15a 希望の扉

大鎧の広間に戻ってきた一行。
自分達がこの世界へ入ってきた光の面は既に消えていた。
大鎧によって未来の調査隊が全滅しないように、
そして、未来のあの時間に鏡が割れるように、
発見した石版で発見したコマンドワードによって、
大鎧とナナイのボーンコレクターの命令を書き換えていたのだ。
念のため、自分達の持ち物を残すため、大鎧に物証を仕掛け終えたその直後、
広間の中ほどに、光り輝く大きな楕円の面が現れた。
■ギュネイ To:ALL
・・・これが、新しい未来への扉か。

■シグナス To:ALL
……へぇ、こうなるのか。行き成り戻されなくて良かった、かな?
ま、上手くやってくれてるって願うとして……とっとと戻るかね?
なんなら、もういっその事派手に掻き鳴らしつつ登場ってのも厭わんぞ俺は。

■カラレナ To:シグナス
そ、それは……敵と間違えられそうです(^^;

がいこつなシグナスの外見を見つつ。
■シグナス To:カラレナ
んなこたぁねえさ。精一杯友好的にやるぜ?

ジャカジャカと激しくリュートを掻き鳴らすシグナス。
■リールォン To:ALL
まあ、なんにしても、『未来』のナナイさんたちが、僕たちのメッセージを信用してくれたようでヨカッタです。
この『過去世界』にも興味はありますケド、やっぱり元いた世界がいちばんですからね(笑)

■アビィ To:ALL
はたしていつに通じているのか…だな。
我々が願ったとおり、調査隊があの部屋にいる時点なら、いろいろ演出をこらしてみてもよいかもしれぬが。
まあ、世界の終末に通じているというなら、何をやっても同じともいえるか。

■カラレナ To:アビィ&ALL
だ……大丈夫ですよ。
やれるだけのことはやりましたし、残せるものも残しましたし……

ふと、大鎧を振り返ってみる。
■シグナス To:アビィ、カラレナ、ALL
ま、こうして結果が出てるんだ。後は出たとこ勝負で良いんじゃねえの?
消えない内に、行っちまおうぜ。

■カラレナ To:シグナス&ALL
はい、行きましょう。

■ヘキサ
この先に、すべてが……

それ以上は何も言わず、ヘキサは緊張した面持ちで門をくぐった。
■シグナス To:ALL
俺は知ってる顔もねえだろーし、最後に出る事にするわ。

■カラレナ To:シグナス>レプラン
……私もいないんですけど(^^;
あ、レプランさん、お先にどうぞ。

■レプラン To:カラレナ
ああ。どうも緊張するね・・・

■アビィ To:ALL
ギュネイ殿やマイス殿にも早めに進んでいただいたほうがよいだろうな。
調査班も納得しやすいだろう。
わたしは念のため、その直後に続かせていただこう。

■リールォン To:ALL
じゃあ、僕もアビィさんと一緒に門をくぐります。
……なんか、こうして門を目の前にすると過去に遡ったのが改めて不思議に感じますね。

ほんの一握りの微かな希望を手に、はるかな過去きのうへ。

すべては、手の届かなかった現在いまを取り戻すために。

そして今、再び未来あしたへと戻るため、光の扉をくぐる。

運命導く扉の先、新しき現在で、一行を待ち受けていたものとは――
■??? To:???
あっ! アニキ! この鎧、生意気にも腕輪とか持ってやがったでやんすよ!
けっこー見つかりにくいとこにあったでやんすから、きっと値打ちモンでやんす!
もうけもうけー、でやんすー!

……脱力を誘う、能天気な掛け声であった。
■レプラン To:タガート
・・・タガート、こういうセリフを知っているか?
お前のものは俺のもの・・・。

■タガート To:レプラン
ヒ、ヒィッ!!
こ、これはあっしが見つけたものでやんす!
だから少なくとももうけの9部9厘はあっしが頂くでやんす!

つまり残りの9割1厘は……
■レプラン To:タガート
よし。それでこそタガートだ。

■ナナイ To:ALL
・・・あの。割れた鏡から人が出てきたんですけど・・・

真っ先に扉をくぐったヘキサは、全員が無事であることを見るや、安心したのか気が抜けたのか、その場にペタンと座り込んでしまった。
間を置かず他のメンバーも、ヘキサに続きぞくぞくと扉をくぐり抜けて来た。
■ドルビー To:ALL
ま、まさか彼等は伝説の……ッ!?

ドルビーは明らかに何も考えずに喋っていた。
■タガート To:ドルビー
なんと! ではあの予言が……ッ!?

タガートも見るからに何も考えずに喋っていた。
■カレン To:ALL
マイケルが、マイケルが僕たちの前に姿を現してくれたんですねっ!……あぁ、マイケル。その太古の神秘に包まれた筋肉を触らせてください

興奮と妄想で頭が混乱しているのか、かなり危険な発言をするカレンであった。
■レプラン To:ドルビー&タガート&カレン
・・・伝説でも予言でも筋肉でもないっ! ギュネイさ──

言い終わる前にレプランは消えていた。
床にからーんと短剣が落ちる。
■タガート To:レプラン
のわーッ! アーニーキーッ!

■カラレナ To:ALL
……あ。レプランさんが!?

思わず、消えたレプランがいた場所と、目の前のレプランとを見比べる。
そしてその直後に、ギュネイ、レプラン、マイスが鏡面から現れた。
■ギュネイ To:調査隊のメンバー
ただいま。よくぞ門を開けてくれた。

ギュネイを中心に集まる調査隊メンバー。
離れて半日と経っていないのに、ずいぶん長く離れていた気がするのはなぜだろう?
■シグナス To:ALL
どぅるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?

最後に、気勢を上げて飛び出したシグナス。
■ドルビー
ギャー!?悪魔召喚ッスー!?

■カラレナ To:ドルビー
ち、違うんです! 格好はこんなですけど、違うんですよ〜っ!

あたふたと釈明。
■シグナス To:ALL
安心しろ、怪しい者じゃない。通りすがりの前衛吟遊詩人だ。……と、言う事にしようと思う。色々と突っ込まれても困るしな。

■カラレナ To:シグナス
もうっ、普通に出てくればいいじゃないですか〜(TT

■カレン To:ALL
マイケルは、マイケルは何処っ!?

■シグナス To:カレン
マイケッ!?誰だ!?

■ドルビー To:シグナス
悲劇の魔王さんめっ、よくもマイケルをー!!

■シグナス To:ドルビー
ちげぇ!?

■カラレナ To:ドルビー
ほ、ほんとに怪しい者じゃないんですよ〜(TT

説得力ゼロ。
■カラレナ To:ナナイとその仲間たち
あ……あの、初めまして。カラレナって言います。
ギュネイさんと過去に行って、石版を、その、あの。

うまく説明できない(笑)
■アビィ To:調査隊のメンバー
アビィと申す、ギュネイ殿がこの水都に初めて訪れたとき同行していた者だ。
貴殿らが探していた石版だが、なんとか見つけることが出来た。
ギュネイ殿が運ばせておられるのがそれだ。
我々が残した伝言を信じていただき、鏡を割ってくださったこと感謝している。

説明を試みながら、広間にいる人々の顔ぶれと頭数を確認するアビィ。
■アビィ To:マイス
マイス殿、よかったな……ナナイ殿は無事のようだ。

■カラレナ
(よ、よかった……)

アビィの的確な説明に、ほっと胸を撫で下ろす。
■マイス To:アビィ>ナナイ
ああ・・・生きているっ!

■ナナイ To:マイス
マイス無事だったー!

ボーンコレクターの内席からぴょんと跳びおり、マイスに飛び込むナナイ。
予想よりきつく抱きしめるマイスを怪訝な顔で見上げると、必死で涙をこらえるマイスの顔が見えた。
■シグナス
……やれやれ、ヤバイ橋渡った甲斐はあったね、こりゃあ。

抱き合う二人に背を向け、肩を竦めるシグナス。
■カラレナ To:ALL
本当に、良かった……。

微笑ましそうに二人を見つめてる。
■リールォン To:ALL
ホント、ヨカッタです(^-^)
やっぱり、物語ってゆうのはハッピーエンドでなくちゃ。
……チャ・ザさま、皆がこれまでどおり、幸運の階段を駆け上がれる機会を与えてくださり感謝します。

ひとり、静かに幸運神にささやかな祈りを捧げるリールォン。
■カラレナ To:ひとりごと
短剣……レプランさんが見つけてくれたんですね……
…………
これじゃ、もう使えませんね(^^;
ごめんなさい。

200年の時を超えたボロボロの短剣を拾い上げ、そっと鞘にしまった。
■マナイ To:ALL
・・・お前たち。喜ぶのはまだ早いぞ。
ブレアの暴走止めるんじゃないかったのか?

■シグナス To:マナイ
ああ、それならギュネイさんが制御版持って来てるし、あとは任せる事になっかなあ?

■アビィ To:ALL>ギュネイ
肝心なのは、石版を交換したとして無事動くかどうかだな。
ギュネイ殿、ためしていただけないか。
もし駄目だとしても、門がある内ならまだなにか手が打てるやもしれぬ。

そう言いながら、通り抜けてきた鏡の影を感慨深げに振り返るアビィである。
■カレン To:ひとりごと
……ああ、やっぱり、「まいける」は幻の存在なのですね。
筋肉、触りたかった……

伝説へと還ってゆくマイケルという存在に、一粒の涙を流すカレンであった(笑)
■シグナス To:カレン
……奴は風になっちまったのさ……。

何も解っていないがとりあえずソレっぽい事を言ってリュートを鳴らすシグナスだった。
■ドルビー To:カレン
伝説の向こう側を目指しちまったんッスね……。

■カラレナ
(まいけるって……誰……?(^^;)

考えないようにしようと自分に言い聞かせていた。