#181:おねえちゃんをたすけてください

6-2a 船出

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オラン港
大捕物から暫く経ったある日。
オラン港では「叡智の守護者」号の出港準備が慌ただしく始まっている。
そしてそこにふらりとゾフィーは現れた。
■ゾフィー To:見覚えのある水夫
お忙しいところ、ごめんあそばせ。
この船、次はどちらに向かわれますの?

作業に行き交う水夫達の中に、目的の相手の顔を見つけたゾフィーは、すかさず声を掛けた。
■水夫 To:ゾフィー
あら、お久しぶりですな。
乗船されるんですかい?

■ゾフィー To:水夫
そうね、事務所で伺ったところ、乗客枠に空きがあるとのことでしたし。
間に合うようでしたら、お願いできまして。
手続きの場所を教えていただければ、自分でまいりますから。

■水夫 To:ゾフィー
今度は西方に向かいますよ。目指すはガルガライスです。
乗船手続きは主計長の管轄ですな。
甲板に上がって船室に入ってすぐの所に居ますんで。
それじゃ、あっしは準備があるんで。

水夫は慌ただしく去って行った。
■ゾフィー To:水夫>つぶやき
わかりました、ありがとうございます。

西方ね、いろいろ見応えはありそうですけれども。

右眉を小さく動かすと、ゾフィーはすたすたと甲板に上がる。
上がったところで、オランの街を振り返った。
■ゾフィー To:つぶやき
ま、世界を広げてくれたことには感謝しておきましょうか。
にんげん、いくつになっても遅すぎることはございませんわね。

行き交うカモメ、そしてその向こうに横たわる石造りの街並みを眺めながら、己が口元に浮かべていた笑みに気がついたゾフィー。
紫づくめのドワーフは、その笑みをを苦笑いに変えつつ、主計長を探しに教えられた船室へと降りていった。

入ってすぐ、「主計長室」と共通語で書かれたプレートが掲げられた扉が見えた。
おそらくここに主計長が居るに違いない。
■ゾフィー To:室内
ごめんくださいませ。
乗客として西方行を希望するものですけれども。
乗船手続きをお願いできまして?

軽く扉を叩きながら、ゾフィーは室内に声をかける。
■主計長 To:ゾフィー
入って来てください。鍵は掛かっていません。
幸い、まだ乗客に空きはありますよ。

中から声が聞こえる。
ゾフィーは扉を開け、「主計長室」に足を踏み入れた。
■主計長 To:ゾフィー
いらっしゃい。
申し訳ないが、一等船室と二等船室しかこの船にはありません。
一等は個室で500ガメル、二等は10人の共通部屋で200ガメルになります。
幸い、どちらにも空きはありますよ。

■ゾフィー To:主計長
個室で500ガメルですか。
どちらまでの代金になるのかしら。

■主計長 To:ゾフィー
おっと、詳しく説明しますと、500ガメルは終点のガルガライスまでの値段です。
途中二回の寄港を予定しています。エレミア領内とロマール領内ですね。
エレミアまでなら150ガメル、ロマールまでなら300ガメルとなります。
共通部屋なら、それぞれ50ガメル、100ガメルですね。

■ゾフィー To:主計長
なるほど、ちなみに日数はどれほどのご予定です?
もちろん、天候次第というのは重々承知しておりますけれども。
航海日数と停泊日数との大まかな計画を伺ってもよろしくて?


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GM:teshima