SW-PBM #151 酔いどれ竜と金の枕 |
■ 序章 事件が起こる ■ |
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#151 Index |
【賢者の学院 マイカ研究室】 |
■??? |
ん、と……あのファイルはどこにやったかな……。 |
賢者の学院の一室。
ごそごそごそ、と音を立てて山積みになった書類やら研究器具やらを引っ掻き回している者が約一名。
■??? |
ん〜、ないなぁ……。 |
微妙なバランスで積み上がっているガラクタの洞窟を後ろ向きに戻ってきたその人物。
頭を掻きながら振り返ったその瞬間……にゅっと突き出していた何かの棒にぶつかった。
■??? |
あだっ!? |
ごち。
……がた。
がた、がたがたがたっ。
ぐわらがっしゃーん!
■ベル To:アイレン |
うひゃ! なに、何の音? アイレンさん、今の何の音でしょう? |
■アイレン To:ベル |
……マイカ導師の部屋から聞こえたようですね。 多分、いつもの調子で引っ掻き回して、崩れた書類の下敷きにでもなったんでしょう。 |
盛大な音に驚いて、その音以上に騒ぎ立てるベルと、いつものようにそれに冷静に返事をするアイレン。
雇用主の部屋の扉をノックして、返事がないのを確認して開けてみれば。
そこにはアイレンの予想通りの世界が広がっていた。
■??? |
……むぎゅう。 |
■ベル To:マイカ |
わわわっ。マイカ先生、大丈夫ですかっ。 今ベルが助けてあげますからねっ。 |
足元に散らばる書類を気にもせず、まっしぐらにマイカを助けようと部屋を横切っていく。
……今踏ん付けた書類は上に報告する予定の重要論文だったような気もするが、この際それは言うまい。
■マイカ To:ベル |
あー、ヒドイ目にあった。 助かったよ、ベル。 |
■ベル To:マイカ |
いえいえ。これもお仕事ですからっ。 |
■アイレン To:マイカ |
……私が昨日お仕事して片付けたはずの部屋が元通りになっているのが、非常に気になるのですが。 |
■マイカ To:アイレン |
あー、ナハハハ。 部屋は助からなかったみたいだな。 |
ぽりぽりと気まずそうに後ろ頭を掻いて愛想笑いを浮かべるマイカ。
その手に何か持っている事にベルが気付いた。
■ベル To:マイカ |
……あれぇ? マイカ先生、その手に持ってるのはなんですか? |
■マイカ To:ベル |
ん? ……ああ、さっき下敷きになった時に咄嗟に何か掴んでたやつみたいだな。 ……あ。 |
■アイレン&ベル To:マイカ |
……? |
■マイカ |
そっか。もう、そんな時期か……。 |
ぼうっと何かを思い出すように呟くと、マイカは突然すくりと立ち上がる。
そして、さっきまでの様子とは一変しててきぱきと指示を出し始めた。
■マイカ To:アイレン |
アイレン。地下の貯蔵庫の鍵を開けて、奥に転がしてある樽を出しといてくれ。 それから、ベルは……。 |
言って、机にあった羊皮紙にメモを取る。
■マイカ To:ベル |
こいつを適当な冒険者の集まる店で、依頼として出しといてくれ。 ……さぁ〜、忙しくなるぞぉ♪ |
二人に指示を出すと、マイカは崩れたガラクタの山を踏み越えて、早速必要なものを掘り出し始めるのだった。
■ 第一章 仲間が集う ■ |
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#151 Index |
【イェンス&ソル】 |
毎度の事ながら、大盛況を迎えるこの時期の銀の網亭。
さて、今回はどんな冒険者たちが集い、そして旅立っていくのか……?
■イェンス To:おかみ |
あぁ、この時期この宿に来るのは初めてですねぇ。(キョロキョロとしつつカウンターへ) ソルさまはまだ来てませんかね? |
■おかみ To:イェンス |
ソルさん? そういえば、まだ来てないみたいね。 でも、この時期だから、しばらく待ってれば顔をだすんじゃないかしら。 それまで、何か注文しとく? |
■イェンス To:おかみ |
そうですか。まったく何をしてるやら…。(ぶつぶつ言いつつ席に座り) えぇと、それではソルさまが来るまで、番茶と酢昆布いただけますか? |
■おかみ To:イェンス |
はい、番茶と酢昆布♪ 番茶は長く待てるように熱くしちゃったから、気をつけてね。 のんびりしてってね。 |
と、いうわけで。
の〜〜〜んびりとカウンターにて人待ちをするイェンス。
番茶から立ち昇る湯気はとっくに消え去り、皿に盛られた酢昆布が無くなって、さらにしばらく経った頃。
■ソル To:イェンス |
おー、イェンス、待たせたなっ。しっかしすごい人だよなぁ。仕事にあぶれない様にしないと…。 とその前に。おかみさ〜ん、安くて美味くてボリュームのある食べ物お願い! あ、ここの食べ物は何でも美味いんだったっけ。あとはホットミルクもよろしく! |
■おかみ To:ソル |
あら、ソルさん。さっきからそこでずぅっとお待ちの人がいるわよ(笑) はい、ホットミルク。あとレイピア大串焼き焼いてみたから、食べてみて。 |
■イェンス To:ソル |
やっと来ましたねソルさま。まぁ1時間と41分で来たので良しとしましょう。 で、そのレイピア串焼きは・・・(@_@;)? 口を切らない様にして下さいよ。 |
■ソル To:おかみ>イェンス |
うわぁ、すっげーなぁ、この料理(笑)ありがとう、おかみさん。 とりあえずカウンターじゃ食べるの大変だからテーブルに行こうか? 仕事の仲間探すのも落ち着いてやった方が良いし。偶数より奇数の方が好きだから5番にでも行くかな。 |
■イェンス To:ソル |
はいはい。それでは移動しましょう。 わたしも奇数の方がいいです。珍しくソルさまと意見が合いましたね。 |
■ソル To:イェンス |
いや、オレはイェンスとは意見が合わないままで良いんだけどな…。 まぁ、とにかくさっさと移動しよう。 |
【ジョルディ】 |
イェンスとソルがテーブルに移動して少し。
また新たな冒険者がやって来た。
■ジョルディ To:おかみ |
巷で噂の『銀の網亭』とはこちらですか〜? |
■おかみ To:ジョルディ |
噂になってるかどうかは知らないけど、ここが『銀の網』亭よ。これからもご贔屓に(笑) 何か出しましょうか? |
■ジョルディ To:おかみ |
ん〜と、それじゃあ、スフレとホットミルクをください♪ |
■おかみ To:ジョルディ |
はい、お待たせ。ホットミルクと……ごめんなさい、スフレ蒸すのに時間かかっちゃったわ。 ゆっくりしてってね♪ |
■ジョルディ To:おかみ |
ありがとうございますっ♪ ではさっそく……いっただきまーす♪(ムグムグ) ムフー♪ お・い・し・す・ぎ・るーっ!! さすがはお師匠サマ♪ オススメにハズレがないや♪ ごちそうさまでしたっ♪ さて、と……(ぐるんぐるんと周囲を見回し) ……うん、あの人に声をかけてみよう♪ |
【カロン】 |
お店がようやく一段落した頃。
開店ラッシュを避けるように、少しばかり時間をずらしてやってくる者もいる。
■カロン To:おやじ |
おやじさん、おひさしぶり〜。今日は人の出が多いようだけど出遅れたなw;(周りを見渡しつつ) ひとまずフルーツジュースだけ貰えるかな。 |
■おやじ To:カロン |
お前さんも元気してたか? ほら、フルーツジュースだ。まあ、頑張んなよ。 |
■カロン To:おやじ |
ども、それにしても大半はメンバーが決まってるところばっかか。ひとまずカウンターに居る人達に声かけてみるかな。 |
■おやじ To:カロン |
おう、そうか。まあ、上手くいくことを祈ってるぜ。 |
■カロン To:おやじ |
ああ、ありがと・・・っとその前に、今回はどんな依頼がきてるか見てからにするかな(笑 |
【ハイアンロゥ 〜 集う仲間たち】 |
おや。こちらも今着いたばかりのようだ。
カウンターで一息つくと、親父に景気のいい挨拶を送る。
■ハイアンロゥ To:おやじ |
ちわー、愛と勇気と自愛の歌うたい志望のマーファ神官ハイアンロゥだー。 ハイアンでも、ハイロゥでも好きによんじゃってくれい。よろしくぅ〜。 |
■おやじ To:ハイアン |
良く来てくれたな。まあ、ぼちぼちと人も集まってきてる様だ。 それで、何か注文はあるか? |
■ハイアンロゥ To:おやじ |
ああ、ありがとう。じゃあ、あったかい紅茶ちょうだいな。ミルクと砂糖多めにもってきてね。 あと、甘いものがほしいなぁ。そうだ! チーズケーキとかがいいな。 |
■おやじ To:ハイアン |
ほら、注文の紅茶だ。最近良い葉が入ったんでな。チーズケーキも今朝作ったばかりのものだ。 一息ついたら、仲間探しを始めるんだな。 |
ハイアンがチーズケーキにフォークを突き刺し、今にも口に運ぼうかとしていたその瞬間。
横からすいっと顔を出したのは、先ほどのジョルディだ。
おや、その後ろからはソルも歩いてくる。どうやらスカウトが始まった様子だ。
■ジョルディ To:ハイアン&おやじ |
よいしょっ、と♪ そのチーズケーキおいしそうだね♪ おやじさん、ボクにもひとつくださいな♪ ホットミルクも一緒にね♪ さて、と。それってマーファ様の聖印ですよね? お兄さんって司祭サマなんですか? もしよかったら、ボクと組んでくれませんか? |
■ソル To:ハイアン |
お、ハイアン〜。前回の仕事ではありがとう。 (ジョルディを見て)もしかして2人でパーティー組むの? もし良ければうちもイェンスとまだ2人だけだから一緒にどう? |
■ジョルディ To:ソル&ハイアン |
……え〜と。ボクとしては願ったり叶ったりなんだけど。 (ハイアンロゥに向き直り)お兄さんもそれでいい? |
■ハイアン To:ALL |
お、ソルソル。こちらこそ前回はありがとぅ。うん。このジョルディが誘ってくれたから一緒に組むつもりだよ。 パーティに誘ってくれるのかい。ぜひ、一緒にやりたいな。よろしくな〜。 |
さらにそこにもう一人。カロンが顔を覗かせる。
銀の網亭は仲間を求めてやってくる場所。自然、人が固まっていればさらにその人数は増える。
■カロン To:ALL |
お話中失礼しますね。俺はカロン・ラウリ。 今、仲間を探してるとこなんだが、もしよかったら俺も仲間に居れてくれないかな? |
■ハイアン To:カロン>ALL |
お、こんにちわ。どうせだから、チーズケーキたべる? おいしいよ。それとも、僕の歌聞いてく?w え? 仲間になりたい? いいんじゃないかな。まだ、人、足りないし。みんな、どうかな? |
■カロン To:ハイアン |
チーズケーキですか〜そう言われると注文したくなってくるね♪ でも、フルーツジュース飲んだばかりだしあとで持ち帰り出来るかおやじさんにあとで聞いてみようかな? |
カロンを加えれば、これで5人。
仕事を請ける人数には充分だろうと、首尾よくパーティ結成と相成った。
そんな話がまとまったところで、おやじが声を掛ける。
■おやじ To:ALL |
お前さん達、カウンターでうち解けるのも良いが、そろそろテーブルに移ってくれんか? 5番を取ってるんだろう。食い物と酒はそっちに持っていくからな。ほら、行った行った。 |
■カロン To:ALL |
それじゃ、俺は先に行って挨拶してくるかな。 |
■ソル To:ALL |
あ、おやじさんゴメンゴメン。ついついここで話し込んじゃったよ。 じゃ、皆5番テーブルに移ろうよ。ハイアンのチーズケーキはそっちで貰うから。 レイピア大串焼きっつーのがあるから交換しよう(笑) |
■ジョルディ To:ALL |
決・ま・り・ですねぇ〜♪ 移りましゃう♪ 移りましゃう♪ ……って、レイピアの大串焼き? 何ですか、それは? |
■ソル To:ジョルディ |
オレも今日初めて見たからよくわかんないけど旨いよ〜。 値段の割にはボリュームもインパクトも満点(笑) ジョルディもテーブルについてから食べてみてよ。 |
■ジョルディ To:ソル |
ゴチになります♪ |
【5番テーブル 〜 そしてまだ見ぬ冒険へ】 |
■カロン To:イェンス |
5番テーブルはここでいいのかな? みんなが来るまで寛いでおこうかな♪ |
■イェンス To:カロン |
ソルさまお友達を連れて来たんですね。 初めまして、ソルさま付きのイェンスと申します。まだまだ未熟なソーサラーですが今後ともよしなに(お辞儀)。 |
■カロン To:イェンス |
イェンスさん。こちらこそよろしく。 自己紹介がまだだった、俺はカロン・ラウリ。見ての通り盗賊なんかやってる。 あと実家が呪い師のおかげか精霊と少しなら交信できるよ。(見て分かるものなのかなw) |
■ソル To:ALL |
ごめんごめん、ちょっと遅れちゃった。オレとイェンスとハイアン、ジョルディとカロンで5人か。これで仕事出来そうだね。 皆が集まったら個室? だっけ? オヤジさんに言って貸してもらわないといけないんだっけなぁ。 とりあえず、皆が集まるまで待ってよう。 |
■ジョルディ To:ALL |
すみませ〜ん、遅くなりました〜(汗) ……って、ハイアンロゥさんはまだですか? んじゃ、ボクはセーフってわけですねぇ♪ よかった♪ よかった♪ |
■カロン To:ジョルディ |
そういえば、まだカウンターかな。優雅に紅茶飲みながらチーズケーキを食べてたけどw |
■イェンス To:ジョルディ |
初めまして。わたくしソルさま付きのイェンスと申します。未熟なソーサラーですがよろしくお願いします(お辞儀)。 ところでジョルディさんは何をご専門に? |
■カロン To:ジョルディ |
俺も聞きたいな、見たところ戦士っぽいけど。隠し技とかもってたり。 |
■ジョルディ To:ALL |
ほえ? ご覧の通り、駆け出しの戦士見習いですケド? あ、ちょっと前まで旅芸人の一座にいたんで…楽士の真似事ぐらいならできますヨ♪ |
■ソル To:ジョルディ |
オレも戦士なんだよ。同じ戦士同士よろしく! |
でも格好はどう見てもソーサラー。
■ジョルディ To:ソル |
…え?戦士…なんですか?魔術師じゃなくて? ……さすがはオラン、奥が深いなぁ。 |
そんな話題に興じていると、一人遅れていたハイアンがようやくやって来る。
■ハイアンロゥ To:ALL |
チーズケーキに夢中になっておくれたよ〜、ごめん〜! あらためて、よろしくなー、ハイアンでもジャイアンでも好きによんでくれよ! さて、全員そろったから個室を頼もうか。 |
なぜジャイアン。
■ジョルディ To:ハイアン |
やぁ、これで全員そろいましたね♪ んじゃ、ちょっと行ってきま〜す♪ |
■カロン To:ジョルディ |
いってらっしゃい。 さて、あとは待つだけかな♪ |
■ソル To:ALL |
今回はどんな仕事をやる事になるか楽しみ。早く個室で仕事の相談がしたいよ。 |
■カロン To:ソル>ALL |
確かに仕事選びもするのも楽しいしね。そういえば、さっき依頼書を一通り見てきたけど中には怪しそうなのもあったな(笑 |
怪しい依頼の方が多い時もあるんだし、今回くらいならマシな方だろう。
そんな事を言い合っているうちに、鍵を携えたジョルディが戻ってくる。
■ジョルディ To:ALL |
お待たせ〜♪個室の鍵をもらってきたよ〜♪さあ、行きましょう♪ |
その朗らかな声に促されて個室へと移る一行。
彼らの前途に幸あらんことを……願いたいなぁ、うん。
■ 第二章 仕事を選ぶ ■ |
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#151 Index |
【銀の網亭 個室】 |
今回も無事に仲間を揃え、いざ冒険へと意気込む5人。
いつもより1人ばかり人数が足りないが、そこはまぁコネと金と権力と、とやらで乗り越えてもらう事にしよう。
まずは恒例の(?)結束を深める、という名目での前祝い。
個室に通され、今日は珍しくおかみが注文を取りに来た。
■おかみ To:ALL |
ごめんなさいね、まだ下が落ち着いてないものだからあの人はそっちに掛かりっきりなのよ。 代わりに私が注文を聞くわ。しっかり食べて飲んで、お仕事前の英気を養ってね。 もちろん、お値段もしっかりしたものをお願いするわ(笑) それから、これは今ある依頼の写しよ。 相変わらずこの時期は早い者勝ちだから、請けたいお仕事があるなら早めに決めちゃったほうがいいわよ。 |
■イェンス To:おかみ |
わざわざありがとうございます。 |
と、おかみから受け取った依頼の写しをテーブルの中央に置く。
■カロン To:ALL>おかみさん |
ひとまず先に注文の方だけしちゃおうか、待たせるのもなんだしさ。 おかみさん、俺はパンとビーフシチュー飲み物はフルーツ系のモノをピッチで頼めるかな。 |
■おかみ To:カロン |
パンは今朝焼いたばかりのチーズブレッドがあるけど、それでいい? それからビーフシチューと……ミックスジュースでいいわね。 ピッチ……ってピッチャーのこと? それともハイピッチで持ってきていいのかしら。 いっそ、ピッチャーでハイピッチに持ってきてあげましょうか(微笑) |
お腹がたぷんたぷんになるまで持ってくるつもりらしぃ。
■カロン To:おかみさん>ALL |
はっはっは(汗 ピッチってピッチャーのことだよ、仕事前に飲みすぎるのもいけないしね。 みんなは注文のほうはどうする? |
■イェンス To:おかみ |
えぇと。それでは本日の定食…ありますか? それから番茶のおかわりもお願いします。 |
『……それだけ?』と言いたげなおかみの目線をスルーして。
どうやら体質からして貧乏性らしい。
■ジョルディ To:おかみ |
んと、ボクはおいしいお肉の料理と…… あ、「きのこのスープ」っていうのがこちらの名物なんですよね?それをお願いします♪ 飲み物は……軽めの果実酒をください♪ |
■おかみ To:ジョルディ |
お肉ね、新鮮な牛ステーキが入ったばっかりよ。 あとはきのこスープに、果実酒は……ワインでもいいかしら。 知り合いのドワーフが持ってきてくれた年代物があるのよ♪ |
■ジョルディ To:おかみ |
年代物のワイン!? それ、お願いしますっ!! ……って、ボクお酒はあんまり強くないんだけど……大丈夫ですよね? |
■おかみ To:ジョルディ |
ん〜、まぁドワーフの持ってくるものだから。 弱くは無いけど、お料理と一緒に飲めば大丈夫だと思うわよ? それじゃジョルディにもグラスで持ってきてあげるわね。 |
■ジョルディ To:おかみ |
はい♪ありがとうございます♪ あと、ボクもチーズブレッドが欲しいです♪ それから、デザートにフルーツの盛り合わせをください♪ |
■おかみ To:ジョルディ |
ステーキにスープに、パンとフルーツ盛り合わせとワイン!? たくさん注文してくれるのは嬉しいけど、よく食べるわねぇ。 |
やっぱり若いと違うわねぇ……なんておかみが思ってるのは、感じ取ってはいけない。
気付いたら最後、世にも恐ろしい目に遭うであろう。
■ソル To:おかみ |
オレはお酒は良いや。酒より食べ物が良いなぁ。 グラタンとかのオーブン焼き系とかある? あとはプリンもよろしく〜。 |
■おかみ To:ソル |
グラタンもあるわよ。他に鳥の炙り焼きとかあるけど、どうかしら。 それからプリンね。ア・ラ・モードにもできるけど、どうする? |
■ソル To:おかみ |
それじゃぁ、グラタンとプリンア・ラ・モードで! 鳥の炙り焼きは…うーん、悩むなぁ…。 |
■イェンス To:ソル |
ソルさま、お酒云々よりソルさまには『レイピア串焼き』があるじゃないですか。 まだ食べる気ですか?! |
■ソル To:おかみ |
お、そうだった。レイピア焼きがあるから鳥はいいや。 |
■カロン To:ALL |
というか、気になるんだが串は持ち帰ってもいいのか!! |
■おかみ To:カロン |
ダメに決まってるじゃない。 レイピアだって安くないんだから。それに、あの人の大事な思い出の武器なのよ。 |
そんな物をこういう使い方していいのか……。
■ソル To:おかみ |
えっ!?大事な思い出の武器?(あの人って誰だよ!?) じゃ、じゃぁ、大事に食べないとな…(^-^; |
おかみが言う『あの人』っていったら、おやじの事に決まってるじゃないですか。
変な噂が立ちかねないので、そういう台詞は慎むように(笑)
■イェンス To:カロン |
そもそもこのレイピアは『食器』として出されているのですから。 食器のお持ち帰りは無理ですね。 |
■カロン To:イェンス |
食器だったか、串なら使い捨てかなと(笑 |
いえいえ、金串なら再利用できますから(笑)
■ハイアン To:おかみ |
僕も酒は得意じゃないからいいや。 パフェとかってあるかな?ど〜んとでっかいのたのむよ! |
■おかみ To:ハイアン |
フルーツパフェなら山盛りに出来るわよ(^^) |
3人前くらいは出てきそうだ。
■カロン To:おかみさん |
そうだ、あとチーズケーキを持ち帰りようにして頼めるかな? |
■おかみ To:カロン |
持ち帰りでチーズケーキね。 それじゃ最後に出してあげるわね。 |
■カロン To:おかみさん |
仕事に出る前に受け取るから用意だけよろしく。 |
■おかみ To:ALL |
じゃ、注文は以上でいいかしら。 すぐ持ってくるから、その間にどのお仕事を請けるか相談してるといいわ。 |
部屋を出て行くおかみの後ろ姿を見送ったあと、イェンスがテーブルに広げられた依頼の写しに視線を落とす。
■イェンス To:ALL |
どれがいいですかねぇ〜。 わたしとソルさまはまだ1つくらいしか仕事をした事がないんですよ。 みなさんの足を引っ張る程度の仕事しか出来ませんが…。 |
■カロン To:イェンス |
俺も似たようなものだから大丈夫じゃないかな? |
■ジョルディ To:イェンス |
ボクなんて本格的な冒険は今回が初めてだよ? でも、昔からいうじゃない、「元気があればなんでもできる!」って♪ ようは「気合い」だよ、き・あ・い♪ |
■ハイアン To:イェンス |
僕もまだまだ新米だから緊張もあるけど。 やっぱ、ジョルディの言ったとおり気合だね。 |
コネと金と権力はどうした(駆け出しに求めるものではありません)。
■カロン |
金と権力はまったくないしな〜。 |
ぬぬっ。おのれカロン、ト書きに突っ込むとはやるな。。。
■カロン To:ALL |
さて、そろそろどの依頼を受けるか決めますか。 依頼はこの4つ・・・かな?下で見たときは5つあったような気がしたけど。 どれにしようか? |
■イェンス To:ALL |
えぇと…。おや、これは噂に名高い魔法を使えない魔導師、グラスランナーのマイカ導師のものですね…。 |
■ソル To:イェンス |
グラスランナーの導師?ふぅん、そうなんだ。珍しいな。 で、イェンスはそのマイカ導師がどんな人か知ってるの? |
■イェンス To:ソル |
……ソルさまも魔術師なんですから、ちゃんと学院に行って下さいよ。 グラスランナーと言うだけでずいぶん有名ですよ。 研究内容は素晴らしい物ですが、何しろご本人がちょっと変わっているといいますか…。 魔法が使えないのでコモン・ルーンを山ほど抱えて、彼女が歩くとチェインメイルを着ている様な音がするとか…。 わたしはまだ噂で聞いた程度でお会いした事はないんですが…。 |
そんな音がするとは一言もゆってない……。
■カロン To:イェンス |
へぇ〜、グラスランナーで導師の人がいるなんて知らなかったな。 ん・・・ということはこの依頼書にある『おまけに旅のお供に、綺麗どころの女性が同伴』ってもしかして自分のことかいw; |
■イェンス To:カロン |
え?!一人につき1名綺麗どころの女性同伴、じゃないんですかっ?! |
何を期待しているんだか。
いや、ご希望なら出してあげてもいいんですけどね?
あらかじめ言っとくけど、護衛対象ですよ? ちゃんと守ってよ?
■ジョルディ To:イェンス |
ん〜、さすがに一人につき1名、っていうのはないと思うけど。 でも、『綺麗どころ』っていうくらいなんだから、同行するのがグララン導師サマだけ、ってことはないんじゃない? もしも導師サマだけだったら、……それはもう立派なサギだよ、うん。 |
詐欺扱いまでされますか(笑)
■イェンス To:ALL |
まぁ“山”まで行くのに馬車でもない限りは綺麗どころの方も保たないでしょうから。 ここはマイカ導師1人に1票…。 |
■カロン To:ALL |
でも運送と護衛と書いてあるし、馬車の可能性もあるけどね。 依頼を受けるとしたらその辺ちゃんと確認してからにしないとな・・・。 |
■ジョルディ To:ALL |
……そろそろ、どのお仕事にするか決めちゃわない? ボクとしては導師サマのお仕事がいいんだけど、みんなはどのお仕事がいいの? |
■ハイアン To:ALL |
僕もこの怪しげな依頼が気になるなぁ。綺麗どころもきになるしね。 |
■イェンス To:ALL |
綺麗どころはとりあえず置いていおいても、噂のマイカ導師の実物を一度見てみたいと思っていたので、わたしもこの仕事に1票。 護衛程度でしたらなんとかなりそうですしね。 |
■カロン To:ALL |
俺としてはトレジャーハンター大会ってのも気になるけど、大半は学院からの依頼を希望してるみたいだし、そっちにしようか。 あんまりゆっくりしてると他のPTに依頼を盗られちゃうかもしれないし。 |
こっそりと宴会が長くなり過ぎな自覚はあったようだ。
■ 第三章 メイドに出会う ■ |
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#151 Index |
【銀の網亭 1F】 |
■おやじ To:ALL |
おうお前ら、揃って降りてきてどうした? 注文の追加か? それとも請ける仕事が決まったか? |
おやじが忙しそうにフライパンを振りながらも、目聡く2Fから降りてきたパーティに気付いて声を掛けた。
■イェンス To:おやじ |
さすがにあの量を頼んで追加は…。。。 |
■ソル To:おやじ |
さすがのオレらもあれ以上はもう無理だよ…。(金銭的にも) |
■カロン To:おやじさん |
そういう、おやじさんこそフライパンを振りかぶって何してるんだw |
■おやじ To:カロン |
振りかぶるも何も、見ての通り料理してるんだが。 今日は客が多かったところに加えて、お前らみたいなのが大量に注文してくれたお蔭でな、いまだに忙しいんだよ。 |
言いながらも器用にフライパンを操り、黄金色に輝くオムレツが出来上がる。
■おやじ To:ALL |
で、注文じゃないならやっぱり仕事か? ただの冷やかしとか抜かしたら、ウェイターの手伝いしてもらうからな。 |
カウンターに座っていた年若い冒険者にオムレツを差し出すと、ようやく一息ついたのかこちらに向き直る。
■ジョルディ To:おやじ |
うん、このお仕事のことをもっと詳しく教えてほしいなぁ、と思って♪ |
そう言って、件の依頼の写しをひらひらひら〜と宙に泳がせてみせる。
■おやじ To:ジョルディ |
ああ、そいつか。学院のマイカ導師からのやつだな。 ……そうか、お前らが受けてくれるのか。しばらく張り出しっぱなしの依頼だったからな、引き受けてくれる連中がいて助かったよ。 |
そんなにみんな敬遠していた依頼なのだろうか。。。
そこはかとなく不安? の雲が頭上をよぎる。
■おやじ To:ALL |
そうだな……ちょうど今、そこに使いの者が来てるから詳しい話はそっちで聞くといい。 |
と、手に持ったおたまで指し示した先には、この店には似つかない……というか、明らかに浮いている格好の女性がいた。
早い話が、メイド服である。
そのメイド姿の女性は、テーブルに所狭しと並べられた色とりどりのケーキを前にして目を輝かせ、ヒラヒラの服の袖がクリームで汚れるのも気にせずに手を伸ばしては幸せそうに微笑んでいる。
■女性 |
うにゃああぁ、おいしぃ〜。 こんなおいしいケーキがいつでも用意してあってたくさん食べられるなんて、幸せですぅ〜。 まさか専門店でもない、冒険者のお店にこんな逸品があるなんて誰も思いませんよねぇ。 これが隠れた穴場ってやつですねっ。 |
言いつつもケーキを手に取り、あんぐりと大きな口を開けてはひょいぱく、ひょいぱくと物凄い勢いで食べていく。
細い体のどこにそれだけ入るのか、非常に気になったり。
とにかく何とも言い表せない不安を抱えつつも声をかけてみる事にする。
■イェンス To:女性 |
あの〜、お食事中すみませんが。あなたがマイカ導師の仕事の事をご存知だと言うお使いの方ですか? |
■カロン To:メイド姿の女性 |
俺達その依頼について聞きたいんだけどいいかな。 |
■ベル To:ALL |
うやっ? あ、そそそうですっ。 えっとえっと、ベルです。よろしくお願いしますですっ。 |
とりあえず、恥ずかしいところを見られたという自覚はあるようだ。
あっという間に真っ赤になって、慌てて立ち上がろうとする。
が、その瞬間。
■ベル To:ALL |
あ。 |
がったん。
椅子に深く腰掛けていたせいか、立ち上がった拍子に膝をテーブルに引っ掛けた。
テーブルは運動エネルギーを得て、片側の足を浮かせ斜めに跳ね上がり――冒険者たちに襲い掛かった。
■イェンス To:独り言 |
メイドの上にドジっ子ですか(汗)。 |
■カロン To:ALL |
というか、どんだけ力あるんだよ!! |
■ソル To:イェンス |
ってそんな悠長な事言ってる場面か〜! |
■ハイアン To:ALL |
兎に角!避けるなりなんなりしなきゃ! |
■ジョルディ To:独り言 |
……うわぁ。 |
とっさに倒れかけたテーブルを支えようとソルが手を出す。
カロンはテーブルから襲い掛かってきたケーキをキャッチしようと手を伸ばし、イェンスとハイアンは我先にと(笑)逃げ出した。
結果。
テーブルの倒れるスピードは予想以上に速く、ソルの伸ばした手は今一歩及ばなかった。
けたたましい音を立て、テーブルが横倒しになる。
そしてその間にも飛来していたケーキの群れは、矢面に立つカロンに襲い掛かった。
カロンも奮戦し、両手と片足で器用にケーキ皿を受け止め、口にも一つ放り込んだが……何しろ数が数である。
受け止め切れなかった残りが、今まさに逃げ出した二人の背中を追っていた。
イェンスはどうやら間一髪逃げおおせたようだが、ハイアンの方は出足が遅れたせいか捕まった。
背中にケーキがべったりと張り付き、甘いバニラの匂いが漂い始める。
え? ジョルディ? 空気の読めない彼は目をまん丸にして眺めてるだけでしたが……何か?
■ベル To:ALL |
あややややややっっっ(汗) すすす、すみませんすみませんっっ! あのあの、お怪我はありませんでしたでしょうかっ。 ふえぇ、またやっちゃったよぅ。 |
目の前で案山子のように片足立ちになっているカロンに向けて、ぺこぺこと頭を下げる。
腰から直角に45度。こんな時でもお辞儀の姿勢だけはちゃんとしていた。
■イェンス To:独り言 |
ふぅ。なんとか避けられましたね…。 |
■ソル To:独り言 |
っててて…。すごい勢いでテーブルが倒れたな。とっさに手を伸ばしたけど全然ダメだったし。 ……ん?(またやっちゃったって何?) |
ベルの言葉にそこはかとない不安を感じつつ、倒れたテーブルを元に戻す。
■カロン To:ALL |
ひ、ひとまず誰でもいいから足のところのケーキ皿取ってくれ(汗こ、この体勢は割とつらい・・・。 |
そのカロンの声に応じ、我に返ったジョルディがひょいひょいと皿とケーキとをのけてまわる。
■ハイアン To:独り言 |
ぐえぇ、べたべただぁ。とりあえず、顔洗って着替えてくるわぁ |
■ジョルディ To:独り言 |
……あーあ。こんなことしてると「もったいないおばけ」に祟られちゃうぞぉ。 |
チラッとベルを見やりつつ、ボソリとつぶやくジョルディ。
……いや、いるかいないかもわからん「もったいないおばけ」の祟りなんかより、丹精込めて拵えたケーキを残飯にされた「おやじ&おかみ」の怒りの方が怖いと思うんだが。
■カロン To:ジョルディ>ALL |
ありがと、マジで助かった。 それにしてもこのケーキ甘すぎだな。 |
■イェンス To:カロン |
あぁ、口の中に入ってるのだけは全部食べて下さいよ〜。 でもせっかくなんですから両手片足口の分全部食べてしまえば良かったのに…。 |
■カロン To:イェンス>ベル |
いや、これってベルさんが頼んだものだしさ(汗 口に入れたのは食べておくさ。 それで、ベルさんのほうは大丈夫だった?膝を引っ掛けてたみたいだけど。 |
■ベル To:カロン |
あ、はいっ。ベルは平気です。 ベルは丈夫が取り柄なんですっ。 |
心配してもらったのが嬉しいのか、にぱっと笑う。
■ベル To:ALL |
で、えっと。マイカ先生のお仕事を請けてもらえるんでしたよね? ベルがお話してもいいんですけど、折角ですから直接先生に会ってもらいましょう。 みなさんもその方がいいでしょうし。 |
自分で説明するのがメンドイから……だとは言い切れまい。
■ジョルディ To:ベル |
(チラッとおやじを見やり)一刻も早くこの場を去りたいだけでしょ? |
■ベル |
ぎくっ。 |
■カロン |
いつの間に依頼請けることに(汗 |
■ジョルディ |
おとっつぁん(だれがだー)、それは言わない約束でしょ?w |
■ベル To:ALL |
だ、だってホラ。 みなさんだって依頼主を見て決めた方が、お仕事を信用して引き受けてもらうにはその方がいいですよっ。 |
必死で言い訳。
■ジョルディ To:ベル>ALL |
んー、そうしてもらうのがベストかなぁ…? みんなもそれでいい? |
■カロン To:ジョルディ>ALL |
たしかに詳しい話を聞くならそっちの方がよさそうだ。 ただ、ハイアンさんが着替えてくるまで待ってからにしないと・・・その間にベルさんに残りのケーキ食べててもらおう。 |
■ 第四章 導師が潰れる ■ |
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#151 Index |
【賢者の学院 マイカ研究室】 |
というわけでベルに案内され、一行は賢者の学院へと移動した。
先導するベルに付いて歩いていくが、だんだん学院内でも外れの方に向かっているようだ。
■ベル To:ALL |
マイカ先生のお部屋、ちょっと遠いんですよねぇ……。 |
パーティの先頭に立っててってこ歩くベルがぼやく。
■ベル To:ALL |
あ、つきました。ここです。 |
指差したそこは、廊下の一番奥の部屋。
通路は窓もなく薄暗い。
■ベル |
せんせぇ〜。お仕事を請けてくださる冒険者の人たちを連れてきました〜。 |
こんこんとノックをしながら中に声を掛けるが、返事が返ってこない。
■ジョルディ To:ベル |
……えーと。ひょっとして 「ただいまシェスタの真っ最中ぅ!!」 とか? |
■ベル To:ジョルディ |
んん〜。そんな事はないと思うんですけどぉ。 むしろ先生、研究にのめり込むとお食事も忘れるタイプですし。 |
■ソル To:ALL |
だとすると研究中かな? |
■カロン To:ALL |
俺的にはドアを開けるとマイカ導師がお亡くなりになってるに1票入れよう。 |
■ハイアン To:カロン&ALL |
うむぅ、密室殺人かもしれないな・・・・・。 |
■ベル To:カロン |
うえぇ、縁起でもない事言わないでくださいですっ。 |
■イェンス To:ベル |
しかし食事も忘れる程なら、本気で過労で倒れているのかも知れませんよ。 |
そんな風に騒いでいると、先ほど歩いてきた廊下の方向からスラリと背の高い女性が近付いてきた。
その服装は、ベルと同じものである。
■アイレン To:ベル |
ベル、お帰りなさい。……この方たちは? |
■ベル To:アイレン |
あ、アイレンさん。マイカ先生のお仕事を引き受けてくださる冒険者の人たちをお連れしてきましたっ。 ……のですけど、ノックしてもお返事がないんです。 |
■アイレン To:ALL |
そうですか。初めまして、アイレンと申します。 ベル共々、マイカ導師のお世話をさせていただいております。 |
深々とお辞儀。
■アイレン To:ALL |
マイカ導師は……まあ、中で何が起きてるか大体想像がつきますので。 とりあえず入りましょうか。 |
返事がないのはいつもの事らしぃ。
そして、何故かドアを開けるのを他の誰かに任せたいかのように目配せしてくる。
■カロン To:アイレン |
なんか罠でも仕掛けてあるのか?ドアを開ける前に一応調べてみるかな(笑 |
まさかな〜と思いつつも、そこは盗賊の性。
軽くチェックをしてみるが、特に気が付くものはなかった。
■ソル To:カロン |
どうだった?何かあった? |
こんな入口のドアに何もないだろー、と思いつつも自分では開けない。
■カロン To:ソル |
たぶん、罠とかはないような気がするし大丈夫じゃないかな。 |
■ベル To:ALL |
マイカ先生、無事でしょうかぁ。。。 は、早く誰か開けてくださいですっ。 |
脅かされて怖くなったのか、アイレンの後ろに隠れるようにして覗き込む。
やっぱり自分で開ける気はさらさらないらしぃ。
■カロン To:ALL |
仕方ないな何が起こっても逃・・・かわせるように注意して開けるかな。 |
いつでも飛び退れるように注意しつつ扉を開ける。
と、そろりと隙間を開いた瞬間、扉に掛かる重みが増した。向こう側で何かが寄りかかっているらしい。
支えきれずにその勢いのまま扉は全開になり、カロンより頭二つほどまで高く積み上がっていた本の山が襲ってくる。
注意していたお蔭で間一髪それを避ける事に成功したカロンだが、当然支えるもののいなくなった本の山は廊下へと雪崩を起こしてしまった。
■カロン To:ALL |
危なかった、それにしてもなんでこんなに本があるんだ? |
■イェンス To:カロン |
カロンの様に身軽な方が開けなかったらどうなっていたか…。 |
だからアイレンがドアを開けるのを躊躇っていたのかと納得。
しかしこんな事が毎回続いているのだろうか?
■ベル To:ALL |
うわぁ〜。。。 今朝アイレンさんが片付けたばっかりなのに、どうやったらこんなに積み上がるんだろ……。 |
■ソル To:ベル |
今朝?まだ半日も経ってないのにこの本の量はすごいな…。 |
■イェンス To:ソル |
それよりもこれと同じ量を朝のうちに片付けてしまうアイレンさんの方が凄い気がしますね(汗)。 |
■アイレン To:ベル |
それより、マイカ導師は無事でしょうか? |
アイレンがもっともな心配をする。
■ベル To:アイレン |
あ、そうですっ! マイカ先生〜! 無事ですかぁ? |
本の山をまたぎ……損ねて、わしわしと踏ん付けながら室内へと入っていく。
あ、それは貴重な古代王国期の本。。。
■ソル To:ベル |
うおっ、すごく貴重そうな本を踏んでるような気がする…。 まぁ、知らなければ全部ただの本にしか見えないだろうけど…。 |
■女性 |
……むぎゅう。 |
室内へ頭を覗かせてみれば、部屋のど真ん中でこれまた本に潰されてヒキガエルのようになっている女性が一人。
背丈を見るに、子供ほど。おそらくはあれが噂のグラスランナー導師、マイカだろうか。
■カロン To:ALL |
う〜ん、予想が当たってしまったな。 惜しい人を亡くした(笑 |
■ソル To:カロン>ALL |
っておいおい。そんな事言ってないで助けてあげないと。 |
一応魔術師なのでさすがに本は踏めず、なるべく避けて部屋の中に入る。
ベルとソルの手を借りて、押し潰されていた本がどけられ女性が助け出される。
幸い、のしイカにはならずに済んだようである。
■マイカ To:ALL |
あー、エライ目に遭った。 欲しい本があって引っこ抜いたら、上の方がみんな崩れてきてさぁ。 |
■アイレン To:マイカ |
気を付けて下さいとあれほど言っているのに、困った方です。 |
■マイカ To:アイレン>ALL |
ナハハ、すまん。 ……ん〜。で、あんたらは? |
そこまで話して、ようやくパーティの方に目を向ける。
■ジョルディ To:マイカ |
はじめまして♪ ボクたちは銀の網亭の冒険者です♪ こちらのお仕事のことを詳しくお聞きしたくて伺っちゃいました♪ |
と、なぜか持ってる依頼書の写しをひらひらひら〜と宙に泳がせる。
え? いつの間に部屋に入ってきてたのかって?
■ジョルディ |
それはヒ・ミ・ツです♪ |
……だ、そーだ。
■ 第五章 話を聞く ■ |
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#151 Index |
【賢者の学院 マイカ研究室】 |
本の下敷きになっていたマイカを救出し、パーティは件の導師を囲んで車座になって座り込む。
ちなみに全員が座るためのスペースは、アイレンが物凄い手際で周囲を片付けて確保した。
■カロン To:マイカ |
そういえば、自己紹介がまだだったな俺はカロン・ラウリ。 それで、こっちが・・・。 |
■ソル To:マイカ |
オレはソル・アルディート。格好はこんなだけどファイターが本業だから。 |
■イェンス To:マイカ |
わたしはソルさま付きの、現在は冒険者もどきをしております、魔術師のイェンスと申します。 |
■ハイアン To:マイカ |
僕は、ハイアンロゥ。まぁ、ハイアンって呼んでくれよ。マーファの神官だ。 |
■ジョルディ To:マイカ |
そしてボクがジョルディです♪駆け出しの戦士見習いやってま〜す♪ |
そんな感じで次々に、全員が自己紹介を終えた後。
一息置いて、目の前に座る導師が口を開いた。
■マイカ To:ALL |
そか、アンタらがウチの依頼を受けてくれる冒険者たちか。 よし、そうとなれば話は早い。ウチの方の準備はとっくに出来てるから、今すぐにでも出発しようか。 |
言って、よっこら……と立ち上がろうとする。
仕事の中身の詳しい説明とか、その辺が全部すっ飛ばされている気がする。
■カロン To:マイカ |
ちょっと待ってくれ、俺達はまず依頼についてを聞きにきただけなんだが(汗 さっきジョルディが言ってたの聞いてなかったのか。 |
■マイカ To:カロン |
あれ、そうなの? ちぇ〜、引き受けてくれるもんだと思ったのに。 ま、いいや。で、何が聞きたいのかな? 依頼書にも書いたけど、簡単に言えばトルニド山までの荷物の運搬と、その荷物とウチらの護衛をお願いしたいんだけど。 |
■カロン To:ALL |
トルニド山って確かオランから自由人の街道を西へ4日ほど行って、街道を外れて1日ほど行った辺りにそんな名の山があったような気がするけど・・・。 誰か詳しいこと知らない? |
■イェンス To:ALL>ソル |
トルニド山と言えば…。あぁ、ほら、ソル様、前に何処かで聞いた…。 |
■ソル To:ALL>イェンス |
麓には同じ名前の村があって、昔は金鉱だったけど今は閉山されてるよ。 山頂には…何か噂があったような…。イェンス、もっと詳しい事知らない? |
■イェンス To:ソル>ALL |
そうですそうです。 それで確か『ド』のつく恐ろしいモノが住んでいるとか何とか…。 最近あまり良くない噂を聞きますね。 |
■ソル To:イェンス>ALL |
そうだった、山頂にはドの付くこわ〜いものが住んでるって噂だったっけ。 まぁ、噂だからな。ホントなのかどうかは分からないけど。 トルニド山について知ってるのはそんなところかな? |
■カロン To:イェンス>ALL |
『ド』のつく恐ろしいものか・・・ドワーフしか思い浮かばないな。 他になにかいたっけ? |
■イェンス To:カロン |
うぅ〜ん。詳しい話はそこまでしか。 あくまでも噂なので実際はどうなのか分かりませんが。 推定ですがドワーフの山賊とも考えられますね。 |
本当か?
ホントーにドワーフしか思いつかんのか、キミタチ!?
■イェンス To:マイカ |
ところで改めてお聞きしたいのですが、トルニド山…と言う事は山登りをすると言う事ですか? 荷物はどのくらいの量なんでしょう? |
■マイカ To:イェンス |
うん、山頂まで行くから。 荷物は樽で5……6かな? |
■ハイアン To:マイカ |
樽で6ねぇ・・・・・・。 よかったら、中に何がはいってるかおしえてもらっていいかい? |
■マイカ To:ハイアン |
いいよ。……ん〜、でも直接見たほうが早いかもな。 あとで案内してやるから。 |
■イェンス To:マイカ |
それから「ウチら」と言う事はそちらの助手の方2名の分もですか? |
■マイカ To:イェンス |
そうだよ。綺麗どころ。 |
言って、アイレンとベル。次いで自分を指さす。
■ベル To:マイカ |
ベルも美人さんなんですか? ……えへへ〜(照 |
■ハイアン To:マイカ |
おー、天然の美人さんとしっかりものの美人さんとちっちゃいの・・・・・(ぼそっ) このパーティ男ばっかだから花がそえられてうれしいねー。よろしく頼むぜー。 まぁ、期待してたのとは若干のずれがあるがなー(ポソッ) |
■マイカ To:ハイアン |
なんだよ、不満か? 文句あるなら人数増やしてやってもいいけど。 もちろん護衛対象になるんだから、ちゃんと守ってもらうことが条件だぞ? |
■カロン To:マイカ>ハイアン |
はっはっは(汗 不満があるわけじゃないですか。 ねぇハイアンさん。 気をつけるんだ、彼女グラスランナーだけあって盗賊の技能ももってるはず。 |
■ハイアン To:マイカ>カロン |
ハハハ、もちろんデスヨ(汗)。 不満なんてこれっぽっちもないデスヨ(汗) |
心の中でカロンにあやまります(笑)
■ジョルディ To:マイカ |
……えーと (汗 あ、そーだ♪お仕事のお話とは関係ないんですケド。 どうしてあの二人はお弟子さんなのにメイド服を着てるんですか? |
……どうやら「よぅしっ!うまく話を逸らせたぞっ!」のつもりらしぃ。
■マイカ To:ジョルディ |
いや、この子らはウチが個人的に雇ったお手伝いで、弟子じゃないんだけど。 てゆーか、一言も弟子なんて言ってないよ? |
早とちり。
■ジョルディ To:マイカ |
あれぇ?そうでしたっけ? |
白々しくとぼけている。
■ベル To:ジョルディ |
ジョルディさん、慌てん坊さんなんですね〜。 |
君には言われたくないと思う。
■アイレン To:ALL |
私は個人的にこの学院に在籍していますので。 マイカ導師の弟子ではありませんが、その縁で働かせていただいています。 |
今はメイドさんもスキルの時代らしぃ。
それで魔術師の修行を選ぶ是非はまぁ置いておこう。
■カロン To:マイカ |
そういえば、気になってたんだけどトルニド山まで護衛って事だけどさ 女の人達とはいえ魔術師なら護衛なんていらないような気がするんだが、依頼を出した理由とかあるのか? |
■マイカ To:カロン |
魔術師? 誰が? ウチは見ての通りだから、魔法なんて使えないぞ。 |
グラスランナーの特徴でもある、長い耳をピコピコと動かす。
■カロン |
(グラスランナーだからこそ護衛なんて必要ないような気もするが・・・。) |
■マイカ To:ALL |
それにまぁ、護衛の方はどっちかと言うとオマケだな。 運ぶ量が量なんで、運搬手伝いの方がメインになる。 何しろ山道を行くわけだから、途中でさすがに馬車は使えなくなるし。 |
つまりそこから先は担いで登れ、という事らしい。
■カロン To:マイカ |
なるほど、山道と樽の重量にもよるけど俺達で運べる重量なのか? 先ほど樽で5,6と言っていたけど1人は2樽運運ぶ事になるけど。 |
それ以前の問題か、このパーティメンバーは筋力合計が平均値いっていない。
男ばっかりなのに、非力な連中だ……。
■マイカ To:カロン |
ああ、山の中腹までは馬車で何とか持っていけるから、担いでもらうのはそこから先だな。 持ってくのは6樽だけど、取り敢えず一人1樽担いでもらえれば結構。 途中で1樽くらいは無くなる可能性あるし。 |
樽のサイズに関しては、背中で背負える程度ではあるという事だ。
■ソル To:マイカ |
その樽って何の為に運ぶのかとか教えてもらえたりする? 後で中身を見せてもらう時に分かるのかな…。 |
『グラスランナーの導師』なんて変わっている人がやる事ってまともなんだろうか、とちょっと思ったり。
■マイカ To:ソル |
目的……物々交換、かな? |
わざわざ山の天辺で。誰と何を交換しているというのだろうか。
■ソル To:マイカ |
物々交換かぁ…(かな?が気になるけど) 仕事内容は大体分かったからその樽を見せてもらっても良い? あまりにも重くて運べない可能性もあるし。 |
■マイカ To:ALL |
んじゃ、案内しようか。付いといで。別に危険なものじゃないんだけどね。 ……いや、ある意味危険かな。 |
ちょっと待て。今ぼそっと不穏なこと言わんかったか?
■カロン To:ALL |
それじゃあ、一度見せてもらいに逝こうかね。 |
『逝こう』て。
誤字か? それは誤字なのか?
■ 第六章 樽で酔う ■ |
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#151 Index |
【賢者の学院 離れ】 |
マイカの研究室を出て、正門から反対方向。通用口の方に、荷馬車に積み込まれた樽がある。
どうやら既に旅支度は済ませているようだ。
■マイカ To:ALL |
荷物はあれだ。ちょっと待ってな。 |
てくてく近付いて、荷台に樽と一緒に置いておいたらしい皮袋を持ってくる。
■マイカ To:ALL |
で、樽の中身はコレ。 ……開けてもいいけど、気をつけろよ。 |
ふと視線を上げてみれば、アイレンとベルは10mほど向こうに離れている。
……避難?
■ジョルディ To:マイカ |
? なんなんです、コレ? |
そう言うと、何の躊躇もなくいきなり袋の口を開けるおバカが一人。
■カロン To:ジョルディ |
おぉ〜ぃ!! |
■ベル |
あ。 |
■アイレン |
導師が気を付けろと仰っているのに。 浅はかというのは、ああいう方の事を言うのでしょうか。 |
近い所と遠い所から突っ込みと深いため息が聞こえる。
開け放たれた皮袋からは、なんとも言えない芳醇な香りが漂い始めた。
この世のものとは思えないほど甘く、そして人を惹きつける匂い。そしてそれと同時に、アルコールの強い刺激もしてくる。
分かる者には分かったのだろうが、かなりの逸品のようである。え〜と、つまり……お酒?
■カロン To:ALL |
これは酒か・・・。 |
■ソル To:ALL |
うわっ、すっごい甘い匂いがする。これって酒なんだ? ……。 …………。 何かちょっと気持ち悪くなってきたかも(-_-; |
皮袋を覗き込んでいたが、急にしゃがみこむ。
匂いだけで酔いが来たらしい。
■イェンス To:ソル |
え?ソルさま大丈夫ですか?! 臭いだけで酔っぱらうなんてお子様もいいところですよ。 男子たる者みっともないっ。 |
■ジョルディ To:ソル |
そうだよー、すっっっごくイイ香りじゃない♪ ソルってボクよりお酒に弱いんだねー♪ |
そう言って、ケラケラと笑って……ん? おまえも酔ってたりしないか?
……ジョルディに限っては、自業自得っぽいが。
■ソル To:イェンス |
うるさいっ。オレはイェンスと違って繊細なんだよ。 それにもう大丈夫! |
と言って勢いよく立ち上がるがちょっとばかりふらふら。
■イェンス To:ソル |
あぁ、完璧な酔っぱらいじゃないですか。 |
■ハイアン To:ソル |
ソルさんは酒弱いのか〜、そういや、冒険者の店でものんでなかったもんな〜。 |
■カロン To:ALL |
っていうかソルさんの様子を見ると普通の酒とは思えないんだが。 |
■マイカ To:ALL |
だから気を付けろって言ったのに。 まあ、ともかく樽の中身もコイツと同じだ。これをトルニド山の山頂まで持って行ってもらう。 改めて条件を言っとくけど、報酬は各人1000ガメル。2割は前渡ししよう。 道中の宿泊・食事・その他経費はこちら持ち。但し限度はあるからな。 拘束期間はオランに帰ってくるまでの往復の間。日数的には10日間前後になるだろう。 ……何か質問は? |
既に引き受ける事前提の話らしい。
もっとも、ここまで説明させて逃げるようなら、怒られても文句は言えない。
■イェンス To:マイカ |
報酬は問題ありません。 ただ、ちゃんと樽を持って歩けるかどうかが問題です。 |
■マイカ To:イェンス |
大の男なら背負って歩けるくらいだと思うけどね。 どうしても無理そうなら、減らすことも考える。その分往復してもらうけど。 |
分けて運んでもいいが、各自負担する量はしっかり守れという事だ。
■ソル To:マイカ>イェンス |
こんな樽運ぶのぐらい全然平気だ。まかせろ! イェンスも大人の男ならうだうだ言わずに運べ〜! |
お酒が入ると気が大きくなるタイプらしい。
いや、匂いだけで飲んではいないはずなんだが。
■イェンス To:ソル |
はいはい。それより問題なのはソルさまの方でしょう。 やる気があるのはいいですがその状態では。 あなたのお父様にどうご報告をすればいいか…。 |
ヨヨヨと泣き濡れるフリをしてみる。
■マイカ To:ソル |
お〜、元気があっていいな。じゃあ任せるよ。そんじゃ仕事は請けてもらえるってことでいいな? 出発は明日の朝だ。ここで待ってるから、遅刻は厳禁な。 |
■ソル To:マイカ |
遅刻したりなんかしないから。大丈夫! |
■カロン To:マイカ |
そういえばあの酒ってどんなものなんだ? 普通の酒とは思えないし、ご禁制のモノってことはないよな(笑 |
■ジョルディ To:カロン>マイカ |
そうそう、ボクもそれが気になってたんだ♪ あのお酒って、何か特別な謂われがあったりするんですか? |
■マイカ To:カロン |
なんだ、知らないのか。まぁなかなかお目にかかれない酒だしな。 コイツはドラゴンころしっていう、その名もズバリ、竜ですら酔っ払うといわれる銘酒だよ。 酒豪を自慢するドワーフでも、ジョッキで2杯も飲めば二日酔いになるって代物さ。 ただそれだけ強い酒の割りには不思議と非常に飲みやすいんで、強壮剤として冒険者たちに珍重されてたりもする。 ここにある樽はウチが独自にそのレシピを手に入れて、特別に作らせたやつだ。 材料が特殊なんで滅多に流通はしてないけど、ご禁制って事はないよ。 |
酒好きがその名を聞いたら目の色を変えるような物だという事は確かのようだ。
■ジョルディ To:マイカ |
……ほほーぅ。 ……ボクらにも飲ませてもらえるとゆー「オイシイオハナシ」は……あったりしません? |
思い切り嬉しそうに尋ねてくる。
……まぁ、君は匂いには耐えてたけどね。飲んで平気かは保証しかねる。
■マイカ To:ジョルディ |
ん? だから依頼書にも書いてあったろ? 「酒もつける」って。 |
■ジョルディ To:マイカ |
本当ですかっ!? ありがとうございますっ!! |
その喜びようは小躍りするどころの騒ぎじゃなかったり。
■カロン To:マイカ |
その「酒をつける」ってどのくらい分けてもらえるんですか? 俺的には持ち帰りたいしな。 |
■マイカ To:カロン |
その場で飲む分だけに決まってるだろ。 持ち帰りたいならちゃんと金払え。 |
■カロン To:マイカ |
でも、それだと仕事の間は飲めないし酒なんてついてないのと一緒じゃないか? |
■マイカ To:カロン |
飲む、飲まないはそっちの自由だよ。 ウチはただ『酒もつける』と言ってるだけ。 |
悪びれなく。
■イェンス To:マイカ |
なるほど。それでドーピングして樽を抱えるんですね。 とは言え量を間違えると大変な事になりそうですね。 ソル様なんて臭いだけでフラフラだと言うのに…。 |
あーあ。と呆れ顔でソルを見る。
心配している訳ではないらしい。
■ハイアン To:マイカ |
そういえば、マイカさんとかは旅の途中、酒飲むのかい? |
■マイカ To:ハイアン |
……(にへら) |
■カロン To:マイカ |
(気味の悪い笑いだな〜酔っ払っても俺達は面倒見なくてもいいんだよな(汗)あと聞いておきたいんだが、この酒について周りに言いふらしたりとかそういったことはないか? |
■マイカ To:カロン |
別に自慢することじゃないし。人に言ったりはしてない。 ただ毎年のことだから、学院の導師連中には知ってるのもいるよ。 |
■ソル To:マイカ |
この仕事って毎年やってんの?毎年やらないといけないんだ? |
■マイカ To:ソル |
毎年の研究だからな。 やらなきゃいかんって事はないが、ウチがやりたいからやってる。 |
■ソル To:マイカ |
ふぅん、そうなんだ。 オレ、いちおー少しは勉強なんてしてきたからどんな研究なのか興味あるし。 ま、とにかく明日からよろしく! |
■ 第七章 街を出る ■ |
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#151 Index |
【賢者の学院・正門】 |
翌朝。日が昇って少ししたくらいの、まだ朝もやの残る時間。
パーティが揃って学院に赴くと、既に馬車に乗り準備万端といった風のマイカが気付いて手を振ってきた。
旅に備えた服装をしてはいるものの、その上からトレードマークとも言える、背丈の倍はある長い白衣を着ているのは変わらない。
■マイカ To:ALL |
お〜う、来たな。 じゃ、早速出発だ。ちゃんと目は覚めてるかー? |
■カロン To:マイカ |
おはようございます。 俺は昨日は早めに休んだから大丈夫ですよ。 |
■ジョルディ To:マイカ |
おっはようございまーす♪ばっちりぱっちりでーす♪ |
朝からムダに元気すぎるヤツが約一名。
■ベル To:ALL |
はぁ〜い。ベルの目が覚めてませぇん。 ねむねむ……。 |
■アイレン To:ベル>ALL |
ベル、しっかりしなさい。馬車から落ちても知らないわよ。 ……皆さん、旅の間よろしくお願いします。 |
道中の危険をよろしくなのだろうか。それともベルのお守りを……?
そんな2人は、いつもと変わらぬメイド服のままである。
■ソル To:マイカ&ベル&アイレン |
ばっちし寝たしOKだよ。 こちらこそよろしく! |
アイレンの微妙な言葉の裏を感じ取れないため、普通に元気よくあいさつ。
■イェンス To:ソル |
ソルさま、それでこそ『漢』の中の『漢』ですっっっ! もちろん道中はソルさまがお嬢様方をお守りするんですよ。 |
■カロン To:イェンス |
それじゃあ、ソルに任せますか(笑 |
と言ってさりげに他人任せな二人。
■ソル To:イェンス&カロン |
え゛っ!?お、おぅ、任せとけっ。 |
押し付けられたらしぃ。
■ソル To:ベル&アイレン |
それにしても今日もその格好なんだね。山登り辛くない? |
■アイレン To:ソル |
慣れていますので。 |
何故慣れているのかは聞かない方がいいかもしれない。
■カロン To:アイレン&ベル |
慣れてても山登りはさすがに辛いような気がするが・・・。 |
■アイレン To:カロン |
みなさまのご迷惑にはなりませんので、お気遣いなく。 |
■ベル To:ALL |
これはベルたちの制服ですから〜。 お仕事中は脱いじゃいけないのです〜。ねむねむ。 |
■イェンス To:アイレン&ベル |
まぁ、慣れている服の方が歩きやすいですからね。 そもそもあの部屋を午前中のうちに片付けられるお二人の方が最強な気がしますが。 |
ハウスキーパー技能とかあったら、かなり高Lvなんではなかろうかと推察されたり。
■マイカ To:ALL |
じゃ、そろそろ行こうか? とりあえず、今日中に宿場町まで行きたいからな。野宿はなるべくしたくないし。 |
そう言って、パーティを馬車に急かす。
昨日も見た馬車だが、荷物の樽が積まれているにも拘らず定員の余裕がまだありそうな、結構な大型のものだ。
御者台にはマイカが座り、さらにもう一人分のスペース。
荷台の奥には樽が二段重ねで積み上げられ、その手前に4人ほどは座れそうなスペースが残っている。
■マイカ To:ALL |
ウチらの他にあと3人は乗れるから、適当に振り分けてくれ。 2人は見張り役で歩いてもらう。時間を見計らって交代すればいいだろ。 |
■カロン To:all |
それじゃあ、見張りは俺がやるよ・・・散歩ついでに(笑 あと1,2人誰かやってくれないか? |
■イェンス To:カロン |
野外でしたらわたしの専門…と言う程の実力はありませんが。 他の方よりは少し慣れていますので、わたしが見張りをしましょう。 |
■ハイアン To:カロン&イェンス |
じゃあ、前半はカロンとイェンスの2人で決まりかな。 |
■カロン To:ALL |
う〜ん、今は町の近くだし野外に慣れてるなら、後半の見張りに立ってもらう方がいいかも(悩 |
■イェンス To:カロン>ALL |
そうですねぇ。野外に出ると長そうなので町中だけは他の方にお願いしましょう。 |
という訳で順番も決まり、さて出発である。
■ 第八章 狩りに行く ■ |
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#151 Index |
【2日目・街道】 |
オランを旅立って2日目。日は高く昇り、そろそろお昼時かという頃。
目の前に、おそらくは野営をするためのキャンプスペースなのだろう。
広場のような場所が見えてくる。
■マイカ To:ALL |
ちょうどいい、ここで少し休憩するか。 ……揺られっぱなしで、尻が痛い。 |
■カロン To:ALL>マイカ |
そろそろ昼時だしちょうどいいし。 それにしてもマイカ導師もたまには歩いたらどうです?(苦笑 昨日から馬車に乗りっぱなしだし。 |
そう御者台の横手を歩きながら声をかける。
■マイカ To:カロン |
外を歩くと白衣が汚れるからヤダ。 |
常日頃からずるずる引きずってる白衣の裾をつまむ。
■カロン |
(・・・それなら山歩きの時はどうするつもりなんだ?) |
■ベル |
おっひる、おっひる。おっひるごはん〜♪ |
荷台の方からぴょいっとベルが飛び出してくると、てきぱきと火を起こす準備を整える。
■ベル To:ALL |
……で。 今日のお昼ごはんはなんですかぁ? |
ぢーっ、と。期待に満ちた視線でパーティを見る。
……獲物待ち?
■イェンス To:ベル |
食事は基本的に携帯食料と言う味気ない物が主流ですが…。 あのぉ…、ご自分達の食料は? |
■カロン To:イェンス |
いや、昨日のように獲物を狩って来いって事じゃ(汗 イェンスさんまた頼みますよ。 |
どうやら、昨日も狩りに行かされていた事になった模様。
GMとしてはそこまで言ったつもりはなかったのだが(笑)
■イェンス To:カロン>ベル |
え…(°口°;) ?!(また?) 捕まえられなくても知りませんよ〜。 |
■カロン To:イェンス |
頼りになるのは弓持ってるのがイェンスさんとハイアンさんだけですから。 |
■ベル To:イェンス |
ん〜、昨日の野うさぎも美味しかったですけど、もう少しボリュームのあるのが食べたいですねぇ。 鹿とかイノシシとかも美味しいんでしょうか? |
聞いちゃいない。そして勝手に期待を膨らませている。
……熊が食べたい、とか言い出さないだけまだマシと思ったほうがいいのだろうか。
■ハイアン To:ベル |
おお、まかしとけ!ベルちゃん おいしい獲物をとってくるぜ!・・・・・・イェンスが(ボソ) |
■ベル To:ハイアン |
おおぅ! それは期待ですねっ。 楽しみに待ってますよ〜。 |
■アイレン To:イェンス |
……お手伝いしましょうか? |
ベルの我侭に汗かいてるイェンスを見てさすがに気の毒に思ったのか、アイレンがそんな事を申し出る。
■イェンス To:アイレン |
いえいえ。導師の助手の方にその様な事をしていただく訳にはいきませんっ。 なるべく栄養になりそうな物が捕れれば…いいですね…(遠い目)。 |
毎日こんな事をしなくちゃならんのかと思いつつ、狩りに出かけようと準備するイェンスだった。
■カロン To:イェンス>マイカ |
役に立たないかもしれないけど俺も手伝うし。 マイカ導師、この広場なら安全そうだし獲物を探してきてもいいかな? |
■マイカ To:ALL |
ん〜。まぁ、構わんけど。 迷子になっても迎えに行ったりはしないからな、そこだけ気をつけろよ。 |
子ども扱い。
■カロン To:マイカ>居残り組 |
了解(苦笑 まあ野外に慣れてるイェンスさんも一緒だし大丈夫だと思いますよ。 それじゃあ、マイカ導師達の護衛の方は頼むよ。 |
■ハイアン To:イェンス&カロン |
僕もよかったらてつだうよ〜。くさってもハンターの家で育ったし。 |
■ソル To:ハイアン |
腐ってもだなんて、前回の仕事の時はすごかったじゃないか。 あの時の調子で狩りの方よろしく〜。 |
■カロン To:ハイアン |
それじゃあ、ハイアンさんもお願いします。 野外に慣れてる二人がいるなら狩りも短時間で済みそうだし。 |
■イェンス To:カロン&ハイアン |
そうですね。わたしもお二人が居れば心強いです。 |
■ソル To:狩り組 |
じゃぁ、こっちの事は任せて、良い獲物獲って来てくれよな。 期待して待ってるからさっ。 |
■イェンス To:ソル |
ソルさまこそキチンとお嬢様方をお守りして下さいよ。 |
■ソル To:イェンス |
オレとジョルディがいるから大丈夫だって。 さぁ、早いところ行って来てくれよ。 |
■ジョルディ To:イェンス |
(チラリと「お嬢様方」を見やり) そうそう♪ソルがいるんだから大丈夫だってば♪ |
ソルに任せる気、満々っぽい。
ジョルディもちゃんと働こーね。
■ベル To:狩り組 |
いってらっしゃーい。 大物を待ってますね〜。 |
無責任に応援して送り出す。
■ソル To:狩り組 |
気を付けてな〜。大物よろしくな〜。 |
無責任パート2。
【街道脇・森】 |
イェンス、カロン、ハイアンの3人が入った街道脇の森の奥。
10分ほど手分けして探索をしていた時だろうか。3人がほぼ同時に『ソレ』を発見した。
陸上で見るには珍しいと思われる、というか普通は見ないタコ。……の、頭がない。
そんな妙な生物が、触手をうねうねと動かして徘徊している。
■カロン To:イェンス&ハイアン |
あ、あの変な生き物って何かな?あまりに不気味なんだが・・・。 |
■イェンス To:カロン |
わたしも見た事がない生物です。 これは生物学者としては研究のしがいがあると言うモノ! と言っても見た目は安全な様には思えませんが…(汗)。 |
2人が困惑しているなか、ハイアンだけがその正体を思い出す。
ハンガー・レッグという名のそれは、かつて狩人として暮らしていた頃に見た覚えがあった。
……えーと、つまり。外見的にはアレなその生物は、どうも動物に分類されるらしぃ。。。
■カロン To:イェンス&ハイアン |
あんなものを放っておくわけにもいかないし、片しておこうか? 見た感じ大した事なさそうだしさ。 |
3人がそんな相談をしていると、向こうもほぼ同時にこちらの気配に気付いたらしい。
こちらを向いて(?)威嚇してくる。
■ハンガー・レッグ To:ALL |
しゃぎゃー! |
■イェンス To:ALL |
と、とにかく『戦士』であるソルさまを呼んできましょう! ここで功績を出さなければお父様に何とご報告すればいいか…。 |
言うが早いか元来た道を猛ダッシュ。
■カロン To:イェンス>ハイアン |
了解、そっちは任せる。 ハイアンさん、援護のほう頼むよ。 |
二人へ声をかけ広刃剣を構え、ハンガーレッグの攻撃に備えた。
【広場】 |
さて、場面変わってこちらは広場の組。
森の奥へと狩りに行った3人を見送り、マイカ導師たちとソル、ジョルディの5人は呑気にお昼の準備を続ける。
■マイカ |
さて、と。 |
白衣を引きずらないように縛り上げると、マイカも御者台から降りてきた。
かと思うとそのまま今度は荷台へと足を向ける。
……途端に、あの甘い匂いが漂い始めた。
■ベル To:マイカ |
あ〜っ、先生開けちゃいましたねっ!? |
■ソル To:マイカ |
げっ!こんなところで呑むなよっ(><) |
昨日の事を思い出し、酒からさささっと離れる。
■マイカ To:ALL |
おぅ。どうだ、お前らも飲むか? |
樽から移し変えたのだろう、たっぷりと膨らんだ皮袋を手にマイカが広場に降りてくる。
しかしその顔色は、あまり変わっているようには見えない。
■ソル To:マイカ |
仕事中なので遠慮しときまーす。 しっかしよく平気だなぁ、その酒呑んで……。 |
■マイカ To:ソル |
何事も慣れだ、慣れ。 お前らもそのうち飲めるようになるよ。 |
そんな事を言いながら、くぴぴ〜っと。
……森で起きている惨状を知らない、呑気な面々であった。
■ソル To:独り言 |
うーん、呑めるようになるとは思えないんだけどなぁ。 でもちょっとずつ呑めばいけるかな…。 いや、匂いだけでダメだったんだから無理か…。 けど少〜しずつ慣らしていけば何とかなるかも…。 |
腕組みしながらぶつぶつ。匂いだけで酔ったのがちょっぴり悔しいらしい。
などとお呑気に会話を続ける広場の連中とは対照的に。
森に入った面々はシビアな戦闘を繰り広げていた。
【戦闘・第1R】 |
まずはハンガー・レッグがハイアンに狙いを付ける。
近接戦闘技能のないハイアン、さすがに避けられずにその頭にでんと乗っかられてしまった
幸いにもダメージは通らず、寄生を免れる。
続いてカロンが手にしていたブロードソードで斬りつける……が、これがなんとハイアンに誤爆。
3点のダメージを負わせてしまった。
■カロン To:ハイアン |
ワ、ワザトジャナインデスヨ、ヨソウガイノデキゴトデ・・・ |
イェンスはその様子を見てマズイと感じたか(笑)
慌てて応援を呼びに、一目散に広場へと駆け戻る。
【広場】 |
■マイカ |
……ん? |
最初こそ平気そうだったマイカだが、さすがにその顔に赤みが差してきた頃。
森の中から息せき切って駆け出してくる人影が見えた。
よくよく見れば、狩りに行ったはずのイェンスである。
■イェンス To:ソル |
ソルさま、大変なんですっ。 見た事もない頭のないタコがハイアンを襲っているんですよ! 急いでタコ足を生け捕りにして下さいっ! |
そう言うなり、いきなりソルの腕を引っ掴む。
ついでにソルの武器(メイジスタッフ)も引っ掴む。
■ソル To:イェンス>マイカ |
っててて。何だよ!生け捕りって、そう言うのはレンジャーであるイェンスの仕事だろ! …ん?頭の無いタコ…???何か知ってるような…。 ともかく、ハイアンを助けに行くぞ!ジョルディも早く早く!! マイカ導師、ちょっと行って来ます! |
近くにいるジョルディの腕を引っ張って皆で猛ダッシュ。
【戦闘・第2R】 |
第2R。
ハンガーレッグは取り付いたハイアンを操るべく、攻撃と寄生を試みる。
ハイアンの防御はわずかにダメージを通されたが、またしても寄生には耐える。
カロンは再びブロードソードで攻撃を狙うが、激しく暴れまわるハンガーレッグを相手に狙いを捉え切れない。
ここで応援を呼びに行っていたイェンスが戻り、ソルとジョルディも戦闘に加わった。
【戦闘・第3R】 |
引き続きハンガーレッグはハイアンを狙う。
人数が増えてしまったため、早いところハイアンを操って逃げ出したいところだろうが、ハイアンも必死だ。
ダメージも耐え、寄生を再三免れる。
カロンは再びハイアンに斬りつけてしまうのを恐れ、剣を捨てて素手で殴りかかる。
今度は見事にハンガーレッグを捉え、ダメージを与えた。
同時にジョルディが動く。
カロンと同じく槍で突くとハイアンに危険が及ぶと判断したのか、くるりと手にした得物を反転させて槍の石突で殴り掛かった。
これもハンガーレッグに命中し、かなりのダメージを与えることに成功する。
ハイアンも何とかしようと纏わりつくハンガーレッグに殴り掛かるが、これが的を外してなんと自分自身を殴ってしまうハメに。
幸いダメージはなかった模様。
ソルも手にしていたメイジスタッフでハンガーレッグを狙うが、これは相手を捉えきれずに終わる。
そしてラウンド最後にイェンスのスリープクラウドが飛ぶ。
わりと効果範囲の広いこの魔法。……本人以外の接敵してるみんなに掛かるんだが、まぁ覚悟の上なんだろう。
そして魔法は、狙ったとおりハンガーレッグと……1ゾロ振ったハイアンに見事に掛かる。
取り付かれるわ、仲間に殴られるわ、果てに眠らされるわ……。
ハイアン、とことんツイてないようである。
【戦闘・第4R】 |
ラウンド最初の起きられたかの判定には、ハンガーレッグ、ハイアン共に失敗。
ハンガーレッグはそのまま眠り続ける。
カロンは相手が寝ているうちに止めを刺すべく、足元に投げ捨てていた剣を拾い上げる。
ジョルディは再度石突で殴ろうとするが……手元が狂ったのか、寝ているはずのハンガーレッグを狙い損ねてしまった。
ハイアンもハンガーレッグと一緒に仲良くお休み中。
ちなみに誰一人『ハンガーレッグを引き剥がす』と宣言をしていないため、この好機にも2人は組み合い状態のままだったりして。
そしてソル。
メイジスタッフで今度こそ攻撃。……ハイアンに。
ハイアン、本日二度目の味方からのダメージである。ひょっとして嫌われてる?
イェンスは前線に立つ3人(カロン、ジョルディ、ソル)にエンチャント・ウェポンを掛ける。
【戦闘・第5R】 |
前ラウンドでハイアンが殴られた衝撃で一緒に目を覚ましたハンガーレッグ。
足のない軟体生物の特性を活かして、その姿勢のまま性懲りもなくハイアンに攻撃を繰り返す。
が、どうしてもその面の皮を貫けないらしい。
ハンガーレッグが目を覚ましてしまったため、カロンは仕方なく再び剣を置いて拳で殴りかかる。
ところがこれが思ったよりも良いダメージを叩き出し、ここでようやくハンガーレッグを倒すことに成功した。
■カロン To:ALL |
ふう、やっと離れたか・・・ハイアンさん無事ですか?? |
無事じゃないと思う。
てゆーか、彼が負ったダメージの大部分は仲間からのものだったりするのだが。しかも最初にダメージを与えたのは……。
■ソル To:ハイアン |
ハイアン〜、ごめんよ〜。決してわざとじゃないんだよ(><) 大丈夫だった? |
■イェンス To:ハイアン |
ご自分で回復呪文かけられますか? |
ようやく危機(?)を脱したハイアンが、自身に治癒の魔法を掛ける。
■イェンス To:ALL |
とにかくこのへんてこな物が何なのか、マイカ導師に見てもらいましょうか? |
■カロン To:イェンス |
確かにマイカ導師ならこいつのこと詳しく知ってるかも・・・。 |
■ソル To:ALL |
これはハンガー・レッグって言う生き物だけど、オレも名前を知ってるだけで詳しくは知らないから導師に聞くのが1番だな。 |
■カロン To:ALL |
ひとまず護衛の俺達が全員こっちに来ちゃってるし急いで戻ろうか。 |
■イェンス To:ALL |
あぁっ!そう言えばあちらには誰もいませんね。 |
■ソル To:ALL |
マイカ導師は酒呑んでたから今頃出来上がっちゃってるかもな…(^-^; 護衛と言うより酔っ払いの相手の方が大変かもしれない…。 導師の酒癖が悪くない事を祈ろう……。 |
■カロン To:ソル>ALL |
酔っ払いか〜、酒癖が悪いといやだよね。 まあ、アイレンさんとベルがいるし面倒は見てくれるんじゃないか?? |
【広場】 |
森に駆け込んでいくパーティを見送って、しばらくのんびり飲んでいたマイカたち。
■カロン |
たち!? |
『たち』です。
ほぉら、見ればベルもアイレンもコップを手にしているよ(笑)
■マイカ To:ALL |
おぅ、帰ってきたか。 |
マイカが目聡く森から出てきた面々を見つける。
あまり怪我もないその様子を見て(約一名を除く)ほっとした顔だ。
それなりに心配はしてくれていたのかもしれない。
■カロン To:マイカ |
ただいま戻りましたよ。 |
■イェンス To:マイカ'S |
すみません、つい見かけない物体を発見したもので、ここをお留守にさせてしまいました。 こちらは…変わりない様ですね。 |
■マイカ To:イェンス |
ん〜。酒が進んだくらいかな。 |
たっぷり膨らんでいたはずの皮袋を、軽そうに振り回す。
■ソル To:マイカ |
あっという間に呑んじゃった。 目的地に着くまで残ってるんだろうか…。 |
■カロン To:ソル |
減る分にはいいんじゃない?運ぶのが気楽になるしさ(笑 俺達も酔わない程度に飲んで減らそうか? |
■ベル To:ALL |
おかえりなさーい。 それで、獲物は取れましたか? こっちの用意は万全ですよっ。 |
見れば焚き火は勿論、捌くためのナイフやら血抜き用の水やら鍋やら、しっかりと一揃いが準備されていた。
■カロン To:ALL |
あと獲物の方は一応獲ってこれたんだけど、あまり見かけたことないモノなんだけどいいかな(汗 |
マイカへ返事を返してから、獲物を皆に見えるように持ち上げる。
■マイカ To:カロン |
お、ハンガー・レッグか。また随分と珍しいものを取ってきたな。 |
さすが賢者。一目見ただけで分かるらしい。
■ベル To:マイカ |
せ、せんせぇ? あれ、食べられるんですか? |
■マイカ To:ALL |
ウマイぞ。 特に油で揚げた足の先なんか絶品だ。本来ならマリネにするともっと美味いんだが、さすがに漬け込む時間はないし我慢するか。 |
さすが賢者。おいしい食べ方も心得ているらしぃ……。
■カロン To:マイカ |
へぇ〜、導師だけあって詳しいな。 |
■イェンス To:マイカ |
マイカ導師、このモンスターを食べた事があるんですか?! |
■ソル To:独り言 |
普通のタコと変わらないのか…。でも何となく食べたくないような(^-^; でも冒険者たるものそんな事言ってられないか…。 |
■イェンス To:ソル |
そうですっ。冒険者になる為に家出をして来たんですからっ。 このくらい食べてもらわなくては困ります。 と言う事でまずはソルさまが先に味見して下さいね。 |
■カロン To:ソル |
それじゃ、毒見は頼むな。 |
ソルの肩をポムと叩きながらイェンスの意見に便乗するカロン。
■ソル To:イェンス |
それってただ単に嫌な役を押し付けてるだけじゃないか?(-_-; |
どうやらソルは厄介ごとを押し付けられるタイプのようである。
■アイレン To:カロン |
では、調理しましょうか。 ……お貸しください。 |
■カロン To:アイレン |
じゃあ、お願いしますね。 |
と、例のブツ(?)をアイレンへと渡す。
■ソル To:アイレン |
アイレンさん、美味しく調理してくれる事を期待してるよ〜(^-^) |
■イェンス To:アイレン |
何かお手伝いする事があったら何でも言って下さいね。 ところでアイレンさんはこの生物の調理をした事があるんですか? |
■アイレン To:イェンス |
以前マイカ導師が『酒のつまみにはコレがいい』と言い出して、近くの森まで狩りに行かされましたので。 その時に調理して、ご相伴にも預かっています。 |
獲物のゲットから手伝わされたらしぃ。
……つまり、市場にはあまり出回ることはないようだ。
■カロン |
(アイレンさんって一般人じゃなかったか・・・??) |
学院で勉強してますから。多分こっそりと魔術師の1Lvくらいは……。
■マイカ To:ALL |
そうそう、つまみに最高なんだよ。 ……っと、そういえばその肝心の酒がもうないな。もう少し取ってくるか。お前らも飲むだろ? |
■ソル To:マイカ |
い、いや、さっきも言ったけどオレは酒は良いよ(^-^; |
■カロン To:マイカ |
俺も今はいいや、宿に着いたら少し飲ませてもらってもいいですかね? |
■マイカ To:カロン |
おぅ。 んじゃ今夜は差し向かいだな〜。 |
■カロン To:マイカ |
楽しみにしておきますよ。 (酒に強くはないからサブドリンクにジュースでも用意しておくかな・・・) |
■ 第九章 樽に潰される ■ |
---|
#151 Index |
【4日目・街道】 |
さて、そんな珍騒動も巻き起こしながら、旅を続けるパーティ一行。
そろそろ街道沿いの旅も終わりという、旅程4日目。山が近くなってきたせいか、坂道が増えてくる。
道も街から離れたため多少荒れてきたようで、ガタゴトという振動が大きくなってきた。
今も緩やかな上り坂をゆっくりと進んでいた、そんな時。
車輪が大きめの石でも踏んだか、それまでよりも一際大きく馬車が跳ねた。
■カロン |
ッ!?道が悪いのかな〜。 |
と、その拍子に。
■ベル To:ソル |
あ。ソルさん、危ないですっ。 |
■ソル To:ベル |
え?何? |
馬車の進行方向、ソルが背を向けていた方に積み上げていた酒樽の一つがぐらりと揺れた。
度重なる揺れでバランスが崩れてきていたらしい。
酒樽はまさに今ソルを押し潰さんと、まっ逆さまに落ちてくる。
■アイレン To:ソル |
支える……のは難しそうですね。 しかし避けるとそのまま酒樽が外に転がり出てしまいそうですし……。 いっそソル様に身を挺していただいて、クッションになっていただくのが最も効果的……? |
こんな時でも冷静に状況分析していたり。
■ソル To:樽 |
っっとぉ〜っ!!男なら気合だー!!! |
と叫んで樽を支えようと構える。
が、樽の勢いに負けてそのままベシャッと潰された。
■イェンス To:ソル |
はぁ。お酒は無事なようですね。良かった良かった。 ソルさま、あなたの勇姿は忘れません…。 |
■ソル To:独り言 |
ぐはっ。やっぱり無理だった…(T-T) 狩りでは役に立たず、樽には潰されて、良いところないよなぁ。 あと匂いだけで酒に酔ったりもしてるしな…。 |
樽に潰されたままがっくりうなだれる。
■アイレン To:ソル |
お酒に限っては、飲んでいれば自然に慣れるそうですよ。 |
アイレンまで勧めてきたり。
■カロン To:イェンス&アイレン |
いや、二人ともそんなこと言ってないで助け出さないと(汗 |
馬車の横側を見回りをしていたカロンがその様子に気付き、ソルを助けようとポテポテ歩いて来る。
■ジョルディ To:ソル |
「色男 金と力は無かりけり」ってゆーからねー。 まぁ、「それ」もソルの個性、ってことでいいんじゃない? |
と、フォロー(?)を入れつつこちらも救出に向かうジョルディ。
■イェンス To:カロン>ソル |
しょうがないですねぇ〜。 まったくソルさまは。やはりわたしのような後見人がいないと全然ダメですね。 ついて来て良かったですよ。 樽に潰されて圧死なんて、あなたのお父様にどうご報告をしたらいいか…。 |
とか言いつつ、こちらは立ち上がろうとする気配すら見せないイェンスであった。
アンタ、後見人でしょうに。……それともホントに「後ろで見てるだけ」の人なのだろうか。
■ 第十章 村に着く ■ |
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#151 Index |
【トルニド村】 |
そんなこんなの珍道中を経て。
やってきましたトルニド村。
■マイカ To:ALL |
お〜、着いた着いたぁ。 1年ぶりだなぁ。 |
■ベル To:ALL |
ベルたちは初めてですねぇ。 ん〜、でもいい所です。風景はきれいだし、空気もおいしいし。 |
金鉱は閉鎖されて久しいため、ぱっと見た感じはどこの村とも変わらないのどかな農村である。
地理的に山に近いため、畑などに当てられた面積が少なく、その分を放牧地として山羊が多く見えるのが特徴だろうか。
村に入ってきた馬車に気付き、その御者台に座るマイカを見つけると村人の幾人かは顔を綻ばせて挨拶をしてくる。
それなりに気安い関係を築いてはいるようだ。
■カロン To:マイカ |
やっぱり毎年来てるだけあって村の人も見知ってるんだ。 |
■マイカ To:カロン |
まぁ、な。荷物持ちの冒険者を雇えなかった時なんか、村から人足を出してもらったりもしてるし。 とりあえず、いつも使ってる宿屋に行くぞ。今夜一晩はそこで休んで、明日の朝一番で登山だ。 荷は軽い方がいいから、持ち物の選別をしておけよ。 |
■イェンス To:マイカ |
そう言えば護衛以外に樽を担いで登山があったんですね…。 目的地までは樽を担いでどのくらいの距離があるんですか? |
■カロン To:ALL |
俺もそこのところは聞いておきたいな。 明日中に村に戻ってこれるぐらいかどうかも、それによって置いていく荷物も考えないといけないし。 |
■マイカ To:ALL |
朝に麓を出発して、途中までは馬車。馬車で進めなくなったら、そこから先は担いで行ってもらう。 順調に行けば、昼過ぎくらいには山頂に着くはずだよ。 ただ、多分そこで一泊すると思うから。早くても下山は明後日だね。 |
■カロン To:ALL |
途中まで馬車ならその時にいらない荷物を置いていくってのもありかな。 |
話しながらも馬車は進み、村の中心部にある酒場の前で止まった。
2Fは宿屋として使われているようであり、壁に掛けられた看板には『古竜の欠伸亭』と記されていた。
■マイカ To:ALL |
着いたぞ。ここが宿だ。 とりあえず、荷物降ろして休むとするか。 |
■イェンス To:マイカ |
この樽はどこに運びましょう? それとも馬車に入れたままですか? |
■マイカ To:イェンス |
そうだな……じゃ、一樽だけ降ろして店に入れてくれるか? |
■カロン To:イェンス |
それじゃあ、俺達は樽と荷物を運びますかね。 |
■イェンス To:ソル |
はいはい。それではファイターのソル様、運ぶのはお願いしますね。 |
■ソル To:イェンス |
イェンスもたまには重いもの持った方が良いんじゃない? 遠慮せずにどんどん運びなよ。 |
■イェンス To:ソル |
遠慮なんてしてませんよ。嫌だからに決まってるじゃないですか。 |
■マイカ To:ALL |
さって、と。んじゃ、まずは挨拶だな。 |
御者台を降り、マイカが率先して店の扉を開ける。
【古竜の欠伸亭】 |
■マイカ To:店内 |
こんちは〜っ。 また1年ぶりに世話になるぞ〜。 |
お昼を過ぎた半端な時間のせいか、店内は閑散としていた。
そんな中で、店員と思われる若い娘と、店主らしい男がマイカの声に反応して振り返る。
■娘 To:マイカ |
あーっ、マイカさんっ! 久し振りだねぇ。待ってたんだよ〜。 |
■男 To:マイカ |
よぅ、いらっしゃい。 今年は遅かったな。もう来ないかと思ってたよ。 |
ぽてぽてと店内に入ってきたマイカと、3人で盛り上がっている。
■ベル To:マイカ |
あのぉ、マイカ先生。 ……ベルたちの紹介はぁ? |
■アイレン To:マイカ |
荷物をどうするのかも決めていただきませんと、困ります。 |
■カロン To:マイカ |
部屋の方決めてもらえば先に運びますけど。 |
メイド2人の突っ込みと護衛っぽい人の台詞で、ようやく娘さんの方が顔を上げた。
■娘 To:ALL |
あ、ごめんごめん。 えっと、そちらは……お手伝いの人と、護衛の人たちかな? |
メイドと冒険者という、傍から見れば奇妙であろう取り合わせに少ぉし首を傾げて。
■イェンス To:娘さん |
初めまして。我々はこのたびマイカ導師に雇われた者です。 |
■アコット To:ALL |
あたしはアコット。ここの看板娘やってます。よろしくね。 んでこっちが、店主で兄のバレル。 |
■カロン To:バレル&アコット>マイカ |
俺はカロン、よろしく。(自分のことを看板娘と断言かw;) たぶん、今日と仕事帰りにお世話になるのかな? |
■ソル To:バレル&アコット |
オレはソル。短い間だけどよろしく! |
■ジョルディ To:バレル&アコット |
そしてボクがジョルディで〜す♪ヨ・ロ・シ・ク〜♪ |
一通り挨拶と顔合わせを済ませて。
イェンスがぐぅるりと店内を眺める。
■イェンス To:アコット |
ご兄妹でやっておられているんですか。 まだお若いのにご立派ですねぇ。 |
■バレル To:イェンス |
なぁに、親父の残した店を続けてるだけさ。 |
マイカたちの後から続けて入ってきたパーティの面々だが、そこでアコットが腰から下げているものに気が付いた。
大きさ、長さはまるで長剣のようであるが、その形は鉄の棒に複雑な切り欠きが入っただけの物である。
鍵をそのまま巨大にすれば、こんな感じになるだろうかと思わせる。
■カロン To:アコット |
アコットさん、それって何なんですか? あまり見かけないものだから気になって。 |
■アコット To:カロン |
あ、これ? ……なんなんだろね〜。 |
言いながら、腰のそれを手にとって目の高さに持ち上げる。
サイズを無視すれば、そうして構えている様はまさに鍵を手に持っているようだ。
■アコット To:ALL |
うちに先祖代々伝わってるものらしいんだけど。 肝心のどういうものなのかっていう口伝が綺麗さっぱり失われちゃってね〜。 こんなバカでっかい鍵、うちはおろか村のどこを探しても使うところなんてないし。 ……まぁ、メイス代わりに丁度いいんで、護身用に持ってるんだけど。 |
確かに、これで殴られたら相当痛そうである。
■イェンス To:アコット |
魔法的なものがかかっている様な事はないんですか? |
しげしげとその鍵型メイスに古代文字などが書いていないか見てみる。
■アコット To:イェンス |
わかんない。 あたしはもちろん魔法なんか使えないし、そーゆーのしてもらった事もないから。 |
ぱっと見た範囲では、それらしい文様や刻印などはなさそうだ。
■カロン To:ALL |
アコットさん達さえよければ魔力感知の呪文で確認させてもらえば? |
■バレル To:カロン |
そうしてもらえるならありがたいな。 今はこうしてアコットに持たせちゃいるが、ロクでもない曰くがあったりしたら困るし。 |
■ソル To:バレル>イェンス |
確かに変なものだったら嫌だよな。 と言う事でイェンス、センス・マジックよろしく。 |
■イェンス To:ソル>マイカ |
えぇ、それはしますが…。 念のために聞いておきたいんですが、マイカ導師はこの鍵メイスを見てどう思われましたか? 魔法を使えないとは言え、付与魔法の研究をなさっている権威でいらっしゃると聞きますので、何か分かっている事などありますか? |
■マイカ To:イェンス |
モノ自体は古いものだし、何かしらの謂れはあるんだろうけどね。 なにしろ伝承自体が失われてるとなると、調べるのも一苦労なんだよな。 一見して魔力が付与されてるとも思えんし、ウチの研究範囲から外れてそうだからあまり興味を持って調べた事ないんだよ。 ただまぁ、アコットが言うようにこの家に代々伝わってる物らしいし、過去の歴史を考えればこの土地に由来した何かがあるのかもね。 |
そう言って、マイカはトルニド山金鉱が古代魔法王国期から繁栄していた事、そしてそこから採掘される金は純度が高く、当時の魔法使いたちが身を飾るために珍重されていた事を語ってくれる。
■ジョルディ To:マイカ>アコット |
ふ〜ん、そ〜なんですか〜。 あ、そうだ♪ 鉱山の中は別として、この付近にあからさまにあやしい洞窟とか遺跡とかあったりしません? |
■バレル To:ジョルディ |
そりゃまあ、鉱山があったんだからその洞窟はあるが? 冒険者さんが期待するようなものはないと思うぞ。 |
■カロン To:バレス |
たしかに、それはそうですね。 (散策する時間でもあればあとで見に行ってみるかな。) |
そんなもんがあるなら、冒険者たちの話題に上ってもおかしくないはずであるし。
■イェンス To:マイカ |
ところでマイカ導師、センス・マジックのコモン・ルーンはお持ちではないんですか? |
■マイカ To:イェンス |
上司がうるさくてな。 一般流通してる以外の共通語魔法の品は学院外持ち出し禁止なんだよ。 |
■イェンス To:マイカ>アコット |
あぁ、学院の規則はうるさいですからねぇ。。。 うぅ〜ん。とりあえず魔力感知はしてみましょう。 アコットさん、少しその鍵メイスに魔法をかけさせていただきますね。 |
■アコット To:イェンス |
はーい。じゃあ、お願い。 |
アコットが鍵を胸の高さで掲げる。それを前にして、イェンスは精神を集中し『魔力感知』を唱えた。
……魔法は無事、発動したはずであるが。
肝心の鍵は、イェンスの目が見ても何の反応も返さない。
■イェンス To:ひとりごと |
はっ?! こ、これは…っ?! |
■アコット To:イェンス |
どう? なにか分かった? |
■ジョルディ To:イェンス |
ね?ね? どうなの?どうなの? |
興味津々でイェンスの瞳を覗き込む。
■イェンス To:ALL>アコット |
魔法はかかってませんね。 どうやらこれはただの“鍵型のメイスの様な物”です。 きっと昔のヒトが女性用にオシャレなメイスを作ったんでしょうねぇ〜。 |
いや、メイスに使ってるのはアコットの勝手で、それを意図して作ったものだとは決まってないんですが(汗)
■アコット To:イェンス |
なんだ〜、魔法は掛かってないのか。 |
■ジョルディ To:イェンス |
な〜んだ、つまんないの〜。 |
■カロン To:ALL |
俺にはどこがオシャレか分からんがw; (それにしても魔力感知に反応しないか、可能性としては魔法の品じゃないか 魔力隠しの呪文がかかってるのどっちかかな?) |
鍵に興味を失くしたのか、ジョルディが突然話の矛先を変えて質問してきた。
■ジョルディ To:アコット |
……ん〜と、このお店の名前に何か特別な由来があったりは……しません? |
鍵メイスがダメなら今度は店名だ、とばかりにアコットに尋ねる。
■アコット To:ジョルディ |
さぁ〜ねぇ〜。 この妙ちきりんな鍵と同じで、店も代々やってるから。 ご先祖さまが名付けたんだろうけど、由来までは知らないなぁ。 |
そう言いながら、マイカにちらと視線を向ける。
マイカもそれに気付いて、黙って頷いた。
……あいこんたくと?
■バレル To:ALL |
ま、竜が欠伸なんかした日にゃあ、一緒に火も噴かれて黒焦げだろうがな(笑) 名づけ主もそんな洒落の心で考えたんじゃないか? |
■ジョルディ |
(そもそも「古竜」ってなんだろう?) |
知識判定に失敗したジョルディくん。竜とは何ぞや、と首を傾げる。
■カロン To:アコット |
代々か〜、どのくらい前から店やってるのかな? |
■バレル To:カロン |
じいさんのじいさんの、そのまたじいさんの……と。 俺が聞いてるだけでも十数代以上は続いてるみたいだけどな。 |
金鉱が最盛期でにぎわっていた頃にできた店だという事らしい。
年月を重ねる間に何度か店の建て替えなどはされているものの、ずっと同じ土地で商売を続けてきたそうだ。
■ジョルディ To:アコット |
あと「トルニド山には“ド”の付くこわ〜いものがいる」ってゆー噂を耳にしたんですケド、何か思い当たるようなことって……あります? |
■イェンス To:アコット |
そうです、そうです。この仕事を請け負った時にそんなモノが居ると言う事を思い出したんですよ。 仕事をする上で心配だったのですが…。 |
■アコット To:ジョルディ |
怖いもの……怖いもの、ねぇ。 別にそういうのは思いつかないけどな。 |
怖くないものならいる、とでも言いたげである。
■イェンス To:アコット>ALL |
そうですか。…それなら心配していた“噂”はただの噂だけだったのかも知れませんね。 |
■ジョルディ To:アコット |
な〜んだ、やっぱり単なるデマだったんだ〜♪ヨカッタ♪ヨカッタ♪ |
■マイカ To:ジョルディ |
デマならいいけどな。……ま、明日になれば分かるだろ。 |
聞こえないように、そっと。
……ん?
■マイカ To:ALL |
さて。 おしゃべりもいいけど、そろそろ部屋を取って一休みしないか? どうせ一年ぶりの再会なんだ。夜には村の連中も集まって宴会になるだろうし、続きはその時でもいいだろ。 |
■カロン To:マイカ |
まあ、荷物も運び込まないといけないしそうしますかね。 |
■ 第十一章 宴で飲む ■ |
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#151 Index |
【古竜の欠伸亭】 |
荷物を運び入れて、一息ついて。村に夜の帳が下りてきた頃。
村人たちが三々五々、古竜の欠伸亭に詰めかけてくる。
■村人A To:マイカ |
おお〜、マイカ先生。久し振りだなぁ。 |
■村人B To:マイカ |
1年ぶりだね。この季節を待ってたよ。 |
■村人C To:マイカ |
……で。 酒は? 酒は? |
どうやら、一行が運んできた例の酒が目当てらしい。
■カロン To:村人C |
(ずうずうしいなw;) |
■イェンス To:マイカ |
マイカ導師、この方たちにもお酒を振る舞っていたんですか? しかしこれではこの酒を届ける先の方の分がどんどん減って行く様な気がするんですが…。 |
■マイカ To:イェンス |
ああ、それは大丈夫だ。ここに置いてくのは一樽だけって約束だから。 毎年世話になってるお礼に、持ってきた分から一樽は村の人たちに譲ってるんだよ。 |
出発前に『途中で一樽減る』と言っていたのはこの事のようだ。
■ソル To:マイカ |
オレはてっきりマイカ導師が一樽飲んじゃうんだと思ってたんだけどなぁ。違かったのか。 お酒好きの人には良いお礼だよね。 |
■カロン To:ソル |
さすがに1樽は無理だと思ってたけど、お礼にってことだったんだな。 ナットクナットク。 |
■マイカ To:ソル&カロン |
いくらなんでも、一樽は飲めん。 |
■村人A To:イェンス |
そうそう。こんないい酒、わしらもご相伴に預からんと悔しいからね。 |
■村人B To:ALL |
それで毎年二日酔いになって、カミサンに怒られるんだけどな。 さ、さ。あんたらも飲みな。 |
■ソル To:ALL |
ジョルディとかすっごく飲みたがってたから飲ませてもらえば? オレは…出来れば遠慮したい(^-^; |
匂いでダメだった人が飲んだら絶対二日酔いになるから、とは心の声。
■カロン To:ソル |
明日に差し支えないぐらいならいいんじゃないか? ・・・水割りにするとか。 |
ソルの心に声には気付かずに酒を勧める人wノ
■ジョルディ To:ソル |
んー、痛飲したいのはやまやまなんだけどねぇ……。 |
どうやら、登山のしんどさを計りかねているらしい。
■イェンス To:村人B |
仕事がありますので遠慮しておきます。 二日酔いで山登りなんて最悪ですからね…。 出来れば帰って来た後思い切り飲みたいものですが(遠い目)。 |
■ソル To:ALL |
オレも帰って来てからぱーっと飲んだほうが良いと思うんだけど。 |
■ジョルディ To:ソル |
……絶対に残ってなんかないと思うケド。 |
と、冷静にツッコミなんか入れてみたり。
■村人B To:ALL |
なんだ、付き合いの悪い奴らだなぁ。 仕方ない、そっちのお姉ちゃんたちはどうだ? |
■ベル To:ALL |
にゃはは、戴いてますよ〜。 にゃはははは〜(//▽//) |
■アイレン To:ALL |
(くぴくぴ。) |
メイド2人はいい感じで飲んでいたり。
すでに顔に赤みが差している。
■カロン |
(明日は樽と酔っ払いの面倒を見なければいけないのか(ノд`)) |
■バレル To:ALL |
1杯でもいいから、付き合ってやっちゃくれないか? なにせこの通りの村だからな、たまに外から来る人間と飲むくらいしか娯楽がないんだよ。 |
■村人A To:ALL |
そうそう。2、3日前に来た連中も愛想が悪くてなぁ。 一緒に飲むどころか、ロクに挨拶もせんかったし。 |
■ジョルディ To:村人A |
へぇ〜、無愛想な旅人ってゆーのも珍しいですねぇ。 その人たちって何しに来てたんですか? |
■村人A To:ジョルディ |
そうかな? 別に人それぞれだからね、愛想がなかったのは確かでも珍しいとまでは思わんかったが。 そんなわけで、ろくすっぽ話も出来なかったからな。何しに来たのかはまるで分からん。 |
■ジョルディ To:村人A |
ふ〜ん、そーなんですかぁ。 ところで……おじさんは「一樽担いで山登り」ってやったこと……あります? |
と、ジョルディが村人Aと和やかに話しているところに
■村人B To:ジョルディ |
こら〜ぁ! 誰がおじさんだっ。俺はまだまだ若いんだぞ〜。 |
おじさんの一言にぴくりと反応して、隣に座っていた方が絡んでくる。
だいぶ回っているらしい。
■村人B To:ジョルディ |
去年は護衛の冒険者さんが少なくて人手が足りなかったから、俺が担ぐのを手伝ったよ。 そーいうわけで、飲んで登るくらい平気だっ。さ〜飲め、お前も飲め! 人のことをおじさんなんて抜かす失礼な奴は、俺が一晩たっぷり説教してやるっ。 |
■ジョルディ To:村人B |
……えーと。ボクはお兄さんをおじさん呼ばわりしたわけじゃないんだけど……。 |
と、一応のフォローを試みつつも「こーゆー手合いに正論は通じない」そう観念したのか、勧められるままに酒盃を呷り始めるジョルディ。
そんな風にジョルディが村人達に絡まれている光景を横目に見つつ。
とばっちりを受けないようにマイカへと話を振るカロンの姿があった(笑)
■カロン To:マイカ |
そういえば導師、お酒もいいけどこの村の名物料理とかないんですか? |
■マイカ To:カロン |
ウチに聞くな、ウチに。 そこに店の人間がいるだろが。 |
と、そんな事を言っているカロンのテーブルに、アコットがどんっと音を立てて様々な料理の数々を置いていく。
■アコット To:ALL |
はーい、お待ち。 『羊の肉の香草焼き』に『ボイルポテトのとろけるチーズ掛け』。こっちは『山菜とキノコのホイル包み』ね。 それから、これは今朝絞りたての羊のミルク。 お酒が苦手なら、これで割って飲むといいよ。まろやかになって美味しいから。 |
■カロン To:アコット |
お、ちょうどいいところに。 アコットさんここのオススメと名物料理ってどれですかね? せっかくだし一度は食べておかないと。 |
■アコット To:カロン |
なに言ってんの。全部に決まってるじゃない、全部に! あたしが真心込めて作ったんだからね、ちゃ〜んと味わって食べなさい。 残したらコイツでぶん殴るからね。 |
鍵に手を添えて脅しつけたり。
■ジョルディ To:アコット |
んーとね、カロンは「この村でしか味わえない幻の郷土料理」とかってないのかなー、って言いたかったんだと思うんだ♪ もちろん、ココでしか味わえない以上、アコットさんの料理も十分「名物料理」っていえるのかもしれないケド♪ |
いつの間に脱出してきたのか、そこにはにっこりとアコットに微笑みかけるジョルディの姿が。
勿論、その片肘でカロンをつっつくことも忘れていない。
村人B? えーと……返り討ち?
■アコット To:ジョルディ |
だ・か・ら、全部だって言ってるでしょ。 羊もチーズもミルクも、全部この土地で取れたものだよ。 |
■バレル To:カロン |
そうそう、その酒はミルク割りにしてもいけるぞ。 水割りにするくらいならそっちの方が良いだろう。作ってやるから飲んでみな。 |
■カロン To:バレル |
じゃあ、グラスに一杯だけお願いします。 仕事に差し支えるのもなんですし、あとはアコットさんの真心が篭ってる料理を堪能しますよ。 |
■イェンス To:バレル |
あ、わたしとソルさまには羊のミルクだけお願いします。 それからチーズの盛り合わせも。 |
■イェンス To:ソル |
(小声)ソルさま、わたしたちだけでも二日酔いは避けましょう! |
■ソル To:イェンス |
(小声)仕事前に二日酔いになるのは嫌だよな。他の皆には悪いけど、オレらだけでも飲まない方向で行こう。 |
■バレル To:ALL |
はいよ。 ミルク割りが一つに普通のミルクが二つ。 あと追加でチーズの盛り合わせな。 |
■カロン To:バレル>ALL |
どもっ。 それじゃあ、飲み物も行き渡ったし乾杯でもしますか? |
■アコット To:ALL |
あたしも飲む〜。 兄さん、グラスちょーだい。 |
バレルも自分自身の分を用意して、ようやく全員の手にグラスが行き渡る。
■マイカ To:ALL |
さて、もう飲んでる奴もいるわけだが。 (コホン)じゃ、改めて。……かんぱ〜いっ。 |
依頼主の立場を利用して、ちゃっかり音頭を取ってみたり。
■ジョルディ To:ALL |
かんぱーい♪ |
■カロン To:ALL |
乾杯〜♪ |
一口飲んで料理の置かれているテーブルへと向かっていくカロン。
■ソル To:ALL |
乾杯!美味そうなミルクだな〜……ん??? (こ、この匂いは!!バレル、こっそり酒を仕込んだな!) |
寸前で酒の匂いに気付く。最初に匂いで酔ってからこの酒の匂いには敏感になったのかも。
■バレル To:ソル |
(……ちっ。気付いたか) |
バレルの方を見れば、口を付ける直前でその手を止めたソルを見て悔しそう。
慌ててイェンスの方に向き直るが、一歩遅かった。
■イェンス To:ALL>ソル |
かんぱい! ・・・うーん。この羊のミルク、なんだかほっこりして来ますね〜。 チーズの盛り合わせの他に何か頼みますか? お酒を飲んでいないのに酒のつまみだけではお腹が空くでしょう? |
■ソル To:イェンス |
あ、あぁ。何か腹に溜まるもの食べた方が良いよな。 |
知らないだろうけど、イェンス酒飲んでるから。とは心の声。教えてあげないのは日ごろの恨み?
■カロン To:イェンス&ソル |
ん、別にいいんじゃないかな。 アコットさんが料理色々持ってきてくれてたから、ちょっとずつ摘めばいいんじゃない? |
と二人に声をかけつつ山菜とキノコのホイル包みを頬張っている。
■アコット To:ALL |
そうそう、夜は長いんだから。 足りなくなればまた作ってあげるから、のんびり飲んで食べて楽しみましょ。 |
■ 第十二章 登山に臨む ■ |
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#151 Index |
【トルニド山・登山口】 |
一夜明けて、日が昇り。
トルニド山登頂を目指して冒険者が集う。
■マイカ To:ALL |
よーし、お前ら。準備はいいな? 酒もちゃんと抜けてるか? |
■ベル To:マイカ |
……抜けてません。 気持ち悪いです。うぅ。 |
■アイレン To:マイカ |
…………(黙) |
アイレンが黙っているのは、口を開くと胃から逆流しそうになるからのようだ。
■イェンス To:ALL |
うぅ…誰ですかわたしのミルクにお酒を入れたのは…。 うぷ。 |
■ソル To:イェンス |
あれ?イェンス二日酔い〜?人の事言えないんじゃん? |
■イェンス To:ソル |
臭いだけで酔っぱらえるソルさまにだけは言われたくありませんね。 |
■カロン To:ALL |
...グラスで一杯飲んだだけなのにな〜。 |
■アコット To:ALL |
だらしないなぁ、あれくらいのお酒で。 |
山の案内人として同行することになったアコットが呆れ気味に呟く。
こちらはまるで平気な様子。
■ジョルディ To:アコット |
ホントだよね〜♪ |
能天気に頷くもう一人。
■ソル To:ジョルディ&アコット |
アコットさんもジョルディも酒飲んでたよな。二日酔いになってないと言う事は酒に強いんだな〜。 |
特にジョルディは、村人に対抗して相当飲んでいたはずなんだが。
実は結構なうわばみなのかも知れない。
■マイカ To:ALL |
じゃ、そろそろ行くぞ〜。 昨夜の内に馬車は小回りが効くのに替えたからな、登山は全員歩きだぞ。 いつまでも酔っ払ってて、足を踏み外さないようにな。 |
■ジョルディ To:マイカ |
は〜い♪ |
■カロン To:ALL |
う〜ん、険しいところに入る頃に少しは酔いが醒めればいいんだけど・・・。 |
確かにここまで旅してきた馬車から、二回りは小ぶりな物に交換がされている。
山道を登るにはこちらの方が都合がいいのだろう。
とはいえ、小型だけあって樽を積んだだけで目一杯のようだが。
■イェンス To:ALL |
あぁ、もう少し身体が小さければ馬車に乗れたんでしょうがねぇ。。。 |
パーティー1デカい奴が何を言うか。
■カロン To:イェンス |
まあ、乗れたとしても乗るのは依頼人が先じゃないか〜。 |
■ソル To:イェンス |
ぶつぶつ言ってないでがんばって歩け〜。男だろ、しっかりしろって。 |
ここぞとばかりに日ごろのうっぷん晴らし。
■イェンス To:ソル>ジョルディ |
うぷ。元気ならソルさまが頑張って下さい。 わたしは年寄りで更に二日酔いなんでねぇ…。 ジョルディさんも元気な様なのでここは一つがんばってもらいましょう。 |
■カロン To:イェンス |
・・・同感、はっきり言って今の俺達って役にたたなそうだし。 |
■ジョルディ To:イェンス>二日酔いーズ |
ま〜かせて♪ あとね、適度に汗を流せばお酒も抜けるんじゃないかな〜、って思うんだけど? |
……どうやら「ツベコベ言わずにキリキリ歩け」と言いたいらしい。
■アコット To:ALL |
ま、中腹までは馬車でいけるから。 そこから先、樽を担いで登るまでに抜けてくれれば何とかなるでしょ。 じゃ、しゅっぱーつ。 |
アコットが馬の手綱を引いて歩かせ始める。
■カロン To:アコット |
(いつの間にかアコットさんの方が依頼主みたいになってるな〜(汗) |
そう思いつつ馬車に合わせて歩き出すカロン。
■ソル To:イェンス&カロン |
がんばって酔いを抜いといてくれよな。二日酔いで樽担ぐのはかなり辛いだろうからさ。 |
■イェンス To:ALL |
そう言えばドのつく怖いモノが居ると言いますから、警戒はしておいた方が良さそうですね…。 |
■ソル To:ALL |
結局ドのつく怖いモノってなんだかよく分かってないんだよなぁ…。 ま、何はともあれ警戒しておくに越した事はないから気を抜かずに行こう。 |
■アコット To:イェンス |
あ〜、うん。そだね。気をつけよう。 ……怖いのかなぁ、あれ。 |
ぼそっと。
■カロン To:アコット |
ああ、そういえば昨日聞くタイミングがなくて忘れてたんだけど、最近ここの山で山賊や怪物が出たとかって噂とかないですよね? |
■アコット To:カロン |
山賊は聞いたことないね。 怪物は、閉鎖した坑道の奥からたまに出てくることがあるけど。 でも、ここ最近はそんな騒ぎも起きてないかな。 |
■カロン To:アコット |
へぇ〜、坑道にそんなのが生息してるんだ。 (帰りにその坑道の様子でも見てこようかな。) |
■ 第十三章 お昼に休む ■ |
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#151 Index |
【トルニド山・中腹】 |
中腹に到着し、ここからはいよいよ酒樽を担いで登る事になる。
日は中天に近くなり、そろそろお昼時のようだ。
朝には二日酔いで青い顔をしていた何人かも、ようやくその酔いが抜けてきたらしい。
■マイカ To:ALL |
よーし、ここから先は馬車が使えないから、いよいよ担いでもらうことになるぞ。 その前にちょっと休憩して、腹ごしらえでもするか。 |
■カロン To:マイカ |
賛成〜荷物も減らせるしちょうどいいし。 |
■イェンス To:カロン>ALL |
賛成です。お酒も抜けて来たようなのでコレでバッチリ行けそうですよ。 |
■ソル To:ALL |
腹が減ったままじゃ力も出ないしな。 それと二日酔い組みはもう大丈夫みたいで良かったよ。 |
■ジョルディ To:ALL |
さんせーい♪ もうお腹ペコペコだよ〜。 |
そんな話をしている間に。馬車の荷台から樽を降ろしてくれていた影の薄い村人某は、空荷になった馬車を引いて麓へ降りていく。
さすがに馬を置きっぱなしにするわけにもいかないので、村で預かってくれるようにとマイカが話を付けておいたようだ。
■ソル To:ALL |
馬車置きっぱなしにするのかなぁ、と思ってたんだけどちゃんと手配しておいたんだな。(それにしてもいたんだ、あんな人が…) |
あまりの影の薄さにビックリ。
■カロン To:ソル>ALL |
俺も置いてくものかと思ってたけど、盗まれでもしたら大変だしな。 |
■イェンス To:カロン |
そうですね〜。それにわたしたちにもしもの事があったらあの馬はここに縛られっ放し。 あぁ、でもその前に下山が遅いと助けが来るかも知れませんが…。 |
■カロン To:イェンス |
たしかに(笑 でもまあ、そんなことは起こらないと思うけどね。 |
■カロン To:ALL |
それにしても、あの村の人も昼一緒に食べていけばよかったのに。 |
麓への道を眺めながらいまさらのように言うカロン。
■アコット To:カロン |
あれでも忙しいんだよ。下山したら他にも仕事があるし。 それより、食べよ。あたしもおなか空いちゃった。 |
■カロン To:アコット |
まあ、それもそうかな。 |
■ジョルディ To:アコット |
と・こ・ろ・で♪ 今日のお弁当はどんなメニューなんですかぁ? |
■イェンス To:アコット |
ま、まさか今日もわたしが現地調達なんて事は…。 |
■アコット To:イェンス |
あはは、大丈夫。 ちゃんとお弁当作ってきてあるから安心して。 |
いらん心配をするイェンスを見て笑いながら、背負っていた袋から大きな包みを取り出す。
■アコット To:ジョルディ |
はい、メニューはチーズとローストラムのサンドイッチだよ。 量はたっぷり作ってきたから、ケンカしないでゆっくり食べてね。 それから、こっちはお茶。 |
がさがさっと包みを解くと、アコットの言葉どおり相当な量のサンドイッチが出てきた。
■イェンス To:アコット |
(ホっ)美味しそうなサンドイッチですね。アコットさん達が作ったんですか? |
■アコット To:イェンス |
うん、そうだよ。 量が量だから、兄さんにもちょっと手伝ってもらったけど。 |
乙女の手料理というやつである。
えっ? バレルさんの作ったものも乙女(汗
■ソル To:アコット |
かなりの量だから食べ応えあるな。遠慮なくいただきま〜す(^-^) |
■イェンス To:アコット |
さすが宿屋をやっているだけあって気配りも一流ですね。 では遠慮なくいただきます。 |
■ジョルディ To:アコット |
いっただきま〜す♪ |
■カロン To:アコット |
それじゃ、頂きます。 |
そんなこんなでのどかな昼食の時間も過ぎ去り。
■マイカ To:ALL |
さて、腹も膨れたし。 そろそろ出発するか。山頂までもう一息だ。 |
そう言って、マイカが立ち上がろうとした時。
■ベル To:ALL |
……あれ? 何か聞こえませんか? |
ベルが山頂の方に目を向ける。
その物音はソルの耳にも届いていた。何かが物凄い勢いで山道を駆け下りてくるような、そんなけたたましい足音。
人間のものらしい細い悲鳴も聞こえた気がする。
■カロン To:ベル |
ん?なにも聞こえないけどな、こんな山の中だし空耳じゃない? |
出発のため荷物をまとめながらそんなことを言う。
■ソル To:ALL |
空耳なんかじゃない!何人かが叫びながら下りてくるみたいだぞ。 服とか焦げてる様に見えるんだけど…。こんな岩山で服が焦げる原因って何だ? |
悲鳴の方へ目を凝らしながら悠長に考えてみる。
■イェンス To:ソル |
火の不始末でしょうかねぇ…。 |
と言いつつ、立ち上がってソルの見る方向へ目を凝らしてみる。
■カロン To:マイカ |
う〜ん、マイカ導師ちょっと様子見てきていいですかね? なにか危険があるといけないし。 |
■マイカ To:カロン |
……いや、待ってりゃこっちに来ると思うぞ。 |
その言葉の通り、まるで山道を転げ落ちるようにしてこちらへとやって来るその一団。
身なりを見るに、ご同業の冒険者のようだ。
しかしその装備は大半が焼け焦げ、中には髪の毛をチリチリに炙られている者もいた。
■戦士 |
ひぃ、ひぃ。ひでぇ目に遭った。 |
■盗賊 |
だからこんな事止めようって言ったのに……。 |
■神官 |
命があっただけでもめっけもんだよな……。 |
茫然自失といった感じに、パーティの存在などまるで気が付かずにその眼前を通り過ぎて行こうとする。
■ジョルディ To:焼け焦げーズ |
ねぇねぇ、上で何かあったの〜? |
無愛想な旅人ってこの人達のことなのかな〜、と思いつつジョルディが声を掛ける。
ところが、そんなジョルディの声は聞こえていないように、その3人はぶつぶつと聞き取れないようなうわ言を呟きながらパーティの前を行き過ぎてしまった。
周りが目に入らないほど気が動転しているようだ。
■イェンス To:焼け焦げーズ |
あのぉ〜…って、行っちゃいましたね。 この先に何かあるんでしょうか。急いで行ってみましょう。 っと、その前に食事ですね。 |
再び座ってサンドイッチを食い始める。悠長に食ってる場合か。
■ 第十四章 頂に辿り着く ■ |
---|
#151 Index |
【トルニド山・山頂】 |
途中すれ違った冒険者集団はやり過ごして、その後も順調に登山を続けるパーティ。
なんとなく空気が薄く感じ始めるくらいの標高に差し掛かった頃、マイカが口を開いた。
■マイカ To:ALL |
もうすぐだ。あの丘を越えれば山頂だぞ。 |
■カロン To:ALL |
ふぅ、やっと到着か。 |
■イェンス To:ALL |
はぁ、はぁ…。でも、思ったより上手く樽を運べて良かったですよ。 とは言えまだあの丘越えが待っているんですね…。 |
■ジョルディ To:ALL |
でもさぁ、思っていたよりもしんどくなかったよねぇ〜♪ |
……どうやら元気が有り余っているらしいヤツが約一名。
■カロン To:マイカ |
よっと、そういえばこの樽の届け先って誰なんです?? |
酒樽を抱えなおしつつ思い出したように質問。
■マイカ To:カロン |
あれ、言ってなかったか? レグライオスっていう、この山に独りで住んでる爺さんだよ。 そこに毎年この酒を届ける約束をしてるんだ。 |
ぽん、とカロンの担ぐ酒樽を軽く叩く。
(カロン:樽に重量が・・・(汗))
■カロン To:マイカ |
もしかしてその人が『ド』のつく恐ろしいモノなんですか? |
■マイカ To:カロン |
ウチはその噂聞いたことなかったから、何とも言えないなあ。 けどもしそうだったとしても、怖いんかなぁ、あれ? |
首傾げ。
■イェンス To:マイカ |
こんな山奥に老人が一人でお住まいなんて不便でしょうねぇ…。 マイカ導師は何がきっかけでその方とこうしてお酒を分け合う仲になったんですか? |
■マイカ To:イェンス |
研究の一環でこの山に来た事があってな、その時に知り合った。 それ以来、ウチが酒を届けて、それと交換に貴重な魔法研究の素材を貰う約束をしてる。 |
■ジョルディ To:マイカ |
は〜い、しつも〜ん。 そのおじいさんも魔法使いのヒトなんですかぁ? |
■マイカ To:ジョルディ |
ん? まあ、魔法使いって言えばそうかもな。 |
微妙な言い回し。
■カロン To:ALL(主に魔術師's) |
う〜ん、魔法に使える素材って貴重で集めずらそうなイメージあるけど、こんな山奥にどんな素材が? |
■イェンス To:カロン |
ドのつく方が穴を掘って採った鉱石とかですかねぇ〜。 |
■アコット To:イェンス |
鉱山は閉鎖されてるってば。 まぁ、新しい鉱脈でも見つかれば、村もまた栄えるんだけどね〜。 |
■ 第十五章 古竜に出逢う ■ |
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#151 Index |
【トルニド山・山頂】 |
やっとの思いで丘を越え、山頂へと足を踏み入れたその瞬間。
■??? |
ふわあぁ〜あぁ……あふ。 |
一際大きな欠伸と共に、むわっとする熱気が頬を撫でた。
■??? |
まったく、今日もいい天気じゃ。 昼寝には最高の陽気じゃな……これで酒があれば、言う事はないんじゃがなぁ。 |
また一つ大欠伸をしながら、岩肌の目立つ山頂に陣取る『ソレ』は、ぶつぶつと独り言を呟いていた。
■??? |
酒……酒、か。そういえば、今年もそろそろマイカの来る時期じゃな……。 はて、今年は少し遅いのう。 |
■カロン |
・・・・・・。 |
遥か小山になっているものを見上げ。
■イェンス To:独り言 |
こ…これは…まさか…伝説の…ど、ど、ド…?! |
■??? To:イェンス |
ん〜? またさっきみたいな欲に目のくらんだ冒険者かの? |
イェンスの驚きの声に気付いて、ぬぃっと首を動かす。
■イェンス To??? |
えっ?! もしやアレはあなたが…?! いえいえっ、わたしたちはそう言う者ではございませんでしてっっっ! |
■マイカ To:レグライオス |
ちゃう、ちゃう。 レグ爺、ウチだウチ。また今年も持ってきたぞ。 |
パーティの先頭に立ったマイカが挨拶してソレに近付くと、てんてん、とその鼻面を叩く。
■レグライオス To:マイカ |
おう、マイカか! 待っておったぞ〜。うむうむ、ちゃんと酒も持ってきているな。 うむうむ。 ……おぅ、それにアコット嬢ちゃんか。 そっちも久し振りじゃのう。 |
■アコット To:レグ爺 |
レグ爺、久し振り〜。 |
■マイカ To:レグライオス |
レグ爺、元気してたか〜? 飲み過ぎで死んでたりはしてなかったみたいだな、よしよし。 |
鼻先を撫でられて気持ち良さそうに目を細めるレグライオス。
ひとしきり旧交(?)を暖めたところで、マイカがパーティに向き直り、咳払いとともに説明した。
■マイカ To:ALL |
……え〜、さて。 多分驚いてると思うので、改めて紹介しとこう。 この爺さんが荷物の届け先、レグライオス。 ……推定年齢で500ウン歳以上の、いわゆるエルダー・ドラゴンだ。 |
■カロン To:マイカ |
・・・マジで(汗 たしかに、言葉も喋ってるからレッサーではないようだけど。 |
■イェンス To:独り言 |
エルダー・ドラゴン、このアレクラストにもまだ居たんですね…。 |
かなり呆然としてレグライオスを見上げる。
■ソル To:独り言 |
ドラゴンと会話出来るなんですっげー感動っ。依頼書は胡散臭かったけどこの仕事請けて良かったなぁ。 |
■レグライオス To:ALL |
かっかっか。 500歳とはまた随分少なく見積もってくれるのう。 お前さんらが古代魔法王国期と呼んどる時代もこの目で見てきたからな、それ以上は生きてると思うぞ。 もっとも、年を数えるなんぞ随分前に面倒でやめてしもうたから、詳しいところはワシ自身も覚えておらんがな。 |
■イェンス To:マイカ |
だからこの酒の強さに、この量だったんですね…。 この大きなドラゴンにこのお酒だったら、ちょっと気分の良くなる水ぐらいの効果しかないのでは? |
■マイカ To:イェンス |
それでも、量さえ飲めば結構酔うけどな。 |
■カロン To:ALL |
ドラゴンころしって言うだけあってドラゴンでも酔えるとはある意味すごい酒だな〜。 |
いつの間にか地面に置いた樽をポンポンと叩きつつ関心。
■ソル To:カロン |
オレが匂いだけで酔ったのも頷けるよ。うんうん、納得納得。 |
■マイカ To:イェンス |
ああ、それから。レグ爺は酔っ払うと火を吐く悪い癖があるから、巻き込まれないように気をつけてな。 |
どう気を付ければいいのか、非常に困る問題かもしれない。
■マイカ To:ALL |
さ、みんな樽を降ろしてくれ。で、もう一仕事あるぞ。 例の物々交換だが、そいつを受け取るのを手伝ってくれ。 |
■ジョルディ To:マイカ |
………あ、は、はい! |
それまでレグライオスの存在感に圧倒されまくっていたジョルディもようやく我に返ったようだ。
でも、その声はちょっぴり裏返ってたり。
■レグライオス To:ALL |
酒を持ってきてもらえるのは良いが、毎度これは苦手じゃのう。 ……あまり痛くせんでくれよ? |
■カロン To:マイカ |
よっと、樽はこの辺でいいのかな? |
樽を降ろしてようやく一息。
■カロン To:マイカ |
それで、もう一仕事ってどうすればいい? |
■マイカ To:カロン |
ああ。レグ爺の背中に登って、鱗を引っぺがしてくれ。 一樽につき一枚貰う約束だから、五枚だな。 |
■ジョルディ To:マイカ |
……鱗を剥がしたショックで炎の嵐!! なんてことには…なりませんよ…ね? |
と、珍しく遠慮がちに尋ねるジョルディ。
……ちょっぴり怯え気味?
■マイカ To:ジョルディ |
充分に有り得るから、気を付けるように(きっぱり) |
言いながら、マイカ自身は岩陰に隠れる。
アイレンとベルもソレに倣ったりして。
■イェンス To:カロン |
物々交換と言うのはこの事だったんですね! 確かにドラゴンの鱗は貴重です…。 が、何の実験に使うんですか? |
■マイカ To:イェンス |
いろいろあるぞ。 それ自体が魔力を帯びてるからな、付与魔術研究の触媒にもなるし。 あとは研究が終わってから、鱗を加工して盾や鎧にしたりとか。何しろモノが貴重だからな、結構いい小遣い稼ぎになる。 それから、鱗を漬け込んだ酒とか、な。 |
『ドラゴンころし』より強力な酒になりそうである。
■カロン To:マイカ |
貴重というのはわかるな〜。 |
レグライオスのほうを眺めつつぼやいている。
■イェンス To:マイカ>レグライオス |
なるほど。色々な使い方があるんですね。 |
1枚くらい欲しいなぁとちょっと思ったり。
■イェンス To:レグライオス |
それで…どの辺りの鱗を取ればいいんですか? 一番痛くない場所と言うと…。 |
■レグライオス To:イェンス |
いつも取られとるのは背中の辺りじゃがの。 尻尾の方から登ってきて、首の後ろあたりのをやってくれ。 |
酒を目の前にして、嬉しそうに振られていた尻尾をぺたりと地面に寝かせる。
■レグライオス To:ALL |
繰り返すが、あまり痛くせんでくれな? 火を吐くのは大げさにしても、あまり荒っぽくされるとつい暴れて振り落としてしまうかも知れんからの。 |
■カロン To:レグライオス |
了解、善処するから鱗を取るあいだはできるだけ動かないように頼むよ。 |
■イェンス To:独り言 |
えぇと、鼻毛を引っこ抜く時の感覚でやればいいんですね。(←謎) |
■カロン To:ALL |
さてと、鱗を取るのはいいけどみんなで取りにいく? 振り落とされる危険もあるし、俺がまとめてとってくるって手もあるけどさ。 |
■ソル To:カロン |
カロンがひとりでって言うのも良いけど、こんな経験2度とないからオレもやってみたいな〜とも思うんだけど。 |
炎の嵐になる可能性を全く考えてない人。
■イェンス To:カロン |
こんなに広い背中に乗るんですから、100人乗っても大丈夫ですよ〜。 |
こちらもお気楽。
■ジョルディ To:カロン |
ソルも言ってるけど、こんなことって滅多に経験できないからねぇ〜。 まぁ、なんとかなるんじゃ……ないかなぁ? |
と、“お気楽”ジョルディにしては珍しく不安げな様子。
■カロン To:ALL |
まあ、一人でって言うか頼みたい人だけでいいけど、さっきレグライオスさんが言ってたけど振り落ちた時とか俺なら受身がとれるから。 でも、ソルの言うとおりこんな経験は2度とないのも確かだし一人ずつ取ってこようか。 |
炎の嵐以外の可能性を考えていた人。
てなわけで、全員でレグライオスの背に乗り、一人ずつ鱗を剥がすことになったパーティ。
ところが足場も安定しておらず、しかもドラゴンの硬い鱗を剥がすという作業は結構な重労働なわけで……。
■マイカ To:ALL |
おい、足元に気をつけろよ〜! |
と、マイカが声を掛けるも時既に遅し。
ソルとイェンスの2人が足を踏み外して地面に真っ逆さまに落ちてきた。
■イェンス To:独り言 |
あ…? |
■カロン To:イェンス&ソル |
ッ!! 二人とも大丈夫かッ!? |
二人に気付き声をかけつつ地面へと飛び降りる。
■ジョルディ To:ソル&イェンス |
!? ソルッ!! イェンスッ!! |
その様子を見てハイアンもレグライオスの背から降りてくる。
■ベル To:ALL |
はわわわわ。 イェンスさん、頭から落ちてきましたよっ!? だ、大丈夫ですか〜? |
ソルはどうにか無事だったものの、イェンスはある種芸術的に頭から落下。
大霊界を垣間見る羽目になったり。
なんとか一命は取りとめ、ハイアンの治癒魔法で事なきを得る。
やはり受け身を取れない人間が登るのは危ないという事で、イェンスとソルの分はカロンが代わりに剥がす事になった。
……てゆーか、命綱くらいつけようよ〜。
■ 第十六章 宴を開く ■ |
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#151 Index |
【トルニド山・山頂】 |
物々交換の鱗を剥がし終えた後。
■レグライオス To:ALL |
一人酒もつまらんからの。 出来れば今晩は、みなで付き合ってもらって宴会といきたいんじゃが、どうかの? |
■マイカ To:ALL |
ウチはそのつもりだったけど。 お前らはどうだ? 付き合ってくれるか? |
パーティに向けて尋ねる。
■イェンス To:マイカ |
それはいいですねぇ〜。これで大手を振ってお酒を飲めますよ。 |
■ジョルディ To:マイカ |
ん〜、エールぐらいの軽いお酒があるんだったら構いませんケド……。 |
■マイカ To:ジョルディ |
ンなもんはない。 酒は全部これだ。 |
運んできた酒樽を叩く。
■ジョルディ To:マイカ |
あ、じゃあ、すみませんけど、ボクはお酒は遠慮させてもらいます。 「酔っ払い 滑って転んで 転落死」 なんてゆー目には遭いたくありませんから。 |
昨日と今日とじゃ疲労の度合いが全然違うからねぇ、との思いがあるらしい。
■カロン To:マイカ |
ええと、その前に聞きたいんだけど宴会ってことは山頂で一泊してから朝方に山を降りる予定でいいのかな? もし一泊するなら山頂とはいえ見張りとかいりそうだけど。 |
何気なく忘れていたが途中すれ違った怪しい冒険者集団?とかのこともあるし。
■マイカ To:ALL |
そだな、ここで一泊のつもりだけど……。 |
ちら、とレグライオスを見上げる。
■マイカ To:ALL |
見張りはいらないんじゃないか? ここにゴツイ番人がいるし。 |
■レグライオス To:ALL |
ま、さっきの連中みたいにワシ自身が目的で来る事もあるがな。 それも滅多にあるもんじゃないから、安心してよいと思うぞ。 |
■アコット To:ALL |
あたしは賛成〜。 レグ爺と久し振りに飲みたいし。 |
■ベル To:ALL |
ベルもドラゴンさんとお酒、飲みたいです〜。 こんな経験、したくても出来るものじゃないですよっ。 |
■カロン To:ALL |
たしかにベルの言うことももっともなんだけど。 さっきの奴らがレグライオスさん目的なら・・・いいかな? (ドラゴンってみんな宝を貯めこんでるイメージあるから夜に忍び込むかなとも思ったんだけど。) |
まあ、そこまではうちらの仕事に入らないか〜と考え直す。
■イェンス To:レグライオス |
あなたを狙ってどうするつもりなんでしょう? ドラゴンスレイヤーにでもなって鱗を売って金儲けでもするつもりなんでしょうか…。 |
■レグライオス To:イェンス |
ま、ワシが言うのもなんじゃが、ドラゴンを倒したとなれば箔がつくからの。 冒険者には名誉なことなんじゃろ。 |
■ソル To:ALL |
そりゃぁもうドラゴンは憧れの存在だよな! オレは喋る事が出来てそれだけで名誉を感じるよ。 |
■カロン To:ALL |
名誉って事は理解できるんだけどね〜。 俺なら名誉のためだけにドラゴンに挑むことは無いな(汗 |
■イェンス To:カロン |
まったくです。 命を落とす覚悟で名誉を取る…と言っても害のないドラゴンを仕留めても何の意味もありませんよ。 |
■ソル To:イェンス |
何もしてないのに倒すのは名誉とは言えないよな。 そうするとやっぱ金目当てなのかな。 |
■アコット To:ALL |
それに、ドラゴンは宝物を貯め込む習性があるっていう話だから、それを狙ってくる連中もいるんだよね。 |
■レグライオス To:ALL |
他のドラゴンはどうか知らんが、ワシは宝物なんぞ興味もないし、貯めこんでもおらんのじゃがのう……。 |
確かに周りを見渡しても、それらしい物を集めている気配はない。
それどころか、レグライオス自身の話ではこの山に住み着いて数百年、ここを一歩も動いたことすらないそうだ。
■イェンス To:レグライオス |
さすがに少し動いた方がいいのではないですか?床ずれとか…。 |
■レグライオス To:イェンス |
まぁ、空を飛んでないというだけで、ここで寝転がるくらいはしとるからの。 そのへんの心配は必要ないぞ。 |
■ソル To:レグライオス |
数百年もここにずっとだなんて、よっぽどここが気に入ってるんだな。 人間と時間の流れの感じ方が違って、数百年と言っても大した事ないのかもしれないけど。 |
そんな風に話し込んでいるうちに、山の陰に日が隠れ、辺りも薄暗くなってくる。
頃合いと見たか、レグライオスの一声。
■レグライオス To:ALL |
よしよし、そうと決まれば早速準備じゃ。 |
■アイレン To:ALL |
何かお手伝いできますか? |
■アコット To:ALL |
じゃ、一緒に料理作ってもらおうかな。 向こうに山小屋があって、そこに保存用の食材が溜め込んであるから。 |
村人が時たまに訪れては、レグライオスと酒を飲むのでつまみになる物を置いてあるのだそうだ。
■アコット To:ALL |
テーブルとかもあるはずだから、みんなはそれを出して用意してもらえるかな。 |
■イェンス To:アコット>ALL |
了解です。このくらいはお役に立たないと(トホ)。 あぁ、お疲れの方はゆっくり休んでいていいですよ。 |
■ベル To:ALL |
ベルもお手伝いしますね〜。 みなさんの椅子を運んで〜、テーブルクロスを用意して〜。 あ、ランタンも点けとかなきゃいけませんねぇ。 |
キャンプ気分丸出し。
■カロン To:ベル |
力仕事は俺たちに任せてテーブルクロスとかの用意を頼むよ。 |
ベルに声をかけてイェンスを追って山小屋へ向かっていく。
で、しばらくの時間の後、準備もすべて整って。
■マイカ To:ALL |
では、かんぱ〜い。 |
■カロン To:ALL |
乾杯〜♪ |
■イェンス To:ALL |
乾杯!あぁ、生き返りますね〜。 |
■レグライオス To:ALL |
ふぉっふぉっ。 やはり大勢で飲むと酒がうまいのう。 |
そんな事を言いながら、レグライオスは器用に前足で掴んだ酒樽をそのまま口に放り込む。
樽ごとかじるぐぉりぐぉりという音が不気味に響いた。
■レグライオス To:ALL |
うむ、今年の酒もよく出来ておる。 |
■カロン |
(えぇっ!!樽ごとかい(汗) |
豆知識。
ドラゴンの胃袋はとても丈夫で、岩すら溶かして栄養にしてしまいます。
■ソル To:レグライオス |
すげーっ!でも樽って一体どんな味がするんだろ? |
■イェンス To:レグライオス |
い、いやぁ。おつまみと一緒のお酒はさぞ美味しいでしょう…。 いや、それよりヒレ酒ならぬ樽酒…って、そのままですかね。 |
ヒレ……というか、鱗酒なら作れそうだが。
頼んでみる価値は……あるかな?
宴もたけなわ、酔い潰れて寝入っている者も少ぅし見受けられる頃になって。
■レグライオス To:ALL |
……そうそう、忘れるところじゃった。 マイカよ、お前さんが来たら一つ頼もうかと思っておったことがあるんじゃが。 |
マイカの名を呼ぶものの、その視線は冒険者の方に向いていたりする。
……頼みごとって、厄介ごと?
■マイカ To:レグライオス |
ん? 頼みごと? |
■レグライオス To:ALL |
うむ。ここ最近、足元で物音がしてな、気になって良く眠れんのじゃ。 で、その原因を調べてきてもらって、出来るなら解決してもらいたいんじゃが。 |
■カロン To:ALL |
足元からって言うと下に坑道か、山だけあって火口付近に何かいるのかな?? |
足元……山を貫く坑道に何かが沸いて来たのだろうか?
ここ数日、その何かが立てているのだろう物音が響いているという。
■イェンス To:カロン |
温泉でも湧くんですかね〜。 |
■ソル To:イェンス |
それだったら良いよなぁ〜。でも温泉って勝手にいきなり湧くもん? |
■レグライオス To:ALL |
もし解決してもらえたなら、ワシの鱗をもう一枚ばかり取らせてやっても良いがのぅ。 |
■マイカ |
(ぴぴくっ!?) |
マイカの耳が反応する。
■マイカ To:ALL |
お前たち、追加の依頼だ。 レグ爺のこの頼みを引き受けて解決してくれたなら、各人に500ガメルずつ報酬を上乗せする。 どうだ? |
■イェンス To:マイカ |
報酬より鱗の方が…。あ、いえ。 わたしは構いませんよ。 |
■カロン To:マイカ |
俺も構わないけど、解決時のみか。 原因次第かな・・・(悩 |
■ジョルディ To:イェンス&カロン |
ちょ、ちょっと待ってよ。 危険の度合いが全くわからない状態で引き受けるなんておかしくない? ボクたちの手に負えないようなモノがうじゃうじゃいたらどうするの? 入った途端に死んじゃった、そんなマヌケな死に方ってイヤすぎない? |
と、そのまま引き受けてしまいそうな二人を引きとめにかかるジョルディ。
■カロン To:ジョルディ |
いくらなんでも手に負えないものがいたら入っていかなよ。 ただ、俺達が受けなければこの依頼なかったことになると思うし調査ぐらいしてもいいと思ってさ。 |
■イェンス To:ジョルディ |
そうですよ〜。ここで“新たな依頼を受けた”と思えばいいじゃないですか。 マイカ導師も許可して下さってる事ですし。 |
“許可”と言うより命令性が強かった様な(汗)。
■レグライオス To:ALL |
お前さんらでどうしようもない事態だったなら、それを報告してくれるだけでも良い。 とにかく、まぁ調べてくれんかの。 |
■ジョルディ To:パーティー&レグライオス |
んー、まぁそういうことだったら……。 |
三人(?)の説得が功を奏したのか、ようやくジョルディも同意する。
……イヤ、いかにも「不承不承」といった様子ではあるんだけど。
■イェンス To:レグライオス |
もちろん危なくなったら逃げます。もうあの世を見るのはこりごりですからね。 それに探検隊としましては、何もないところに入り込んでこその探検隊なのですっ。 |
いつから“探検隊”になったんだ…。
■ジョルディ To:レグライオス |
えーとですね。 お引き受けするにあたって、いくつかお尋ねしたいことがあるんですケド。 まず、その物音というのがどんな類いの音なのかを教えてもらえませんか? たとえば……何かが群れを成して蠢いているような音だとか、水か何かが湧き出ているような音だとか……。 |
■レグライオス To:ジョルディ |
ふむ。なんぞガサゴソと動いているような音じゃったがの。 動物か何かが動きまわっとるんじゃと思うが。 水音とはちと違ったかのう。 |
■ソル To:ALL |
ふぅん…。と言う事は温泉じゃなさそうだな。残念。 |
■イェンス To:独り言? |
ガサゴソ…? それはまさか幻のジャイアント・ゴキブリでは?! |
■カロン To:イェンス |
そ、そんなものが・・・いるのか? |
そんなイェンスとカロンの遣り取りをよそにジョルディの質問は続く。
■ジョルディ To:レグライオス |
フムフム。 なるほどなるほど。 あ、それから、このトルニド山近辺…もちろん鉱山跡も含めてなんですケド。 古代王国にまつわる何か…たとえば隠された遺跡なんかがないか、ご存知ありませんか? ボク、アコットさんの持ってる「鍵」がどうにも気になって仕方がないんデス。 |
■レグライオス To:ジョルディ |
さてのう。 ワシがこの山に棲み付いたのは、古代王国とやらが無くなってからの話じゃからなあ。 遺跡やらなんやらの話はワシも知らん。 |
■ジョルディ To:レグライオス |
あ……そうなんですか……。 |
ちょっぴりしょんぼり。
■ジョルディ To:アコット |
それから…これはアコットさんにお聞きしたいんですケド。 最近、村や鉱山跡で何かおかしなことが起きたりしていませんか? どんな些細なことでもいいんです。 何か気がついたことはありませんか? |
■カロン To:アコット |
ついでに、登山するときに怪物が坑道から出てくるって聞いたけどどんな奴か分かります? 物音と関係あるかもしれないし。 |
■アコット To:ALL |
坑道は子供が入り込んで危ないからって、もう何年も前から入り口も閉めちゃってるからね。 あたしが赤ん坊の頃に、ゴブリンが住み着いて悪さをしてたって言うけど、それも退治されてからはそういった話は聞かないなあ。 レグ爺がこんな事言い出したのが、少なくともあたしが知ってる限りじゃそのゴブリン騒ぎ以来、初めてじゃないかな。 |
■カロン To:ALL |
てことは十数年前ってことか〜、また住み着いたって可能性もあるかな? |
■アコット To:カロン |
うーん、どうだろ。 登ってくる途中に坑道の入り口があったでしょ? あそこの柵は壊れてなかったし、外から何かが入ったってのは考えにくいと思うな。 |
■カロン To:ALL>アコット |
山道の途中にあったのか。(酒樽運んでたから気付かなかったのかな(汗) それで、ここから坑道までどのくらいかかるかな? |
■アコット To:カロン |
お昼に休んだ場所からもう少し上ったあたり。 明日の朝一番で山を降りて向かうなら、お昼前くらいにはつくかな。 |
■ジョルディ To:アコット |
あと、現在の坑道の様子をご存知でしたら教えてもらえませんか? |
■アコット To:ジョルディ |
さっきも言ったけど、坑道はもう何年も前から封鎖されてるの。 あたしも入った事は無いから詳しくは知らないんだ。 ただ、殆ど一本道であまり入り組んでるところはないって聞いたことあるよ。 深いところの、それこそ古代王国の頃に掘ってた坑道とかは分かんないけど、そっちはまだ採掘してた頃に人が迷い込まないように入り口を埋めちゃったって。 |
■イェンス To:アコット |
それは増々面白そうですね。学者魂に火がつきますよ。 もし変わった生物がいたら一番最初に見つけた方が名前を考えて下さいね。 |
■カロン To:マイカ |
そういえば、依頼受けた時って導師達はどうします? |
■マイカ To:カロン |
ついてこいって言うなら付き合うぞ? 一応みんな身を守るくらいの心得はあるし、サポートくらいならできるかも知れん。 |
■アコット To:ALL |
あたしは一緒に行く。 もし何か起きてるなら村の問題でもあるし、この目で見て確かめておきたい。 |
■イェンス To:アコット |
それは力強いですね。何かあったらその鍵メイスでガツンとお願いしますよ。 |
■カロン To:ALL |
それじゃあ、マイカ導師達はできるかぎり後方にいてもらおうか?そうすれば危険も少ないと思うし。 |
■ソル To:カロン |
そうだな。後ろから危険が来ると困るけど、ある程度は身を守れるって言うし、それで良いんじゃないかな? |
■ジョルディ To:独り言 |
ボクたちが自分の身すら守れない、なんて可能性もあるんだけど……ね…。 |
半ば諦めきったような声でポツリと呟くジョルディ。
■ 第十七章 穴に潜る ■ |
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#151 Index |
【トルニド山・旧坑道】 |
翌朝。
結局朝まで飲み倒して良い気分のレグライオスに見送られて山を降りた一行。
アコットの案内で坑道の入り口を目指し、山の中腹へと差し掛かった。
■アコット To:ALL |
あ、見えたよ。 あそこが坑道の入り口。 |
見れば、確かに壁面に大人が2、3人は並んで入れそうな穴がぽっかりと開いている。
入り口には板が打ち付けてあったが、長年の風雨で朽ちてしまったのか隙間が大きくできていた。
さらにその外側に子供が乗り越えないようにとぐるりと柵が張ってある。
柵の方はマメに取り替えられているのか真新しいが、入り口をふさぐ板の方は腐りかけている部分もあるようだ。
……手抜き工事というやつだろうか?
■ソル To:ALL |
人とかが簡単に入れそうな隙間が出来てるけど…。 ここから何かが進入したかな?最近出来た足跡とか手掛かりない? |
■カロン To:ALL |
それじゃ、イェンスさんとハイアンさん調べてもらえます。 |
■イェンス To:カロン>ALL |
はい、いいですよ。 |
そう言って壁面の辺りを調べてみるモノの…
■イェンス To:ALL |
うぅ〜ん、どうもここ最近は誰か…何かが通った跡などはない様ですよ? |
■カロン To:ALL |
てことは坑道の中にここ以外に出入口があるってことかな?? |
■アコット To:ALL |
んん〜。 他の出入り口があるなんて話は聞いたことないけどな……。 |
■ソル To:ALL |
でもこの入口に手掛かりはなさそうだし。 とりあえず入ってみようか。 |
■ジョルディ To:独り言 |
どれどれ、中はどんな感じかな……? |
などと呟きながら用意していた松明に火を灯し、入り口から中の坑道の様子を窺おうとするジョルディ。
■カロン To:ジョルディ |
待った、俺が先に様子見るよ一応赤外視できるし。 |
ジョルディに声をかけ入り口へと向かう。
■ジョルディ To:カロン |
それもそーだねー。 じゃ、ヨロシクー。 |
周りを警戒しつつ柵を越えて坑道の中の様子を確認するカロン。
板の隙間から中を覗いてみるが、大人2人くらいは余裕で並んで進めそうな道が続いている。
坑道はゆっくりと降っているようで、見通せる限りでは危険なものは見当たらないようだ。
念の為、物音などしないか確認したのち皆のところへ。
■カロン To:ALL |
見た限り坑道の入り口近くにはなにもいないみたいだし、中に入って調べようか? |
■マイカ To:ALL |
そだなぁ。 行ってみない事には何が起きてるのかも分かりそうにないし。 |
■イェンス To:ALL |
それでは坑道でしたらわたしが先頭で行きましょう。 皆さんよりは多少詳しいと思いますので…。 |
■カロン To:イェンス>ALL |
じゃあ先頭はイェンスさんに任せて、2列目は俺とハイアンさんでいいかな? |
■ジョルディ To:カロン>ALL |
ん〜、いいんじゃないかなぁ? じゃあボクは……先頭がイェンスだけ、ってゆーのもアレだし…… ウン、決めた。ボクも先頭で行く。 |
■ソル To:ALL |
それじゃぁオレは後ろから行くよ。後ろから来られても嫌だし。 |
■ジョルディ To:カロン |
あ、そうそう、カロンの持ってるヤツ、どっちか貸してもらえない? コレ、この中じゃあ使えそうにないから。 |
そう言って、自分のロングスピアを入り口の壁面に立て掛けるジョルディ。
■カロン To:ジョルディ |
剣の方はいいけど、槍は一応持っていけるとこまで持っていったら? 使えそうな場所とかあるかもしれないしさ。 |
と、ショートソードの入った鞘をジョルディに渡しつつ提案する。
■ジョルディ To:カロン |
んー、なんか持ってるだけでジャマになりそうだし……途中でなくすハメになってもイヤだしね〜。 やっぱり置いてくよ、うん。 |
受け取ったショートソードの感触を確かめつつ、そう答えるジョルディ。
■カロン To:マイカ's |
マイカ導師達は俺達の後ろからついて来て下さい。 あと明かりが1つだけだと頼りないし誰か松明持ってもらえます? |
■マイカ To:ALL |
りょーかい。 何かあったら逃げさせてもらうから。 |
なんて事を言いながら、松明の明りだけが唯一の光源となる坑道をゆっくりと降っていく。
■ 第十八章 坑道を進む ■ |
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#151 Index |
【トルニド山・坑道内】 |
隊列を整え、慎重に坑道内に足を踏み入れたパーティ。
岩肌から水が染み出しているのだろうか、時折それが滴り落ちる『ピチャ……ン』という音が響いてくる以外は、一行が進む足音しか聞こえない。
そのまま真っ直ぐ、15分ほども降った頃だろうか。
不意に目の前に二股に分かれた道が姿を現した。
ただしその一方、右へと逸れる脇道は坑道の入り口と同じように半ば腐りかけたような板が打ち付けてある。
真っ直ぐ続く道のほうは、少し細くはなっているもののさらに下へと降っているようだ。
■アコット To:ALL |
板が打ち付けてある方は、昔使われてた古い坑道だっていう話だよ。 穴を塞いで埋めた方だね。 |
とはいえ、見たところ出入り口を塞いだだけで、奥に進めない事もないようではあるが……。
■カロン To:アコット |
こっちの脇道ってどのくらい距離があるか知らないよね? |
■アコット To:カロン |
うん、ごめん……。 |
■ジョルディ To:ALL |
……どっちの方が怪しいと思う? |
まず本道、次いで脇道に松明を翳しつつ、誰にともなく尋ねるジョルディ。
だが、その揺れ具合で空気の流れが確認できれば、というジョルディの期待とは裏腹に、松明の炎にこれといった変化は見られなかった。
■カロン To:ALL |
脇道の方は板が壊れてないようだし、真っ直ぐのほうがいいかな? |
カロンは脇道に打ち付けてある板を確認しながら意見を述べる。
■ベル To:ALL |
は〜う〜。 暗いです〜。怖いです〜。 変な物音を立てて脅かしたりはナシですよ〜? |
……ナンか聞こえたのだろうか。
■カロン To:ベル |
ん、変な物音って何か聞こえたのか? |
ベルに確認をとりつつ声を潜めて耳を澄ませるカロン。
■イェンス To:独り言 |
水音くらいしか聞こえませんですが…。 |
と言いつつイェンスも耳を澄ましてみる。
■カロン To:ALL |
俺も特に聞こえなかったけどな?? |
■イェンス To:カロン>ALL |
うぅ〜ん。わたしも特に…。 もっと良く見える様に『ライト』でもつけますか? |
■ベル To:イェンス |
明るくなれば少しは怖くないですかねぇ〜。 |
暗いの怖いらしぃ。
■カロン To:イェンス |
松明があるし別にいいんじゃない?辺りを調べる時なら使った方がいいかも知れないけど。 |
そんな相談をしていると、不意にハイアンが身振りで静かにするようにと合図を送ってきた。
どうやら、本当に何か聞こえたらしい。
改めて耳を澄ませてみると、確かに本道の奥の方から時おり『ガサ……ガサガサ……』という、何かがはいずるような物音が聞こえてくる。
■イェンス To:独り言 |
こ、この音はやはり幻のジャイアント・ゴキブリでは?! |
■ソル To:イェンス |
イェンスが探してる幻のヤツ? こんなところにいるのか…。オレは出来ればそんなものには会いたくない…(-_-; |
■アコット To:ALL |
こっち……だよね。今、聞こえたの。 |
アコットがそっと本道の方を指差す。
■ジョルディ To:アコット>ALL |
そうみたいだね〜。 まぁ、これでどっちが怪しいのかわかったわけだし……まっすぐ進む、ってことでいいよね? |
と、一行に確認を取るジョルディ。
■カロン To:ALL |
まあ、本道の先に何かいるのは確実みたいだしね。 脇道の方はあとで確認すればいいし。 |
■イェンス To:カロン |
そうですね。レグライオスが気になるのは『ガサゴソと動いているような音』と言っていましたから、ガサゴソ言う音のする方に行くのが早そうですね。 |
■マイカ To:ALL |
じゃ、こっちか? 枝道にいちいち首突っ込むよりは本筋を先に調べた方がいいだろうしな。 |
■ソル To:ALL |
それじゃ今まで以上に気をつけて先に進もう。 音はこの先から聞こえてくるけど、枝道が繋がってて後ろからって事も考えられるから、オレは引き続き後に注意しておくよ。前の方はヨロシクな。 |
■イェンス To:ソル>All |
了解です。ソルさまはとにかく死なない様に気を付けていただければ十分です。 では先に進みましょうか。 |
そう言って慎重に音のする方に進む。
■ソル To:イェンス |
イェンスの方が死にそうな気がするけど…。 |
ドラゴンから落下事件が頭をよぎったらしい。(でもどっちもどっちだ!)
■ 第十九章 影を見る ■ |
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#151 Index |
【トルニド山・坑道内】 |
かすかに聞こえた音に従って、さらに奥へと足を踏み入れる一行。
緩やかな降りは延々と続き、なんとなく息苦しさを感じるような錯覚さえ憶え始めた頃。
パーティの10歩ほど先を、突然『ガサガサガサッ』という音を立てて黒い影が横切った。
影は坑道の向こう、丁度道が折れて影になっている辺りに逃げ込んだようだ。
■カロン To:All>イェンス&ジョルディ |
あれが、物音の原因かな? 後ろからはよく見えなかったけど二人は確認できた? |
二人に確認しつつ道の折れた辺りをインフラビジョンとセンスオーラを併用してみる。
影は折れた道の向こうに逃げ込んでしまったらしく、ここからは良く見えない。
だが、時たまに長い触角のようなものが『ぴこぴこっ』震えるのが見えた。
■ジョルディ To:カロン |
ん〜、なんだか…なが〜い触覚っぽいものが見えたんだけど……。 アレっていったい……? |
■ソル To:ALL |
何か虫っぽい?やっぱりイェンスの言う幻のヤツなのか…(-_-; |
■イェンス To:ソル |
ソルさま!やはりあ、あ、アレはジャイアント・ゴキブリっっっっ!!! |
■カロン To:ALL |
不死の生命力は感じないし、触覚がある以上生物なのは確かみたいだね。 |
■イェンス To:独り言 |
あぁ、ついにこの日が来たんですね! |
胸躍る…か? 普通…。。。
■カロン To:ALL |
ひとまず、導師達にはここで待機してもらって奴の正体を確かめようか? 必要なら退治しとかないといけないし。 |
■ジョルディ To:カロン |
…だね。 |
■イェンス To:カロン |
是非見に行きましょう!!! |
そ〜っと曲がり角まで近付き、顔だけを覗かせて向こうの様子を伺ってみる。
すると相手は途端にガサガサッと慌しい動きで再び距離を取ろうと逃げだそうと試みた。
その時一瞬見えた、その後ろ姿。
黒光りし、潰されたように平たい身体。頭の先から伸び背中まで届く長い触角。
そして、残像が残るかと思われるほど素早い動き。
……街中や家の片隅でよ〜く見かける、黒いアイツにそっくりに見える。
■カロン To:ALL |
げっ!?あれってジャイアント・コックローチか!! |
■ベル To:ALL |
こっくろーち……って、ゴキブリさんですかっ!? あう〜! いやです〜っ! |
カロンが顔を覗かせると、背中を向けて逃げ出したのが一匹。
……そして、壁の影に隠れていたもう一匹が突如現れて襲い掛かってきた。
■イェンス To:ソル |
ソルさまぁーーーーー! ついに出ましたよっっっ! 幻のジャイアント・ゴキブリ!!!! 捕獲しましょう!!! |
と言いつつひたすら防御に専念して後退する奴。
カサササ。
【戦闘・第1R】 |
G・コックローチが素早さを生かして先制の攻撃。
ジョルディを狙った一撃が皮膚を切り裂く。
もう一匹の方は背を向けて逃げ出した。
ハイアンは癒しの魔法に備えていたが、さほどのダメージを負った様子ではないのを見て待機する。
ソルは前線の2人、ジョルディとカロンにプロテクションを唱える。
直接戦闘技能のないイェンス。狙われてはたまらないと戦列を離れ後退。
カロンが入れ替わりにその穴に入った。
最後にジョルディがコックローチに反撃を試みるが、これはハズレ。
【戦闘・第2R】 |
コックローチは今度はカロンを狙うも、これは綺麗にかわされる。
ジョルディの攻撃はまたもハズレ。
ハイアンは続けて防御専念。
ソルがジョルディにエンチャント・ウェポン。
イェンスがカロンにファイア・ウェポンを掛け、それぞれの攻撃力を底上げする。
魔法の援護を待っていたカロンが最後に攻撃をするが、やはりこれも外れてしまう。
【戦闘・第3R】 |
コックローチは再びカロンを攻撃。だがこれもかわされる。
ジョルディとカロンの攻撃もやはりハズレ。
ソルが逃げ道を塞ごうとコックローチの背後へと移動する。
イェンスとハイアンは同じく防御専念を続ける。
【戦闘・第4R】 |
コックローチは分が悪いのを感じ取ったか、逃走の準備を始める。
その隙を逃がすまいとジョルディとカロンが攻撃
今度こそ命中し、深手を負わせた。
裏に回ったソルも逃がすまいと攻撃に加わる。
これも命中し、さらにコックローチにダメージを与える。
イェンスとハイアンは引き続き防御専念。
最後に隙を窺っていたコックローチが逃走。
逃げ道を塞いだと思われたソルだったが、天井を走られては手も足も出なかった。
■ 第二十章 虫を追う ■ |
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#151 Index |
【トルニド山・坑道内】 |
ジャイアント・コックローチが慌てて逃げ出したその後ろ姿を見送った後で。
一行はこの後どうすべきか相談に入る。
■マイカ To:ALL |
追っかけて退治するぞ。 レグ爺の依頼は問題の解決だからな、ちゃんと倒さないと達成したとは言えん。 |
どうやら追加報酬の竜の鱗が相当欲しい様子。
■ベル To:ALL |
でもでもぉ〜、追いかけてってゴキブリさんの巣にでも誘われちゃって、うじゃうじゃ出てきたらどうするんですかぁ〜? |
想像して気持ち悪くなったらしぃ。ぶるぶるっと身体を震わせる。
■ソル To:ベル |
それは確かに嫌だな…(-_-;1匹いれば何匹もいるって言うし。 |
■アイレン To:ALL |
あれだけ騒いでも増援が来なかったところを考えますと、あれ以上の数の敵はいないと想像できますが……。 ここはあの怪物たちの餌になるような物も少ないようですし、あまり繁殖しているとは思えません。 |
■イェンス To:ソル |
そもそも通路いっぱいの大きさでしたからねぇ。 沢山居たらジャイアント・ゴキブリ自体、身動き出来なくなってしまいますよ。 |
■アコット To:ALL |
まぁ、あたしも倒してもらった方が村の問題が片付くからありがたいけど……。 みんなはどう考えてる? |
ちらり、と冒険者達を見る。
今の戦闘による消耗具合などを心配しているらしい。
■カロン To:ALL |
アイレンさんの言うように数は少ないと思うし、このまま追い詰めて退治するのがいいんじゃない? まあ、奴ら素早いから少し手間取るかもしれないけど。 |
■イェンス To:ALL |
ここから先も1本道の様ですし、追い込みましょう。 |
■ジョルディ To:ALL |
…「追いかける」のは別にいいんだけど……具体的な『策』はあるの? あれだけすばしっこい上に、空も飛べれば天井に張りつくことだってできるんだろうし。 仮に魔法で眠らせたとしても、ボクたちが一撃で仕留められると思う? ……はっきり言って埒が明かないと思うんだけど。 |
思いっきりうんざりとした口調でそう話すジョルディ。
■カロン To:ALL |
策ね〜、あいつ等の動きからしてどう考えても魔法に頼るのがいいけどね。 |
■マイカ To:ALL |
どこか広いところに誘い込めれば、さっきとは違うと思うけどな。 全員でタコ殴りに出来るし、魔法も使えるし。 |
問題は、その広いところがあるか、である。
■イェンス To:マイカ>ALL |
わたしもそれを考えていたんです。この奥に広い部屋があればこちらも有利になります。 しかし一度元に戻って外から位置を確認してみましょうか? 抜け穴がある可能性もないとも言えませんし…。 |
■カロン To:イェンス>ALL |
う〜ん、俺はこのまま追いつめた方がいいと思うけど。 外で逃げに徹されたら俺達じゃ近づく事もできないし。 |
■アコット To:ALL |
あたしの知ってる限りなら、出入り口はあの入って来た所だけのはずだけど。 だから別の場所から逃げられるって事はあまり気にしなくていいと思う。 |
■ソル To:ALL |
広い場所に追い詰めればイェンスやハイアンの弓が使えるし、魔法がなくても大丈夫かな、と言う気はする。 アコットは中の構造までは分からないの?広い場所があるかとか。 |
■アコット To:ソル |
うん……ごめん。 前にも言ったけど、あたしも中に入ったのは初めてだから。 でもここは坑道として使っていたわけだから、通路を辿っていけば必ずどこかで採掘のための広場に出るはずだよ。 |
そんな風にして今後の相談をしていた時。
坑道の奥の方から、何か重い物が落ちたような響く音がしたのをカロンとハイアンが聞きつけた。
そして、それとほぼ同時に聞こえた、何かが潰れるような『グシャッ』という音も。
■カロン To:ALL |
ちょっと待った。 今、奥から落ちる音と潰れたような音が聞こえたけど、一体なんだろ? |
坑道の奥を振り返りつつ聞きつけたことを告げる。
■イェンス To:カロン |
この奥からですか? ジャイアント・ゴキブリが逃げて行った先ですよね…。 |
■ジョルディ To:カロン |
空耳……じゃなさそうだね。 ハイアンにも聞こえたみたいだし。 |
そう言ってハイアンの方を見遣るジョルディ。
■カロン To:ALL |
まあ、ここで話してても埒が明かない様だし奥に進もうか。 ゴキの方は退治できたらするで最悪この坑道から追い払えばいいだろうし。 |
そう言ってジャイアント・コックローチが向かった坑道の奥へと歩き出す。
■ジョルディ To:ALL |
……ま、仕方ないよね。 |
そう呟くと、ジョルディも坑道の奥へと歩みを進める。
……肩を竦めながら、ではあるが。
■ 第二十一章 扉を見つける ■ |
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#151 Index |
【トルニド山・坑道奥】 |
先ほどの音を頼りに坑道をさらに奥へと進む一行。
ゆっくりと、しかし確実に歩みを進めていると……突然、坑道の終点へと辿り着いた。
正確には、その先は板がしっかりと打ち付けられており、進めないように処置が施されている。
■イェンス To:ALL |
さぁ、ここが最終地点…! …と。んん?幻のゴのつくアレは…。 |
■アコット To:ALL |
ここが終点……? |
■カロン To:ALL |
それと、扉か……。 |
その横。これが先ほどの音の正体だろうか、鉄製の両開きの扉。
地盤でも緩んだのか、その片方が外れて倒れていた。
残ったもう片方を見ると、古代語らしき物で複雑な文様が描かれている。
■マイカ To:ALL |
さっきの重い音ってーのは、この扉が倒れた音か? すると、一緒に聞こえてきた潰れるような音って……ひょっとして……。 |
■カロン To:マイカ |
たぶん、予想通りかと……(汗 |
扉の奥に向けていた視線(赤外視と精霊感知で確認中)を其方に向ける。
倒れた扉と地面の間から、長い触角がぴくっぴくっと力なく震えているのが見えた。
■イェンス To:独り言 |
あ"ーーーーーーーー!!!! せっかく生け捕りにしようと思ったのにっっっ。 これでは生態調査も出来ないじゃないですかっっっ!!! |
■ソル To:イェンス |
いやぁ、良かった良かった。こんなの連れて帰られたらたまったもんじゃない。 |
■カロン To:独り言 |
……どうやって連れてく気なんだ(汗 |
■ジョルディ To:独り言 |
…ボク……こーゆー死に方だけはヤダなぁ……。 |
ポツリとそう呟くジョルディ。
■マイカ To:ALL |
あれ、挟まってるの一匹だけか? |
■ジョルディ To:マイカ>ALL |
……ですね。 もう一匹は……やっぱりこの奥? |
そう言って、倒れた扉の奥の方へと松明をかざすジョルディ。
■イェンス To:ジョルディ |
どれどれ。わたしも見てみましょう。 |
■ジョルディ To:イェンス&ソル |
ところで……これってなんて書いてあるの? |
まだ倒れていない扉に描かれた文様を指し示しつつ、二人に尋ねるジョルディ。
……ちょっと待て、お前も読めたんじゃなかったか?
■イェンス To:ジョルディ |
古代文字ですねぇ。えぇと… 『まだ見ぬ我が子孫達へ。竜の護りし宝物が必要となった時、ここを訪れるが良い』 と書かれています。 この扉の様式からすると年代的には古代王国が滅んでからしばらく経った頃ですかね。 封じの呪文がかかっていたようですが、こうして扉が壊れたと言う事は、魔力も何も無くなってしまった。と言うところでしょうか。 |
そう言って改めて扉を見つめる。
■ソル To:ALL |
大体300年ぐらい前のものかな…。300年も経ったら封印も解けちゃうかもね。 |
■カロン To:イェンス |
でも、竜の護りし宝物ってなんだろ? レグライオスさんは宝物とか興味ないと言ってたはずだけど……。 |
■ジョルディ To:カロン |
よくいるでしょ。 本人の与り知らぬところでロクでもないことばかり企む傍迷惑なヒトって。 この扉を作ったのもそーゆーヒトだったんじゃない? |
■カロン To:ALL |
まあ、勝手に名を騙ったとかそんなところかね。 |
■ソル To:ALL |
こう言う謎めいたものを作るのが趣味だったとか。 |
考える振りして勝手な事を言いたい放題。
■ジョルディ To:アコット |
…その鍵メイスって……ひょっとしてココの鍵なんじゃない? なにか起こるかもしんないし、差しこんでみたら? |
■アコット To:ジョルディ |
あ、うん。そうだね。 試してみるかな……。 |
おそるおそる近付いて鍵穴に差し込んでみる。
鍵自体はぴったりと嵌まったものの、やはり扉の力は失われているのか何の反応もなかった。
■アコット To:ALL |
う〜ん……なんにもないみたい。 でも、もうこの状態だし、先に進むことはできるから結果オーライ、なのかな。 |
■カロン To:ALL |
確かに、反応もないみたいだし先に進もうか。 |
と倒れた扉をフミフミ踏み越えて先へと進むカロン。
■イェンス To:カロン |
あ…、カロンさん…そこを歩くとゴキ汁が床に…。 |
ゴキ汁とか言わない(笑)
それはともかく、50mほど進んですぐにその通路は終点になった。
突き当たりの少し広くなった小部屋には、床に安置された石版と壁一面に描かれた壁画がある。
■カロン To:ALL |
ここが終点かな? もう一匹どこかにいるはずだけど。 |
そう言って部屋内を特殊視線で確認中。
と、見回すと壁際に隠れていた残りのジャイアント・コックローチが距離を測っているのに気付く。
■イェンス To:ALL |
居ましたねーーーーー! みなさん、今度こそ生け捕りですよ!!!! |
そしてイェンスの言葉が効いたのか(?!)
死闘の末。そこそこ良好な状態でジャイアント・コックローチを倒す事が出来たのだった。。。
■マイカ To:ALL |
これでレグ爺の頼まれ事は完了だな。 んで、この部屋は一体なんだ? それにあの石版と壁画……。 |
興味深げに覗いてみる。
■ソル To:ALL |
一体何が書いてあるんだ?何か面白い事でも書いてある? |
■イェンス To:独り言 |
どれどれ。 |
同じく興味深そうに見る二人。
■カロン To:ALL |
それじゃ俺は部屋内を探索しておくよ、古代語はわからないし。 |
そういうと部屋の中を隈無く調べ始める。
■イェンス To:ソル&All |
なんだかこの壁画の示す扉の場所、レグライオスの居る真下の様な気がしませんか? |
■ソル To:イェンス |
書いてある場所が山頂っぽいもんなぁ。 |
■カロン To:イェンス>ALL |
てことは、レグライオスさんって魔法か何かであの場所にいるようにされてるのかね? 他には何か書かれてない? |
■マイカ To:ALL |
ん〜……。 石版によると、壁画に書かれている通りの手順で、アコットのメイスを掲げてコマンド・ワードを唱えれば、レグ爺が番をしてる金庫を開けてくれると……。 レグ爺、ンな事は一言も言ったことなかったけどなぁ。 まぁ、ドラゴンにしても相当トシだし、ボケて忘れてるのかもな。 |
■ジョルディ To:マイカ |
……記憶も封じられてるんじゃないんですか? レグライオスさんにしてみれば「屈辱」の一言に尽きるんでしょうケド。 |
■カロン To:ALL |
ひとまず、これで物音の原因も排除できたはずだし脇道だけ確認して山頂に戻りますか。 |
■イェンス To:カロン |
そうですね〜。他の脇道にも何かが居るかも知れませんし。 |
そうして元来た道を戻り脇道も調べてみる一行
しかし途中出てきた脇道も少し進んだらどん詰まりで、坑道内に他の出口はなかった。
■イェンス To:ALL |
あぁ、そうだ。あのゴキを標本にしたいんですが。 あの大きさでは一人では持てそうにないので、みなさんで一緒に持って行っていただけますか? |
■カロン To:イェンス |
まあ、手伝ってもいいけど素手で持つのは勘弁かな(汗 あと町まで持ってくなら導師に頼んで馬車に乗せてもらわないと。 |
いくらなんでも荷車などなければ人力でオランまで運ぶのは無理っぽい。
■イェンス To:カロン |
えぇっ?! いいんですか?! 大概の方はこの黒光りしたつややかな色合いの羽根と内側の茶色い薄羽根、そしてこの素早さが嫌いだと言う方が多いんですが…。 ソレは助かります! |
■ソル To:カロン>イェンス |
素手じゃなくて馬車でも嫌だ。(-_-;カロンって偉いな…。 それにあんなもんの標本なんてどこに置いておくつもりなんだよ。 |
まさか一緒に寝るつもりじゃ…と想像してぞーっとする。
■イェンス Toカロン> |
ほぅらね。ソルさまの様な軟弱男子はこう言ったモノが苦手なんですよ。 まったく男子の風上にもおけませんね。 ちなみに標本はわたしの部屋に置きますが? |
つまりソルの家の一室。
■ソル To:イェンス |
わたしの部屋ってオレんちの事じゃないよな?あれは勝手に住み着いてるだけでイェンスの部屋じゃないからな!!(><) |
■ジョルディ To:独り言 |
……悪趣味。 |
一人「我関せず」という態度を貫きつつボソリと呟くジョルディ。
■マイカ To:イェンス |
馬車に乗せるのか……。 まあ、ウチも学者の端くれだし、その探究心は良く分かるけど。 せめて、ちゃんと密封していろいろ漏れ出さないようにしてくれな。 |
■イェンス To:マイカ>ソル |
あぁ、馬車が狭くなってしまってすみません。 もちろん綺麗に保存して行きますので安心して下さい。 って事で、ソルさまマント貰いますね。 |
■ソル To:イェンス |
って何するんだ!!自分のマント使えーーーっっっ!!! |
奪われてたまるかっ、とかなり必死に抵抗。
■イェンス To:ソル |
いいじゃないですかっ。減るもんじゃあるまいしっ!!! |
こちらも必死でソルのマントを引っ張り…ソルの肩から下がったマントがゴキ汁に触れる。
■イェンス To:ソル |
ほぉ〜ら、もう脱ぎたくなって来たでしょう〜?! |
ソルにゴキ汁で濡れたマントの端を見せつけ。
…お前は変態セクハラおやじか。
■ 第二十二章 秘密を明かす ■ |
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#151 Index |
【トルニド山・山頂】 |
とりあえず、レグライオス依頼の物音の原因は排除できただろうという事で、一行は山頂へと報告に戻る。
■レグライオス To:ALL |
おお、戻ってきたか。 なんぞ騒がしい音が響いておったが、無事じゃったようじゃな。 |
山肌に寝そべっていると、結構音が響いて聞こえるのだろうか。
■カロン To:レグライオス |
一応なんとか〜。 それで、ちょっと坑道内で気になるものを見つけたんで聞きたいんだけど......。 |
と、坑道内であったことをカクガクシカジカと話し始める。
■レグライオス To:カロン |
ふむふむ、封印された扉とな。 ま、封も解けてしもうとるようじゃし、それで何にも起こっとらんのなら特に問題あるまい。 |
言いたい事が伝わっていない様子。
というか本気で自分に関係してると気付いていないっぽい。
■ジョルディ To:独り言>アコット |
……ふぅ〜ん…まぁ…しょうがないか……。 「論より証拠」って言うし、アコットさん、やっちゃってくれる? |
■カロン To:ALL>アコット |
まあ、アコットさんの家に伝わってたものらしいから……。 やるかやらないかはアコットさんにお任せかな? |
■アコット To:ALL |
ん〜。疑問が残ったままなのもすっきりしないしね。 じゃ、やってみようか。 |
と言いながら、レグライオスの前に進み出て腰に下げた鍵メイスを掲げる。
■アコット To:ALL |
……えっと。 ゴメン、合言葉ってなに? |
石板に書かれていた古代語が読めなかったらしい。
■カロン To:ALL |
あっ、そういえばコマンド・ワードって古代語だったか(汗 |
パーティ内で唯一古代語が読めない人。
■ソル To:イェンス |
イェンス、さっきメモってただろ。正確にアコットに教えてあげてよ。 |
■イェンス To:All>アコット |
あそこには『カギメイス・スオイ・レグラ・タフ・ロアケ』と書いてありましたよ。 どうぞこれを言いながらその鍵をかざして下さい。 |
■アコット To:レグライオス |
えぇと……? 【カギメイ……ス・ス、オイ・レグ……グ、ラ・タフ・ロ……アケ】……? |
かな〜り、発音が怪しげ。
レグライオスもそれを見て首を傾げている。
■レグライオス To:ALL |
……ん? はて……どっかで聞いたような……ん、ん……? |
心のどっかに引っ掛かっているものの、なかなか思い出せない様子。
■レグライオス To:ALL |
いやいや、ちと待て。ちょっと待っとれ……。 ん、と……ん〜と……。うむむむむむ……。 |
必死に思い出そうとしているらしぃ。
■レグライオス To:ALL |
えぇ〜と、どこで聞いたんじゃったかなぁ……。 確か200……いや、300年くらい昔か……? うむ、確かに聞いた。聞いたはずじゃ。 で、うむむ……そうじゃ、合言葉じゃな。 その合言葉を聞いたら、蔵を開けてやるとの約束……じゃったと思う。うむ。 |
自信なさげ。
■レグライオス To:ALL |
……ふむ。ま、良かろ。 どうせ蔵を作った人間はとうの昔に死んどるし、子孫のアコットが開けろと言うたんじゃからの。 |
どうやら、封印だのといった類ではなく、単なる口約束だったらしぃ。
そしてお年を召した呆けドラゴンが忘れてただけっポイ。
……ともかく。
レグライオスが今まで座っていた場所を譲ると、その下から地下へと降りる両開きの扉が現れた。
鍵穴はこれまた馬鹿でかく、例の鍵メイスを使うようだ。
■ジョルディ To:独り言 |
……なんか…色々と台無しになっちゃったような気がするんだけど……世の中って悲しいよね……。 |
■カロン To:ALL |
坑道にあった扉と同じで魔法で鍵をかけてるわけじゃなさそうだからレグライオスさんに蔵の番をしてもらってたのかな? |
両開きの扉と鍵穴を眺めながら呟く。
■ジョルディ To:カロン>ALL |
みたいだね〜。 さてと。 とりあえず中を確認してみない? |
■カロン To:ALL |
確認はいいけどアコットさんにしてもらわないと。 話し聞いてると先祖の人が残したみたいだし。 |
■ジョルディ To:カロン |
そんなの当たり前じゃない。 ……それともボクが「無分別で思慮の欠片もないクソガキ」だとでも言いたいワケ? |
……冗談めかした口調であり、ニッコリと微笑みを浮かべてさえいる。いるんだが。
その眼差しは「魔神も怯えて逃げ出すんじゃないか?」とゆーぐらいに冷たかったり。
■イェンス To:ジョルディ |
はいはい、そこで喧嘩しない。 …これだからクソガキの世話は嫌なんですよ(ぶつぶつ)。 |
誰の事を言ってるやら。(←ソルです)
■アコット To:ALL |
そうね、こっちは鍵が要るみたいだし。 |
坑道内にあった壊れた扉を思い出しているらしい。
一抱えもあるメイス兼用の鍵を、これまた大きな鍵穴に差し込み。
半ば錆びかけていたらしい鍵穴をギリギリと不快な音を響かせながら抉じ開ける。
■アコット To:ALL |
ん……よっ……と。 開いた……けど、扉が上がんないや。みんな、手伝って〜。 |
地下に向けて据えられた扉……つまり、それは上に向けて開かれるわけで。
アコットの力だけでは持ち上げるのが困難らしい。
■イェンス To:アコット>ソル |
あぁ、そこから先はわたしたちでやりましょう。 ほら、ソルさま出番ですよ。こう言う時に活躍しないとモテませんよ? |
■ソル To:イェンス |
モテるモテないはあんまり気にならないんだけどさ。 でもこう言う扉を開けるのはファイターの役目。まかせとけっ。 |
■カロン To:イェンス |
それじゃ俺も手伝うよ。 |
はたして筋力並み以下3人組で扉が持ち上がるのか(笑
■ジョルディ To:カロン |
……それってボクとハイアンはもう用ナシ、ってこと? |
■イェンス To:ジョルディ |
そう言う事は言ってませんよ。 それより拗ねてないで手伝って下さい。 |
そして、ようやく開かれた扉の向こう。
■マイカ |
……おお〜。 |
覗き込んでいたマイカが声を上げる。
ベルがその後ろから自分も覗きたそうにぴょこぴょこ飛び跳ねていた。
■イェンス To:マイカ&ベル |
何があるんですか? |
■カロン To:ALL |
ひとまず先にアコットさんに中を見てもらおう。 |
いつの間にかマイカの背後に現れ脇に手を差し入れて持ち上げると横へ下ろしつつアコットへ先を促がす。
入れ替わりにアコットが扉の先を覗き込むと、感嘆の声を上げた。
■アコット |
うわ、すご……っ。 |
扉の向こう。
そこには、壁一面に描かれた地図があった。
よく見てみると、それはこのトルニド山に張り巡らされた坑道を記したものらしい。
■マイカ To:ALL |
見た感じ、鉱山が開かれた当時からの坑道が全部描かれてるみたいだな。 もちろん坑道そのものが崩れたりで、現在とは違ってる箇所もあるだろうが、それでもこりゃ貴重な資料だ。 |
■カロン To:ALL |
坑道の地図かぁ…… こういったものは村とかで役立つものなのかね? |
■マイカ To:カロン |
役立つと思うぞ〜。 なにしろ、ほら、ここ見てみな。 |
マイカが地図の一点と、そのすぐ側に置かれた石板を指差す。
■マイカ To:ALL |
手付かずのままの鉱脈の位置までしっかり記されてる。 地盤がゆるくて、当時の技術じゃ危なくて掘れなかったって書いてあるけどな。 今なら掘れるかって言うと難しいところだろうが、それでもまだ採掘できる金脈が残ってるのが分かっただけで大発見だ。 |
■カロン To:ALL |
へぇ〜、それなら役に立ちそうだし坑道の地図を写しておいたほうがいいかな。 |
■アコット To:カロン |
うん。この鉱脈が掘れるようなら、村もまた栄えるようになるかもね。 |
■イェンス To:アコット |
どうやら村の方々もレグライオスの事はご存知の様ですから、簡単に行き来できそうですね。 |
■アコット To:イェンス |
うん、村の人たちもたまにお酒持って来てレグ爺と飲んでるから。 |
■レグライオス To:ALL |
うむうむ。 ここの村の者達はワシを恐れないばかりか、タダ酒を持ってきてくれるでな。 非常に棲み心地が良いのじゃ。 |
ドラゴンのしての誇りとか、その辺はどーでもいいらしぃ。
■カロン To:アコット |
ま、念のために中の捜索しておきますね。 |
アコットに了解を得てから部屋の捜索し始める。
■イェンス To:カロン |
他に何かめぼしい物でもありますか? |
■カロン To:イェンス>アコット |
う〜ん、昔ここに金を置いてたのか砂金の粒が数粒あるぐらいかな。 アコットさんこの砂金の粒記念にもらっていってもいいかな? |
■アコット To:カロン |
あ、うん。 それくらいなら構わないよ。 |
■カロン To:アコット |
ありがと お守りにでも入れて持っておくかな。 |
■レグライオス To:ALL |
ま、それはともかくご苦労じゃったの。 マイカよ、約束じゃ。もう一枚鱗を剥いで良いぞ。 |
■マイカ To:ALL |
お、そうだな。 じゃ……誰か、頼む。 |
そう言って、ぢっとパーティの面々を見る。
■イェンス To:カロン |
死後の世界を垣間見たわたしとしては是非カロンに頼みたいですね…。 |
■カロン To:イェンス>ALL |
落下制御の魔法かけて挑戦するって手もありじゃない? 誰もいないなら俺が取ってくるけど。 |
■イェンス To:カロン |
よろしくお願いします。 念のためカロンにフォーリングコントロールかけておきますね。 |
■カロン To:イェンス>レグライオス |
それじゃ、やばそうな時は魔法よろしく〜。 |
イェンスへ声をかけて鱗を取るべくレグライオスの背を上り始める。
ここは盗賊としての腕前か、危なげなく鱗を剥がす事に成功。
■カロン |
よっと、これで仕事はひと段落かな。 |
■マイカ To:ALL |
よっし。じゃ、帰るか。 オランに着くまでが仕事の範囲だからな、気を抜かずに頼むぞ。 |
遠足の注意のような事をいう。
■レグライオス To:ALL |
来年もまた来るんじゃぞ。 一緒に飲むのを楽しみに待っとるからな。 |
■ 第二十三章 依頼を終える ■ |
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#151 Index |
【銀の網亭】 |
トルニド山を後にして数日。
無事オランまで帰り着いた一行は門のところでマイカたちと別れ、その足で銀の網亭へと戻ってきた。
■おやじ To:ALL |
おう、帰ったか。 で、首尾はどうだった? |
■カロン To:おやじ |
ただいま、おやじさん。 う〜ん、依頼の方は上々だったかな。 |
■イェンス To:おやじ |
いやぁ。死後の世界を垣間見たり、幻のジャイアント・コックローチに遭えたりと、貴重な体験をしてきましたよ。 |
■おやじ To:イェンス |
コック……? おい、まさかその背負ってるものは……。 |
おやじの顔が途端に青ざめる。
■カロン To:おやじ>イェンス |
……そのまさかだけど。 イェンスさんやっぱり先においてきたほうがよかったんじゃ。 |
■イェンス To:カロン&おやじ |
えぇっ。何故ですか?! きちんとこうやって梱包してありますし…。 |
■おやじ To:イェンス |
店には入れるなよ、絶対に。いや、むしろお前も入ってくるな。店の衛生問題に関わる。 それがイヤなら、せめて裏手の目立たない所に置いて来い。 それからしっかりと手を洗え。そこまでしたなら入店を許可してやろう。 |
びっ、と手にしていた包丁を突きつけて指示。
迫力満点。
■イェンス To:おやじ>カロン |
ふぅ。まったくこのジャイアント・ゴキブリの価値が分からない方にはただのゴキブリなんですよね。 あぁ、悲しい事です。 しかし店に入れないのは困りますし…裏手に置かせていただきます。 あ。カロンさんも途中交代で運んでいただいたので、手を洗った方がいいかも知れませんね。 |
■おやじ To:イェンス |
価値があろうがなかろうが、ゴキブリはゴキブリだ。 飲食店の大敵をわざわざ入れる奴があるか。 |
大声で連呼するのもはばかられるのか、その名を口にする時だけ声を潜める。
■カロン To:イェンス>ALL |
運んだといってもロープで引き摺ってたし大丈夫だと思うけど(笑 まあ、食事もするし俺は先に手を洗ってくるよ。 |
カロンはそう言うと洗い場へと歩いていく。
■おやじ To:ALL |
ま、無事に帰ってきて何よりだ。 まずは打ち上げか? それとも、疲れてるなら一休みするか? 部屋なら空いてるぞ。 |
■イェンス To:おやじ&ALL |
せっかく手も洗って来た事ですし、打ち上げにしましょう。 とりあえずエールで。 |
■おやじ To:ALL |
エールもいいが、ちょいと珍しい酒が手に入ったんでな。 お前ら、試してみる気はないか? 仕事の終了祝いだからな、サービスしてやるぞ。 |
■カロン To:ALL>おやじ |
俺は果物系のジュースがよかったんだけど、珍しいって聞くと気になるね。 それじゃあ、そのお酒とつまめるものいくつか見繕ってもらえる? |
■イェンス To:カロン>おやじ |
もし果汁と合うお酒だったら合わせるのもいいかも知れませんよ。 どんな珍しい酒なのか楽しみですね。 それではわたしもその『珍しい酒』をお願いします。 |
■おやじ To:ALL |
おう、じゃあちょっと待ってろ。 |
そう言うと、おやじの身体が一旦カウンターの下に引っ込む。
……しばらくして顔を上げると、人数分のジョッキにその酒を注いでいった。
■おやじ To:ALL |
ミルクで割ると飲みやすいとか言ってたな。 果汁はどうだか知らんが……試してみるか? |
カウンターに並べられたジョッキから漂うその匂い。
この冒険中、ずっと側で漂っていたあの匂いにそっくりのようである。
■イェンス To:独り言 |
ん?…この濃厚そうなのにさっぱりしていて癖のない芳醇な香り(<どんなだ)…。 ま、まさかっ?! |
■おやじ To:イェンス |
なんだ、知ってるのか? まぁ、学院からまわって来た酒だからな、お前らならどっかで見たのかも知れんが。 『ドラゴンころし』とかいう名前だったかな。見た目は飲みやすそうだが、相当強いから気をつけろよ。 |
■カロン To:おやじ |
ちょうど今回の依頼で関わってね〜。 おやじさんも一緒に乾杯しようか? |
のどかにそんな事を言い合って、さて乾杯しようかという段になって。
突然ずばーん! と壊れるほどの勢いで扉が開けられた。
そこに立っていたのは、身長に見合わない白衣を引き摺るグラスランナー。
■マイカ To:ALL |
ウチの酒を持って行ったのはこの店かーっ! |
■カロン To:マイカ |
あれ、導師じゃないですか? ウチの酒ってさっきおやじさんが学院から回ってきたといってたけど?? |
いきなり乱入してきたマイカにジョッキを見せながら説明する。
■マイカ To:カロン |
留守にしてる間に、倉庫で寝かせてた酒を処分されたんだよっ。 問い詰めたらこの店に卸したって白状したんで飛んできたんだ。 |
■アイレン To:マイカ |
……学院に無断でお酒を造っていたのが原因です。 しかも、公共の倉庫で。 |
お酒造りは学院にはナイショだったらしぃ。
■イェンス To:マイカ |
それは没収されて当然でしょう。 いえ、それよりも処分と称して店に売り込む学院もどうかと思いますが…。 |
溜め息つきつつ眉間をつまむ。
■カロン To:イェンス>アイレン |
まあ、同意見だね。それにしてもアイレンさんも大変ですね(苦笑 |
マイカ導師と一緒に来ていた(連れて来られた?)アイレンに声をかける。
■アイレン To:カロン |
……慣れていますから。 |
でも怒ってないわけではなさそうだったり。
■マイカ To:ALL |
なんにせよ、来年もレグ爺との約束があるからな。酒がないと困る。 そういう訳だから、まだ空けてない樽だけでも引き取らせてもらうぞ。 |
身体を伸ばして、カウンターに金貨の詰まった袋を置く。
■マイカ To:ALL |
それからお前ら。もし良かったら来年も雇われてくれるか? いちいち新しい連中に説明するのも面倒くさいし、勝手の分かってるパーティの方がこっちもやりやすいからな。 まだ先の話だからなんとも言えんだろうが、もしそうなった時は是非ともよろしく頼むな。 |
■イェンス To:マイカ |
え…。いや、あの…。そ、そうですね。予定が空いていれば〜…。 あはは。空いていればいいなぁ〜。 |
笑ってごまかす。
■カロン To:マイカ |
まあ、他に依頼とかなければ受けてもいいけど。冒険できるのが一番だから。 |
■マイカ To:ALL |
よしよし。じゃ、来年は優先的にお前らに仕事を頼むからな。 それまで死ぬなよ〜? |
ニカッと笑ってそう言い残し、店を後にして。
……ものの1分もしないうちに引き返してきた。
■イェンス To:マイカ |
シャレにならない事言わないで下さい。 今回ホントにあの世をちょっとですが見ましたからねぇ…。 |
■マイカ To:ALL |
スマン。樽を馬車に積み込むの、手伝ってくれ。 人手を集めてくるのを忘れてた。 |
■イェンス To:マイカ |
持ち帰ってまた学園の倉庫を使うつもりですか? …まぁ、怒られるのはマイカ導師ですからかまいませんけどね。 |
乾杯したばかりだが。…また重労働をする一行。
そして翌年。
彼らが再びマイカ導師の依頼を引き受け、あの酒好きの老ドラゴンの元へ訪れたかどうか。
歴史に記される事のなかった、その小さなエピソードを知る術はない。
#151 Index |
GM:倉沢真琴