#149 月夜に吠える

1-1c 銀の網亭・個室

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銀の網亭・個室
おやじはしばらくして、注文の品と一緒に依頼書を持ってきた。
■おやじ To:ALL
ほれ、注文の品だ。
(そう言って注文の品をテーブルに並べる)
後悪いが、もう依頼はこの一つしか残っていなかったぞ。
早い者勝ちだったんでなぁ。

一応ざっとした条件は聞いている。
オラン衛視隊からの依頼なんで、割と安心して受けられる内容だろう。
依頼人の裏をとる必要はあまり無いしな。信用度としては抜群だな。
あと、前金は規定の2割払う用意があると聞いてる。
つまり一人200ガメルだな。
経費については……まあ、お前さん方の交渉次第だな。

おやじはそれだけ告げると、依頼書をテーブルに置いて冒険者達の反応を待っている。
■ウリディケ To:ALL
条件は申し分ないわね。
オランから離れなくてすむし、前金もあるし、盗賊だらけのこのパーティには向いてるわね。
しかも、獣退治となれば頼もしい戦士の方々に活躍していただけますから。

そう話ながら、ウリディケはポットを二つ持って次々とオレンジの絞り汁を水で割っていった。
それぞれの喉の乾き具合を見て、あるときは濃く、あるときはすっきりした味わいに仕上げてある。
そして出来た物から、各々の前のテーブルに置いていった。
■メイシアス To:ウリディケ
わ〜い、わりがとうございます!
実は、テーブルにお邪魔した時から気になってたんです。

メイシアスはグラスを両手に包み込みながら幸せそうに笑った。
そして、美味しそうに水割りを口に含みながら依頼書を見る輪に加わった。
■マイクロフト To:ウリディケ
わ〜い、わりがとうございます!
実は、カウンターにお邪魔した時から気になってたんです。
変な人がいる!って、あなたでしたか・・・。

■ウリディケ To:マイクロフト
へっ、変、なっ何が?

■マイクロフト To:ウリディケ
・・・自覚が無いんですね。
おやじさんなんか、目を丸くしてましたよ。
あれじゃリンゴジュースがかわいそうっていうも・・・
あ、ウリディケさん、そんな力を入れたら、水で割るどころか、コップまで割れちゃいますからね、ね。
あ、ああ、おいしいな。みみみ、みんなも是非どうぞ(がくがくぶるぶる)。

甲冑など着てるから、頑強に見えたのだろうか?
ウリディケの二倍も重量があるマイクロフトが、情けなく震えている。
■ウリディケ To:マイクロフト
変と言えば……、
テーブル席でマイクロフトさんを探していて、どうしても見つけられないから別の人を勧誘しようとしてたんですけど、
まさか窓の外から声をかけてくるとは想像もしませんでしたわ。
どうして、店の外にいたの?
店に入ってカウンターについたの、私達と別れた後でしたし。

■アール To:ウリディケ
そーいう変わり者が1人いてもいいじゃないって、ウリディケさんが言ったんじゃなかったっけ?

ジュースを含みながら、さらりと言う。
■ウリディケ To:アール
ええ…言ったわよ、間違いなく。

ウリディケは、「普通ってなんだったかしら」とふと思った。
■マイクロフト To:ウリディケ&アール
ん、あの時は、のどの調子を確かめていたんですよ。
こんな感じで。

まずーしさにーまけたー♪いいえーせけんにーまけたー♪

うわーん、絶対知ってていってるでしょう!!
しくしく。
アールさん、援護をありがとう。
あの時、アールさんからは、なにかシンパシーを感じました。
この人は、私と同じ星のものとに生きてるって・・・。

■アール To:マイクロフト
それは変わり者ってところか、不幸な星の下に生まれたところか、はたまた、喧嘩を売っているのか…さあ、どれかな〜?

表情は笑っているようだが、明らかに目が真剣だ…
■マイクロフト To:アール
もちろん、貧乏だったところです。
そうですか、アールさんは、不幸な星の下に生まれたと・・・、しみじみ。大丈夫、変わり者だって堂々と胸を張って生きていけばいいんです!

■カロン To:ウリディケ
それじゃあ、いただきますね。

マイクロフト達のやり取りを聞き流しつつオレンジの水割り手に取って飲みつつ依頼書に目を向けて。
■カロン To:依頼書>ALL
【協力依頼 現在オランで起こっている事件を解決する手助けをしてくれる冒険者を求む。報酬は一人1000ガメル。 オラン衛視隊】か。
町の中で起こってる事件なら装備を整える時間を取れそうだね。
ウリディケさん以外は色々見繕わないといけないから少し時間がかかりそうだし。

アールは頷きながらウリディケとカロンの2人を見やり、パーティの編成を見定めている風に、次に全体を見渡す。
耳が隠れそうな帽子(?)をかぶっているので目線も半分隠れがちなので、他の人はあまり気にしなかったようだ。
■ノーブ To:カロン殿&ALL
儂の装備は今の所このままで良いと思うのじゃ。
儂はこの依頼(#149)にしようかと思うのじゃ如何お思いか?
で結局、皆様方の装備と前金の方針はどうなのじゃ?
宜しければ儂は前金(200ガメル)の分は辞退するが希望者は居らぬかのぅ?

■アール To:ALL&ノーブ
ノーブさん、愛着のある道具を使いたがるのは判りますが、今から冒険者として依頼を受けるには少々くたびれているようですね。
ここで改めて装備を整えるってのはわかりましたけど…。

ノーブの手元の依頼書を見て
■アール To:ALL
まあ、前金のある依頼を選んできたのは正解かもしれませんがね
その前にお互いのことがわからないと、それこそムダが出るといけません。
とりあえず、それぞれの得意なことをひとつ挙げてもらってよいですかね?
私は前に出る気がないので、誰が前に出る役かはっきりしていただかないと心配で
そういう意味では、私は装備にはあまりお金をかけずにすむと思います。
一応、魔術師としての鍛錬をしているので、このメイジスタッフ以外は必要ないですしね。
ただ、集中力がないので、あまり魔法を回数使えないですけどね(苦笑)
そーいうことで、前に出られる方にはキチンと装備を整えていただきたいと思います。
っと、ウリディケさんとノーブさんのおふたりは、前にでていただけそうですね。
それ以外の方は、何が得意なんですか?
あ、メイシアスさんは私と後ろにいましょうか。

メイシアスへのくだりだけは、何故か大げさにしてみる。
■マイクロフト To:ノーブ殿>カロン>ALL
前金があるんですね、その依頼。それは正直、魅力的ですね。
でも結論をいそがないようにしましょう。
ふふふ、ノーブ殿は、せっかちさんなんですね。

カロンさんの依頼によって必要なものが出てくるという意見も正しいですから、
お金は取っておいたほうが賢明かもしれませんけど、
もし、前金が出るというのであれば、それで間に合わすこともできるでしょうし、
それがなくても、賃金交渉の余地はあるでしょうから、
そのあたり臨機応変にいきましょう。

あはは、アールさんはメイシアスさんがお気に入りですか。
自己紹介はいいですね、うんうん。
まずは、みんなのことが知りたいです。
・・・敵を騙すには、まずみかたからっていいますし(ぼそっ)。
さぁ、自己紹介をどうぞ(パチパチ)。

■ウリディケ To:ALL
本当に素敵な方々ですね。
改めまして、私、ウリディケ・フェニールと申します、普段はラーダ神殿付属図書館で司書補佐をしています。
一応、神殿警備の皆さんから戦士としての訓練を受けてきてますが、盗賊ギルドにもコネがあります。外につないである白馬は「ナナイ」と申します、私共々よろしくお願いします。
あとご存知かも知れませんが、背中の大剣はミスリルの魔剣です、きっとお役に立てるでしょう。

ところでマイクロフトさん、そして皆さん、冒険者は別に「儲かる」職業ではありません
鎧を買い替える贅沢は、この依頼を無事にこなす事ができた後であっても、難しいと思います。
後悔がないように、立派な物を買う方が良いのではないでしょうか。
後、金属鎧は高いですから、中途半端な物を買うより野伏の技能を損なわない革鎧をしっかり買っておくのも良いかも知れません。
正直、諸先輩方の話では、かわし難くなる金属鎧が革鎧より得な状況は、品質が普通なら私の体力で着れる物からだそうです。
逆算すれば、高品質の物を買う財力があるのでしたら普通の方の体力からでも良い訳ですが、最高の贅沢ですね。

そう言えば、私、鎧を2着持ってますが、どなたか使われますか?お貸ししますよ。
あと、長槍とかもありますけど。

■アール To:ALL
さすが、ウリディケさん。経験に裏付けられたご意見、まことに助かります。やはり、熟練者に声をかけた甲斐がありました。
人に振っておいてなんですから、次は私の紹介させてください。
アールとだけ名乗っていましたが、アール・フレックスといいます。
ロマールから商隊に付いてオランにやってきました。時々、西なまりがでますがお許しください。
一応、魔法使いなんですが、ロマールではご承知のとおり珍しいものが多いので、本当は調べ物の方が得意なんです。それが講じてシーフギルドにも入り浸るようになりましてね。
あとは、まあいろいろあって、ここまで来た次第です

こんなところですかね。

■カロン To:ALL>ウリディケ
それじゃあ次は俺かな、名前はカロン・ラウリ。
得意な事は精霊と交信できるって事と少しシーフの技術を習ったことがあるぐらいかな。
盗賊ギルドの方は顔見せしただけなんでまったくコネがないね(汗

それにしてもウリディケさんはラーダ神殿付属図書館で働いてるだけあって色々知ってるし、武器や鎧を色々持ってるんだね。

■ウリディケ To:アール&カロン
熟練者かどうかはあやしいですけど、武器も鎧も、がめつく貰ってきましたから……。

ウリディケの顔が、少し赤くなった。
■ノーブ To:ALL
お初にお目にかかる。エレミアから流れてきて、オランのブラキ神殿に勤める神官戦士兼武器職人のノーブ・グオンというものじゃ。
儂の特技は特に戦闘では役に立つ事では無いじゃし…強いて言えば暗闇でモノが見える事かのぅ?
あと性格は見ての通り職人気質じゃ。
で結局、儂はどうすれば良い装備をそろえるかのぅ?皆目見当もつかぬ?

■ウリディケ To:ノーブ
そうですね、武器も鎧も腕力に合わせた物を選ばれてはいかがですか?

カロンがウリディケの言葉にうなずきつつノーブに。
■カロン To:ノーブ
たしかに腕力に合わせたものを探した方がいいよね、合わないとまた買い直しとかしないといけなくなるし。
あと、武器の方は自分の得意なもののほうがいいかも俺なら剣を選ぶけど。

■ノーブ To:ALL
ふ〜むでは儂の装備購入の案なんじゃがこうなるのかのぅ?
まず武器は鎚矛(ヘビーメイス)で儂が持てる限界の物。
防具は薄板鎧(スプリントA)じゃな。
他の装備は適当にじゃな。
あとは残った金とこの依頼の前金を利用して、
高品質の銀製の手斧(ハンドA)を購入すればいいのじゃが、
皆様方はこの買い物は異存は無いのかのぅ?

■ウリディケ To:ノーブ
異存があるかどうか、他の方の装備も確かめないとはっきり言えないわ。
他の方にお金が必要になるかも知れませんし……まあ内定ってことにしておいてください。

■カロン To:ALL
まだ自己紹介が終わってないから装備の話はあとにしようよ。

あと自己紹介してないのはマイクロフトさんとメイシアスさんだね。
どっちから自己紹介するかな?

■メイシアス To:ALL
オレンジジュースのお水割り♪ったらお水割り♪
………え? あ、すみません!
改めまして、メイシアス・メイズといいます。
出身地は…多分ミラルゴのどこかです。んんん…どこかの山だったか森の中的な記憶はあるのですが、正直覚えてないのです。
好きな事は、獣道の散策や路地裏の散歩とか。屋根の上とか木の上とか、風が気持ち良い所も好きです。
帰巣本能は強いみたいです。でも 好奇心うずうずで横道にそれ、目的地にはなかなかたどり着けないってことも多々…
性格は、根っこから単純で猪突猛進型だとよく言われました。時々、暴走するかもしれません。遠慮なくひきずり戻してやって下さい。
えぇっと、こんな感じでしょうか?あ、特技として植物や昆虫と意思を通じ合えたりします!
まだまだ駆け出しですが、一生懸命頑張りますので、どうぞよろしくお願いします(ぺこり)

■ウリディケ To:メイシアス
ええ、こちらこそ。
まだまだ駆け出しはお互い様、一緒に頑張りましょう。

■カロン To:メイシアス
へぇ、昆虫だけじゃなく植物とも意思を通じ合えるのか。
グラスランナーってすごいんだな。
ん?俺も植物の精霊と交信できるから同じなのかな?

といって、一人で考え込んでしまったようだ。
■メイシアス To:ウリディケ&カロン
はい、目下目標はウリディケさんです///
頑張って立派な冒険者目指します!

カロンさんは植物の精霊さんと交信できるのですね。
植物にも精霊さんが…素敵です。
実は一緒かもしれませんね♪

■マイクロフト To:ALL
オレンジジュースのお水割り♪ったらお水割り♪
なるほど、こうするとかさが増えてお得ですね・・・、どなたかの、これまでのご苦労がしのばれます、うんうん。

おや、カロンさん、名字があったんですね(おいっ)。

では、私もフルネームで、マイクロフト・ホームズといいます。
先日、商売の神様が降りてきまして、あちこちの民話とか、伝承とか、役人の不正の話をまとめたら、きっと儲かる!と思いまして、冒険のたびに出ることにしました。

実は、私がちょうど今のカロンさんと同じくらいの年の頃、冒険者だったことがあるんですよ。
・・・あれからもう15年以上たつんですねぇ。

よし、折角ですから、一曲披露しましょう。ちゃんと流行のメロディで、作りましたからね。

俺は、まーいくろ・ふ・と♪
昔取った杵柄で、大活躍が歌になっちゃうぜって、ゆーじゃない?♪
でもアンタ!もう既にサビ、ついちゃってますからー・・・
残念!
むじゃきーな笑顔の下のー、日付ははるかなーメーモリー♪
切り!

みんなのことも歌にするのが、今からホントに楽しみですよ。
これからよろしくお願いしますね。

アールはマイクロフトが歌うのを、うさんくさそうなものを見る目で、苦笑して見ている。
ときどき、伏し目がちな目つきでテーブルを見渡す。
このメンバーを信用していないのか、はたまた、見定めているのか。
ともかく、マイクロフトと対照的に暗い雰囲気(アール本人、言動はそれほどでもないつもりだが)がにじみ出ているようだ。
■ウリディケ To:マイクロフト
流石、吟遊詩人さんですね。
この依頼が上手くいったら、是非その歌声で私達の冒険談を歌っていただきたいですわ。

■メイシアス To:マイクロフト
音楽と唄があると場が華やぎますね〜
今度ぜひ、民話とか、伝承とか聞かせて下さい。
あ…えっと、やはりお金とか取りますか?

メイシアスは不安そうにマイクロフトを見上げた。
■マイクロフト To:ウリディケ&メイシアス&ALL
いい根性ですね。
はい、なんだかいっぱい、いいネタを提供してもらえそうで嬉しいです、わくわく。

ん、お金ですか?じゃお題のかわりに、もう少し華やかにするのに協力してください。
歌と踊りをお教えしますから、ちょっとやってみてください。

おおきなくりの〜きのしたで♪

■ウリディケ To:マイクロフト&メイシアス
あ〜な〜た〜と〜、わーたーし♪

■メイシアス To:マイクロフト&ウリディケ
えぇ…っと(焦)
な〜かよ〜く、謡いましょ?

アールが、バン!と机を叩いてマイクロフトを睨む。
■アール To:ALL
そろそろ話を進めようか?

■カロン To:アール
そうだね、俺もそうした方がいいと思うよ。

■マイクロフト To:アール>ウリディケ&メイシアス>アール&ノーブ殿&カロン
あ、はい、そうですね。

怒られてしまいました。
でも、なかなかでしたよ。
思いもかけず、いい物を見ることができました。

ねっ♪

■ノーブ To:おやじ殿
ところでおやじ殿、「現在オランで起こっている事件を解決する手助けをしてくれる冒険者を求む。報酬は一人1000ガメル。オラン衛視隊」の依頼内容についてなのじゃが一体、どんな事件なのじゃ?
ただ事件の一言でと言うには重要な依頼を受けるかどうかの肝心の判断材料が無くて困るのじゃ。

■おやじ To:ノーブ&ALL
いや、俺も詳しいことは聞いてないからなぁ……。
依頼人ならすぐに呼べるが、話を聞いてみるかい?
それならここに呼んでくるが。

■ノーブ To:おやじ殿&ALL
あぁ是非呼んで来て欲しいのじゃ!
皆様方は依頼人を呼んで来ても構わんかのぅ?

■カロン To:ノーブ>ALL
賛成、自己紹介も一通り済んだしね。
依頼の内容について聞かないことには受けるかどうかも決められないし。

他のみんなはどうかな?

■ウリディケ To:カロン>ALL
ええ、異論はなくってよ。

■メイシアス To:カロン>ALL
同じく異議なしです。
どんな方なんでしょうか?うぅ、緊張します。

■アール To:カロン>ALL
異議は、ないな。

■マイクロフト To:ALL
私も異議なしです。

カロンはみんなを見渡してからおやじさんに声をかけた。
■カロン To:おやじさん
それじゃあ、おやじさん依頼人の方を呼んできてもらえますか。


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GM:teshima