売人たちのアジト |
戦闘は、冒険者達の優位のまま一方的に終了した。
売人のジョーとチンピラD以外のチンピラは気絶している。
マスターとチンピラDは戦意を喪失し、命乞いを始めている。
■マスター To:ALL |
なあ、薬はあるだけやるから命だけは助けてくれよ……。 な、なあ、この通りだ。許してくれ……。 |
ギャルムは気絶していないメンツの両手を後ろ手に縛っていく。
■リフィル To:ギャルム、ALL(マスター以外) |
お疲れです。 良いタイミングでしたよ (ギャルムを見ながら) それにしても、手際が良いですね。慣れてますね。 |
■ギャルム To:リフィル |
まぁ、そりゃ、な。(笑) 敵を生け捕ったらまずふんじばらないと、オレは安心できないんだよ(笑) |
ギャルムはマスターに向き直って、
■ギャルム To:マスター |
さてと、助かるかどうかは、お前達の態度次第だな。 |
■マスター To:ALL |
俺は知ってることは何でも喋るからさぁ。 頼むよ殺さないでくれよ……。 |
■ジン To:マスター |
薬に興味はない。俺達がやっているのは人探しさ。 探しているのはギルドのカトリーという女だ。 3日ほど前から行方不明になっている。 ちょうど、お前達の内偵を進めている時にだ。 さっき俺達に尋問していたなかで、「ギルドの女」と言っていただろ? その女、今はどこにいる。 |
■ギャルム |
(ジンの奴、妙に交渉慣れしているというか、板についてるな。(汗) オレの知ってるエルフとはだいぶ違うぜ) |
ギャルムは感心して成り行きを見守っている。
■リフィル To:マスター |
あとは、この人(ジョー)達の素性です、何処まで知ってます? それに、どう言った経緯で、薬の売買の窓口役を引き受けたんです? |
■マスター To:ALL |
そいつから接触してきたんだよ。薬を卸すから店で売ってくれって。 俺も小銭稼ぎになると思ったから手伝ったんだ。 ばれなきゃ何とでもなると思ったんだ……。 売上金は全部渡すから、制裁だけは勘弁してくれよ……。 あと、女は確かに俺の店に来た。 そいつらが捕まえたとは聞いたが……その後は知らない。 大体、そいつが暗黒司祭だったってことも知らなかったんだよ! |
マスターは冒険者達のことをギルドの制裁部隊と勘違いしているらしい。
その狼狽ぶりは見ていて哀れみを誘うくらい酷い。
何とか、命を助けて貰おうと必死なようだ。
■スカンピン To:マスター |
この暗黒司祭以外にほかのヤツはいるのか?カトリーもいないことを見ると、ここにいる人間だけとは思えないが。 |
■マスター To:ALL |
俺は知らない。でもおそらくいるはずだ。 オランにいるのは、これで全部で、俺が知ってるのはこいつらだけだ。 |
■ウェイン To:スカンピン |
こいつらのアジトは別にある…か まあ、せっかくいるんだし直接聞けばいいか。 |
■ジン To:マスター |
ただの仲介屋というわけか・・・ じゃあ、このマーファの紋章の意味もわからんのか? |
■マスター To:ALL |
ああ、それはジョーの奴じゃないと分からない。 なんせ、俺は殆どここに来ないからな。 |
■ギャルム To:ALL |
(しょうがねーな、こいつ。制裁云々はオレの知ったことじゃないが) じゃあ、カトリーについては、ジョーに聞かないとダメってことか。 仕方ないなぁ、起こすか。 |
■ジン To:ギャルム |
気をつけてくれ、暗黒司祭ならば両手を縛ってても術を使うからな。 |
■ギャルム To:ジン |
ああ。もし抵抗してきたらその場でタコ殴りだな(笑) |
ギャルムはジョーに応急手当を(嫌々)施し、意識を回復させる。
念のため、床に座らせた状態で、背中から左手で首を羽交い締めにした状態を保つ。
■ジョー To:ALL |
うぅ……。 |
ジョーは意識を取り戻したようだ。
冒険者たちの姿を見て、少し怯んでいるようである。
■ギャルム To:ジョー |
おはようさん。さっそくだけどのんびりしてる時間もない。 さっさと質問に答えてもらうぞ。 |
油断なく首を喋れる程度まで締めながら。
■ギャルム To:ジョー |
まず、お前らが捕まえたカトリーという女の居場所。 彼女は無事なのかどうか。 それから、お前たちの組織の目的と本拠地だ。 マーファの紋章を利用し、中身は闇司祭…そして怪しげな麻薬を売っているというなら、ろくな目的じゃないんだろうけどな。 |
■ジョー To:ALL |
あの女ならもうボスのところに送られてる。今のところ生きてはいるはずだ。 ただ、ボスは儀式にでも使うつもりだろうから、早くしないと死ぬかもしれない。 |
■ギャルム To:ジョー |
儀式ぃ? …生け贄ってやつか!? 何の儀式だよ? 悪魔でも呼び出そうってのか? |
そういうイメージしかないらしい。
■ジョー To:ALL |
まあ、闇司祭がやることと言ったら暗黒神への生贄だな。 その辺は、ご想像通りだよ。 俺は、殺すなんて勿体ないとは思ったんだがなぁ……。 |
さらりと言ってのけるジョー。
彼も間違いなく暗黒神の教義に忠実なようである。
■ギャルム To:ジョー |
なんだと? |
■ミレイア To:ジョー |
そ、そんな……。酷いわ……。 |
そう言って真っ青な表情になる。かなり衝撃を受けているようだ。
■ギャルム To:ジョー>ミレイア |
…けっ。勝手に言ってろ。てめぇにだっていずれ死は訪れるんだぜ。 さぞ惨い死に方をするだろうよ。 (ギルドがやらないなら、オレがやってやるさ) ミレイア! 気にするな。こいつの言うとおりにはならないよ。 |
■ジョー To:ALL |
あと、俺らの目的はオランへの破壊工作だ。 あの麻薬には洗脳効果があってな。常用者は特定の音に反応し、その音を聞いた後に聞いたことを実行する。 ある程度麻薬が広まったところで、俺らが動く予定だった。 命令はこうだ。 「金持ちを殺して、金を奪え」 ってな。そうしてオランを混乱させるように指示された。 小銭も稼げるし、気楽なものだったんだがな。 俺たちの本拠地は、この街から河を二日ばかり上ったところにある、ボートン村だ。 そこのマーファ司祭の家族を人質にして司祭を操って、村の人間に麻薬を栽培させている。 だから、その袋は本物というわけさ。 ボスたちは、村はずれの小屋にいるはずだ。 あと、ボスの配下の闇エルフと、俺みたいな下っ端が2人ほどいる。 さあ、俺の知ってることはこれで全部だぜ。 殺すなり、官憲に突き出すなり好きにしな。 |
■リフィル To:ジョー |
なる程、見事な計画です。 でも、疑問点が二つありますね 1点目、オランの混乱に乗じて事を起こす割りには、あなた達の人数が少なすぎませんか? 2点目、音を聞いて反応するなら、あなた達も無事とは言えないんじゃないですか? とりあえず、人数相手は自分達の管轄では有りませんから、音対策とその方法を教えて貰いましょうか? |
■ジョー To:リフィル |
実はな、まだ俺たちも行動を始めたばっかりなんだよ……。 人数はこれから増やしていくつもりだったからな。 それに、まだ麻薬の酷い常習者でもならない限り音には反応しないよ。 半年くらいの長期計画だったんだ……。 なので、今の状態で麻薬が供給されなくなると、自然に元に戻るはず……だ。 それに、俺らはどう見ても金持ちには見えないだろ? ボスの計画じゃ、高級住宅街に暴徒が向かうはずだったらしいがな。 |
■ギャルム To:ジョー |
家族を人質とはな…心底腐った連中らしいな。ボートン村か… その村の連中は、麻薬だとは知らずに栽培しているのか? それから、その人質…マーファ司祭の家族ってのはボスのところにいるのか? カトリーもそこにいるんだな? |
忌々しそうな表情で尋ねる。
■ジョー To:ギャルム |
ああ……。 勿論村の連中は何も知らない。マーファ司祭に、 「オランで高く売れる作物」 だと、言わせて作らせてるからな。 村人達も、現金収入が出来て逆に嬉しがってたみたいだ。 司祭の家族もカトリーとか言う女も、ボスの隠れ家に閉じこめているはずだな。 |
■ギャルム To:ジョー |
なるほど。 じゃ、ボスと闇エルフの名前を教えてもらおうか。それとだいたいの風貌も。 人違いがあったら困るからな(笑) |
■ジョー To:ギャルム |
ボスは、ソルドーという名前だ。闇エルフの名前は知らない。 いつも、"黒狼"って呼ばれてたな。 ソルドーは30半ば位の小柄で痩せた男だ。 闇エルフは、右の耳が半分切れているのが目立ってたかな。 |
■ギャルム To:独白>ALL |
なーにが“黒狼”だ。かっこつけやがって…。 あ、ボートン村ってのはハザード河を二日さかのぼったところにある小さな村だよ。マーファの礼拝所もある…確かにな。 何だか、やっかいなことになってきたよなぁ。 |
■ウェイン To:ALL |
確かに、村ぐるみの麻薬栽培に何かの儀式、話がでかくなったきたなぁ。 |
■ミレイア To:独り言>ALL |
姉さん……。 皆さん……厚かましいとは思いますが、姉さんの救出を手伝ってもらえますか? もしかすると、もう殺されているかもしれませんが……。 それでも、最後の望みに掛けたいと思います。 どうか、よろしくお願いします。 |
■ギャルム To:ミレイア |
…馬鹿だな、殺されてるかもしれないなんて言うなよ。 オレは死体を助ける趣味はないからな。 この目で真実を確かめるまで、諦めちゃダメだ。 |
■ミレイア To:ギャルム |
……ありがとうございます。 |
■ジン To:ALL>ジョー |
少々素直に喋りすぎるきらいはあるが、ボートン村に何かあると見てまず間違いだろう。 早速ウェドラーに報告して、明日一番にボートン村に向かおうじゃないか。 ジョー。君には村全体の見取り図と村はずれの小屋の場所を書いてもらいたい。 君から得た情報に嘘が無ければ、ボスとやらには君の事は黙っていることを約束しよう。 なんなら、君は死んだという事にしてもいい。 |
■ジョー To:ジン |
あ、あぁ……分かった。命を助けてくれるなら何でもするさ。 俺が知ってる範囲で地図を書くからちょっと待ってくれ。 紙とペンを貸してくれ。 |
そう言って、冒険者からペンと紙を借りると地図を書き始めた。
■リフィル To:ジョー |
あと、参考までに聞きますが 合い言葉とかありますか?、出来れば無用な戦闘は避けたいモノで… |
■ジョー To:リフィル>ALL |
いや、悪いがそう言うのは無いな。 ほら、これがボートン村の地図だ。 ボス達は、森の奥にある洞窟をアジトにしてる。 マーファ司祭に言って、村人を森の奥に入らせないようにしているからな。 村人も気付いちゃいないみたいだ。 |
■ギャルム To:ALL |
ふん…村人が近づかないってのは好都合だな。 何とか騒ぎが大きくなる前にカタをつけないとな…。 |