05c ギュネイの研究所、夜 その3

■シグナス To:ALL、研究員
ん?どれ……湖の地図か……。
あ、そうだ。この辺の地図でさ、紅の谷って何処にあるか解らねえ?

■研究員 To:シグナス
えーと・・・この地図には載ってませんね。
この地図の北西方向に森が広がっているんですが、その森を抜ければ、かつて「紅の谷」と呼ばれていた渓谷地帯に出るようです。

■シグナス To:研究員、ALL
てことは遺跡から……森を挟んだ先か。随分と遠いな。水場も超えてるし……。

■アビィ To:シグナス&ALL
紅の名がつくほど、大きな犠牲のあった場所なのだろうか……供給源になってしまったのかもしれぬ、痛ましいことだが。
この襲撃を絶つ答えも水都にあるような気がするのだ、以前遺跡を探査したとき骸骨を操る力をもった鎧のようなものが発見されたのでな。
あの時「移動する遺跡が近づいてきて、襲撃が起こるようになった」という仮説もでていた。
……そういえば、宗派はわからぬが、司祭めいた像もあったな。

■ヘキサ To:アビィ
古代王国期の遺跡に、司祭の像……
改めて考えると、妙な取り合わせだよね。

■研究員 To:アビィ、ヘキサ
司祭の像って、ブレアの設計者、ジエンの像の事じゃないですかね?
司祭が着るような長衣を着たジエンの肖像がありましたよ。

■アビィ To:研究員
そのジエン殿は司祭だったのか?
あえてそんな衣装を着て像をつくったからには、なにが意味がありそうだが。

■研究員 To:アビィ
いやあ、そこまではなんとも。
ジエンはかなり変人だったらしいので、意味もあるかどうか・・・。

■アビィ To:研究員
そういうものか、まあ、当時は司祭服の重みも現在とは違っていただろうしな。

■リールォン To:研究員
変人ですか(^^;
そのジエンって方の宗派はいったい何だったんでしょうか?
ちょっと、気になりますね。

■研究員 To:リールォン
ジエンやその一門が特定の神を信仰していたという記録はありません。
そもそも、古代王国人はあまり信心深くないですからね。

■シグナス To:ALL
とりあえず皆としても、遺跡と無関係とは言い切れないって事か。
なら、遺跡調べる時に何か解るかもな。
偶々近場に骸骨あったからなのか……遺跡の関係で骸骨になったか。
何にせよ、人の遺骨扱う司祭ってのは、碌なモンじゃ無いな。

■アビィ To:シグナス
たしか以前ギュネイ殿がおっしゃっておられた。
骸骨の軍団を組織していたのは、この遺跡を城としていた古代の太守ブレアだと。
骸骨の軍団は、倒した敵を復活させて自軍を増強する、無限の兵力を持っていたと伝えられていたとかな。
設計者がそれにどこまでかかわっていたかはわからぬ……知らなかったという可能性はかなり薄いとは思うがな。

■シグナス To:アビィ
……するとその戦場跡かも知れないな。
妙と言えば妙なんだが……魔法生物作れば、最初に大群作るのも出来ただろうに。
逐次補充が要るくらい長い戦いだった、てなるんじゃねえか?
まあ、関係在る話かは怪しいけど。気には留めとこう。

■アビィ To:シグナス
太守にとっては長い戦いだったかもしれぬぞ、己が人でなくなっていたりすればなおさらにな。
そんな相手に出くわさないことを願うのみだが。

■アビィ To:研究員
ところで、ボーンコレクターについての研究はすすんでおられるのだろうか。
そもそもなんなのだ、ただの鎧とは思えぬ。
また、以前あれを装着されたナナイ殿は記憶を失われたようだったが……
今はそんなこともなく、操作できるようになっていたのか?

■研究員 To:アビィ
あまり進んでいるとは言えないですね。
遺跡の非常停止状態が解除されてから、急にナナイの意思どおりに動くようになったんですよ。
とはいえ、ナナイもマナイも記憶を失ったままで、ボーンコレクターはまだ手足の延長として使っている段階です。
ただ、ボーンコレクターが触れただけで扉や映像板が機能を回復することがあるので、 調査には欠かせない存在になっています。

■リールォン To:研究員&ALL
……正直、物が物だけに神官である僕にはあまり気持ちのいいアイテムではないんですよね。
完全に解明できている物なのでしたら、扱い方を間違わない限り、危険は少ないともうんですケド、まだ、未解明の部分が残っているのなら、安易に使って欲しくはないところなんですが……

■アビィ To:リールォン&ALL>研究員
リールォン殿のおっしゃることにも一理ありそうだ。
なにかの切っ掛けで、現在のナナイ殿の意志に勝る力がボーンコレクター本体へ働いたとするなら、水都の急な移動と骸骨の復活の説明がつく。
前回の探査でもそんな場面に遭遇したのだ。
破壊された方の頭部はここにあるとおっしゃっておられたな、拝見させていただくことは可能だろうか。

■マーキュリー To:ALL&研究員
僕もそんな気がします。
以前の戦闘中に突然ナナイさんが記憶を取り戻したように、何かのきっかけで突然記憶を取り戻すことも有り得そうですし、そうなるとマナイさんが敵対行動を取る可能性もあるし、アビィがいうようにまだ他の人物がいたのかもしれませんよね。

■ヘキサ To:ALL
記憶を取り戻すことはともかく、敵対行動は、あんまり考えたくないかな。
以前ナナイさんの記憶が戻ったときは、ナナイさんのボーンコレクターが元の姿にもどったときだし、マナイさんのボーンコレクターはここにあるから、多分大丈夫だと思うんだけど……
遺跡に、また別のボーンコレクターがあるってことも否定できないしね。

■研究員 To:アビィ>ALL
あ、ボーンコレクターはさっき取りに行かせたんで、ここに持ってきますよ。
ボーンコレクターの危険性は導師も非常に気にしていました。
ただ、ブレアの非常停止状態が解除された後は、ほとんどの扉に高度なロックがかかり、調査の続行ができなくなってしまったそうです。
彼女達やボーンコレクターを使うのは苦肉の策だったようですよ。

■アビィ To:研究員
それはかたじけない。
ところで、都市の非常停止状態はどうやって解除されたかご存じだろうか。
そのまま調査が続行されたということは、再度停止状態には持ち込めなかったということなのかな。

■研究員 To:アビィ
解除方法も非常停止方法もまだ判っていません。
もしかしたら、ただ単純に時間が経ったからかもしれませんね・・・。

■アビィ To:研究員
う〜む、ということは厳密に言うなら「解除に成功した」というより「偶然解除された」と解釈してよいのかな?
以前の冒険で操作説明のような石版の内容を写し取ってきたはずだが、あの文面はいくらかは解読できていたのだろうか。

■研究員 To:アビィ
手厳しいですね(^^;まあ、再現性がないのですから、そう取られても仕方ないです。
石版の写しですか?私は見た事はありませんね。
でも機関室の制御方法はかなり早い段階で解読できていたようですよ。

女性の研究員が木箱を持って広間に入ってくる。テーブルの上で木箱を開け、中のものを取り出して人体のものより二回りほど大きい頭蓋骨がテーブルの中央に置かれた。
■シグナス To:ALL
コレが件の代物ね……巨人の骨かこりゃ。
一体どれだけ骨好きだったんだか。

■アビィ To:研究員
これは現在、機能を停止してしまっているのだろうか。
なにかを映し出したりとか、そんな反応が起きたりはしないのか?

■研究員 To:アビィ
これもまだ謎を解明できないままなんです。
ナナイやマナイが触ったりしても、何も反応はありませんでした。
でも、「魔力視」を使えば判りますが、まだ魔力が生きているのは確かですよ。

■カラレナ To:研究員
あの…。私たちはこれから遺跡に向かうのですが、もしかしたら開かない扉とか仕掛けとかに出会うかもしれないと思うんです。
この頭蓋骨を持っていることで、ナナイさんのものと同じように解除キーとして働くっ ていう可能性はあります?
もしそうなら、お借りしていった方がいいのかなって思ったんですが…

あんまり嬉しくなさそうに言う。
■研究員 To:カラレナ
私には判断がつきかねますね。
ナナイのボーンコレクターは、ナナイでないと使えないので、これもマナイじゃないと使えないかもしれません。
まあしかし、可能性はゼロではないですし、非常時ですから、持って行かれてもよいですよ。

■アビィ To:ALL
あえて指摘させていただく。
万が一、ナナイ殿のボーンコレクターが暴走していた場合、この頭部がマナイ殿を巻き込んでなんらかの反応を起こす危険がある。
現時点で胴体部は無いが、前の冒険の時のように周囲の骸骨を吸収して全体を形成してしまうかもしれぬ。
もう一つ、骸骨軍団がここを襲撃した目的が、これの奪還だったという可能性が存在する。
我々が持って遺跡を訪れれば、標的になってしまうこともありえる。
少なくとも、隠密行動は出来なくなるとみていいだろう。

■マーキュリー To:ALL
もし持って行って良いなら、僕は持って行きたいと思いますね。
カラレナの言うとおり、解除キーになるかもしれませんし。
それに、水都にあった方が本来の機能を引き出せるんじゃないかな?
僕達にとって都合の悪い方に働く可能性もありますけど。

■シグナス To:ALL
持って行くなら、俺も賛成しとく。
何があるか解らんし、無いよりは在る方が色々あるだろ、多分。
……良くも悪くも。