02a 水都への招待状
個室の戸をノックする音。
応答するまもなく、おやじが首だけをひょいののぞかせる。
■おやじ To:ALL |
おう、待たせたな。 これがお前さんたち宛ての手紙だ。 言っておくが開封はしてねえぞ。 |
おやじは一行に筒状に丸めた羊皮紙を差し出した。
その手紙には蜜蝋で封印がされている。
■マーキュリー To:おやじ |
ありがとうございます。お待ちしてました♪ 焼き鳥盛り合わせとエールを追加で♪(そっちか) ぁ、エールは大と中ジョッキを1個ずつ♪ |
■おやじ To:マーキュリー |
おいおい(^^; まあいいけどな、まいどあり! |
■カラレナ To:心の声 |
(大中の組み合わせですか〜) |
何か意味があるのだろうと納得。
■シグナス To:おやじ |
あ、おやじさん。俺リンゴの果実酒。後はチーズとピクルス頼むよ。 |
■アビィ To:おやじ |
あと、酒が飲めない者の為にポットでお茶を頼む、葉の種類はお任せする。 ついでに焼き菓子の類をボール一杯お願いしたい。 |
■ヘキサ To:おやじ |
フルーツ盛り合わせもお願い。 |
シグナス、アビィ、ヘキサが続く。
こういうときは頼んだ者勝ちの法則に、すかさず便乗。
■カラレナ To:おやじ |
あ……えっと、肉じゃがください〜。 |
先輩たちが注文するのを見て、控えめに追加。
■マーキュリー To:おやじ |
・・・ということはおやじさんは内容聞いていないんですか? |
■おやじ To:マーキュリー、ALL |
ああ、その手紙はオラン・エキスプレスでうちの店にとどいた郵便物のうちの1つなんだが、 封印されてたし、あて先が「冒険者達へ」だったから、開封しなかったんだ。 |
筒状の手紙をくるっと返すと、そこには「銀の綱の冒険者達へ
マルシェ村領主、マクドナルド」
と書いてある
■ヘキサ To:おやじ |
……じゃあこれは、ぼく達があけていいの? |
問いかけつつも、ヘキサの手は既に封にかかっていた。
■おやじ To:ヘキサ |
かまわんさ。 ちゃんと名指ししとかない差出人が悪い。 お前達が冒険者なのは間違いあるまい? |
■シグナス To:ALL |
言われて見れば、妙な宛名だな。 ま、先に知ってるのから中身読んでくれ、気にし過ぎかも知れねえし。 |
■アビィ To:ALL |
……ここの冒険者なら誰でもよかったのか? 内容をみてみないとわからぬが、本当に領主殿によって書かれた物なのか。 名字のみで名がないというのが気になるが……。 開封するなら横を開いていただけないか、念のため蜜蝋の印を確認したい。 |
■ヘキサ To:アビィ |
え? うん、わかった。 |
ヘキサはアビィに言われたとおりに、蝋に傷をつけないよう注意を払いながら、慎重にナイフで開封した。
「招待状
水上都市ブレアの彷徨を止めた冒険者達へ
ギュネイ・アースです。その節はお世話になりました。
君達が開放したこの古代遺跡は調査が進められ、
ついに都市機能の一部が復帰し、水上を進む方法が発見されました。
その進水記念式を、次の新月の夜に行いたいと思います。
私の名で声をかけると、いらぬ野次馬に嗅ぎ付けられてしまうと思い、
今調査隊の中継基地となっているマルシェ村の領主の名で招待状を出させて頂きました。
できれば、周りには内密でマルシェ村にいらしてください。」
蜜蝋の印は巻貝をあしらった家紋のようだ。
■カラレナ To:ALL |
進水記念式……。なんだか、すごそうです。 |
■リールォン To:ALL |
……なんか、いよいよ水上都市の正体が解明されそうな雰囲気ですね〜。 自然と気合いが入ってくるとゆうもんです! |
■シグナス To:ALL |
意外と普通……か?つっても、名指し位しても良いと思うんだが……。 送り元気にする割に、送り先抜けてるのが個人的に気になるな。 俺はギュネイって人の事を知らないから、判断は任せるよ。 ま、何にせよ行く事にはなるだろうし。 |
■アビィ To:ALL>ヘキサ |
まあ、あの先生はそれほど細かく名を覚えるタイプではなかったかもしれないな。 領主の家も、我々の前に村を救った冒険者についてはリーダーの名しか記憶されておられなかったようだし。 むしろ気になるのは、周りに内密にと念を押している部分だ。 ヘキサ殿、ありがとう、その封蝋をちょっと見せていただけないか? |
■ヘキサ To:アビィ |
うん。はい。 |
目を細めながら、剥がされた封蝋を慎重に観察するアビィ。
たいして時間がかかることなくその顔があがる。
■アビィ To:ALL |
少なくとも、これはマクドナルド家の家紋に間違いはないな。 特におかしなところも見当たらないようだ。 |
■マーキュリー To:ALL |
家紋に間違いがなければ手紙自体には問題がないように思います♪ (ぜんぜん解らなかった・・・)(w 今思いつくところで問題がありそうだなって思うのは、進水式で眠る子を起こすようなことがないかってことかな。 都市のスイッチ入れた途端、他の部屋のガーディアンにもスイッチが入っちゃうとか(^^; |
■ヘキサ To:マーキュリー |
うーん、ぼく達が呼ばれる理由って、実はそのあたりかもね。 「都市機能の一部」って言ってるからには、どこにどんな機能があるのかはまでは、詳しくわかってないかもしれないし。 ふとしたことから、また水都の彷徨が始まっちゃうかもしれない。 まあ進水式に限らず、そういった混乱を起こしたくないからきっと、「いらぬ野次馬」に来て欲しくないんだろうね? ……もしくは、「いらぬ野次馬」対策かな? |
■アビィ To:マーキュリー |
……新月の夜、だしな。 しかし、折角の進水の儀式をなぜもっとも暗い時にやるのだろう? 皆、夜目の聞かぬ者達ばかりだろうに。 都市を動かす条件として闇が必要なのかもしれないが。 あの都市にいた者達を思い返すに、なんらかの覚悟は必要かもしれぬ。 |
■シグナス To:ALL |
そりゃまあ……村ならともかく、この街で遺跡云々伝わったら、どれだけ人が増える事か。 何にせよ、次の新月までってあんまり時間ないんじゃねえか? 出来れば俺、一回学院戻って外出届位は出したいんだが。 俺は元々の関係無いし、妙な藪は突付かんだろ。 |
■カラレナ To:ALL |
新月…確か3日後でしたっけ。 |
指をあごに当てて。
■カラレナ To:ALL |
……え、と……? よく考えたら、これってお仕事じゃないですよね?(^^; 私、行っていいんでしょうか?(^^; |
■ヘキサ To:カラレナ |
そうかな? きっとその進水式のときに何か起こるって考えてるから、ギュネイさんはぼく達を呼んだんじゃないかな? 未知の遺跡の未知の部分を調査するんだから、護衛が必要と考えて「冒険者に依頼」するつもりかもしれないよ? それに、カラレナさんはギャルムさんの妹だから。ギャルムさんの代わりに見届けて欲しいかな、ぼくは。 |
■カラレナ To:ヘキサ |
……ん、そうですよね。 ありがとう、ヘキサさん。 |
■シグナス To:ALL |
んな事言われたら、俺なんて完全無関係だぜ? ヘキサの言うとおり、冒険者呼ぶ時点で色々在るんだろ。 もし、何も無くて本当に御披露目だけだったら……。 …………その時は、頼み込んで遺跡に入らせて貰おう。 |
■マーキュリー To:ALL |
元々骸骨とかのガーディアンがたくさんいるような場所だったから、もし何かあったら4人じゃ対処出来ないかもしれませんから、そういった意味でも前回と同じ人数にしたってことで良いんじゃないかな♪(^^ |
■アビィ To:ALL |
直接の指名があったわけではないしな。 「銀の網の冒険者」であることに間違いはないのだ。 問題を解決できれば胸を張ればよい……そして何事もなければ、それにこしたことはない。 |
■カラレナ To:アビィ&ALL |
そうですね。 湖を滑る遺跡……ほんとに見るのが楽しみです〜。 |