| ≪ 出発の朝 ≫ |
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集合場所にて |
翌朝。
DW一行が指定された集合場所にいくと、すでにそこにはガイアが待っていた。
DWに気づいた彼女が元気な声をあげる。
■ガイア To:DW |
あ、おっはよ〜! 待ってたわよ。さっそくいきましょう!こっちよ、こっち。 |
ガイアに先導されて港を進む一同。
しばらく進んだ彼女は、かなり立派な帆船の前で立ち止まった。
■イスカ To:All |
わあ、大きな船だなあ。外洋に出るような船に乗るのは、初めてなんだ。 これくらい大きければ、それほど揺れないのかな? |
■スレイ To:イスカ、おおる |
これだけ大きいものが浮くんですねぇ…凄いです…… |
■リグ To:ガイア |
ねえ、この船の名前はなんて言うの? |
■ガイア To:リグ |
えっとね、“ファーストウインド”っていうの。 ちょっとカッコイイでしょ。 |
■リグ To:ガイア |
うん(^-^) |
ガイアは船に向かって大きな声をあげる。
■ガイア To:ローゼ |
ローゼさん、みんな連れてきたわよ! |
船乗りたちに出港準備の指示を出していたらしいローゼが、DWの前に走ってきた。
■ローゼ To:DW |
みなさんお揃いですね。よろしくお願いします。 もうしばらく船の準備に時間がかかりますので、それまでは、この者たちの指示にしたがってください。 申し訳ないですが、私は出航の指揮に戻りますので…。 |
ローゼはそういうと、再び船の中へ入っていった。
かわって、ローゼに紹介された2人の船乗りのうち、背の低い軽装の男が声をかけてくる。
■キース To:DW |
えっと、俺、キースっす。よろしく。 一応、精霊を使った魔法を使えるんす。 でも、肉弾戦はからきしダメなんで、頼りにしてるっすよ。 で、こいつがジェム。 |
とキースが、黒マントで身を覆った長身の男を指差す。
男は小さい声でぶつぶついったあと、少しだけ頭を動かした。
■キース To:DW |
よく聞こえなかったかもしれないけど「よろしく」ということっす。…まあ、こいつ(ジェム)は内気で人見知りなもんで、いつもこんなもんなんすよ。 許してやってくだせえ。 で、あんたたちの面倒は俺らが見るようにいわれてるんで、船旅の最中とかなんか分からないことがあったら気軽に聞いてくだせえ。 |
■カナル To:キース |
俺は、カナルだ。よろしく。 なるほど、仲間というのは、本当に船乗り仲間だったのか……。 |
■キース To:カナル、DW |
…??…で、申し訳ないんすが、船旅中あんたたちにも船の仕事を手伝ってもらいたいんだけどいいっすかね? 人手が足りないもんで。 |
■リムリィ To:キース |
えと、リムリィです。ボクにできることならお手伝いしますけど。 |
■カナル To:りむり、キース |
そうか、リムリィがやってくれるか。 頼んだぞ。俺は肉体労働は専門外なもんでね。 |
■リムリィ To:カナル |
がんばりましょうね。 |
■カナル To:リムリィ |
(……こいつ、実はなかなかにいい性格の持ち主なのか? なんせ、あのバティと組んでいたこともあるらしいからな。 ……それともただの天然なのか? どちらにしても侮れん奴だ) ああ、頑張ろうな。俺も、頑張ってリムリィの働きを見守っているぞ。 |
■スレイ To:カナル |
見守ってるだけなんですね、カナル…。 …って、どうやって頑張るんですかっ ?!(^^;) |
■カナル To:スレイ |
何だ、スレイ! 知らないのか? 見守るとは、文字通り見つめることで様々な危険から相手を守ることが出来るという高等魔術なんだぞ。 手当だってそうだ。言霊には必ず何かしらの意味がある。 普通の奴には、その言霊の力を関知できないかも知れないが、魔術師というのはそれを操る術に長けた者達だからな。 |
■イスカ To:カナル |
そんなことが・・。やはり古代の魔術は恐るべきものだな。 |
カナルの冗談を間に受けてしまうイスカ。
■リムリィ To:カナル |
はぁ……なんかすごいですね……… |
■スレイ To:カナル |
むぅ……奥が深いですね……… |
■ジェム To:カナル |
………(こくこく)。 |
っていうか、みんな納得してしまってますが。
ジェムがかすかにうなづいているように見えたのは気のせいか…?
■リグ To:キース、ジェム |
わたしは、リグ。キースさん、ジェムさん、よろしくね。 えっと、何から手伝ったらいい? |
■イスカ To:キース |
私にも、何かできることはある? |
■キース To:リムリィ、カナル、DW |
(リムリィに向かって)あ〜、申し出はありがたいんすけど、女の子にはちょっとキツイかなぁ…。 (カナルに向かって)しっかし、あんたも女の子に向かってなっさけないっすねぇ〜。 (リムリィ、イスカ、リグに向かって)できればあなたたち女性陣には、船の炊事、洗濯とか手伝ってもらった方がいいと思うんすけど…。 まあ、それぞれ何やるかはあんたたちにまかせるっす。 |
■リムリィ To:キース |
………。 ………………ええと 説明すると長くなりそうだからいいです……… |
イスカは何か言いたそうだが、複雑な表情で黙って見ている。
■キース To:リムリィ |
…?? |
カナルが肩をすくめながら口を開く。
■カナル To:キース |
人には向き不向きって言うのがあってね。 犬に畑を耕させたり、馬に番をさせる農民は居ないだろ。 |
■キース To:カナル |
う〜ん…どうしても嫌っていうなら仕方ないっすけど…。 じゃ、あんた…カナルさんだったっすね、カナルさんは何が得意なんすか? |
■カナル To:キース |
頭脳労働なら得意だな。 |
■キース To:カナル |
頭脳労働…ねえ…。 あ、そうだ! 船長のお子さんの家庭教師ってのはどうすか? |
■カナル To:キース |
……子守か……。 他にはないのか? 無ければ、それでも構わないが……。 |
■キース To:カナル |
う〜ん、他には思いつかないっすねぇ…。 てなわけで、カナルさんは子守りに決定っすかね。 |
■ジェム To:カナル |
……………。 ……………。 ……………(にやり)。 |
■カナル To:キース |
…………。 分かった。 |
■キース To:DW |
じゃ、カナルさんは決定っすね。 で、その他の方なんすけど。 今人手が欲しいのは… 力仕事、2〜3人。 …これぐらいっす。こん中から各自好きなヤツ選んでくんなまし。 |
■カナル |
(! キースめ、他にも仕事あるじゃないか……。 はめられたか!?) |
■ジェム |
(にやり) |
■リムリィ To:キース |
ええと…ボクは何でもいいですけど…… |
■キース To:リムリィ |
じゃ、まあ、他の人が何やるのか決まった後で足りないところをやって欲しいす。 |
■リグ To:キース |
見張りと炊事洗濯は分かるけど、力仕事って何をやるの? |
■スレイ To:リグ、キース |
荷物運びとかじゃないですか? わたしは見張りをやらせてもらいますよ。遠目には自信がありますからね。 あ、わたしはスレイです。はじめまして、キースさん。 わたしも精霊とお話することが出来るんですよ。後でいろいろ教えてくださいね(^^) |
■キース To:DW |
よろしくっす。じゃ、見張りよろしく頼みます。 力仕事は、荷物運びとかマスト張り・たたみ、風が無い時のオール漕ぎなど色々っすよ。 |
■イスカ To:キース |
私も見張りがいいな。炊事洗濯のような細々した仕事はどうも苦手だし、力仕事のほうでは逆に足手纏いになってしまいそうだしね。 |
■リグ To:スレイ、キース |
そっか、荷物運びとかならこの樽美人リグちゃんにま〜かせてだね |
■リムリィ |
(たる………) |
リグの頭のてっぺんから順に、足まで視線を移して。
■リムリィ |
(………なんで樽なんだろ………) |
■キース To:リグ |
…う〜ん、お嬢ちゃんじゃ、力仕事は無理じゃないっすか(笑)? |
■スレイ To:キース |
キース、樽美人を甘く見てはいけませんよ……(汗) |
■リグ To:キース |
そうかな〜。こうゆうことが出来てもだめ?(^-^) |
近くにいるジェムをヒョイっと持ち上げて、片手で横にクルクルまわすリグ。
■ジェム To:リグ |
!!………。 |
少し目を見開きながらも従順にくるくるまわされてしまうジェム。
■リグ To:ジェム、キース |
(ジェムを優しくおろして) ジェムさんごめんね。 どう、キースさん。 |
■キース To:ジェム、リグ、DW |
…おわっ!? あ、相棒〜!? わ、わかったす、任せるっす! …う〜ん…やっぱり冒険者ってのはスゴイんすねぇ…。 じゃ、カナルさんが家庭教師で、 |
その時、ガイアが口をはさむ。
■ガイア To:キース |
キースさん、私にも何かやらせて。 |
■キース To:ガイア |
何もお嬢さんの手までは…。 |
■ガイア To:キース |
お願い。 |
■キース To:ガイア、DW |
………わかったっす。 じゃ、ガイアお嬢さんはリムリィさんと一緒に炊事洗濯の方お願いするっす。 |
バティの返事を聞かずに勝手に決めてしまうキース。
■キース To:DW |
それじゃ、船の中に入るんでついてきてくだせえ。 |
そして、DW一行はいよいよ船に乗り込むのだった。