07a サーカス大天幕、満月の夜
市場で会った少年から、ひと山のでこぼこトマトを分けてもらった一行は、急いで西門広場まで戻ってきた。
すでにショウの片付けは終わっているようで、サーカス大天幕の周りでは、団員達の夕飯を取る焚き火が点々と灯っている。
突然聞こえる女性の悲鳴!
大天幕の中から、昼間話した踊り子レンティが、転がるように飛び出してきた。
■キルリック To:ALL |
一足遅かったのしょうか? |
でこぼこトマトを体に塗りつつ、レンティの元へ駆けつけた。
■リエラ To:キルリック&ALL |
間に合うと良いのですが…。 |
同じくでこぼこトマトを体に塗りつけつつ、走る。
■ミァ To:ALL |
なぁに! ミーたちには強運の加護がありますッテー、きっと(・▽・)9 ・・・・んに、にしてもトマト。 塗るんじゃなくて食べたかったでスネー。 |
未練たっぷりの眼差しでトマトを塗りつつ、2人の後に続く。
■ミリスレスカ To:ALL |
うえぇ、べたべたしますぅ……。 |
■オルフェ To:ミァ |
仕事が終わったら、おやじさんに料理してもらって好きなだけ食べればいいさ。 |
■ミァ To:オルフェ |
Σ(=▽=)♪(ぱぁぁぁああ) ・・・・・くっくっく、そうとなったらヤル気がパワーアップなのでスヨー! |
■キルリック To:レンティー |
どうしましたか? |
■リエラ To:レンティー |
何か怖いものでも見たのですか? |
大天幕の方を警戒しながら、話しかける。
■ミァ To:レンティー |
ミーたちがなんとか出来るかもしれないから、キリキリ一部始終を吐くといーのでスヨー! |
肩で息をしていたレンティがはっとして顔を上げる。
一瞬の沈黙後。
■レンティ |
ぎいやあぁぁぁ! |
腰を抜かしたようにへたり込んで、震える手で一行を指差すレンティ。
あらためて自分達を良く見ると、トマトの汁が血のように滴り落ちている。
■オルフェ To:レンティ |
おっと、これは失礼。 |
■ミァ To:レンティ&ALL |
気がつけばミーたちの方がホラーでしたネー(てへ) |
■レンティ To:ALL |
あ・・・れ? あんた達昼間の? なんて紛らわしい格好してんのよ!! じゃあなに、さっきのあんた達の仲間!? あたし達のステージでなにやってるのよ!もう! |
■リエラ To:レンティー |
あ、驚かしちゃってごめんなさい。 …ということは、トマトを体に塗った人がサーカスのステージに出てきたってことですか? ”死なない男”さんに何かあったわけではないのですね? |
■レンティ To:リエラ、ALL |
ええ。全身血まみれの男が、虚空に向かってなんかぶつぶつ言ってたみたいに見えたけど。 ”死なない男”は見てないわよ |
■オルフェ To:レンティ |
状況はよくわからないけど、我々の仲間はここにいるだけだよ。 レンティの言っているのは、私達とは関係ない。ま、同業者かも知れないけどね。 この状態を簡単に説明すると、"死なない男"は特殊な伝染病にかかっているようなんだ。 それに感染しないようにする為の予防さ。 ……うん、とりあえず君は大丈夫なようだね。よかったよ。 念のため、これを塗っておくといい。 |
レンティにでこぼこトマトを渡す。
苦笑しながらそれを受け取るレンティ
■ミァ To:独り言 |
・・・・・・・(・x・) さぁっすがリィダァ、トマトを滴らせながらも冷静な対応でスー。 |
■オルフェ To:ALL |
ともかく、ステージの様子を見に行くとしようか。 |
■ミリスレスカ To:ALL |
そうですね、”死なない男”さんの症状が、あれから進んでいないといいんですけど……。 |
■ミァ To:ALL |
あんだけ禿ちゃびんになってたから、危険度半々ってとこですかネー。 まあ、行ってみれば判りまスー! |