#140 灰色の紋章

プロローグ

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オラン・ハザード河沿いのとある倉庫
月明かりの無い夜の、まっとうな人々はとうに寝静まった時刻。
ここはハザード河沿いの倉庫街のとある倉庫。
かすかな音と共にランタンのシャッターから灯りが漏れ、当たりを照らす。
目の前には沢山の麻袋が積み上げられている。
黒い身動きしやすそうな衣装に身を包んだ人物 − ぼんやりと浮かんだ体の線から女性とわかる − が呟く。
■女性 To:
これね……

先端を斜めに切った細い竹筒を懐から取り出し、麻袋に突き刺してすぐに抜いた。
竹筒には何やら粉末状の物が詰まっている。
女性はその粉末を少し指に取り、検分するかのように舐めた。
■女性 To:
やはりこの倉庫だったのね。間違いないわ。
早く報告しなくちゃ……。

その時、女性の背後に突如気配が現れた。
まるで透明人間のように突如現れた人影は、短剣を女性の喉元に突きつけ言った。
■人影 To:
……今すぐ死ぬか、情報を洗いざらい話して死ぬか決めろ。

女性は観念したかのように答えた。
■女性 To:
あーあ。油断しちゃった。でも、あたしが簡単に情報を吐くと思う?
まあ、ここは捕まっておくわ。すぐに”仲間”が助けに来てくれるだろうから。

■人影 To:
ふん……まあいい。ついてこい……

そのまま二人は夜の闇へ消えていった……。

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GM:teshima