14a 生み出された世界
突如襲ってきたスケルトン達を掃討した一行。
再び襲ってこないよう、ナナイがボーンコレクターで入り口の扉にロックをかけた。
■レプラン To:ALL |
すごい数でしたね。 早く石版を見つけて戻らないと・・・ |
■ドルビー To:ALL |
生きてるって素晴らしいッス……。 |
■タガート To:ドルビー |
まったくでやんす。死ぬかと思ったでやんすよ。 |
■カレン To:ALL |
……ハァ、ほんと、たいへんでしたー でも、みなさん、ガンバッテくれたおかげで、何とかここまでたどりつけましたねー。 ヨカッタですねー。 |
■アスラ To:ALL |
本当に大丈夫なんだな。 この部屋には他に出口はないのだぞ、ここで飢え死にはごめんだ。 まったく、だからこんな遺跡には来たくないと……。 |
その直後、今まで微動だにしなかった広間中央部の大きな骨の鎧が、ぎしりと大きな音を立てた。
そして、呼吸をするかのように肩を上下させはじめた!
■レプラン To:ALL |
お・おい! みんな! |
素っ頓狂な声を上げて大鎧を指差すレプラン。
■タガート To:レプラン |
え? ……ヒ、ヒィッ!! |
■ドルビー To:レプラン |
ギョワーッ!?ナンッスかアレー!? |
■大鎧 To:ALL |
(下位古代語で) マナイさん、ナナイさん、調査隊の皆さんへ |
■レプラン To:ALL>研究者 |
何だ・・? 何を言ってるんだ?? |
レプランは下位古代語がわからない!
■アスラ To:レプラン |
あ?いちいち面倒をかけさせるな。 「七位の調査班員へ」だとよ。 古代の連中がわけわからんことをわめいてるんだろう。 |
アスラは自分が聞き取れた単語しか訳さない!!
■レプラン To:アスラ&ALL |
・・・七位・・・? 何の順位だ? 俺たちは5人いるよな・・・? |
レプランは調査員の数を数え、首をひねっている!
■ドルビー To:レプラン |
あっしら6人ですぜアニキ。 |
■レプラン To:ドルビー |
・・・・ああ! |
■アスラ To:レプラン&ドルビー |
…は、まったくこいつらは。 まともに数も数えられんのか、もういちど周りを見回してみろ。 1,2,3……7人ではないか! |
えらそうに言いつつ、ボーンコレクターの中を数えることを忘れているらしい。
■タガート To:アスラ |
だんな! 8人でやんす! ナナイのあねごを忘れてるでやんすよ! |
■アスラ To:タガード |
ふっ、一本取ったつもりだろうが、甘いな。 ボーンコレクターは1体と数えるものだ。 搭乗者がいようといまいとな。 |
■タガート To:アスラ |
そ、そんな・・・ひどいでやんす! 人権侵害でやんすよー! てめえの血は何色だー! でやんす! |
■アスラ To:タガード |
おお、おれの体に流れる血について聞いてくれたか。 ここだけの話だがな、古代王国の末裔と言われるマイア家の血が十六分の一も入っているのだ。 ま、大した家柄でもないかもしれないがな……その血の持つ優秀さはどうにも……このおれさまの力をもってしても隠しきれず…… |
ひとりで悦に入ってぶつぶつと語りだすアスラ。
■レプラン To:ALL |
・・・何か瞑想状態に入ったみたいだから放っておこう・・・ |
■ドルビー To:タガート |
きっと自分数え忘れてたんッスよ。 |
■タガート To:ドルビー |
結構アレでやんすね。 |
■レプラン To:ALL |
じゃあ、七位は下から二番目・・・? |
なぜか、ドルビーを見る。
■ドルビー To:レプラン |
俺ッチは三番目位ッス。 |
良く解らない胸の張り方をした。
■レプラン To:ドルビー |
・・・そうか、お前の下にふたりもいるのか・・・ |
■カレン |
……えと、マナイさんに、ナナイさんって? もしかして…… でも、まさか、うーん…… |
大鎧の発するメッセージを頭の中で検証を繰り返し、ぽつりぽつりと独り言を繰り返すカレン。
突如あがるナナイの悲鳴!
■ナナイ To:ALL |
ダメ!・・・この子、急に動き出して・・・! |
ナナイが乗るボーンコレクターが、ぎこちない動きで広間の方へ振り返る。
その視線の先には、調査で使っていた大きな鏡がある。
■ナナイ To:ALL |
この子・・・鏡を・・・壊すって! |
■アスラ To:ナナイ |
お、おい……ふざけている場合じゃないんだ! ちゃんとコントロールするんだぞ、鏡がなければ情報が手に入らないんだからな。 |
■ナナイ To:アスラ |
そんな・・・こと・・・言われて・・・もっ! |
必死で抵抗するも、ずるずると引き摺るように歩きながら、ボーンコレクターは鏡に近づいていく。
■ドルビー To:ALL |
な、なんだってぇ!そいつぁてぇへんだ!!おっ、俺らじゃあんなの止められねぇッスよ!? |
■タガート To:ALL |
そうでやんす! やるだけ無駄ってもんでやんす! |
■レプラン To:ALL |
七位・・なない・・・うーん、まさか・・・ |
■ドルビー To:ナナイ |
ナナイの姐さん!気張って止めておくんなせぇ!! |
■タガート To:ナナイ |
そうでやんす! あっしらの身の安全のためにも! |
■大鎧 To:ALL |
(下位古代語で) ギュネイ、マイス、そしてマナイの持つマントの持ち主ヘキサよりの伝言です |
■レプラン To:ALL>研究員 |
ま・まただ・・・ さっきの順位の話の続きですか? |
■アスラ To:レプラン&ALL |
うるさい! おまえらがぎゃあぎゃあ言うから、最初の部分がききとれなかったじゃないか!! 「マントのヘキサ他から伝言」だそうだ。 おそらく、この遺跡にまつわる古代魔法王国の人物の名だろう。 |
■カレン To:ALL |
あのう、もしかして…… |
自信なさそうにパーティのメンバーに声を掛けるが、まったく聞こえていないようだ。
■レプラン To:アスラ |
“マントの”ヘキサ? 変な二つ名ですね・・・。 本当に合ってるんですか・・・? |
疑惑の目。
■ナナイ&マナイ To:アスラ&ALL |
ヘキサ・・・ |
ナナイの様子はボーンコレクター内でわからないが、マナイの様子からして聞いたことがある語句のようだ。
■アスラ To:レプラン&ALL |
ほらみろ、彼女たちには聞き覚えがあるらしい。 おまえらは、知ってるか?ヘキサって奴を。 調査隊が知らなくて、この女達には聞き覚えのある名と言ったら、古代人の名前と考えるのが普通だろう。 |
言いながら、自分の推理に自分で感心したらしく、ますますふんぞりかえった態度になるアスラ。
■レプラン To:マナイ |
そう言われてみれば・・・・。 マナイ、知ってるのか? いったい、誰だ?? |
聞いてみる。
■マナイ To:レプラン、ALL |
うむ・・・聞き覚えのある名称だ。 お前達の言語から聞いた。 ただし、お前達の言語を覚える前だがな。 |
■レプラン To:マナイ>アスラ |
俺たちの言語から・・? じゃあ、古代人じゃないんじゃ・・・ |
ぼそぼそ(笑)
■アスラ To:レプラン |
いやいや、われわれの言語を覚える前と言っている。 やはり古代王国時代と考えるべきだろう。 かの時代、おれたちの言語で呼ばれていたすると、蛮族と言われた連中のひとりに違いない。 |
■レプラン To:アスラ |
蛮族が・・こんな仕掛けを使えたのか・・・・? |
ぼそぼそぼそ(笑)
■アスラ To:レプラン>マナイ |
ならば尋ねてみようぜ。 おい、マナイ、ヘキサって奴をを見たことはあるのか。 初めて見たとき、おまえはそいつをなんだと思った? |
■マナイ To:アスラ |
直接話したことは無いが、確かに会っている。 最初は敵だったが、その後命を救われたのだ。 |
■アスラ To:レプラン |
さて、どう解釈するね、レプラン君。 |
■レプラン To:アスラ |
・・・わざわざ“マントの”ヘキサって名乗ってるってことは、マントでマナイを助けたんでしょうね・・・・ |
あながち間違いでもない。