08a 骨格子の回廊
かつて遺跡内部へ侵入した時に通った崩れた尖塔の階段を降り、機関室へ続く回廊へ達した。
目的地である機関室とは反対の回廊を進む一行。
回廊の左右には至るところに、骨のような質感の、歪な形状の格子が並んでいる。
回廊はかなり先まで淡い明かりで照らされており、その突き当たりの、背骨とあばら骨をモチーフとしたような扉を浮かびあがらせている。
■ギュネイ To:ALL |
あの扉の奥が目的の広間だ。 おかしいな。こないだ見たときは開いていたんだが・・・ |
■アビィ To:ギュネイ>ALL |
例の鏡が置かれていたのも、その広間だな。 扉が閉じているのはナナイ殿達が立てこもっているからだ、というなら安心なのだが……そう上手い話になっているとは限るまい。 とりあえず、様子を見てこよう。 皆、用心していてくれ。 |
■カラレナ To:アビィ |
は、はい。 |
■ヘキサ To:アビィ |
……ん。 |
■シグナス To:アビィ、ALL、ギュネイ |
閉じてるって事は、逃げ込んだ側だと思うんだが。 ……任せる。こっちは一応戦闘準備と行こう。 ギュネイさん、魔法まだ使えますか? 正直、魔法使いとして俺は足元にも及ばない。 けど、あなたに魔力を分ける事は、俺にも出来ます。 |
■ギュネイ To:シグナス |
正直厳しいね。 低位の術法1回分といったところだよ |
■シグナス To:ギュネイ |
解りました、んじゃあ少しばかり。 <神聖語詠唱> ファリスよ……我が精神、この者に分け与えしめさん。 |
■マーキュリー To:アビィ |
アビィも気を付けて。 |
うなずくと、アビィは扉までの回廊を移動していった。
足先を床上に滑らせるような歩き方で、道に違和感がないか探りながらも早足で進んでいく。
途中で壁の格子にもそっと指を伸ばし、異常がないことを確認することも忘れない。
突き当たりの扉の前で、耳を澄ませたアビィの眉間にしわが寄せられた。
慣れた手つきで、慎重に、しかし素早く扉とそれを支えるアーチを調べたアビィは、最後に軽く扉を押し引きして首を振った。
そして待機している仲間を振り返り、手招きする。
■アビィ To:ALL |
大丈夫だ、早く! |
■カラレナ To:ALL |
あ……行きましょう。 |
急いで走り寄る。
■ヘキサ To:アビィ |
どう? |
■アビィ To:ALL |
罠はない、そして鍵穴や錠前もない……だが、開かぬ。 そして扉の向こうでは何者かが戦っている! 大勢ではない、多く見積もっても5人以下だ。 |
■ヘキサ To:アビィ |
数はあってない……でも、遺跡内のモンスター同士が戦ってるって考えるのも不自然。 だとすると…… |
■アビィ To:ALL |
状況を判断するには、ここを開くしかないと思うが…。 ボーンコレクターの頭部があれば、開けることが出来るものなのかな? |
■カラレナ To:アビィ&マーキュリー |
開かないんですか……。 解錠の魔法が必要なんでしょうか。 頭部に反応して、開いてくれるといいのですけど…… |
■マーキュリー To:カラレナ&ALL |
よ〜し、そんな時はこの……ゴソゴソ どこでもますたぁ〜き〜♪ |
ボーンコレクターの頭部を笑顔で掲げるマーキュリー。頭部の背景が画面いっぱいにフラッシュのように閃……いたような気が?(笑
■カラレナ To:マーキュリー |
ま、まーきゅりーさん?(((^^;;; |
■マーキュリー To:ギュネイ |
でもアースさん、これってマナイさんが持たないと働かないんですよね?… |
■ギュネイ To:マーキュリー、ALL |
おそらくは・・・ |
■マーキュリー To:ギュネイ |
やっぱり( ̄◇ ̄; |
その時、数名の男達の悲鳴が微かに扉の向こうから聞こえてきた後、轟音と共に、遺跡内が揺れる。
そしてみしりと音を立てて扉が歪む。
なにか大きくて重いものが、扉の向こうからぶつかったようだ。
■ヘキサ |
――ッ!! |
■カラレナ To:ALL |
きゃっ! 今、悲鳴が…… |
不安げに扉を見つめる。
■リールォン To:ALL |
くっ、急いで扉を開けないと! もし、中で重傷を負っている人がいたらすぐに治療しなければ、命に関わるかもしれません。 |
もどかしそうに扉を見つめるリールォン。
■アビィ To:ギュネイ |
この広間にあったものは鏡だけか? 扉をゆがませるほどの存在、たとえば起動していない古代王国の遺物などがほかにあっ たりしなかっただろうか。 それから、この部屋に他の出入り口はあるのか? |
■ギュネイ To:アビィ |
たしか巨大な構造物が・・・骨でできた巨大な全身鎧が奥に飾ってあったと思うが。 出入り口はここしかないはずだ。 |
衝撃が扉を壊そうとしてのものなのか、それとも一過性のものなのか、見極めようとしながら尋ねるアビィ。扉への衝撃は、明らかに扉の中心から外れており、扉そのものを壊そうとしているのではないようだ。
男達の悲鳴が聞こえたことからも、彼らを狙った衝撃だったものと思われる。
その男達の声は、もう聞こえてこない。
地響きが扉から遠ざかっていく音が聞こえる
■シグナス To:ALL |
悲鳴が消えた……? くそっ、こうなりゃこの扉ぶっ壊して入ろう! まだ息はあるかも知れねえ! |
■アビィ To:シグナス |
了解した! |
アビィは重鎚を両手に持つや、扉を一撃した。みしりというこもったような音がしたが、扉はそのままだ。
■アビィ To: |
手応えからすると素材は石ではないな、それよりはもろい。となると……。 |
素早く重鎚を手斧に持ち変えると、猛然と扉を割りはじめるアビィである。
■マーキュリー To:アビィ |
僕も手伝います。 |
アビィの横で巨大なモールを扉に叩きつけるマーキュリー。
■ヘキサ To:アビィ |
あッ! ぼくも…… |
言いかけて、ヘキサは歯噛みした。
自分の装備は軽すぎ、扉を破壊するには適さない。
唯一有効打を与えられるハルバードも、狭い遺跡内ではその力を発揮することは出来ないだろう。
ただ自分の非力を悔やみ、ヘキサは次の行動に備えて武器を構えた。
■シグナス To:ALL |
幅が広けりゃ、俺も手ぇ出せたんだがな……。 しかたねえ、ヘキサはそのまま前衛出れるようにしててくれ。 残りは俺の後ろに、最悪俺が壁になる。 あとは……それまでは、こいつの出番だな。 |
シグナスはドアから少し下がった位置でリュートを取り出し、軽く調律を始めた。
■リールォン To:シグナス&ALL |
お願いします。 もし、シグナスさんがケガをしても、僕がばっちり、治療しますから(^-^) |