#146 眠れる街

3-3a 宿場町の公園広場

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宿場町の公園広場
一行は、宿場町の広場にやってきた。
昼下がりの広場は、あちこちに露天を出している商人や、走り回る子供達がいる。
買い物の時間帯とは外れているのか、あまり人は見かけない。
露天商も暇そうにしている様子が見て取れる。
ざっと見渡したところ、トベルコらしい人物は見当たらない。
■オルフェ To:アリエラ
思ったよりも人が少ないかな。
混雑していたら、それはそれで大変だけどね。

■アリエラ To:オルフェ
……トベルコさんらしい人、見当たりませんね〜。
その辺のお店で聞いてみましょうか?

きょろきょろとあたりをうかがっているアリエラに、近くにいた露天商の男が声をかけてきた。
■アクセサリー売り To:アリエラ
そこの可愛らしいお嬢さん。
どうだい、うちの品物を見て行ってくんないか?
あんたに似合いそうなモノが色々あるよ。
今なら1つたったの10ガメルだ!

■オルフェ To:アリエラ
よーし、まずはそこで話を聞いてみる事にしよう。
なんなら、ついでに少し見物でもしていくかい?
ギルドにいった二人は、時間もかかるだろうからね。
少々遅れても、お土産にそこの店でお菓子でも買っておけば文句は言われないさ。

そういって露店に近寄りつつ、さりげなくアリエラの視線をチェック。
気に入ったものがあれば、プレゼントしようと機会をうかがっているようだ。
■アリエラ To:オルフェ
それもそうですね。
ミァちゃんとリュントさんって、結構食いしん坊ですし、お土産は食べ物の方がいいですもんね。

と言いながらオルフェに続き、露店に近づく。
その目線の先は、小さな石のゆれるペンダント。
青い石のものと、碧の石のもの、2対になっているものに向けられている。
■アリエラ To:
(あれかわいい〜。ミリィちゃんとおそろいに出来るかな〜?)

■アクセサリー売り To:アリエラ
お、そのペンダントに目をつけたのかい。
なかなか趣味がいいねぇ。
これはエレミアの飾り職人が丹精込めて作った品物だよ。
残念ながら石にはそんなに価値が無いけどね。
でもどうだい、きらきらして綺麗だろう?
良かったら試しに身に付けてみるかい?

アクセサリー売りは、アリエラが視線を向けていた青い石と碧の石の対になっているペンダントを手にとって立ち上がった。
■アリエラ To:アクセサリー売り
え? いいんですか?

嬉しそうに碧の石のついたペンダントを受け取ると、掌の上にのせてじっくりと眺める。
そして、首にかけてみた。
■アリエラ To:オルフェ
これ、ミリィちゃんとおそろいにしたら、かわいいかな〜って思ったんです。
似合いますか?

■オルフェ To:アリエラ
ああ、よく似合ってるよ。気に入ったかい?
ミリィとお揃いにね……よし。

■オルフェ To:アクセサリー売り
じゃあ、これをセットで貰っていくよ。
それから、ついでと言ってはなんだけど、少し聞きたい事があるんだがいいかな。

銀貨を数え、代金を店主に渡す。
■アリエラ To:オルフェ
え? え? あの、じ、自分で払います。

その手には財布が握り締められている。
■オルフェ To:アリエラ
いや、いいんだ。私がプレゼントするよ。
二人に、日頃の感謝の意味も込めてね。
シチュエーション的に、ここで私が払う方が自然だろう?

わかるようなわからないような理屈を並べる。
理由はともあれ、プレゼントをしたという事実が重要らしい。
■アリエラ To:オルフェ
え? で、でも…。
じ、じゃあ、お言葉に甘えて。
ありがとうございます。
(しちゅえーしょん的にってどんなだろう?)

ワケのわからないうちに押し切られてしまった。
■アクセサリー売り To:オルフェ
毎度!
ああ、何でも聞いてくんな。

■アリエラ To:アクセサリー売り
そういえば、私たち、ちょっと人を探しているんですけど…。
ご存知ありませんか?
こんな人なんです。

似顔絵を見せる。
■オルフェ To:アクセサリー売り
たぶん落ち込んでいるか、疲れている様子だったんじゃないかと思うんだ。

■アクセサリー売り To:オルフェ&アリエラ
んー、そういやぁ。ちらっとだけ見たような気がする。
まだ店を出したばっかりのころだ。
確かにあんた方の言うとおり酷く沈んでいたように見えた。
ほれ、そこの野菜売りの屋台にぶつかってちょっと騒ぎになってたよ。
その後はどこに行ったかは知らないなぁ。
少なくともその後は見ていないね。

■アリエラ To:アクセサリー売り
そこの野菜を売ってるお店ですね。
ありがとうございます。

店を確認し、丁寧に頭を下げる。
■アリエラ To:オルフェ
野菜売りの人に、聞いてみましょうか?

■オルフェ To:アリエラ
勿論。
上手くいけば、ここでトベルコを見つけられるかも知れないね。

■オルフェ To:アクセサリー売り
ありがとう。
邪魔したね。

■アクセサリー売り To:オルフェ&アリエラ
毎度。
兄さん、うまくやんなよ。

買い物をする人も今は少ないのか、野菜売りは暇そうにしている。
その屋台には、山が半分ほどになった各種の野菜と、いくつかの果物が並べられている。
■アリエラ To:野菜売り
こんにちは。
えっと、このリンゴ3個と、オレンジ3個いただけますか?

トコトコと近づき、目に入った新鮮そうな果物を注文する。
■アリエラ To:野菜売り
あと、ちょっとお伺いしたいことがあるのですけど、いいですか?
私たち、こんな人を探しているのですが、ご存知ありませんか?
この屋台にぶつかってちょっとした騒ぎになっていたと、アクセサリー売りの人に聞いたのですが…。

似顔絵を見せながら尋ねる。
■野菜売り To:アリエラ
毎度!
あぁ、その男かい。
確か朝方、ふらふらとこの辺を歩いてて、うちの屋台にぶつかってな。
すこし売り物の山が崩れて大変だったさ。
なんか、そいつはかなり上の空だった見たいでなぁ。
こっちが何を言っても空返事ばっかりでね。
まあ、幸い売り物は傷物にはならずにすんだんでそのまま行かせたんだけど。
その後は……うーん、広場の奥のほうに行ってたみたいだね。

■アリエラ To:野菜売り
そうですか。ありがとうございます。
あ、オレンジとリンゴ、おいくらでしょうか?

代金を払って果物を受け取る。
■アリエラ To:オルフェ
じゃあ、広場の奥の方に行ってみましょうか?

野菜売りに言われたとおり、広場の奥に向かう。
■オルフェ To:アリエラ
さて、このあたりで一曲歌ってみるとしよう。
……勿論、ただの歌じゃない。『キュアリオスティ』という呪歌さ。
以前にも歌った事があるけど、覚えているかな?

■アリエラ To:オルフェ
確か…聞くと演奏者の姿が見たくてたまらなくなってしまう呪歌ですよね。
トベルコさんがうまくひっかかってくれるといいのですが…。

周りを見回し、トベルコらしき人影がいないかどうか確認しながら答える。
■オルフェ To:アリエラ
大丈夫。近くにいるなら、きっとトベルコもやってくると思うよ。
はじめるから、周囲を良く見ておいて。

■アリエラ To:オルフェ
わかりました。
私まで聞きほれて目的を忘れてしまわないように気をつけますね。

そういって歌い始めるが、あまり調子は良くないようだ。
しかたなく一旦演奏を止め、改めてもう一度最初から歌い始めた。

オルフェの歌声が広場中に響き渡った。
何人か、広場の奥からふらふらとこちらに歩いてくる姿がある。
顔が分かるところまで来たところで、その中の一人が似顔絵のトベルコにそっくりだと気がついた。
■アリエラ To:オルフェ
(相変わらずいい声〜♪ じゃなくて…)
あれ、もしかしてあの人…トベルコさん?
ちょっと近づいてみますね。

オルフェの歌声に釣られ、顔を見ては戻っていく人たちに紛れるように近づいていく。

トベルコらしき男は、オルフェの顔を見て呪歌の効果が切れてしまった後も、しばし呆然と立ち尽くしている。
■アリエラ To:トベルコ(?)
あの〜、すみません。
私たち、人を探しているのですが…、ちょっとお伺いしてもよろしいですか?

おずおずと声をかける。
■トベルコ(?) To:アリエラ
……!

アリエラのかけた声に我に返ったトベルコらしき男は、アリエラの方を振り返りもせずに、走ってその場から離れようとした。

■アリエラ To:トベルコ
あ、ま、待ってください。

そう言われて待つものはいない。
■アリエラ To:サンドマン
(し、しかたないなぁ)眠りを司る精霊サンドマンよ。このものに安らかなる眠りをもたらしたまえ。

アリエラはトベルコらしき男に向けて、渾身のスリープを放った。
魔法は効果を発揮し、トベルコらしき男はその場にゆっくりと崩れ落ちた。
■トベルコ(?) To:
……Zzzz。

■アリエラ To:トベルコ
ね、寝ちゃいました?
もしもし、しっかり寝ていますか〜?

トベルコの側に跪き、本当に寝ているかどうか確認する。
はたからみれば、イキナリ倒れてしまった人を心配しているように見えなくもない。
■オルフェ To:アリエラ
お見事。
魔法で眠らせたんだね?

演奏を中止したオルフェも近付いて来る。
■アリエラ To:オルフェ
どうしましょう?
とりあえず宿に連れて行きましょうか?

オルフェとアリエラの二人が眠ったトベルコをどうしようかと考えているところに、リュントとミァの二人が広場に到着した。
二人には、オルフェとアリエラが倒れた人を介抱しようとしている様に見える。
■リュント To:ALL
どうした!何が有ったんだ!?
まさかリーダーが見境無しに一般市民を襲って、のしちまったとか!?

明かな勘違い野郎に状況説明を。
■オルフェ To:リュント
ははは、私がそんな野蛮な事をする筈が無いじゃないか。

■リュント To:オルフェ
確かにする柄じゃないな(笑)

■ミァ To:リュント&オルフェ
んにんに。だいたい、そこの倒れてる人、男の人みたいですシネー。
これが女性だったら、また色々想像しちゃうところですケドー(=w=)

■アリエラ To:リュント&ミァ
え? ……あ、リュントさんとミァちゃん。
こちらの様子を見に来てくれたんですか?
実は…トベルコさんらしい人を見つけたんですけど、声をかけたら逃げられそうになっちゃって……。
……つい……『スリープ』で眠らせちゃったんです…。
この人、トベルコさん、ですよね?

リンゴとオレンジの頭がのぞく袋を脇によけながら、自信無さそうに説明する。
人相書きと改めて確認しても、間違いなくトベルコ本人の様である。
■ミァ To:アリエラ
うわーうわー! リエラっちすごーい! かっくいー(>▽<)

■リュント To:アリエラ
どうやら似顔絵通り、トベルコのようだな。
それにしても、よく魔法が掛かったな〜
修行の賜物だな(笑)

■アリエラ To:リュント
そうでしょうか…?
なんか、思いっきり頑張ってかけてギリギリかかったような感じだったんですけど…。
おかげで精神的にすっごく疲れちゃったので、今日は初歩の簡単な魔法をあと一回かけられるかどうかわかりません。
ですから、後でトベルコさんを起こすのは、リュントさんか、ミリィちゃんにお願いしますね。

■リュント To:アリエラ
それでも掛かるだけ凄いよ。
今回の仕事の勲一等かも知れないな。
でも解除出来るかな?
俺やミリィの魔力で?

■オルフェ To:リュント
ともかく丁度いい所に来てくれたね。
すまないけど、彼を運んでもらえるかな。
見ての通り、私は肉体労働向きじゃないからさ。

そういうと、さっさと宿屋に向かって歩いていく。
手伝う気はさっぱり無いらしい。
■リュント To:ALL
仕方が無い。
リーダーに担ぐ気が無さそうだから、俺が担いで宿に戻るとするか。

■アリエラ To:リュント
すみません、よろしくお願いします。

■ミァ To:リュント
にははは。広場に来て良かったでスネー。
謀ったかのようにリューちゃんにばっちりお仕事♪

■リュント To:ALL
ほんとにそうだな・・・
実はパーティー1の力持ちだったりして・・・
そんなくだらない事言っていないで、さっさと帰還するぞ!

自分で脱線しているのかしていないのか分からないが、とにかく宿へと戻って行く。
やがて、広場は元の賑やかさを取り戻した。

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GM:teshima