SW-PBM Scenario #61B 目次

尋問


鍾乳洞

 気絶したダークエルフには、当然のごとく手足を縛って応急措置。これはカナル担当。
ケニは不服そうにしている。
■ケニ To: カナル
ダークエルフの手当てなんかして、どうするんですか?

■カナル To:ケニ
聞きたいこともあるしな。
生きてるダークエルフは迷惑だが、死んでるダークエルフでは、何の役にも立たないんだよ。

■ケニ To: カナル
………?

なんだか上手く騙されたような気がするが反論できないケニであった。
役に立たない方が迷惑になるよりまだいいような気がする……
そんなケニを見てアトールが補足してやる。
■アトール To:ケニ
殺すのはいつでもできる。
こいつの持ってる情報を全て聞きだした方が、よりお父さん達を助けられる確率が高くなるんだ。
ケニが大きくなったら何になりたいかは知らないけど、もし冒険者になったら一つ覚えておいた方が良いぞ。
冒険者で、一番重要な仕事は情報集めだ。
1にも2にもまず情報。
だからカナルも、いけ好かないダークエルフの応急処置なんてやってるんだ。

 ケニははっとした。
■ケニ To: アトールさん、カナルさん
そうですね。すみません、じゃましちゃって……
続けてください、カナルさん。

 しばらくして、ダークエルフは意識を取り戻した。起き上がろうとして、自分の置かれている状況に気が付いたようだ。吐き捨てるようにつぶやく。
■ダークエルフ To: ALL
……くっ。人間などに捕まるとは、屈辱だ。

■ヴィクトール To:ダークエルフ
オレ、一応ハーフエルフだから生粋の人間じゃあないけどね。リッキーもいるし。
人間だとかダークエルフだとか聞きたいのはそんな事じゃないよ。

■ダークエルフ To: ALL
フン。あの方がにかかればお前達などすぐに消え飛ぶさ。
半端者のハーフエルフなど特にな!

 ダークエルフは開き直ったのか、敵意を剥き出しにしている。
■ヴィクトール To:ダークエルフ
・・・・・・・・・。

■アスタルテ
(むう、うるさいやつだなあ・・・)

■カナル To:ダークエルフ
まずは、名前から聞かせて貰おうか?

■ダークエルフ To: ALL
人間に名乗る名前など無い。が、不便なら<闇使い>と呼ぶがいい。

 我慢していたアスタルテがぷちっと切れた。
■アスタルテ To:ダークエルフ
あぁぁぁぁぁ、うるさい。
なにが『<闇使い>と呼ぶがいい』だ。
いちいちカッコつけけるんじゃなぁぁぁぁぁい!!

 アスタルテは懐からスリッパを取り出すと、ダークエルフのドタマを一閃した。
 洞窟に「すぱぁぁぁぁぁん」ととても軽快な音が鳴り響くのだった。
 アスタルテ必殺の−どっから出したんや!−スリッパツッコミに、思わずアッチの世界に行きかけたダークエルフだが、カナルの冷たい声で何とか生還した。
■カナル To:ダークエルフ
さあ、話して貰おうか。
何のためにこんな真似をしでかしたんだ?

■ダークエルフ To: ALL
何のために?愚問だな。我々の勝利の為に、我々の未来の為に。それ以外に理由などあるか?

■カナル To:ダークエルフ
ほほう。
どうやって勝利を掴むつもりだったんだ?
罪もない村人を殺すことが、勝利だって言いたいのか?

 ダークエルフは、怪訝そうに目を細めた。
■ダークエルフ To: ALL
ははぁ、さては貴様等は知らんのだな?この先に何があるのか。
まぁ、知ったとしてももう遅い。今ごろはリノセロス様が例の剣を手に入れていらっしゃる頃だ。一歩遅かったな。

 そうして、ニヤニヤ笑っている。
■カナル To:ダークエルフ
(リノセロス……さっき、迷子になってた奴のことか)
あの紫のマントを羽織った奴の事か?
安心しろ、それなら、さっき通路でばったりあって仲間が斬り捨てたところだ。

■ダークエルフ To: ALL
なんだと!

フフフ……ハハハ…… 我が精霊にすら打ち勝てぬ貴様等が、我等が長を倒したと言うか。片腹痛い。

 と、笑っている。その目は、アフルとソフィティアを見ている。
■カナル
(全くだな)

■ソフィティア To:闇使い
「いっそ一思いに殺してくれ。」って言わせてあげましょうか?

 にこにこしながら目がマジ。
■アスタルテ To:ソフィティア
うわぁ・・・ ソフィ姉さまって怖いわぁ
(とかいいながら状況を楽しんでます)

■ダークエルフ To: ALL
第一、リノセロス様は先に洞窟に入られたのだ。その御前では狼が人間どもの匂いを追って導いている。時間はかかっても遠回りすることはない。貴様等より先においでになるのは確かだな。

■ケニ
!!

 ケニが黙ってカナルのマントの袖を引っ張る。早く行こうと目が訴えている。
■カナル To:ケニ、おおる、ダークエルフ
ああ、そうだな。
それじゃ、こいつには役立たずになって貰おうか。

色々と話が聞けて良かったよ。
もうすぐリノセロスとか言う奴も、後を追ってくれるだろうから安心しろ。


■アスタルテ To:カナル
それはトドメということですね。
ではボクが悪を成敗してくれよう。

 そういうアスタルテは、すでにヘビーメイスを振りかざし影のごとくダークエルフの背後に立っていた。
■ダークエルフ To: アスタルテ
ぬぬぅ。呪われよ、正義の美少女神官戦士アスタルテよ!

■アスタルテ To:ALL
それではみなさん、ようござんすね。
では、滅び往く悪に合掌。

一撃必殺アスタルテホームラン!!
今年のホームラン王はいただきよ。


 解説しよう。
 アスタルテホームランとは、マイリー神のサイン入りヘビーメイスのフルスイングによる強力は一撃である。
 その一撃は巨人の松井かマグアイアに匹敵する飛距離(もとい威力)を誇る。
 それはともかく、こうしてダークエルフはお空のお星様となった。
(ここはどーくつとかいうツッコミはなしよ)
■アスタルテ To:マイリー
ありがとうございます、マイリーさま。
これでまた一歩、アスタは勇者に近づきました。
私が悪を根絶やしにするまでお導きください。

 アスタはあさっての方向に向かってひざまづくと、手を組んで祈りをささげた。
■カナル To:ケニ
それじゃ、また案内を頼もうか。
ぐずぐずしてる暇はなさそうだからな、急ぐとしよう。

 気絶した狼と頭かちわられたダークエルフの死体を後に、冒険者達は先を急いだ。



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