んに(・x・)?
あ、この魔剣の宝石ってはずせそーじゃないでスカー。
そりなら〜。ふっふふんふ〜〜ん♪
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外そうと試みる。
……が、ミァのぐららんフィンガーは激戦の余韻のせいか、それとも腹ぺこスイッチが入ったのか、不器用に空回りするばかりだった。
■ミァ
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・・・・・・・・・・・・・あり?(=▽=;
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■リュント To:ミァ
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なんだよ。
ミァが外せないような代物には見えないぞ?
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■アール To:ミァ
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なにをやってるんだよ〜。
どれ、俺に貸してみな…って。
あ、あれ?
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外そうと試みるも、自分の思ったように指先が動いてくれない!
■リュント To:アール
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お前まで何をやっているんだよ!?
そんなにこの代物は難儀なもんなのか!?
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■ノール To:ミァ&アール
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Σ また、おいらの見せ場!!(きらーん)
ここは、おいらのごっどふぃんがーがっっ!
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師匠を立てるという頭がまったくないノールが、シーフツールを片手に近づこうと。
■リュント To:ノール
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お前が先にやるんじゃなくて師匠を立てないか!
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頭を抑えて押しのけようとする
■ノール To:リュント
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Σ ずるいぞ、ししょー! たまには可愛い一番弟子を立ててくれよぅ〜!(じたばた)
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■リュント To:ノール
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俺が万一にでも出来なければ手柄はお前にやるから!
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リュントの指先も普段の調子とはほど遠かったが、なんとか取り外しに成功したようだ。
ぱきっ、と軽い音を立てて外れ、床に転がったブラックダイヤモンドは、みるみるうちに砂状に崩れ落ち、空気に溶けて消えていく。
それに同調するかのように、「ディスペア・ソード」もぼろぼろと形を崩し始めた。
そして──倒れている魔法生物たち、絶命したマンティコア、ガルツァークの身体さえもが、まるで夢か幻が、あるいは他の誰かの……悪い想像の産物であったかのように、砂粒のごとき細かい霧となってさらさらと消えていく。
■ジン To:リュント、ALL
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やったな。
ふむ・・・どうゆう仕組みかはわからんが、これでガルツァークを滅ぼせたということかな。
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■リュント To:心の声
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(大きな事言ってかなりギリギリで外せたな………)
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■リュント To:ALL
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こんなもんは簡単に外せんだろう?
失敗するような奴はまだまだ幹部にはなれないぜ?(笑)
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笑いきれていないか、引きつった笑みとなっている(笑)
■ノール To:リュント
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さっすが、ししょー!! おいらにできないことをすべてやってのけるっ!
そこにシビれて憧れちゃうぜ〜☆
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手元があやうかったことにはまったく気付いていない。
■アール To:リュント
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あれだけの戦闘の後じゃ、さすがのリュントもキレが悪いみたいだな(笑)
しかし、剣の魔力のせいか…時間切れなのか…全部消えちまったな。
俺たちも、どうせあと僅かってところか。
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■リュント To:アール
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キレが悪いって言うな。
失敗しないだけましだったろ?
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■ミァ To:リュント
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ちっちっち、分かってないでスネー。
ミーで落としてアールっちで落とす、この華麗な2段コンボ!
失敗の美味しさが分からないよーじゃまだまだなのでスーーゥ(=▽=)
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■リュント To:ミァ
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もしかして俺は俗に言うKYってやつだったのか?
俺はそこまで成り下がってしまったのか!?
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残されたのは、冒険者たちと──スノードラゴンだけとなった。
■アール To:ALL
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もう敵対することはないだろうがな。
「お話」できる状態なのかな?
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■ノール To:ALL
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さしみにして喰ったらうまいかな?
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■アリス To:ノール
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ダメだよっ。包丁とかじゃ、堅くてうまく切れないと思うな。
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どうみてもなにか間違っている。
■ミァ To:アリス
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じゃあ煮込みシチューとかの方がいいですかネー。
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更に間違ってみる。
■リュント To:ALL
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意外と干物にしたら味が出るかも知れないぞ?
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ここでは乗ってみた(笑)
一人、ガルツァークを囲む輪から外れて。
■ヒノキ To:スノードラゴン
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おい、……起きろ〜。
私にとっちゃこっちの方がよっぽど大問題なんだよ。
この毛玉がホントにお前の子供なのか確認してもらわないと困る。
……おい、起きろってのに。
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一生懸命首を伸ばして、見上げるほど大きいスノードラゴンの顔を見つめる毛玉。
その表情は喜びというよりも、好奇心と怯えの方が強いようだった。
その時。
微動だにしなかった真っ白な巨体がわずかに動いたかと思うと、力なく閉じられていた瞼がうっすらと開かれていった。
澄んだ蒼い瞳が、ヒノキをじっと見つめてくる。
■スノードラゴン To:ヒノキ
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(リザードマン語)
ГЁЖИ ПЛ Й КБУ ФЦ ЧШ ЪЫЬ ЯЮЭ?
(下位古代語)
わたしの言葉が解るか?
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■ヒノキ To:スノードラゴン
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なに言ってんだか、まるで分からん。
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■ジン To:ヒノキ、リュント
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前半はわからんが、後半は下位古代語だ。
言葉が通じるのか聞いてる。
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■アール To:リュント
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ほらほら、情報収集するんだろ〜。
「下位古代語」なんか、基礎中の基礎だよ。
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図書館のくだりを引っ張り出すw
■リュント To:アール
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そろそろ俺も本気で学術の方を極めないと伸びていけないかも知れないな………
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■ミァ To:リュント
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リューちゃんの新たなる目標が決まったですかネー。
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■リュント To:ミァ
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決まったな。
これからの世には学術だ。
お勉強を頑張るぞ。
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■ノール To:リュント
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し、ししょーがおいらの知らないししょーになっちゃう……
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違うイキモノを見るような目つきで(笑)
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