11a 時魔神の鏡
大鎧を倒して沈黙が戻った大広間。
一行の前には、不気味な意匠を凝らした大きな鏡の縁が、無言で突き立っている。
■リールォン To:ALL |
……ふう、なんとか片が付きましたね。 |
手にした銀槍をぶるんと一回転させてから、一息つくリールォン。
■マイス To:ナナイ |
ナナイっ! |
マイスは広間の高い段の床に難なく飛び乗ると、そのまま広間の奥へと駆けていった。
■マーキュリー To:マイス |
マイスさん!一人で行っちゃ危ないですよ! |
だが、そんなマーキュリーの横を駆け抜ける影がもう一つ。
■ヘキサ To:ALL |
……先に行きます! |
マイスの後を追って、ヘキサも奥へと急いだ。
■アビィ To:ヘキサ&マイス>ガネード |
ヘキサ殿!マイス殿も…… やれやれ、ガネード様、もうひとたびその力、お貸しくださいませ。 |
癒しの祈りをささげマーキュリーと己の傷をかるくふさぐと、すぐにふたりの後を追うアビィである。
■マーキュリー To:アビィ、ALL |
あれ?あれれ?……アビィって…??ぁ、ありがとう(@@ っと、回復が済んだら僕達も急いで行きましょう。 |
■カラレナ To:マーキュリー |
は、はい。 |
初めての戦闘体験にちょっと涙目になっている。
■シグナス To:ALL |
ぅおおおおおおおおっ!! ……って、あ゛?なんだって?終ったのか!? |
集中し切っていた演奏を中断し、周囲を見回すシグナス。
■カラレナ To:シグナス |
……はい、終わったみたいです(^^; |
超高速ビートに若干怯えた様子で(笑)
■マーキュリー To:シグナス、ギュネイ&カラレナ |
魂の叫びってきっと、さっきのシグナスの演奏みたいのを言うんだろうね♪ さて、アースさんとカラレナはだいぶ消耗してるはずですから、回復しますね♪(^^) …慈悲深き母なるマーファよ、かの者達に我が内なる力を分け与えたまえ。 |
■カラレナ To:マーキュリー |
あ……す、すみません。 私なんて、何もできなかったのに…… |
精神力の充足を感じながら、恐縮したようにぺこぺこ頭を下げる。
■シグナス To:マーキュリー、ALL |
ああ?ああ。あんま技術とか覚えてねえし、歌は気合だって教わったからな。 ……痛ッてぇ、今になって怪我が利いてきやがった。回復なきゃ死んでたぞオイ……。 ……さて、んじゃ先もアレだし、俺も残ってる魔力、ギュネイさんに渡しときますか。 ファリスよ、今一度かの者に、我が力譲り与えたまえ。 |
■カラレナ To:従者 |
……あの、大丈夫ですか? ひとりでは危険なので、私たちと一緒にきてほしいんですが……歩けますか? |
従者のそばに跪き、心配そうに問いかける。
■従者 To:カラレナ |
ああ、わかった・・・。 |
恐怖の対象が去ったことで、やっと冷静になれたようだ。苦痛に顔をしかめながら、ゆっくりと立ち上がった。
■カラレナ To:従者 |
あの……。 この鏡のことは、何もご存じないのですよね? |
従者に手を貸しながら歩き出し、鏡の前まで来る。
鏡は鏡面が割られているものの、代わりに黒い面が見えておりで向こう側を見通す事はできない。
近づいてよく見てみると、その黒い面は物質ではなく、真闇で奥深い空間が広がっているように見える。
■カラレナ To:ALL |
!! …こ、これ……何だか変です。 |
■シグナス To:カラレナ |
なんだ?……ああ、こりゃあ確かに。変って言うか……マジで映ってねえな。 |
■従者 To:カラレナ |
よくはわからないけど、過去を映し出す鏡なんだそうだよ。俺達が前に立っても、俺達の姿は映し出さない変な鏡だった。 |
■カラレナ To:従者 |
そうですか……。 確か、ギュネイさんが調査のために持たせたんでしたよね。 |
■従者 To:カラレナ |
ええ、そう聞いてますけど・・・。 |
■カラレナ To:ギュネイ |
ギュネイさん、この面……空間みたいに見えるんですけど、何か心当たりありませんか? まさか「過去」と繋がってる……なんてことは…… |
こわごわと黒い面を指差しながら言う。
■ギュネイ To:カラレナ |
いや・・・私も初めて見る現象だからね。 ちょっと調べてみないと、なんとも言えんよ。 |
■カラレナ To:ギュネイ |
そう…ですよね。ありがとうございます。 |
■リールォン To:従者 |
どこかケガをしていて、手当が必要ならば言ってくださいね。 それで、あなた方がこの部屋に入ってからの詳細を教えて頂けますか。 あの大鎧はこの部屋、もしくは鏡を守るガーディアンのような気がするのですけど、突然襲われたりしたんですか? |
■従者 To:リールォン、ALL |
この広間に入ったのは今から半日くらい前かな。 鏡を使って、この広間の周りにあるステンドグラスみたいなのを映し出してずっと調査をしていたよ。 途中、スケルトンが襲ってくることがあって、扉は施錠したんだ。そうしたら、その大鎧からわけのわからない言葉が聞こえてきて、研究者達がそわそわし出したんだ。 |
■カラレナ To:従者 |
それが、「警告」だったんですね……。 |
■従者 To:ALL |
みんな「はやくここから出なきゃ」って言ってた。 でもその時、もうすぐ石版の場所が割り出せるところだったから、しばらくそのまま調査を進めたんだ。 そしたら大鎧が動き出して・・・ |
■カラレナ To:従者 |
ごめんなさい……もう、大丈夫です。 ぜったい助かりますから、大丈夫ですよ。 |
従者をなだめるように背中をさすった。
■カラレナ To:ALL |
みなさんが心配です……私たちも行きましょう。 |
■シグナス To:ALL |
……そうだな、まだ終ってる訳じゃねえ。 |