03a マルシェ村、夕刻その１

オランで親しい者に伝言を頼み、明朝一路マルシェ村に向かう一行。
道中は何事も無く３日を終え、その夕刻にはマルシェ村に到着した。

奇妙な事に、マルシェ村の周囲は戦場の後のように焦げた木片や折れた矢が散らばっている。
夕餉の時間だというのに村人達は忙しく村中を駆け回っている。
村の中央広場には特に人が集まっており、微かにリュートの音が聞こえてくる

中央広場の様子に目を凝らす。
広場の中心にある石の台の上に、子供のような人物がリュートをかき鳴らしているのが見える。
心なしか、歌声のイントネーションがちょっとおかしい。

戦いの後や、周囲の様子を慎重に観察していたアビィが、目に留めたものに皆の注意を促した。

慌てたように、湖のほうを振り返るヘキサ。

おそるおそる、あたりの精霊の気配を探る。
古びた人骨は「負」の力が感じられるが既に活動は停止しているようだ。

村の目抜き通りを抜け、中央の広場までやってくると、領主邸の正門前で古めかしい騎士鎧を着込んだ老人が、村人達に指示を与えているのが見えた。
この村の領主、マクドナルド氏のようだ。
威厳に満ちた声で回りの村人達にを叱咤激励しているのが、かなり離れた、一行にも聞こえてくる。

返事を待たずに駆け出していくヘキサ。
カラレナはヘキサを見送ってから、近くの村人を呼び止める。

自分はできないので、やや言いにくそうに。