05d ギュネイの研究所、夜 その4

■アビィ To:研究員
ほかに、遺跡で発見されたものはなにかおありかな。
いわゆる学術調査むけの文献や細々としたかけらではなく、探査や都市の謎を示すものという意味でだが。
魔力があったり……ここが襲われた原因が気になっているのだ。

■研究員 To:アビィ、ALL
ここに持ち込んできたものには、そういったものは無いと思います。
最近の探索で発見しためぼしいものといえば・・・変な「鏡」くらいですかね。
なんでも、周りの壁や床は映るのに、自分達の姿は映らないのだそうです。
かなり大きく、割れ物なので持ち出せなかったらしいけど。

■カラレナ To:研究員
鏡…ですか〜。何だか、怖いですね(^^;

えっと、「自分の姿」だけが映らないんですか?
それとも、調査団の方々全員の姿が映らなかったんですか?

■マーキュリー To:ALL
なんだか罠っぽいですね、その鏡・・・

■シグナス To:ALL、研究員
魔法の品としちゃ、鏡はポピュラーだからな。
自分達が映らないってのは……人が映らないのか?
自分以外は見えるとか、生き物自体が映らないとか。

■研究員 To:カラレナ、マーキュリー、シグナス
全員かどうかはわかりませんが、特定の人物だけが映らないわけじゃないそうですよ。
壁や床など、もともとそこにあったもの以外は全て写らないのだそうです。

■アビィ To:ALL
それはちょっと興味深いな、仮に鏡の前の床に落書きでもしたらそれは鏡のなかに見えるのだろうか。
もしかすると、一部の何かが映らないのではなく、今そこにあるすべてが映り込んでいないのかもしれないぞ。
鏡面がとらえた瞬間が表面に反映されるまで時間がかかるのかもしない。
あるいは鏡の前に誰もいない場面を、永遠に写し続けているのかもしれない。
目にしたモノをその場に留める……絵のようにだ。
いや、あくまで想像の話に過ぎないし、それが何かの役に立つのかといえばわからないが。

■カラレナ To:アビィ
ん…でも、面白い仮説だと思います。
古代王国時代の秘宝なら、何が起こっても不思議じゃないですし…
鏡に見える別のもの…何かの入り口とかかもしれないですね。

■シグナス To:カラレナ、アビィ
まあ……これも気に留めとくことにしとこう。
魔法の品何ざ、甘くみてっと痛い目合うしな。
警戒しまくって無意味な飾りでした、ってんなら一番良いし。

■マーキュリー To:カラレナ
何かの入口かぁ、なんだか有り得そうですね。

■リールォン To:ALL
魔力があるんですから、都市にとって何らかの必要価値があったのは間違いないんでしょうね。
その「鏡」の調査の方も進めているんですか?

■研究員 To:リールォン
いえ、とりあえず調査は後回しにしたと聞いていますよ?

■アビィ To:ALL
その鏡だが、具体的には遺跡のどこにあるのだ?
今回の目的は調査隊の安否の確認だからな、必要以外の危険を冒したくはない。
特に……今は夜だ。

■研究員 To:アビィ
「円柱の間」とは反対側の通路を進むと左右に現れる扉のうちの中の、1つの部屋で発見したそうです。正確な位置はわかりませんね。
ちなみに、遺跡の中は照明機能を回復させているので、夜でも明るいですよ。

■シグナス To:研究員、ALL
ところで……元々探索用品とか、見付かった魔法の品とかで使えそうなの借りれないだろーか。
きな臭くなって来てるし、正直俺とカラレナ辺りは、少しばかり底上げしとく方が良さそうなんだが。

■研究員 To:シグナス
残念ながら、ここには役に立ちそうなものはないと思います。
探索で使用するようなものは、船に積みっぱなしにしてるんですよ。

■シグナス To:研究員、ALL
そっか、そりゃ仕方ない。
それなら向こうで聞いてみるとするよ。

それじゃ、何時出る?

■マーキュリー To:ALL
そういえば、ギュネイさん達も船で遺跡まで移動していたなら、今もその船が湖の何処かにいるはずですよね?
水夫まで遺跡内部には行かないだろうから、今も移動してる水都を追っているとか。
もしそうなら、夜目の効かないアビィ以外の僕等にも目印になるし。
ギュネイさん達が罠にはまってるような気がしてきたし、すぐにでも出発しませんか?

■アビィ To:ALL
マーキュリー殿に賛成だ。
遺跡内部が明るいままなら、夜の危険はある程度軽減されているやもしれぬ。
船頭であるマイス殿が調査団に同行されているなら、船は遺跡に係留されたままかもしれないぞ。
遺跡内部に入る前に、船を探す、あるいは調べる余裕があるかどうかは行ってみてからの話ということでよいのではないか。
いずれにせよ、20人からの調査団がここに帰ってくる為の足は必要になるのだが。

■リールォン To:アビィ&ALL
そうですね、場当たり的になるのはこの際、しょーがないかと思います。
逆に怖いのは、行動せずに自分たちの知らないところで不幸な目に遭っている人たちがいるかもしれないってことです。
思い立ったが吉日とゆう諺もありますしね。