Sword World PBM #69「元祖夜逃げ屋」



「依頼人」



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オラン−「銀の網」亭 

さて、一行がパーティを組んだ翌日、銀の網亭に依頼人が来る……時刻の数分前のことである。
■ おやじ To:ALL
 バーンたちの依頼人はそろそろ来るはずなんだけどな……。
もう少し待っておいてやってくれや。

おやじはそうしゃべりながらグラスを磨いていた。
■ バーン To:おやじ
 ええ、分かりました(^^)
 …おやじさん、少し依頼人の事を伺っても良いですか?

■ おやじ To:バーン
 ああ、いいともさ。俺に分かることなら何でもいいぞ。

■ バーン To:おやじ
 「エレミアまでの護衛」って依頼書には書いてましたけど、商人か貴人かなんかですか?

■ おやじ To:バーン
 いや、そういう風には見えなかったなあ。
どっちかというと冒険者とかそういう匂いを俺は感じたがなあ。
なにやら訳ありっぽいのは事実だったな。

■カルソニック To:おやじ
 ありゃまぁ。
ま、俺達みたいな冒険者を雇うんや。概ね誰かしらに狙われてるんやろ。

■ バーン To:おやじ
 訳ありねえ…。
(呟くような小声で)
 それじゃあ依頼書通りに報酬額は少ないのかな。

■ アップル(心の声)
 この間とは・・・ちょっと違うみたいね・・・-_-;

■ カヴァレス To:バーン
 冒険者の訳有りたぁ,厄介な事ったぜぇ・・・

■ エルシア To:カバレス
 全くね……最近、ついてないなぁ、ホント

■フェイス To:みんな
 あははっ、今回は出だしから雲行き怪しいねぇ(^∇^)♪

■ バーン To:フェイス
 フフ。まあ、依頼人が来ればどういうことか分かるだろう。

そうこうしているうちに、一人の男が入ってきた。
■ おやじ To:all
 おお、リックとやら。よく来たな。
そこのやつらがおまえの依頼に興味を示しているぞ。
とりあえず相談してやってくれや。

■ リック To:all
 ああ、どうもどうも。。おやじさんありがとう。
(一行のほうを向いて)はじめまして。リックといいます。
よろしければ依頼の話をはじめちゃいたいんだけどいいでしょうか?

■ バーン To:リック
 はじめまして、バーンと申します。
(席を立ち、利き腕とは逆の右手で握手を求めるバーン)

■ リック To:バーン
 あ、はじめまして。
よろしく御願いします。

リックとバーンは握手を交わした。
■ バーン To:リック
 こちらはパーティーのメンバーで、カヴァレス、カルソニック、エルシア、アップルリーフにフェイスです。
 よろしくお見知りお気下さい。

■ カヴァレス To:リック
 カヴァレスだ。

どうやら,依頼人に挨拶する事は覚えたらしい。
■カルソニック To:リック
 カルソニックや。

軽く会釈をするアップル。
■フェイス To:リック
 そして僕が、あのフェイスだよ♪

なにがあのなんだか…
■エルシア To:リック
エルシアよ、よろしく。

■ バーン To:リック
(フェイスの言葉に微笑みながらリックに椅子をすすめるバーン。自身も腰をおろし)
 早速ですが、ご依頼の細かい内容を確認したいのでお話をお聞かせ願いたいのですが…。

■ リック To:バーン
 えー。
まずは……実は借金ですごい困っている家族がいるんですよね。
その家族の借金は膨大な額でもう返すことの出来ない状況になってしまっているんですわ。
だったら、いっそのこと他の国で一からやり直したいってことなんで夜逃げの依頼を受けたんですわ。
ただ、相手は月に1割以上もの暴利をむさぼり、最近は横暴さが目に余るようになったガートランド商会。
一筋縄ではいかない危険性があります。
で、冒険者の方に協力してもらおうと思い立った次第なんですよ。
報酬は無理やり借りた最後の借金から捻出してもらうつもりですので、少しですが出せますし、道中のお金はもちろんこちらで持ちます。
是非に依頼を受けてもらえないでしょうか?

■ バーン To:リック
 …それは難儀な事ですね。まあ、返せない借財をした家族のほうにも憤りを感じなくもないですが…。
(ちょっと眉根を寄せながら)
 ふむ、つまり我々はあなたの下請け業者として働く、ということですね。
 (腕を組みながらしばらく考え込んだ後)
 まず、仕事を受ける前にお伺いしたいことが2、3点あります。

 ひとつには、あなたが夜逃げさせようとしている家族のこと。具体的に家族構成から生業、それに加えてガーランド商会から借り受けた借財額。それと返済予定額も教えて下さい。
 次に我々が護衛に付く期間と条件、あとは成功報酬額の取り決めをしましょう。ここでしっかり打ち合わせをしないと後で揉め事にもなりませんからね。
(ふと、思い出したように)
 ああ、そうそう。最後にあなたが夜逃げ屋として受け取る報酬額を教えて下さい。
 夜逃げする家族からの報酬を不当に天引きしているようなら、この話しはなかった事にさせていただきますので(^^)

ニッコリと笑いながら反応を待つバーン。
■フェイス To:感動むせび泣き(?)
(TーT)(う〜〜〜ん、バーンやっぱり成長したねぇ。もう交渉ならお手のものだね♪)

■ リックTo:バーン
 まずは報酬ですか。
報酬は申し訳ないですが2000ガメル強……たぶんよくて2500ガメルぐらいしか出せないでしょう……。
確かに破格の安さだということは分かっております。
後、私はちょっと理由がありまして……報酬は必要経費以外もらっていません。
もともとライクさん……これが依頼人の方の名前なのですが……には昔大きな恩をうけたこともあって今回の件の依頼を受けております。そのあたりの内容はプライベートなので避けさせてもらいたいのですけど……。
ちなみに依頼人はオラン郊外に住むライク一家。
奥さんが病気になってそのための借金がかさんで……今じゃ利子を含めて20000ガメルぐらいに膨れ上がっているはずです。
借りたのは一万がメルぐらいのはずなんですけどね。
そのあたりはしばらく私がオランを離れていたこともあってよく分からないのですが……そのとき、私がオランにいたならガートランド商会からだけは借りないように忠告していたでしょう。
ちなみに職業は大工、かなりの腕前の持ち主ですので高利貸しにさえ捕まらなければ一万ガメルだって返せていたと思いますよ。

■ バーン To:リック
 …正直、思った以上に安い報酬ですね。
 道中の必要経費は払うと仰いましたが、エレミアに到着以後、我々がオランへ帰還するまでの費用はいただけるのでしょうか?
 それと、少し依頼の話とはそれてしまいますが…。

(言葉を切って慎重に選ぶように)
 失礼ですが、それだけの腕を持つ職人なら国に保護を頼めば良かったんじゃないですか?
 悪徳高利貸しが法の目を掻い潜っていたとしても、後ろめたい事は必ずあるでしょうし。
 それに名がある職人なら、他国へ行っても追手を差し向けられてしまうんじゃないでしょうか?

■ リック To:バーン
 食費程度はもちろん経費としてお支払しますが、馬車代までは申し訳ないが出せないですね。
確かに安い報酬なので……申し訳ないですが、他にあてもないですし……。
国は……法を破ったという証拠がないと何もしてくれません……。
そして法を破ったのが分かったころには……もう訴えるものはいなくなっているんですよ……。
証拠は残さず……が、ガートランド商会のやり口ですからね。
後、エレミアなら腕のいい職人もたくさんいますし、とある親方にすでに滞在させてくれるよう御願いしていますので大丈夫かと思います。
その親方の仕事ということで裏方的役割をすればそうそうばれないと思いますので……。

■ バーン To:リック
 なるほど、おおよその事は把握できました。
 …周到な相手にはこちらもそれ相応の覚悟を持って事に当らなければなりません。その意味で、やはり安い報酬はネックになっていることは否めませんね。
(そこで何かに気付いたように厳しい表情を一転させ)
 …そうだ、こういうのはどうでしょう。
足りない分の代価としてライクさんに工芸品を作ってもらうというのは?
 腕の良い職人なら安定した職場さえあれば容易い事だと思うのですが…

■ リック To:バーン
 それはありがたいです。
ライクさんの腕なら木工細工はお手の物ですから、いいものをつくってくださりますよ。簡単なものなら、道中で、ちょっと難しいものでもエレミアについてから少し時間をいただければ完成させることが出来ると思いますし、自分の方から交渉しておきます。
バーンさん、本当にありがとう!

深深と頭を下げながらリックはそう言った。
■ バーン To:リック、ALL
 ちょ、ちょっと待ってください。今のはあくまでも俺の意見だけです。パーティーのメンバーが承諾しなければ、この代案はご破算になってしまうんで(^^;;
(メンバーに向き直り)
 聞いてくれてたと思うけど、みんなもそれで構わないかい?

■カルソニック To:リック
 ・・俺もえぇけど・・・・。
いっこ聞きたい事があるんやけど、えぇかぃ?
奥さんが病気いうとったけど、そんなに難病なん?
恐らくエレミアまでは強行軍や。
依頼人の奥さんが病気や、いうてたけど・・・
そんなんで大丈夫なんかいな?
うちのパーティには”坊さん”おるけど・・。

■リック To:カルソニック
 カルソニックさんも本当にありがとう。
 奥さんはもう今はもう元気になられたので大丈夫です。
元気になってこれ以上借金が増えそうになくなったから、ガートランド商会の取り立てが厳しくなったという側面もありますので……。
ちなみに……お坊さんって?そうは見えないのですがどなたが?

少し遠くに座っていたので、立ち上がって
■アップル To:リック
 はじめまして、アップルといいます。チャ・ザさまにお仕えするものです。
まだまだ修行の身ですが、奇跡をいくつかお願いすることもできます。

軽く会釈をするアップル・・それにしても、今回はおとなしい。
なにか悪いものでも食べたのかな?^_^;;
■アップル To:リック
 不当な利益をあげようとしているものから人々を救うのは、チャ・ザさまにお仕えするものの喜びでもあります。
わたしも微力ながら、お力になりたいと思います。

そして、微笑。
・・・昨晩のカレイの煮付け定食(食後のお茶つき)が古かったのかな?
■リック To:アップル
 あなたはチャ・ザの神官さんなんですね。
ああ!それでお坊さんと……!
神官さんがおられるとは心強いです。

完全に勘違いしているリック。
■フェイス To:アップル
えっ、アップルってお坊さんだったんだぁ……とてもそうは見えないよね♪

(アップルの頭をちらっと見て)
そうかそうか……あれはカツラなのか……。あの下はゲーハー……


■バーン To:フェイス
 何か言った?フェイス??

■フェイス To:バーン、みんな
僕も別に受けてもいいよ♪
っていうか、受けてあげないとかわいそうかも(^_^;)

■エルシア To:リック
私は…… 反対できないから
(諦めたように苦笑する)

■リック To:ALL
 みなさん、本当にありがとう!
じゃあ、とりあえずライクさんの家に行ってこれからの詳細を詰めようと思うんですが、いかがでしょうか?

■バーン To:ALL、リック
 みんなもそれで良いですよね?
(リックに向き直り)
 では、行きましょうか。

■エルシア
 解ったわ、早い方が良いしね。

少ない荷物を手早くまとめて、外に出るエルシア。
■アップル To:ALL
 (エルシアが出ていってしまったのをみて) あ。。行動のはやい方ですね・・(^_^; 見失わないように・・・

 と言って、あわててエルシアを追いかける。 見失うことは、たぶんないんじゃないかと・・・・(笑)
そして、アップルは宿の出口で皆が出るのを待つエルシアと合流する。
■カヴァレス To:バーン
 クク,まぁ食い扶持に困らねぇなら問題無ぇさぁ。
 もっともよぉ,商会にゃぁ目ぇ付けられたかぁ無ぇがなぁ。

■リック To:ALL
 じゃあ、行きますか。
ライクさんの家はオランの南の方にあるんですよ。

ということでライク家へと一行は移動を開始した。

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