#146 眠れる街

2-2a 賢者の学院

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賢者の学院
今日の賢者の学院はいつもと変わって慌しい。
■アリエラ To:ALL
うわぁ……ずいぶん沢山の人がいるんですね〜。
それに、建物の中って、こんな風になっていたんですね〜。

田舎者丸出しでキョロキョロとあたりを見回している。
■ミリスレスカ To:アリエラ
やっぱり立派な造りですよね〜、威厳と風格を感じるっていうか……。
あ、でもラムリアースの魔法学院も、すっごく素敵なところだったんですよ?

■ミァ To:ミリスレスカ
へええー。一度見てみたいものでスー。
にしても「賢者の学院」と「魔法学院」じゃあ、随分イメージが変わるものでスネー。
なんだか魔法学院だとキャピキャピ☆みたいとゆーか、魔法少女とか出てきそおでスー。

■ミリスレスカ To:ミァ
それは、そうですよ〜。だって高学年になれば、みんな魔法を使えるんですよ?魔法少女だらけ、ですよ♪
それに、こちらだって学院寮はきっと、楽しいトコロなんだと思いますよ〜?
やっぱり学生の間と、卒業して見習いになったり冒険者になったりしてから行くと、ラムリアースの学院だって、雰囲気が違って感じられましたし♪

■ミァ To:ミリスレスカ
ほっほーう。寮なんて狭くるしーイメェジでしたけど、そーでもないんですかネー。
ミリィっち、なんだかご機嫌? ご機嫌?(・x・)

■ミリスレスカ To:ミァ
え〜、ご機嫌にみえますか〜? (≧∇≦)ノシ
でもでもお勉強、毎日宿題が出たりして大変でしたし、寮長さんも厳しかったし……。
あ、でもみんなで隠れてお菓子を持ち込んだり、もらっちゃったラブレターの見せ合いっこしちゃったり、好きな先生が誰かで盛り上がったり……。

そうとう楽しい学生生活を送れていたようで、どう見てもご機嫌だ。
■アリエラ To:ミリスレスカ
なんか、寮生活って楽しそうですね。
ミリィちゃんも寮に入っていたの?

■ミリスレスカ To:ミァ&アリエラ
ボク、10歳のときから、ず〜っと寮生だったんですよ?
だから抜け道とか、寮長さんのごまかしかたとかも、いろいろと詳しくなっちゃって……。
風邪が流行って休校になったときに、お部屋のみんなとこっそり抜け出して、お茶しに 行っちゃったりとか……えへへっ☆

■アリエラ To:ミリスレスカ
へぇ〜、いいなぁ、楽しそうで〜。
精霊使いにも、学校とかあればよかったのになぁ〜。

心底うらやましそうな声だ。
受付に到着すると、ニアリースが受付に何か話し、そのまま奥の応接室に通された。
■ニアリース To:ALL
しばらくこちらで待つようにとの事です。すぐに責任者のレイバック導師がきますので。

■アリエラ To:ニアリース
わかりました〜。
ところで、レイバック導師は責任者…ということは、何人かで研究していたんですよね?
どのくらいの人数で研究しているんですか?

■ニアリース To:アリエラ
私も含めて大体3〜4人くらいかしら。
学院もそこまで人手が足りているわけではありませんので、結構ぎりぎりなのですわ。

■ミリスレスカ To:ニアリース
ああ、やっぱりどこの学院も、そういうものなんですね……。
そういえば皆さんの中で、いちばん魔術に秀でている方は、どなただったんですか?

■ニアリース To:ミリレスカ
それが……私はご覧の通り魔術は使えませんし、他の方もまだ駆け出しの方ばかりでした。
なので、導師を除けばトベルコが一番の使い手でしたね。

■ミァ To:ニアリース
……意外とやるもんだったんでスネー、トベっちゃん。
自意識かじょーだったりしましター? 自分が2番手なんだーってゆー。

■ニアリース To:ミァ
……わたしの口からは言いづらいですが、あまり周囲との折り合いは良くなかったです。
今回も、研究チームの中で一人浮いていたような感はありましたし。

■ミリスレスカ To:ニアリース
そうですか……あ、それとレイバック導師のお使いになれる、魔術の上限についてなんですが……?

そう話しているうちに、部屋にレイバック導師がやってきた。
導師は初老くらいの年齢に見え、髪は半分白くなっている。
導師は、よく通る低い声で一行に語りかけた。
■レイバック To:ALL
今回は我々の依頼を受けてくれて非常に感謝している。
どうか宜しくお願いしたい。
早速だが、何か聞いておきたいことなどはあるかな?

■ミリスレスカ To:レイバック
はじめまして。ラムリアースの魔法学院で学んだ、ミリスレスカと申します。
いきなりで申し訳ないのですが……例の宝珠の行方の件、魔法的な調査は、進んでいるのでしょうか?
たとえば『ロケーション』による宝珠や、トベルコ氏の愛用されていた魔力の発動体の行方の探知、ですとか……。

■レイバック To:ミリレスカ
ほほう、君はラムリアースで学んだのかね。
私も昔しばらく滞在してたことがあるよ。
あの頃は、まだオーファンやファンドリアという国はなかったがね。
……おっと、事件の件だね。
『ロケーション』の結果だが、宝珠は西へ移動していることが分かった。
移動速度から見て、徒歩で移動しているとは思えるのだが……。どうやら、例の遺跡の方へは向かっていないようだ。
ローシーズ村はオランの北にあるからね。

■ミァ To:レイバック
ああミーはミァと言うのでスヨー。ま、色々まっかせなさーい(=▽=)ノ

でもって。えーと西? そっちに妙なモンがあるとか、何か心当たりありまスカー?
キリキリ答えてくだサーーイ!

■レイバック To:ミァ
北に行けばパダがあって、レックスがあるにはあるが……。
西の方にはエレミアへ続く街道があるくらいしか分からないね。
特に調査中の遺跡もないし、残念だが心当たりはない。

もっとも、単にオランから離れようとしているだけかもしれないが。

■ミリスレスカ To:ALL
エレミア……その先には「闇市」のあるロマールや、ファンドリアがありますね……。
宝珠を現金化するにしても……、ほかのものを売って研究資金を稼いだり、潜伏先を探したりするにしても、適した場所だと思います。
それとも……誰かと合流する、とか……?

おとがいに指をあて、小さく囁くように話ながら、なにやら考え込み始めたりしている。
■アリエラ To:レイバック
あ、私はアリエラと申します。
精霊使いです。
導師から見られて、トベルコさんはどんな方でしたか?
また、もしも持ち出した宝珠の研究をトベルコさんが完成させた場合、彼の立場はどう変わるのでしょうか?

それと…、宝珠を一つだけ持ち出してしまったことによる影響というのは、何かありそうですか?

■レイバック To:アリエラ
トベルコ君は……。もう少し人付き合いというものをうまくやってくれればねぇ。
プライドが高いのは悪くは無いんだが、なんと言うかかなりそれで損をしていた感じだよ。
これでも私の教え子ではあるし、あまり悪く言いたくは無いんだ。

仮に、彼独自の力で研究を完成したとしても、公式には発表できないだろうし、全く……あの年になって後先考えないのは困ったものだな。
戻ってきたら、それなりの懲罰は受けてもらわないとならないね。

宝珠はもともとセットになっていたわけではないみたいでね。
特に影響は見られないよ。

■ミァ To:レイバック
んーにー。
ますます、何したかったんだか訳わっからん盗みでスネー。
本気で後先考えてないっぽいのでスー。
あ。その宝珠、売っぱらうと高く売れそうでスカー?

■レイバック To:ミァ
正確にはいえないが、まあ好事家なら数千単位で買い取りそうだ。
彼らは、ただ魔法の品物というだけで高い値をつけるものだからね。

■アリエラ To:レイバック
あ、残された宝珠を見せていただくことはできますでしょうか?

■レイバック To:アリエラ&ALL
そうだね、現場を調べてもらえば何か手がかりが掴めるかもしれない。
私たちでは見落としているものがあるかもしれないからね。
では、案内しよう。
付いてきなさい。

そういって、レイバック導師は立ち上がって歩き始める。
研究室に案内してもらえるようだ。
■ミリスレスカ To:レイバック
ありがとうございます……それでは、よろしくお願いします。

一礼してから立ち上がり、ミリィもレイバック導師のあとを歩き出した。
学生だった頃の記憶が無意識に蘇っているのか、姿勢をただして、極力足音を忍ばせつつ、導師との距離を一定に保ちながらついていっている。
■アリエラ To:ALL
わぁ〜、賢者の学院の廊下って、こんな感じなんだ〜。
本の精霊とかがいてもおかしくなさそう…
あ、待ってくださいよう〜。

慌ててミリスレスカについていく。
が、建物内が珍しく未だキョロキョロしているので、置いていかれそうだ…。
■ミァ To:ALL
んーにーにー。
滅多にこない場所だから、こー、ワックワクしまスネー(=▽=)
あっちもおもしろそー、いやいやこっちもすてがたーく……!

キョロキョロ挙動不審はここにも1名。
■ミリスレスカ To:アリエラ&ミァ
……あれ? アリエラさ〜ん、ミァさ〜んっ! ヘンなところに入っていくと、怒られちゃいますよ〜?

■ミァ To:ミリスレスカ
はいはいはーい。判ってるのでスヨー!

・・・・・・・・・ちっ。

■ミリスレスカ To:ミァ
知りませんよ。あとでどんなヒドイ折檻が待っているか……先生達はほぼ全員、魔法使いなんですから。

げんなりした表情で、追いついてきたミァにひそひそ声で囁くミリィだった。
どうやら学生時代には、魔法がらみのそうとう「ヒドイ折檻」を受けた経験があるようだ。
■ミァ To:ミリスレスカ
ΣΣ( ̄□ ̄;

おっそろしー…!(ぶるぶる)
ところでミリィっちも、そんな体験がー?

■ミリスレスカ To:ミァ
ミァさん……聞きたいですかぁ? ねぇ……ほんとぉに、聞いてみたいですかぁ……?
うふっ……うふふふふふふ……♪

なにやら昏い目をしつつも、にこやかに微笑みながらぽそぽそと囁きを返すミリィ。
雰囲気的には「黒ミリィ」っぽかったりする。
■レイバック To:ALL
さあ、こっちだ。

階段を上ってしばらく歩くと、レイバック導師が立ち止まった。
部屋のドアは開け放たれたままになっている。
中には、多くの書棚、複数の机などが見える。
■レイバック To:ALL>ニアリース
ここが研究室だ。
あと、残りの二つの宝珠については、今別のところに置いてあるので、こちらにもってこさせよう。
ニアリース君、伝言を頼む。

■ニアリース To:レイバック
わかりました。
それでは行って参ります。

ニアリースはそう言うと、更に通路の奥へと歩いていった。
■ミァ To:ニアリース>レイバック
ニアニアっち、いってらーなのでスヨー。
でもってザ・研究室ー♪
探索となったらミーの出番でスネー!(手わきわき)

■レイバック To:ALL
どうぞ、中を存分に調べてくれたまえ。
些細な手がかりでも見つかれば、この後の捜査も楽になると思うからね。何せ私たちは専門家ではないし、それに今朝から遺跡にも人を派遣しているから、動ける人間が居なくてね。
殆ど何も調べていない状態なのだよ。

■ミリスレスカ To:ミァ&ALL
えっと……現場を荒らさないように、まずミァさんが調べてからのほうが、いいですよね?

■レイバック To:ALL
そのあたりは君たちに任せるよ。

■ミァ To:ALL
まー、ともあれまずは一番手、ミーいっきまーす!

ちゃっちゃかりー、と部屋を調べることしばし。
書き物机の下にあるくずかごを見つけたミァは、えいやと右手をつっこんだ。
■ミァ To:ALL
・・・・・・・・・!!!
うっしっし。なんかイイもの発見したっぽいでスヨー(^▽^)ノ◎
えーと、なになに?

「X日夜。オラン西門にて。
 NとFと合流すること。その後は街を出て西へ。
 エレミアにて今後を考える」

X日ってことは……つまり昨日の夜! 敵は西に有りなのでスー!!(びしぃ)

■ミリィ To:ミァ
ミァさん〜。もう入っても、大丈夫ですよね〜?
えっと……ちょっとそのメモ、見てみてもいいですか?

ミァの許可を得てから、ミリィは室内に入っていき、発見されたメモを受け取った。
そっとさすったり、明るいところにかざしたりしはじめる。
■ミリスレスカ To:ミァ&ALL
う〜んと……このメモ、たぶん3〜4日前に書かれてますね。
焦って書いたような様子も、なさそうですし……NとFって、名前の頭文字でしょうか?

インクの染み込み具合や乾き方、羊皮紙そのものの様子を調べ終えたミリィは、レイバック導師にメモを差し出した。
■ミリスレスカ To:レイバック
レイバック導師、この筆跡は、トベルコさんのものですか? それとも、誰か別の……?

■レイバック To:ミリレスカ
うん……これはトベルコ君の字だね。
間違いないな。

■ミァ To:ALL
てことは、トベっちゃんは計画的に盗んだってコトになりまスネー。
衝動的にふらふらぁっとなった訳では無くー。
さっきのストーカー魔法も西に行ったと指し示してたし、これはもう!ミーたちもさっさかエレミアに行けとゆー感じ?

■ミリスレスカ To:ミァ&ALL
あ。やっぱりミァさんも、そう思われますか?
メモは誤誘導用にワザと残しておいた、って考えることもできそうですケド……。

そう言いながら、トベルコが使っていたものとおぼしき机に近づくミリィ。
ミァが捜索している間、目線で室内を調べていたミリィが気になったのが、この机だった。
机の上は書類が乱雑に散らかされ、しかも、何かを慌ててかき集めたような跡もあった。
おそらく、トベルコが宝珠を取った後で、慌てて何通かの書類をかき集めて行ったのだろう。
■ミリスレスカ To:ミァ&ALL
『ロケーション』は誤魔化せないですし。
どうやら「計画的な犯行」で、「仲間と一緒にエレミアに逃げた」ってことで、間違いなさそうですねよ?
宝珠を調べて、そのあと、みんなと合流できしだい、すぐ西に向けて出発したほうが良さそうですね〜。


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GM:teshima