08a 黄昏の門

装備を整え、再び塔に戻った一行。
塔の底から続く階段を慎重に下りてゆく。
階段を下るとすぐに、幅広い通路の一角に出る。
その床は湖水が流れており、小気味良い水音が周囲から聞こえてくる。
床の水深は浅く、膝までも無い。特に危険はないだろう。
通路の一方は、どこまでも続く暗闇だ。
ランタンでかざしても先を見通すことはできない。
もう一方は、アビィの暗視で見通してみると、10mほど先で行き止まりになっており、門のようなものが見取ることができた。
■ギュネイ To:ALL
いきなり分かれ道か・・・どうする?

■ヘキサ To:ALL
右手のファラリス、左手のファリス。
冒険者が道を選ばなきゃならない時に、よく使うって聞いたことあるけど?

■リールォン To:ALL
確かに聞いたことがありますね。
んで、こうゆうとき、なぜか右に進む人が多いって聞いてもいます(^-^;
チャ・ザさまだったら、あれかな?
棒倒しで倒れた方向に進むとか(笑)

■ギャルム To:ヘキサ&リールォン
コインでも投げてみるか?(笑)
ま、こういうときはアレだ、に頼るのが一番だな。

■マーキュリー To:ALL
2列になれそうかな?
隊列決めましょう♪っとと、ずいぶん道幅広いね♪
右手と左手か・・・どちらを信仰すべきか・・・
・・・じゃなかった。何でも良いからなにか見えれば、
僕ならそっちに行きたいんですけどね(^^)

■アビィ To:ALL
目的は調査だろう?
だったら、見える範囲から確認していくほうがいいのではないかと思うが。
一刻も早く中心部をめざす必要がないなら、扉に1票だな。

■ギュネイ To:アビィ>ALL
扉があるのか!?・・・うーん、ちょっと見えんが・・・
さすがドワーフの暗視、頼りになる!
ふむう、時間もないし・・・・
よし、じゃあそっちの扉がある方に行こう!

■フレイム To:ALL
たしかに・・・それに、一度の探索で、全てが解るとも思えない・・・。
今は、一つ一つ進めてゆこう。

アビィの案内で、扉のある方の通路を進む一行。
床を流れる湖水で少々歩きづらいが、それでもすぐに門の前までたどり着いた。
ランタンを掲げて見てみると、扉の部分には何かが彫り込まれているのがわかった。
女性の胸像のレリーフだ。
目を伏せ、疲れたような表情の女性の胸像が、両開きの扉一面に掘り込まれている。
扉の取ってを持ち、引っ張ってみるが、びくともしない。
鍵穴などがないか調べようとしたその時・・・
■ナナイ To:女性の胸像のレリーフ
(下位古代語で)・・・慈悲はかけぬ。任を全うせよ。

同行していたナナイの口から、下位古代語で何事かがつぶやかれる。
ギュネイはぎょっとしてナナイを凝視する。
そのナナイはぼうっとして虚空を見つめている。
そして、低い音立てて扉が開く。
が、湖水が邪魔をしているのか、ほんのわずかしか開かなかった。
■ヘキサ To:ナナイ
ナナイさん、ナナイさん?

ぼうとしているナナイの顔の前で、手をひらひらさせてみる。
■フレイム To:ギュネイ
・・・装飾にしては・・・浮かぬ表情だな・・・うん?
・・・ナナイが、どうかしたのか?

■マーキュリー To:ALL
ナナイちゃんがまたわけわかんない言葉をしゃべった!(@@;)
それより見て!扉が開いたよ!
また閉まっちゃったりするのかな?とりあえず押さえなきゃ。

ナナイのつぶやきとギュネイの表情に困惑しながらも、
扉の取っ手を掴み振り向く。
■マーキュリー To:ナナイ
今なんて言ったの?
ひょっとして記憶が戻ったの?

問いかけられたナナイは、びくんと体を振るわせると、我に返ったように目を瞬く。
そしてナナイに注目する一行に気づき、不思議そうに見回している。
■ギャルム To:マーキュリー
…完全じゃないみたいだな。

■ヘキサ To:ギュネイ
ギュネイさん、通訳お願いします。

■ギュネイ To:ヘキサ、ALL
彼女は「慈悲はかけない。任務を果たせ」と言ったんだ。
おそらく、この門を開く合言葉のようなものだろう・・・。

突然、何かに気づいたように背負い袋を取り寄せて中身をまさぐるギュネイ。
手にしたのは遺跡の手がかりだった頭蓋骨だ。
その眼窩には、ぼうっと青白い光が灯っている。
■ギュネイ To:ALL
驚いたな・・・反応している。
彼女の様子といい、この頭蓋骨といい・・・
そして合言葉で開く門。
この門の向こうに、何か重要なものがあると思っていいだろうな。

■リールォン To:ALL
ナナイさんといい、その頭蓋骨といい、この遺跡にはかなりの謎がありそうですね。
なんか、今のナナイさんの様子を見ると、ナナイさん自身がこの遺跡の鍵のような役割をしているみたいですし……。

■フレイム To:ギュネイ、ALL
・・・確かに、無反応よりは調査になるが・・・。
・・・・・・気になる、言葉だったな。慈悲をかけない。任務・・・・・・。
一先ず、警戒して入るべきだ・・・戦闘も、考慮すべきだと、思うが・・・。

■ギャルム To:フレイム&ALL
そのとおりだな。慈悲をかけてもらえないのは、オレたちか…?
とにかく、進んでみなけりゃあな。
軽く扉を調べてみるか……。

ギャルムはかがみこんで扉の周辺を調べる。扉そのものには魔法的な仕掛けがあるようだが、罠が仕掛けられているようには見えなかった。
扉の向こうから、低くうなるような音を聞き取ることができた。
その音に強弱はなく、切れ目も無い。
虫笛を勢いよく回している時の音によく似ている。
■ギャルム To:ALL
罠は無いみたいだが、おかしな音が聞こえるな。
何か回ってるような……。

音の様子を皆に説明する。
■マーキュリー To:ALL
前に進まなければ、何もわからないですからね♪
サクッと行きましょうか♪

■ギャルム To:マーキュリー、ALL
そうだな。思い切って行ってみよう。
開けるぞ。

ギャルムは扉を静かに押し開けた。