13b 箱舟の艦橋 その2
| ■アビィ To:ギュネイ |
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ギュネイ殿、素人考えで申し訳ないがお伺いしたい。 その石版そのものをとりはずして、我々の時代に持って帰り、円柱の間にある壊れた石版の代替として利用することはできないのだろうか。 |
| ■ギュネイ To:アビィ |
| 持ち帰ることは可能だと思うが・・・向こうの世界でも、ちゃんと機能してくれるかまではわからんな。 |
| ■シグナス To:ギュネイ、アビィ、ALL |
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……やってみるしかねえか。先ず、戻った先の事何とかしねえと。 余裕がありゃ、何ぞ数百年続きそうな仕掛けでも……どんな仕掛けだろうな、ソレ。 ともあれ、ギュネイさん、こっちで調べれそうなとこありますか? 正直、造詣深くないんで手の出せる部分が限りありそうなんで。 |
| ■ギュネイ To:シグナス、ALL |
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私だって始めての場所だからね、何をしていいかなんてわからんさ。 とにかくこの石版を使ってどう事態を改善するかを考えねば・・・ |
| ■アビィ To:ギュネイ>ALL |
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あの部屋にあった大鎧に恒久停止を命ずることができそうかな? その為にここに来たのだ、まずそれをすべきだと思うがいかがだろう? |
| ■ギュネイ To:アビィ |
| 大鎧は骨素材のゴーレムだからね。コマンドワードさえわかれば。命令のキャンセルと再命令は可能だと思うよ。 |
| ■ヘキサ To:アビィ |
| うん……大鎧に停止命令を出せたら、マナイさん達は…… |
| ■カラレナ To:ヘキサ |
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きっと、大丈夫ですよ。 私たちもちゃんと帰って、彼女たちに会えるように。がんばりましょうね。 |
半分は自分に言い聞かせるように、ささやく。
| ■ヘキサ To:カラレナ |
| ……うん。ありがとう、カラレナさん。 |
| ■マーキュリー To:アビィ、ギュネイ |
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大鎧を止められたら、僕等がいた時代の被害を食い止められるかもしれないですね。 それから、石版から指令を出して、僕等を何処の部屋にでも妨害されずに行けるようにできないですかね? さっきは許可認証が無いとかで退散してきたわけですし。 あと、僕が気になってるのは動力炉の暴走なんですけど・・・今のこの時代でうまく制御できたら、戻った先でも安定させられますかね? あるいは、ここと機関室以外の石版が有るかどうか探しておいて、元の世界で暴走を止めるとか。 |
| ■ギュネイ To:マーキュリー |
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実行可能な命令であれば、その命令の出し方は調査すればわかるはずだ。 それがわかれば、多分ここから命令を出すことができると思う。 暴走の方は、おそらくブレアの魔力炉の出力上昇命令を取り消せないことが原因だ。その命令を実行できれば、暴走は止まるはずなんだが・・・ |
| ■アビィ To:ALL |
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残された時間で、なにがどこまでできるか……だな。 優先順位を決めて作業をしていくしかないだろう。 |
| ■シグナス To:ALL |
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最優先は、俺等の退路だな。 次ぎ辺りに、大鎧を如何にかするか……とかく、あの時の戦闘だけでも、回避させる、か?状況指定で戦闘回避とかさせれねえかな?あん時の調査員の人数の時は戦うなー、とか。 |
| ■ヘキサ To:シグナス |
| うーん。 |
| ■アビィ To:シグナス&ALL |
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大鎧の「情報を見てはいけない、でていけ」という警告に従わなかったのが、ナナイ殿達調査班が全滅した理由だろう。 つまり、彼女らとボーンコレクターが「情報を見てよい」ことになれば、大鎧との戦闘は回避できるのではないかな。 それが無理なら、停止させるしかないように思える……。 ただし、あの戦闘がなくなると鏡が割れなかったことになり、我々の「退路」は見事になくなるな。 我々が大鎧と戦った同じ時間に、なんらかの形で鏡が割れるように手を打たない限りはだが。 |
| ■シグナス To:アビィ |
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それじゃあ意味ねぇしなあ……。 あー、ああ。それじゃ鏡割る命令とか入れるか? あの場でナナイ等含めた調査員スイッチに鏡割れ、とか。 邪魔されちゃ困るし、俺等が細工したって伝言でも添えてよ。 |
| ■ヘキサ To:シグナス |
| そっか、あの大鎧があの時間まで壊れずに残ってるのは証明されてるわけだし…… |
| ■アビィ To:シグナス |
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なるほど、我々の伝言を大鎧に言わせればよいわけだ。 大鎧にナナイ殿のボーンコレクターの個体認識ができるなら、限定させればいいし、できないなら、ボーンコレクターすべてという形で指示をだしてもいいのだな。 それができるならば、この時代にあの鏡を探さなくてもすみそうだな。 |
| ■アビィ To:ギュネイ |
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確かあの鎧は、マナイ殿の使っていたボーンコレクターの頭部を「13番目」と言っていたな。 ナナイ殿のコレクターが何号と認識されているかご存じか? |
| ■ギュネイ To:アビィ |
| 調べたわけじゃないんだが、あの時のマナイが確か・・・18号と呼んでいたと思う。 |
| ■アビィ To:ギュネイ、シグナス&ALL |
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ありがたい、これで大鎧を停止させなくて大丈夫だろう。 ボーンコレクターの13号、18号に関する命令を変更するだけなら、あちこち彷徨って、大幅に歴史を変えてしまう心配もせずにすみそうだ。 |
| ■リールォン To:シグナス、アビィ |
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それ、ナイスアイディアですね! あと、大鎧に攻撃させないように命令しておけば、ナナイさんたちに危険はなくなるでしょうし。 仮にナナイさんたちが、大鎧を攻撃しても、鏡を割るくらいの余裕はあると思います。 僕らだって、大鎧を倒すのにあれだけ苦労したんですから。 あとは、大鎧のコマンドワードを探さないといけないですが……。 ここはパーティを分けて行動したほうが効率がいいと思うんですケド……。 もちろん、危険度は高まりますが、今は時間が何よりも貴重なものですから、ある程度はリスクを負う必要があるのかなと。 |
| ■アビィ To:ギュネイ>ALL |
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とりあえず、大鎧に命令を出すための方法は、石版から調査できるということでよろしいのかな? だとしたら、早速お願いしたい。 その間に我々は、リールォン殿のおっしゃられる通りに手分けして、この部屋を調べたり、具体的に大鎧にどういう伝言を残すか、あるいは命令を出すか検討したりするという形でいかがだろう。 |
| ■ギュネイ To:アビィ |
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まずは大鎧のコマンドワードを探し出すのだな? わかった、やってみよう。 |
ギュネイは石版に向きなおると、複雑に結印した両手を石版に押し付ける。
そのまま目を閉じ、瞑想状態に入った。
| ■シグナス To:ALL |
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と、まあ纏まった辺りで言うのもアレなんだがさ。 多分命令とか、上手く行ったら命令した途端に戻る嵌めになると思うんだわ。 命令する時はやる事遣り尽くしたかなー?ってくらいで行った方が良いぜ。 ま、失敗してもまた命令し直せば良いんだし、気張り過ぎずに行こうぜ。 ……つー訳で、俺はこの隙に部屋でも漁ってみるわ。 |
| ■アビィ To:シグナス |
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……この部屋の「調査」を、だな。 手伝わせていただこう。 |
| ■カラレナ To:アビィ&シグナス |
| あっ、行ってらっしゃい〜。 |
ソファーの下を覗き込んだり、片隅にある箱を引っ張り出したりし始めたふたりは、やがて鎧やら、石やらをごそごそ運んで来た。
| ■ヘキサ To:シグナス&アビィ |
| 何か見つかった? |
| ■シグナス To:ヘキサ |
| おう、良いモン見っけた……多分。 |
| ■アビィ To:ヘキサ&ALL |
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纏ってオランを闊歩するには、ちょっと勇気がいりそうな鎧が出てきたぞ。 昨今の風潮からすると、ゲージュツと見る者もあるのかもしれないが…… ……判断はおまかせする。 あとは石だが、こちらも残念ながらなんの変哲もない魔晶石だ。 1点と…おや7点か、無事我々の時代に帰り着ければそれなりの価値はでてくるな。 |
| ■シグナス To:ヘキサ、アビィ、ALL |
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魔晶石はともかく、こっちはなぁ……前の、何だっけ?骨の剣の話聞いてなきゃ、 絶対に呪われてるとしか思えねえ鎧だな、コレ。こんなの着てたら歩くだけで捕まるぞ。 |
| ■カラレナ To:シグナス |
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……そうですよね(^^; これじゃ…… でも、持って帰るなら、着るしかないんでしょうか……。 |
骨甲冑を見て、次にシグナスを見て、何かを想像たらしく怯えた顔で目をそらす。
| ■シグナス To:カラレナ |
| ……そんな目で見るなよ。俺だって着たか無いよ!? |
| ■ヘキサ To:シグナス |
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……ボーン……プリ……ボーン・プリズン、か。 すごく強力な魔法がかかってる。防護の魔法。 街の中で着るかはともかくとして、ここで着るのは悪くないと思うよ。 ぼくは、着れないや。 |
| ■シグナス To:ヘキサ、ALL |
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そっか、呪われてもねえなら、残しとくのも持ったいねえな。 しかし、どうやって持って帰るか……鎧じゃ嵩張るしなぁ……。 んじゃ今着て問題ねえのは…………は、あれ、俺!? |
| ■アビィ To:シグナス |
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発見者はシグナス殿だ。 さしあたって、お持ち…いやお召しになられたいなら止める理由はないが。 |
あくまで大真面目な表情で応じるアビィ。
| ■シグナス To:アビィ |
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ぬがぁー、却下できる理由がねぇー!? み、見た目で善悪判断しちゃいかんって事か、そう言う事だな、そうしよう。 |
面子を見回した結果、自分が着て持ち帰る事が最善だと判断したシグナス。
ソフトレザーを脱ぎ、骨の鎧を身に付け始めた。
| ■シグナス |
| ……うーわ、なんかスンゲェ微妙な気分……。 |