賢者の学院 |
今日の賢者の学院はいつもと変わって慌しい。
■アリエラ To:ALL |
うわぁ……ずいぶん沢山の人がいるんですね〜。 それに、建物の中って、こんな風になっていたんですね〜。 |
田舎者丸出しでキョロキョロとあたりを見回している。
■ミリスレスカ To:アリエラ |
やっぱり立派な造りですよね〜、威厳と風格を感じるっていうか……。 あ、でもラムリアースの魔法学院も、すっごく素敵なところだったんですよ? |
■ミァ To:ミリスレスカ |
へええー。一度見てみたいものでスー。 にしても「賢者の学院」と「魔法学院」じゃあ、随分イメージが変わるものでスネー。 なんだか魔法学院だとキャピキャピ☆みたいとゆーか、魔法少女とか出てきそおでスー。 |
■ミリスレスカ To:ミァ |
それは、そうですよ〜。だって高学年になれば、みんな魔法を使えるんですよ?魔法少女だらけ、ですよ♪ それに、こちらだって学院寮はきっと、楽しいトコロなんだと思いますよ〜? やっぱり学生の間と、卒業して見習いになったり冒険者になったりしてから行くと、ラムリアースの学院だって、雰囲気が違って感じられましたし♪ |
■ミァ To:ミリスレスカ |
ほっほーう。寮なんて狭くるしーイメェジでしたけど、そーでもないんですかネー。 ミリィっち、なんだかご機嫌? ご機嫌?(・x・) |
■ミリスレスカ To:ミァ |
え〜、ご機嫌にみえますか〜? (≧∇≦)ノシ でもでもお勉強、毎日宿題が出たりして大変でしたし、寮長さんも厳しかったし……。 あ、でもみんなで隠れてお菓子を持ち込んだり、もらっちゃったラブレターの見せ合いっこしちゃったり、好きな先生が誰かで盛り上がったり……。 |
そうとう楽しい学生生活を送れていたようで、どう見てもご機嫌だ。
■アリエラ To:ミリスレスカ |
なんか、寮生活って楽しそうですね。 ミリィちゃんも寮に入っていたの? |
■ミリスレスカ To:ミァ&アリエラ |
ボク、10歳のときから、ず〜っと寮生だったんですよ? だから抜け道とか、寮長さんのごまかしかたとかも、いろいろと詳しくなっちゃって……。 風邪が流行って休校になったときに、お部屋のみんなとこっそり抜け出して、お茶しに 行っちゃったりとか……えへへっ☆ |
■アリエラ To:ミリスレスカ |
へぇ〜、いいなぁ、楽しそうで〜。 精霊使いにも、学校とかあればよかったのになぁ〜。 |
心底うらやましそうな声だ。
受付に到着すると、ニアリースが受付に何か話し、そのまま奥の応接室に通された。
■ニアリース To:ALL |
しばらくこちらで待つようにとの事です。すぐに責任者のレイバック導師がきますので。 |
■アリエラ To:ニアリース |
わかりました〜。 ところで、レイバック導師は責任者…ということは、何人かで研究していたんですよね? どのくらいの人数で研究しているんですか? |
■ニアリース To:アリエラ |
私も含めて大体3〜4人くらいかしら。 学院もそこまで人手が足りているわけではありませんので、結構ぎりぎりなのですわ。 |
■ミリスレスカ To:ニアリース |
ああ、やっぱりどこの学院も、そういうものなんですね……。 そういえば皆さんの中で、いちばん魔術に秀でている方は、どなただったんですか? |
■ニアリース To:ミリレスカ |
それが……私はご覧の通り魔術は使えませんし、他の方もまだ駆け出しの方ばかりでした。 なので、導師を除けばトベルコが一番の使い手でしたね。 |
■ミァ To:ニアリース |
……意外とやるもんだったんでスネー、トベっちゃん。 自意識かじょーだったりしましター? 自分が2番手なんだーってゆー。 |
■ニアリース To:ミァ |
……わたしの口からは言いづらいですが、あまり周囲との折り合いは良くなかったです。 今回も、研究チームの中で一人浮いていたような感はありましたし。 |
■ミリスレスカ To:ニアリース |
そうですか……あ、それとレイバック導師のお使いになれる、魔術の上限についてなんですが……? |
そう話しているうちに、部屋にレイバック導師がやってきた。
導師は初老くらいの年齢に見え、髪は半分白くなっている。
導師は、よく通る低い声で一行に語りかけた。
■レイバック To:ALL |
今回は我々の依頼を受けてくれて非常に感謝している。 どうか宜しくお願いしたい。 早速だが、何か聞いておきたいことなどはあるかな? |
■ミリスレスカ To:レイバック |
はじめまして。ラムリアースの魔法学院で学んだ、ミリスレスカと申します。 いきなりで申し訳ないのですが……例の宝珠の行方の件、魔法的な調査は、進んでいるのでしょうか? たとえば『ロケーション』による宝珠や、トベルコ氏の愛用されていた魔力の発動体の行方の探知、ですとか……。 |
■レイバック To:ミリレスカ |
ほほう、君はラムリアースで学んだのかね。 私も昔しばらく滞在してたことがあるよ。 あの頃は、まだオーファンやファンドリアという国はなかったがね。 ……おっと、事件の件だね。 『ロケーション』の結果だが、宝珠は西へ移動していることが分かった。 移動速度から見て、徒歩で移動しているとは思えるのだが……。どうやら、例の遺跡の方へは向かっていないようだ。 ローシーズ村はオランの北にあるからね。 |
■ミァ To:レイバック |
ああミーはミァと言うのでスヨー。ま、色々まっかせなさーい(=▽=)ノ でもって。えーと西? そっちに妙なモンがあるとか、何か心当たりありまスカー? キリキリ答えてくだサーーイ! |
■レイバック To:ミァ |
北に行けばパダがあって、レックスがあるにはあるが……。 西の方にはエレミアへ続く街道があるくらいしか分からないね。 特に調査中の遺跡もないし、残念だが心当たりはない。 もっとも、単にオランから離れようとしているだけかもしれないが。 |
■ミリスレスカ To:ALL |
エレミア……その先には「闇市」のあるロマールや、ファンドリアがありますね……。 宝珠を現金化するにしても……、ほかのものを売って研究資金を稼いだり、潜伏先を探したりするにしても、適した場所だと思います。 それとも……誰かと合流する、とか……? |
おとがいに指をあて、小さく囁くように話ながら、なにやら考え込み始めたりしている。
■アリエラ To:レイバック |
あ、私はアリエラと申します。 精霊使いです。 導師から見られて、トベルコさんはどんな方でしたか? また、もしも持ち出した宝珠の研究をトベルコさんが完成させた場合、彼の立場はどう変わるのでしょうか? それと…、宝珠を一つだけ持ち出してしまったことによる影響というのは、何かありそうですか? |
■レイバック To:アリエラ |
トベルコ君は……。もう少し人付き合いというものをうまくやってくれればねぇ。 プライドが高いのは悪くは無いんだが、なんと言うかかなりそれで損をしていた感じだよ。 これでも私の教え子ではあるし、あまり悪く言いたくは無いんだ。 仮に、彼独自の力で研究を完成したとしても、公式には発表できないだろうし、全く……あの年になって後先考えないのは困ったものだな。 戻ってきたら、それなりの懲罰は受けてもらわないとならないね。 宝珠はもともとセットになっていたわけではないみたいでね。 特に影響は見られないよ。 |
■ミァ To:レイバック |
んーにー。 ますます、何したかったんだか訳わっからん盗みでスネー。 本気で後先考えてないっぽいのでスー。 あ。その宝珠、売っぱらうと高く売れそうでスカー? |
■レイバック To:ミァ |
正確にはいえないが、まあ好事家なら数千単位で買い取りそうだ。 彼らは、ただ魔法の品物というだけで高い値をつけるものだからね。 |
■アリエラ To:レイバック |
あ、残された宝珠を見せていただくことはできますでしょうか? |
■レイバック To:アリエラ&ALL |
そうだね、現場を調べてもらえば何か手がかりが掴めるかもしれない。 私たちでは見落としているものがあるかもしれないからね。 では、案内しよう。 付いてきなさい。 |
そういって、レイバック導師は立ち上がって歩き始める。
研究室に案内してもらえるようだ。
■ミリスレスカ To:レイバック |
ありがとうございます……それでは、よろしくお願いします。 |
一礼してから立ち上がり、ミリィもレイバック導師のあとを歩き出した。
学生だった頃の記憶が無意識に蘇っているのか、姿勢をただして、極力足音を忍ばせつつ、導師との距離を一定に保ちながらついていっている。
■アリエラ To:ALL |
わぁ〜、賢者の学院の廊下って、こんな感じなんだ〜。 本の精霊とかがいてもおかしくなさそう…あ、待ってくださいよう〜。 |
慌ててミリスレスカについていく。
が、建物内が珍しく未だキョロキョロしているので、置いていかれそうだ…。
■ミァ To:ALL |
んーにーにー。 滅多にこない場所だから、こー、ワックワクしまスネー(=▽=) あっちもおもしろそー、いやいやこっちもすてがたーく……! |
キョロキョロ挙動不審はここにも1名。
■ミリスレスカ To:アリエラ&ミァ |
……あれ? アリエラさ〜ん、ミァさ〜んっ! ヘンなところに入っていくと、怒られちゃいますよ〜? |
■ミァ To:ミリスレスカ |
はいはいはーい。判ってるのでスヨー! ・・・・・・・・・ちっ。 |
■ミリスレスカ To:ミァ |
知りませんよ。あとでどんなヒドイ折檻が待っているか……先生達はほぼ全員、魔法使いなんですから。 |
げんなりした表情で、追いついてきたミァにひそひそ声で囁くミリィだった。
どうやら学生時代には、魔法がらみのそうとう「ヒドイ折檻」を受けた経験があるようだ。
■ミァ To:ミリスレスカ |
ΣΣ( ̄□ ̄; おっそろしー…!(ぶるぶる) ところでミリィっちも、そんな体験がー? |
■ミリスレスカ To:ミァ |
ミァさん……聞きたいですかぁ? ねぇ……ほんとぉに、聞いてみたいですかぁ……? うふっ……うふふふふふふ……♪ |
なにやら昏い目をしつつも、にこやかに微笑みながらぽそぽそと囁きを返すミリィ。
雰囲気的には「黒ミリィ」っぽかったりする。
■レイバック To:ALL |
さあ、こっちだ。 |
階段を上ってしばらく歩くと、レイバック導師が立ち止まった。
部屋のドアは開け放たれたままになっている。
中には、多くの書棚、複数の机などが見える。
■レイバック To:ALL>ニアリース |
ここが研究室だ。 あと、残りの二つの宝珠については、今別のところに置いてあるので、こちらにもってこさせよう。 ニアリース君、伝言を頼む。 |
■ニアリース To:レイバック |
わかりました。 それでは行って参ります。 |
ニアリースはそう言うと、更に通路の奥へと歩いていった。
■ミァ To:ニアリース>レイバック |
ニアニアっち、いってらーなのでスヨー。 でもってザ・研究室ー♪ 探索となったらミーの出番でスネー!(手わきわき) |
■レイバック To:ALL |
どうぞ、中を存分に調べてくれたまえ。 些細な手がかりでも見つかれば、この後の捜査も楽になると思うからね。何せ私たちは専門家ではないし、それに今朝から遺跡にも人を派遣しているから、動ける人間が居なくてね。 殆ど何も調べていない状態なのだよ。 |
■ミリスレスカ To:ミァ&ALL |
えっと……現場を荒らさないように、まずミァさんが調べてからのほうが、いいですよね? |
■レイバック To:ALL |
そのあたりは君たちに任せるよ。 |
■ミァ To:ALL |
まー、ともあれまずは一番手、ミーいっきまーす! |
ちゃっちゃかりー、と部屋を調べることしばし。
書き物机の下にあるくずかごを見つけたミァは、えいやと右手をつっこんだ。
■ミァ To:ALL |
・・・・・・・・・!!! うっしっし。なんかイイもの発見したっぽいでスヨー(^▽^)ノ◎ えーと、なになに? 「X日夜。オラン西門にて。 NとFと合流すること。その後は街を出て西へ。 エレミアにて今後を考える」 X日ってことは……つまり昨日の夜! 敵は西に有りなのでスー!!(びしぃ) |
■ミリィ To:ミァ |
ミァさん〜。もう入っても、大丈夫ですよね〜? えっと……ちょっとそのメモ、見てみてもいいですか? |
ミァの許可を得てから、ミリィは室内に入っていき、発見されたメモを受け取った。
そっとさすったり、明るいところにかざしたりしはじめる。
■ミリスレスカ To:ミァ&ALL |
う〜んと……このメモ、たぶん3〜4日前に書かれてますね。 焦って書いたような様子も、なさそうですし……NとFって、名前の頭文字でしょうか? |
インクの染み込み具合や乾き方、羊皮紙そのものの様子を調べ終えたミリィは、レイバック導師にメモを差し出した。
■ミリスレスカ To:レイバック |
レイバック導師、この筆跡は、トベルコさんのものですか? それとも、誰か別の……? |
■レイバック To:ミリレスカ |
うん……これはトベルコ君の字だね。 間違いないな。 |
■ミァ To:ALL |
てことは、トベっちゃんは計画的に盗んだってコトになりまスネー。 衝動的にふらふらぁっとなった訳では無くー。 さっきのストーカー魔法も西に行ったと指し示してたし、これはもう!ミーたちもさっさかエレミアに行けとゆー感じ? |
■ミリスレスカ To:ミァ&ALL |
あ。やっぱりミァさんも、そう思われますか? メモは誤誘導用にワザと残しておいた、って考えることもできそうですケド……。 |
そう言いながら、トベルコが使っていたものとおぼしき机に近づくミリィ。
ミァが捜索している間、目線で室内を調べていたミリィが気になったのが、この机だった。
机の上は書類が乱雑に散らかされ、しかも、何かを慌ててかき集めたような跡もあった。
おそらく、トベルコが宝珠を取った後で、慌てて何通かの書類をかき集めて行ったのだろう。
■ミリスレスカ To:ミァ&ALL |
『ロケーション』は誤魔化せないですし。 どうやら「計画的な犯行」で、「仲間と一緒にエレミアに逃げた」ってことで、間違いなさそうですねよ? 宝珠を調べて、そのあと、みんなと合流できしだい、すぐ西に向けて出発したほうが良さそうですね〜。 |