SW-PBM Scenario #23  魂の誓い
第九章 「新たなる旅立ち」  -Wizards College Return 三角塔再び-

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ディリュースの手引きで、遺跡の地図とレポートを作り終えた一行は、
遺跡を後にし一路オランへと向かった。

数日の後、オランに到着した一行は学院へと向かう。

■受付嬢 To:一行
お帰りなさいませ。
バイナル師の依頼された冒険者の方でしたね。
すぐにバイナル師へお取り次ぎ致しますね。

■バーン To:受付嬢
(「三角塔」を見上げ、ふーっと一息つくバーン)
(受付嬢を認めると向き直り、努めて明るい声で)
ただいま戻ってまいりました。 バイナル師へのお取次ぎ、宜しく御願い致します。

■フェイス To:独り思う
(………お楽しみ(らぶらぶ)は後だ ね、バーン…!)

暫く一行が待っていると、いつぞやの青年が現われる。

■青年 To:一行
あぁ、お帰りなさいませ、お待ちしておりました。
バイナル師は在室ですので早速ですが、お部屋の方に案内させて頂きます。

青年に学院内を案内され、一行はバイナルの私室へと通される。

■バイナル To:一行
おぉ、無事に戻ったか。
で、遺跡の方は見付かったのか?

椅子を勧めつつ早速、遺跡の話に入る。

■バーン To:バイナル
(椅子をすすめられるが、直立不動の状態で慎重に言葉を選びながら)
はい、付与魔術という門派のディリュースという人物の住居兼研究室がありました。
我々は一通りの調査を実施し、住居の間取りと研究室に関する報告書をまとめまし た。
後程ドリスより提出させますので、ご確認下さい。
また、先般の契約にあった、
学院の所有物となる宝物はありませんでしたので一緒に報告させていただきます。

バーンの言葉に何か隠されているのを読み取り、少し表情を引き締めるバイナル。 一言、二言、ルーンを呟き呪文を完成させる。(バイナルはセンスライを唱えました。)

■バイナル To:バーン
ふむ、いやに引っかかる物言いの様な気がするが?
わしの気のせいかな…。

ドリス、報告書を見せてくれ。


■ドリス To:バイナル
 あっはいはい。これが報告書ねっ(ニコニコ)
(と、住居の見取り図や、例の魔法装置に関する報告書(装置のスケッチと プレートに刻まれていた言葉のメモなど)をまとめたものを渡す)
 あっ、それからこれもお返ししますねっ♪
(と例の魔法の地図も渡す)

■バイナル To:ドリス
ふむ……。

■バーン To:バイナル
(バーンはバイナルが報告書に目を通しはじめると、それに合わせて話しはじめた。)
…我々が遺跡を発見した時点で、人が通れる大きな倒壊箇所があり、
そこから玄関と思しきホールに進入しました。
我々はホールの間取りを調べた後、進入地点から見て左手のドアに入り、
地下へ向かう階段と瓦礫に埋もれている白骨死体を発見しました。

■バイナル To:バーン
………。

■バーン To:バイナル
白骨死体の側で魔力を付与されたペンを発見しました。
我々は遺跡…住居の所有者たる、ディリュース氏と出会い話し合って、
そのペンとあるブレスレットを実験室にある魔法装置にて加工する事を約束し、成功しました。
あ、ディリュース氏がすでに魔法装置を動かせない身体であったことを付け加えます。

「古代王国時代の意識を残した生き残りが居た。」という事に、
バイナルの表情が、さっと変わります。

■バーン To:バイナル
我々は魔法装置の稼動に対する見返りに、魔晶石3個と住居に関する説明を受けました。
…最後にミスリルの地図にあった、ハドアという人物ですが
ディリュース氏の親しい友人とのことでした。
ディリュース氏からの約束が守れなかった無念の気持ちがあのような文面になったと推察します。

表情を引き締め無言を保つバイナル。

■バーン To:バイナル
報告は以上です…。

バーンの報告を聞き終えた後、バイナルは複雑な表情を見せます。

■バイナル To:バーン
概要は判った…。
しかし、曖昧な報告ではあるな。

現在、その古代王国期の生き残りのは何処に居るのかね?
魔法装置の大まか機能は報告書に記してあるが、この装置を
利用して、その人物は生き残っていたのかね?
報告書には、その事が書かれていないが…。


■シュウ To:バイナル
 んと‥‥
 古代王国からの生き残り‥‥のディリュースさんはここにはいないにゅ。
 ディリュースさん方は今奥様と久方ぶりの再開を喜びあってるにゅ。
 ‥‥
 あたしらは、ただ羽根ペンに封じられた魔力の指示にしたがって ペンとブレスレットの融合?でいいのかな?えっと、融合を行った んだけど、それ以上の効果についてはわからないにゅ(^-^;;;
 だって、どこにも「取り扱い説明書」がなかったんだもん‥‥
 まぁ、符呪魔術師の自宅にある装置だから‥‥自分で作った装置の 説明書とかあるほうが変かもしれないにゅ(^-^;;

シュウの要点を逸らかしたような説明に、バイナルは僅かな苛立ちを見せます。

■バイナル To:シュウ
魔法装置に関しては、重要性が確認されれば学院側で
研究を行うので、君達から操作法云々を聴こうとは思っていないよ。

さて、その魔術師だが……。
ここには居ないと言う事はどういう事だね?
ここではない何処かに居るんだね?それは何処だ?シュウ?


■マーズ To:バイナル
ええ、ディリュースさんはとある場所にいらっしゃいますよぉ。
ですが、その場所はまだ言えませんねぇ。
知りたければ1つ約束してくださいませんかぁ?
それは如何なる理由があっても、ディリュースさんに対して非人道的な扱いをしない こと、
それだけです。

僕も神に仕える身のはしくれ、バイナルさんの良心を信じているからこその条件提示 です。
別に無理なお願いではないと思いますけど、いかがなもんでしょうねぇ?


■ドリス(心の声)

 あ、あれ…バイナル師には素直に事情を話そうかと思ってたのに、 みんな、そんなに学院が信用できないのかな。

…でもディリュースさん達を守るのが優先だもんね…… 学院を信じてもらえないのは悔しいけど、 ここは口出しせずにいなきゃ。
(などと考えつつ、ちょっぴり悲しい顔をする)


学院出のドリスは、皆の学院に対する懐疑の姿勢に多少の抵抗を感じているようです。

■フェイス To:バイナル
…えっと…要はね、僕たち、その古代人のデイリュースさんたちとお友達になったん だよ♪
だから、ばいなるさんにも、ちゃんと人として…客人として彼らに接してほしいん だ。ただそれだけ。
ばいなるさんならひどいことは絶対しないと思うけど、デイリュースさんたちは古代 人だから、その知識を得るために、学院の魔法使いの誰かが彼らにひどい接し方をす るかも…って、ちょっと心配なんだ…。
ごめんね、ばいなるさんたちを疑っちゃって…。

…でも僕たち、デイリュースさんには、これからもお友達として会いたいし。
依頼を受けておいて勝手なこといってるとは思うけど、デイリュースさんたちをお客 様として扱ってくれないかな…? 彼らの意思を尊重してほしいんだ。
それだけ約束してくれれば、僕らも安心して彼らのことお話できるんだけど…無理な お願いかな…?


■ドリス To:バイナル、ALL

(フェイスの言葉の後、とうとう黙っていられなくなって)
 あ、あのっ。
 ごめんなさいっ。みんな学院を疑うようなことばかりいって……。
 みんな、ただディリュースさん達の事が心配だから …だから慎重になってるんです。その気持ちを判ってください。
(とバイナル師に頭を下げる)

(みんなに向かい)
 ごめん、みんな。話しちゃうねっ。

(そう告げた後、もう一度バイナル師に向かい)
 今、ディリュースさんはもう人の姿をしていないんです。
 その報告書にある魔法装置を使って精神をある物体に移し、その物体の中で、 自らは動くこともできない存在となって生きています。

 あたしはディリュースさんに学院に来てもらえないかと話をしました。
 貴重なカストゥール時代の生き証人であるディリュースさんたちは、 学院に貴重な知識をもたらしてくれるだろうし、 長い孤独な時を過ごしたディリュースさん達には、 学院の人達が良き友人…話し相手になってくれると思ったから……。
 そしてディリュースさん達はその申し出を受け入れ、 学院に来てもいいと云ってくれました。
 だから、あたし達はディリュースさん達をオランに連れて来ました。

 だけど、 もはや人の姿をしていないディリュースさん達を、学院が人として扱わず ……ただ知識を得るための道具として扱う可能性もあるかもしれない。
 そうならないとは学院の代表でもなんでもないあたしには保証できない。
 そしてそんなことになったら… あたしは…あたし達はディリュースさん達に申し訳が立たない。

 だから、ディリュースさんに非人道的な扱いをしないこと。 友人であるあたし達と今後も自由に会えるようにしてくれること。 ……その保証をいただきたいんです。

 その保証がいただけない限り、 ディリュースさん達を学院の方と引き合わせるわけにはいきません。
 そういうことなんです。
 どうか判ってください。
 お願いします!  その保証がいただければ、ディリュースさんとお引き合わせします。
(と改めて頭を下げる)


■バーン To:ドリス、バイナル、ALL
(ドリスの言葉に黙ってうなずき)
…ドリスさん、学院に対するあなたの気持ちを汲み取れませんでした。ごめんなさい。
(バーンはバイナルに向き直り)
導師バイナル、申し訳御座いません。
脚色せずに、事実のみを報告しようと思ったのですが、あらぬ誤解を与えてしまったようですね。
私の仲間が申し上げた通り、自分の精神を物品に付与した人物が、
古代王国期の付与魔術師ディリュース氏です。
彼は、自分と自分の妻であるフィアンという女性を1つの器に精神を付与し、
蛮族の侵略から身を守り、同時に二人きりの世界で永遠を生き続けようと考えたようです。
彼らは、ただ平穏無事に過ごしたいだけだと考えています。
行き過ぎた知識が、剣の力以上に危険なのは承知してますが、
彼らをそっとしておいてあげることはできないでしょうか?

■バイナル To:ALL
ふん、雇われの冒険者にしては出過ぎた意見だな。
それに、学院は遺跡の調査を依頼したに過ぎないのだぞ!

ふぅ……全く冒険者には、いつも厄介事を持ち込まれる…。


学院に対する懐疑的な一行の姿勢と、自分と一行との信頼関係を疑われた様な態度に
バイナルは怒声を吐きます。

しかし、言い終えた後のその表情は何処か寂しげに見えます。

■シュウ To:バイナル
 にゅにゅ(^^;;;(心当たりがあるらしぃ)

一息つき、落ち着きを取り戻したバイナルは言葉を続けます。

■バイナル To:シュウ&ALL
……シュウ、お前は以前の経緯を知っているな。
今回の件は、以前のものとはケースが多少違っているので
何とも言えないが、審査を受ける事は確かだ。

私も尽力して、その古代王国人を救いたいと思うが、
結果は五分五分というところだろう。

学院の徒という立場上、これ以上は私は言えない…。
その二人を私に預けてくれないか。

でなければ、学院は君達を追う立場となるだろう。
そして、法の裁きにかけられる。
これは確実な事だ。


■ドリス To:バイナル
 !!
(バイナルの強い言葉に信じられないという表情)
 そ、そんな……。
 あのっ!!
(バイナルに怒りの反論をしようとしたが、ここでバイナルを怒らせるのは、 まずいと思い口をつぐむ)

■バーン To:バイナル
(歯噛みをした後、嘆息し)
…ディリュース氏と話をしたいから会わせてくれ、という事を仰っていただけないの ですね…。
(しばらくの熟考と沈黙の後)
「五分五分」という言葉には引っ掛かりをおぼえます。
また、「預けろ」という表現には正直不信感を禁じ得ません。
ですが、ディリュース氏はこういった状況も予測していたようでしたし、
本人に確認の後、彼らの進退を決めたいと思います。

■フェイス To:バイナル
……………(バイナルの返答にちょっとショックを受けている)。

とりあえず、デイリュースさんの意見を聞こうよ…。

………でも、…でも、おかしいよ、ばいなるさん。
いくら学院があの遺跡を見つけたからって、あの遺跡には姿はどうあれデイリュース さんたちが残っていたんだよ?
それだったら、あの遺跡はディリュースさんたちのものだし、ディリュースさんはあ そこに住んでいるヒトじゃない!
学院がデイリュースさんを預けろとか、法的に裁かれるとか、僕たちを追うとかいっ ているけど、デイリュースさんたちが存在している時点でそんな権利本当にあるの?
ばいなるさんたちのやろうとしていることの方が、よっぽどヒトの権利を無視した行 動だと思うよ!
ばいなるさんたち学院のヒトや僕たちは、古代人デイリュースさんの家を発見して訪 れただけなんだよ。そこにヒトが住んでいたんだから、彼らの生活を邪魔する権利は 誰にもないんだよ。

…それにばいなるさんも依頼する時いっていたよね?
「遺跡を発見したのは学院であるので所有権は当然、学院に帰属する。でも、古 代王国期の遺跡の主が生きていればそうも言えない」 って。その通りのことが起こっているんだよ?

ディリュースさんにお願いして、古代のお話しを聞くぐらいは許してもらえると思う けど、学院がただの住人の…それも、僕らよりずっと大昔から今までこの地に住んで いたディリュースさんたちをどうこうする権利はないよ!
…それこそ、そのへんのただの人さらいと同じなんじゃないかな。

………失礼なことばっかりいっちゃってごめんなさい。でも、僕はデイリュースさん たちは、あの遺跡を所有権をもっていて、彼らはあそこで、自分の意思で生活してい く権利があると思うんだ。
僕らは、彼らに「お願い」することはできても「強要」はできないんじゃないかな。


パーティ内で唯ひとり、以前からの面識のあるシュウはバイナルに努めて
歩み寄る様に話掛けます。

■シュウ To:バイナル&ALL
 まえ‥‥ね。うん。それがあたし引っかかっているんだ。
 は‥‥バイナルのおっちゃん助けてくれたよね。
 あたしら、すっごく嬉しかった。でも、その後立場大丈夫にゅぅ?

(皆に向かって)
 遺跡で話したお話あるでしょ?たぶん‥‥気がついているかもしれないけど、 あれ、本当にあったお話なんだにゅ。
 依頼人はこのバイナルのおっちゃん。そして、冒険者はあたしとそん時の 仲間。
 あの時‥‥学院に抹殺と判断された魔法生物達ね、「学院」から姿を 消したけど‥‥今あるところで元気に暮らしているにゅ。
 ‥‥ただね。
 今回も、また「あたしら」が連れて来た古代王国の生き残り‥‥ また審議にかけるの?おっちゃん。
 前回は魔法生物。で、今回はアイテムに封じられているとはいえ 魔術師。確かに違うっていえば違うけど‥‥でも、ちょっと‥‥いや すんごくあたし不安なんだ。
 ‥‥
 あたしね、バイナルのおっちゃんは信じてる。
 さっきは‥‥含みある言いかたしてごめん。でも、‥‥
 おっちゃん。あたし、「おっちゃんに」ディリュースさん達を任せる コトに関しては、不安ないけど‥‥なんなら、今あたしに魔法かけたって いい。嘘ついてないもん。
 ‥‥
 おっちゃん。約束できる?
 ディリュースと‥‥フィアン。このふたり本当に任せてもいい?
 ‥‥
 シェリーとグランディ‥‥。最近、笑顔見せてくれるようになったんだ にゅ‥‥‥
 ディリュースさんとフィアンさんも、ずーっとずーっとにこやかに生活 できるって約束できる??
 ‥‥にゅぅ。

■バイナル To:シュウ&ALL
…確たる約束は出来ない…。

以前の一件も今は事無きを得てはおるが、学院の捜索は打ち切られた
訳ではないのだ。
私に疑いの目を、あからさまに向ける輩もおるしな。


そう言ったバイナルの表情は、苦悩の色が見えていました。

■シュウ To:バイナル
 !!!
 ‥‥たぶん捜索は打ち切れてないと思ってたけど‥‥バイナルのおっちゃん まで疑われてるにゅぅ!!
 ‥‥
 あのふたり、いつまであそこにいられるんだろぅ‥‥
 バイナルのおっちゃん‥‥おっちゃん、大丈夫かにゅぅ??
 ‥‥
 あたしが受けると、いつもこうだ‥‥。 あたし、やっぱり学院からの依頼受けないほうがいいのかなぁ‥‥‥

■バイナル To:ALL
しかし、私は自分の保身の為に、お前達との約束を渋っているの ではないぞ。

この一件は私が個人的に依頼したものではないのだ。
学院が私を通して、君らに依頼したものなのだ…。
この件に不審な点が少しでもあれば、学院の監査も入る筈だ。

魔術とは一歩間違えば、世界を巻き込むほどの危険を伴いかねない
代物だからな…。

学院の審議の結果、その古代王国人の存在が否定されれば、
その決定を覆す事は誰にも出来ないのだ。

たとえ国王であろうとだぞ。


■バイナル To:ALL
それに…お前らの身も心配だ。

私は望まないが、現行のオランの法では古代王国人には、
人権を認めないと思われる。

それを踏まえて、学院はお前らを訴えるであろう。

学院の資料を貸与した上での君達の契約不履行、
…遺跡から出土した物の一部を隠匿したとでも言おうか、
それは、法的に裁かれるもので在ると言えよう?
遺跡の存在は、学院が君らにもたらしたものだしな。


■バイナル To:ALL
最後に言っておく、私はお前達の敵ではない、学院もそうだ。

ただ、現状のオランの体制、現代人の古代人の対する懐疑の念、
発見された魔法装置が悪用されるかもしれない事など…。
色々な事を大きな視野で考えてくれ。

私は、古代王国人…ディリュースとか言ったな、彼の為に最善を尽くす。
それに、お前達を日陰者にはしたくないと思っている。

これで、私の話は終わりだ。
さて、どうする?


自分の言い分を話し終えたバイナル、一行の身を案じながらも
学院の徒としての立場からしか話せない自分に苛立ちを感じています。

■フェイス
……………。

■マーズ To:バイナル
僕たちも基本的に貴方や学院と敵対する意志はありませんよぉ。
だからこそセンスライをかけることにも同意したのですからねぇ。

ただ、僕は冒険者である前に神に仕える身ですから、人道的な問題の確認として先程 の様な事を申し上げました。
依頼をお受けする際におっしゃった「冒険者を名乗るヤクザ者」でないからこその発 言だと受け取って頂きたいです。
結果的にそれが不快に感じられたと言うことであれば、その非礼はお詫びします。
そして、学院の中でも良識派だと伺っている貴方が「ディリュースさんの為に最善を 尽くす」と
おっしゃっていただけるのですから、お任せするのもよいでしょう。

しかし、先程おっしゃった契約不履行という点で言わせていただくならば、
遺跡の主であるディリュースさんが存在している時点で遺跡の所有権は学院には帰属 しないはずでしたね?
所有権は当然ディリュースさんにあり、結果として学院の持つ所有権は失われまし た。
所有者の存在を報告をすることで契約は履行されているでしょう。
不法侵入でディリュースさんから訴えられて裁かれるというならまだわかりますが。
それに、古代王国人に人権を認めないというオランの法と、今回の条件提示では矛盾 があると言わざるを得ません。
確かに、あれは冗談として貴方はおっしゃったのかもしれませんが、実際にディ リュースさんが存在している以上、
我々は依頼条件に則って行動し、その後ディリュースさんの保身を考えて行動してい るまでです。
それを今になって法を盾に条件を覆すというならば、契約不履行しているのはどちら です?
それとも、僕の依頼条件の解釈が間違っていたのでしょうか?


■バーン To:バイナル、ALL
(しばらくの沈黙の後)
…導師バイナル、お引き合わせしたい方がおります。
(バーンはそう言うと、ディリュースとフィアンの “魂の依代”をバイナルの前に差し出した)
重ねて申し上げますが、あなたを謀る気も事実を隠蔽するつもりもありませんでした。
…これに触れて下さい。
二人が、今、何を考え、どういう気持ちでいるか、実際に知っていただく事が一番だと思います。
その上で、あなたに彼らの進退を委ねたいと思います。

■シュウ To:バイナル
 おっちゃんが敵じゃないのはわかってるにゅ。 学院はよくわからないけどね。
 あたしらも日陰もんにはなりたくないにゅ。

 ‥‥
 ‥‥ディリュースさんと‥‥はなして‥‥みて。

■ドリス To:バーン、バイナル、ディリュース

 あっちょっと待って。
(バイナル師に向かい)  ちょっとだけ…ディリュースさんに、話を説明する時間をください。
(そう言ってディリュースの“魂の依代”に触れる)

(ディリュースに今の話の経緯を包み隠さず伝え)
 そういう訳で学院が貴方達のことを認めてくれるかどうかは 五分五分らしいの……。
 私はバイナル師を信頼して貴方達を預けたいと思っているけど…… でも、よく知りもしない人を信頼しろっていうのも無理な話だよね。
 だからバイナル師と直接話をして、そして判断してください。


■ディリュース To:ドリス
判った…。
迷惑を掛けて済まない…僕等の事は余り気にしないでくれ。
君らの気持ちだけで、500年の永い時を生きてきた価値があると思っている。

■フィアン To:ドリス
そうです…私も、こうやって再びディリュースに会えたし。
ハドアの誤解を解く事も出来ました…。
思い残す事は在りません。

■フェイス To:ディリュース、フィアン
そんな…思い残すことはないなんて………。

一行、暫し沈黙のうちに。

■バイナル To:ALL
さて、私も話をさせてもらおうか。

■バイナル To:ディリュース&フィアン
あ〜、私は賢者の学院の導師、バイナルと申すものだが…。
この者たちより一時、君等の身柄を預かりたいと考えている。
賛同して貰えるだろうか?

■ディリュース To:バイナル
私は、カストゥールの付与魔術師ディリュースと申します。

■フィアン To:バイナル
同じく、付与魔術師のフィアンです。
ディリュースの妻でもあります。

■ディリュース To:バイナル
バイナル殿、お申し出の件お受けしたいと思います。
妻と私の総意であります。

この方達には、一方ならぬ恩義を受けました。
これ以上、手を煩わせたくはありません。
その為にも、我々の処遇は一切貴方にお任せ致します。
我々の知識も、必要とあれば全てお教え致しましょう。


■フィアン To:バイナル
私からも、宜しくお願いします…。

■バイナル To:ディリュース&フィアン
話は判った…。

君等の事は一切引き受けさせてもらおう。
万全の保証は出来かねるが、なるべく君等の意に添うように 努力はしよう。
これから宜しく頼む。


■バイナル To:ALL
話は付いた。
彼等の事は、私が責任を持って預かろう。
学院の審議会に今から招集を掛けて審議に入る。
その結果は必ず君等に知らせるので、一時宿にでも戻って
待機していてくれ。

■ドリス To:バイナル
 判りました……。
 2人のこと…どうかどうかよろしくお願いしますっ

■フェイス To:バイナル
…………………。
……………。
………分かった…よ…。
…バイナルさん、デイリュースさんたちのことお願いね。
…古代人だって、ペンの形をしていたって、デイリュースさんたちはデイリュースさ ん…同じ人間なんだから…。同じ………。

…バイナルさん、失礼なことたくさんいっちゃって…。
色々ごめんなさい。
迷惑だろうけど、…でも、頑張ってださい…!、デイリュースさんたちのために。


■バーン To:バイナル、ALL
分かりました。
ご面倒をおかけして申し訳ございません。
また、ご期待にそえなかったこと、深く陳謝いたします。
しつこいようですが、二人のこと、よろしくお願い致します。
(全員を促し)
それでは、失礼します。


一行は後ろ髪を引かれる思いで、学院を後にし銀の網亭へと向かった。

古代王国期の生き残り……学院…いや、世界に与えるその影響は、
一行が考えるよりも遥かに重い出来事であったのだろう。
会議は即日中に開かれ、その議論は普段の形式的な会議と違い
長時間に及んだ…。


翌日、銀の網亭に一通の書簡がが届けられました。
学院としてではなく、バイナル個人から一行に宛てたものでした。

前略−

今回の件での尽力有り難く感謝する。
さて、ディリュース達の件であるが、学院の審査が入った。
私も、もちろん学院導師として、また今回の依頼の窓口として
審査に立ち会った。

今回の件は、学院としても大きな議題として扱われた。
学院の人間は古代人に、憧憬と畏怖の念を同時に持ち合わせている。
私とて例外ではないが、頭の固い連中は畏怖の念が先に立ち、
「断固、古代人の抹殺もしくは封印」を望んだ。
しかし、憧憬の念を持つ魔術師も同様に居て、「古代人に学び魔術の発展を。」と叫んだ。

議論の趨勢は五分と五分で進んだが、私はそこでディリュース達と
審査に出席した全員に話をしてもらう事とした。
異議を申し立てた者も大勢いたが、そこで大賢者が私の意見を後押し
してくれたのだ。
ディリュースとの会談は始めは賛成派の者たちから始まった、
無難な自己紹介や、中には、魔術に関しての自分の疑問に有る事を
彼等に問うてみるものも現われた。
満足げにしているものも居たので、それなりの成果は有ったのだろう。
反対派の者たちの一部も、それに興味を持ったのか積極的に彼等との話を
行うものも現われた。
なにより、彼等が我々と何ら変わらぬ人間であるとの認識が広まったのが
功を奏したようだ。

その後の審議では「古代人と交わる。」との意見が終始優勢となった。
彼等の知識とて万能ではなく、古代の強力な「魔力の塔」や魔術に対する
古代の環境により、その能力が振るわれていた事実も反対派も人間を
説得する要因となり、最終的には彼等の身の安全は学院の庇護下に入った。

これが審議の顛末である。
そして、それを知る権利の有る君達にこの手紙を書いた。

バイナル

■バーン To:ALL
(手紙を読んでもらうバーン)
(ところどころ分からない語句に首を傾げながら)
…「庇護下に入った」ってことは!
二人は助かったんだね!!
良かった。本当に良かった…

■ドリス To:バーン、ALL
 良かったァ…本当に良かったァ
(ニコッと周りのみんなを見回して)
 よしっ今夜はお祝いの宴会にしよっ!
 さあっみんなっ思い切り飲んで騒ごっ!!!(ニコニコ)

■マーズ To:バーン、ALL
ですねぇ。
まぁ、いろいろありましたが良しとしましょう。

■フェイス To:みんな
とりあえず、デイリュースさんたちは助かったんだね…よかった…。 これでやっと今回の冒険が終わったんだね…。
…うん♪ めでたいっつーたら宴会だねっ!
みんな、お疲れ様〜!!

■シュウ
 永遠の時を経て、
 離れ離れになったかに思えた魂は一つに

 永遠の時を経て、
 互いに、間違った認識をしていたもの同士が歩み寄る

 ふたつのものは、一つになって、その絆を深めてゆく。
 時間という鎖に縛られた者と、その鎖から解き放たれた者。
 互いに、互いを理解し遭おうという心より、両者はここに一つになった。
 ‥‥
 私は願う、その絆。
 時間という鎖に負けずに。認識という壁に負けずに、強くあってもらいたい。
 強くあってもらいたい。
 もぅ、悲しみを生み出さない為に‥‥‥

■フェイス To:独りごと
…う〜ん、兄弟。詩人だねぃ…かっこいい〜(^^)

■バーン 
ディリュース、フィアンの二人とハドア、そしてバイナルさんたち学院の人々…
古き『約束』が果たされ、新しい『約束』が結ばれたんだ。

彼らの『魂』が、たとえ自然にあらざる形だとしても…
新しい未来はきっと開かれると思う…

■ドリス(心の声)

(シュウやバーンの台詞を聞いて…)
 あ、あれれ?(^-^;)

 やっ、やだなー2人ともカッコイイこと言っちゃって……
 ここはあたしもカッコイイ台詞の一つでも言って…う〜んう〜ん
(と考え込むが…)
 ううっやっぱヤメヤメっ。
 そういう真面目な台詞ってあたしには合わないもんねっ(^o^) (結局一人で悩んで一人で納得)


■シュウ To:ALL
 にゅにゅ♪
 なんにせよ、はっぴーえんどで終わったにゅ♪
 祝宴だにゅぅーーーーー♪(どんちゃん、どんちゃん)

その祝宴は深夜にまで及び、物事をやり遂げた仲間達のそれぞれが、
それぞれの思い、喜び、達成感に包まれ冒険者としての至福の一時を味わった。

■シュウ To:フェイス
(と、酒盛りの喧騒からちょっと離れて)
 兄弟‥‥兄弟。ちょっと話しがあるんだにゅ。
 あたしね、ちょっとばかり休もうかなー‥‥って思っているんだ。
 今回の事、伝えたいヒトがいるから‥‥ね(^^)
 んで、兄弟に‥‥このコモンルーンちぃとばかり預かっててもらえないかなぁ?
 ほら、仕事してないあたしが持っているよりも、仕事がまってる兄弟が もっていたほうが有効につかえるでしょぉ?
 たぶん、またここで会うと思うから、それまでちょっと預かってて♪
 ほら、借金したまま逃げないって約束だにゅぅ〜(笑)(と、ウィンク)

■フェイス To:シュウ
えっ兄弟! 本当にいいの!?
…ありがとう〜♪ うわぁ、すごく嬉しいや♪(^^)
これ、実はすっごく気になってたんだぁ〜。これを使えば魔法が…魔法が僕でも使え るんだよね…どきどき…(感動)。うん、確かに預からせてもらったよ〜♪
今回の冒険、兄弟と、みんなと一緒にできて楽しかったよ♪
…兄弟も気をつけてね。そんでもって早く帰ってきてね♪

しかし冒険者達の旅は、この至福の一時で終わるものではない。
新たなる至福のときを求め、新たなる旅に赴く。
バーン、ドリス、シュウ、フェイス、マーズ、ラディウス…。
次の旅はもう始まっているのだろう。


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