14c 生み出された世界 その3
■大鎧 To:ALL |
(下位古代語で) この言葉を信じて、誰も鏡が砕かれるのを妨害しないでください |
■アスラ To:ALL |
まってました!さあ、みんな、よく聞けよ。 「信仰者が、鏡破壊を妨害…」 誰だ?鏡を壊すのを妨害しようとしているやつは?! |
■レプラン To:アスラ |
お 前 だーーーー!! |
アスラんに渾身の蹴りを!!
■アスラ To:レプラン |
うわー、言論の自由を妨害する暴力はんたーーーーいぃ! |
気持ちいいくらいに吹っ飛んでいったアスラは、固い物にぶつかり伸びてしまった。
■レプラン To:ALL |
・・・また、つまらないものを倒してしまった・・・。 |
またも哀愁を漂わせながら。
■ドルビー To:レプラン |
…………また? |
■レプラン To:ドルビー |
・・・この間は、黒くてカサカサ動くアレをな・・・。 |
■タガート To:レプラン |
そ、それは英雄的行為でやんす…… |
■ドルビー To:レプラン |
凄いッス…… |
■大鎧 To:ALL |
(下位古代語で) 鏡が割られれば必ず全員助かります |
■アスラ To:ALL |
「か…鏡が割れ、助かるので?」 |
いきなりむくっと上半身を起こし、目を閉じたまま大鎧の発言を訳しだすアスラ。
■レプラン To:アスラ |
・・・何で疑問系なんだ・・・っていうか浅かったのか・・・ |
■カレン To:アスラ、ALL |
……わざわざ、意訳誤訳するために起きなくてもいいのに。 えっとですね、鏡が割れれば、全員が助かりますって言っているようです。 やっぱり、このまま鏡を割らずに調査を進めたら、僕たちになにか危険なことが起こるんじゃないですか? |
■レプラン To:カレン |
割れなければ、助からない・・・ってことか? |
■ベイカー To:アスラ |
オオ、アスラダイジョウブカ。…ギュネイ調査団のNO.1は私だ♪ |
ベイカーはこっそりトドメの蹴りを入れたっ!
■アスラ To: |
きゅう。 |
アスラは義務をはたしたかのような謎の笑みを浮かべ、再び眠りについた。。。
黙ってベイカーに親指を突き出すレプラン。
■マナイ To:ALL |
お前達、この大鎧の言うことを信じるのか? 我々の記憶を使ったトラップかもしれんぞ。 |
■ドルビー To:マナイ |
ぶっちゃけ命懸けで守りたくは無いッス。 命が一番大事ッスよ。もうやっちゃうッスよ。俺ッチだって男の子ッス。 |
■タガート To:ドルビー |
手を貸すでやんすドルビー。お前だけに手を汚させるまねはしないでやんすよ。 |
■ベイカー To:ALL |
う、うむ、今は亡き(ぇ)アスラのように気持ちよさ気に吹き飛ばされるのは断固拒否したいところであるからして、やっちゃうことに依存はないですぞ? |
へなちょこ小悪党。
■マナイ To:ALL |
お前達の言っていることの意味が全くわからん。 何から何を命懸けで守ってるんだ? 鏡を割らないことで、今の我々にどんな危険があるっていうんだ。 何の考えもなしに鏡を割るというのか? |
■ドルビー To:マナイ |
だってぇー、放っといて割れたら後で怒られそうッスモーン。 |
■タガート To:マナイ |
我々はセーイを見せなければならないんでやんす。 |
■レプラン To:マナイ |
・・・とりあえず、あの二人の意見は置いといてだな・・・ あのでかい鎧も、この遺跡の一部だ・・・だったら、メッセージを流すなり、動かすには、石版を通じなければ無理なはずだ。 これはトラップじゃないと思う。わざわざ高度なトラップをはって、鏡を割らせて得なことが古代人にあるとは思えない・・・。 鏡が映し出す情報を守るため、というのなら、それこそあのでかい鎧に守らせればいいじゃないか。 だから、これは・・・石版を使える人間が、どこかで操作したんだ。 もし、ギュネイさんが残したものだとしたら、メッセージの意味は・・・ 「どこか別な場所で石版を発見し、そこから戻って来るために鏡を割ることが必要」・・・ということだと思う。 |
■マナイ To:レプラン |
この大鎧はゴーレムだ。 石版などなくとも、魔法によって命令を与えることはできる。 確かに、トラップである可能性は低いな。 |
■レプラン To:ALL |
どっちにしても、石版が見つからなきゃ、俺たちはこのバカでかい箱船と一緒に、死んでしまうんだろ・・・。 あんまり、考えたくないことだけど・・・ギュネイさんは、もしかしたらその未来を見たのかも・・・。 鏡は過去の姿を映してる。 「暴走防止に石版を見つけて帰還・・・」 ギュネイさんは過去へ行って、未来を変えてくれようとしてる・・・そう思うのは、俺だけかな・・・? |
■カレン To:レプラン、ALL |
僕もそう思います! これはギュネイさんからのメッセージなんです!! 早く鏡を割って、僕たちもフレンドリーな古代魔法王国人のマイケルとオトモダチになりましょうよ。 |
カレンは興奮しすぎて、現実と妄想がごっちゃになっているようだ……
■レプラン To:カレン |
マイケルって誰ですか・・・ |
■ベイカー To:ALL |
いやいや、私も最初からそう思っておりましたぞ? それに、マナイの命の恩人、古代魔法王国人“七色マントのヘキサ”という者こそフレンドリーなフレンドで間違いなしと思いますぞ♪ |
■ドルビー To:ALL |
良く解らんからきっとその通りッスよ! |
■タガート To:ALL |
そうでやんす、わからないって事はその通りってことでやんす! |
■レプラン To:ドルビー&タガート |
わかってくれ・・・。 |
■マナイ To:ベイカー |
ヘキサという者はフレンドリーだったが古代王国人ではなかったはずだ。 古代王国人はお前達の言語などしゃべらない。 |
■レプラン To:ひとりごと |
やっぱりそうか・・・アスラめ。あやうく騙されるところだった・・・。 |
■マナイ To:レプラン、ALL |
過去を写す鏡を割ると、過去への扉が開くというわけか。 すると、ギュネイ達はどうやって過去へ行ったんだろう。 鏡は、割れずにここにあるというのに。 |
■ドルビー To:マナイ、ALL |
割れたら過去に行くんッスか?じゃあ割れた時に過去に行ったんッスよきっと。 |
■レプラン To:ドルビー>マナイ&ALL |
違・・・いや、違わないのか。 ギュネイさんたちが、割れた鏡から過去へ行ったのは、取り返しがつかないことが起こってからだと思う・・・。 つまり、今の時間よりも、もうすこし後・・・。 もしかしたら、遺跡が暴走して、自然に割れたのかもしれないな。 |
■タガート To:レプラン |
さすがアニキ! あっしらに思いつかないことを平然と言ってのける! そこにシビれる! あこがれるゥ! |
■ドルビー To:レプラン |
アーニーキッ!アーニーキッ!アーニーキッ! |
■レプラン To:タガート&ドルビー |
・・・やめんか。 |
■マナイ To:レプラン&ALL |
つまり我々の石版調査が失敗に終わることが確定しているわけだな。 まあ、今までの成果からすればその可能性はかなり高いか。 ギュネイ達は遺跡暴走の停止に失敗した我々を助ける為に、このようなメッセージを残したと。 ふむ。状況証拠だけだが、まあ筋だけは通ってるな。 それで、お前達は全員、このまま鏡を割ることに賛成なんだな? |
■ドルビー To:ALL |
わーれーろっ!わーれーろっ!わーれーろっ! |
■レプラン To:ドルビー |
・・・落ち着け・・・ |
■ドルビー To:レプラン |
男は落ち着いたら負けッス! 人生で落ち着いた時に墓場に収まるってうちの父ちゃんが結婚前日に言ってたらしいッス! |
■レプラン To:ドルビー |
それは・・・・いろんな意味で深いな・・・ |
■ベイカー To:A独り言、ALL |
何か確かな証拠でもあれば良いのだが・・ 唯一の手がかりを破壊するような大任を我々だけで決断するとなると後々責任問題にもなるであろうし・・・ 私の出世にも影響しかねないし・・・ブツブツ 皆の衆、もちろん鏡を割ることにやぶさかではないのだが、何か証拠探しをしてからでも遅くはないのではないかな? |
■レプラン To:ベイカー |
証拠か・・・ 例えば、どこかにメッセージが刻まれているとか? 過去に戻ったことを証明するなら、俺たちが知っていて、かつ風化しない何かを残してあるのかもな・・・ こいつにしゃべらせてたんだから・・・ |
そう言って大鎧に近づいてみる。
手を伸ばしてぼでぃちぇっくを施してみると、あばら骨の隙間から短剣を見つけた。
■レプラン To:ALL |
? ええっと「剣の持ち主は、ブレアを助けるために割れた鏡から戻ってきます」 ・・・共通語だよな、これ・・・。 |
刀身に刻まれた文字を見て首をひねる。
■ドルビー To:レプラン |
読み書きは知らんけどきっとそうッスね。見覚えは在るッス。 |
■レプラン To:ドルビー>ALL |
・・・・・・ ま、まぁこれだけだと、割ってみなければわからないし、証拠とはいえないけど・・・安っぽいダガーだし古代のものという感じでもないよな・・・ |
■レプラン To:ALL>マナイ |
ともかく・・・鏡を割ってみようじゃないか。 マナイ、ストーンサーバントをおさめてくれるか? きっとこの鎧のゴーレムと同じように、ナナイのボーンサーバントにも同時に命令が与えられていると思うんだ。 |
■マナイ To:レプラン>ナナイ |
物証も出たし、皆の反対もないのなら私も異論はない。 ナナイ、抵抗せずにそいつのやりたいようにやらせろ。 |
マナイが短く印を切ると、石くれ人形は戒めを解いて左右に離れた
■ナナイ To:マナイ |
うん・・・わかった。 |
ボーンコレクターはついに大鏡まで到達し、その鏡面にこぶしを叩きつけた!
ガラスが砕け散り、その間からまばゆい光が満ち溢れる!