02a 西門広場、朝
明朝、銀の網亭を出て、そのまま西門広場にやってきた一行。
広場の一角に、巨大な天幕が張られている。
その周囲に、いくつかの焚き火が見える。
どうやら朝食の煮炊きをしているようだ。
■ミリスレスカ To:ALL |
……さらわれそうになっても、とりあえず手加減とかしとかないと、ダメですよね? |
腰から下げたおニューのヘビー・メイスを、確認するようにさわりながらつぶやく。
ちなみに、握り拳2コ分は優にある鉄球に放射状にトゲを生やした、剣呑きわまりないモルゲンステイン系だったりする。
■リエラ To:ミリィ |
ミ、ミリィちゃん……? 今からお仕事の依頼人に会いに行くんだよ? 悪い人の所に殴りこみに行くんじゃないから、武器はしまっておいた方がいいんじゃない? じゃないと、「営業妨害」をしている人たちの仲間に間違われて、お仕事受けられなくなっちゃうよ? |
いつもと違うミリィに戸惑いながらも、おずおずと声をかける。
■キルリック To:ミリィ&ALL |
リエラの言うとおりです。 大丈夫ですから、とりあえず、少し落ち着いて下さい(苦笑) |
■オルフェ To:ミリスレスカ |
大丈夫。冒険者を6人も、誰がまとめてさらえるんだい? それに万が一、突然私達から連絡が途切れたら、きっとおやじさんが探してくれるよ。 私達が今朝ここに来ている事を、おやじさんは知ってるんだからね。 |
■ミァ To:ミリィ |
ミリィっち、朝ご飯の量が少なかったんじゃないでスカー? 不安定気分な朝は、ほっとする甘いホットミルクが吉でスヨー(・x・) |
一応、ぐららんなりの気の使い方…らしい。
■ミァ To:ALL |
にしても巨大な天幕でスネー。 こう、近くで見ると迫力もひとしおでスー。 |
■オルフェ To:ミァ |
たしかに大きいね。 これだと何人くらい人が入れるんだろう。 |
■スカンピン To:オルフェ |
そうじゃな。さらった商品を隠しておくには十分なひろさじゃのぉ。 |
それはちがうって(^^;
■ミリスレスカ To:スカンピン |
え゛。 や、やっぱりさらうんですね……? それで、かわいいケド露出度が高い服に着替えさせられて、ほかの女の子たちと一緒に……(ぶつぶつ) |
またしても昏くて遠い目になって、ヘビー・メイスに手を……。
■キルリック To:スカンピン&ALL |
何気に、ミァが二人になったような感覚に襲われるのは私だけでしょうか? |
■オルフェ To:キルリック |
ははは、私はだんだん慣れてきたよ。 |
■キルリック To:オルフェ |
私も、微妙に慣れてはきているのですが、そんな自分に複雑な感じですよ(苦笑) |
■ミァ To:キルリック |
キーちゃん、人間素直にならなきゃー駄目でスヨー。 さっさかりーとイロイロ認めて、染まっちまいなサーーーイ(>▽<)ノ |
■キルリック To:ミァ |
何を認めるかわかりませんが、確実に染められている気はしますよ・・・ |
■スカンピン To:ALL |
ほかの皆は随分前から一緒に組んでいるようじゃな。さぞ賑やかなんじゃろうて。 |
フォッフォッフォとかいって笑っている。
■ミァ To:スカンピン |
んに、オランでの初仕事から一緒なのでスヨー♪ よく周りからは『漫才のようだ』って褒められまスー(えへん) |
■キルリック To:ミァ&スカンピン |
褒めていないと思いますよ・・・たぶん。 賑やかと言えば聞こえは良いですが、周りの方に多大な迷惑をかけていないかが心配ですよ。 |
そうこう話しているうちに、焚き火の輪から抜け出してきた男が一行に話しかけてきた。
■男 To:ALL |
えーと、お客さんかな?こんな早くから並ばなくても、席ならちゃんと座れると思うよ? いい席は大体お金持ちの人に抑えられてるから、あんまし並ぶ意味ないんだよね(^^; |
■ミァ To:男 |
Σ ほっほほーう! そーだったのですネー。 サァカスの裏事情発覚ー、でスー(=▽=) |
■スカンピン To:男 |
わしゃ貧乏じゃから心配は無用じゃ。 |
■オルフェ To:男 |
ああいや、客じゃないんだ。 私達は銀の網亭からきた冒険者なんだけど、団長さんはいるかな? |
■男 To:団長 |
銀の網亭・・・ああ、あの張り紙したやつか。 えーと、団長は・・・ あ、団長〜!銀の網亭からお客さんです! |
焚き火の輪の中から髭の男が立ち上がり、一行に近づいてくる。
■髭の男 To:ALL |
銀の網亭というと、見廻りの仕事を募集した件ですかな? 申し遅れたが、私がこのサーカスを取りまとめている”千の牙”という者です。 |
■ミァ |
・・・・・千の牙? 千本も牙があるんですかネー(’’ とゆーか本名を名乗らず敢えてこーゆー名乗りをする辺り、…カッコツケーマン(・x・)? |
ミァに向かって拳を振り下ろした後に・・・
■ミァ To:キルリック |
Σふぎゃ!(×o×) ・・・・ちょっとした素朴で無邪気ぃな、ぐららんテイストの感想でしたのニー。 |
たんこぶをさすりながら、ペロッと舌を出して悪びれずに言う。
■キルリック To:ミァ&千の牙 |
その一言が、ミァらしさですが、余計な一言です。 いつもこんな感じなので、ミァの言う事は気にしないで下さい。 |
■団長”千の牙” To:キルリック、ALL |
はあ・・・まあ・・・ |
■オルフェ To:ミァ&千の牙 |
芸を生業にして生きていくなら、本名よりも芸名が馴染み深くなることもよくある話さ。 ……すみませんね。なにぶん彼女は、考えるより先に口と手が動く性質なんですよ。 名乗るのが遅れました。私がこのパーティのリーダー、オルフェです。 |
■ミァ To:オルフェ&千の牙 |
ほうほう。とゆーことはリィダァも何か二つ名が・・・・ って、考えて見れば『リィダァ』がある意味二つ名ですかネー(^▽^) あ! ミーはミァって言いまスー。 『ミー』はミー自身の呼び方ですから、あくまでミァなのでスヨー!(びっ) |
■団長”千の牙” To:オルフェ>ALL |
ああ、よろしく。 それで・・・見廻り募集の張り紙を見て来たんだね? |
■リエラ To:団長 |
はい、そうです。その見廻りのお仕事です。 何でも不審者がいるとか…。 あ、私は、アリエラと申します。どうぞ、リエラとおよびください。 |
■団長”千の牙” To:リエラ、ALL |
うむ。私が直接見たわけではないので、なんとも言えんがね。 1週間ほど前から、天幕周辺で大きな音を立てたり、物を壊したり、何かを燃やしたりする奴がいるようだ。 広場近隣住民から騒音の苦情がきているので、その嫌がらせかもしれんがね。 とにかく、その犯人を捕まえて欲しいんだ。 |
■ミァ To:団長 |
騒音の苦情が来ても、目下無視してるんですかネー(・x・)? ところでその、壊された物とか燃やされたモノって、何だったのでスカー? 高価なもん? そりとも、取るに足らないモンが対象? |
■団長”千の牙” To:ミァ、ALL |
我々はオラン王から許可を得てこの広場を使わせてもらっているんだから、苦情はそちらに言って欲しいものだな。 まあ一応、近隣の人にはサーカスに無料で招待するなどの便宜は図っているがね。 被害は洗濯物やほうき、桶とかかな。 まあ、周りにあるもの無差別にという感じだろうな。 |
■キルリック To:団長 |
一週間、毎日何かがあるのですか? |
■団長”千の牙” To:キルリック、ALL |
いや、何も無い日もあるようだ。 この1週間で3,4日といったところかな |
■キルリック To:千の牙 |
気が向いた時に、できる事を、って感じですね。 |
■ミリスレスカ To:団長 |
でも、ずいぶん執拗ないやがらせ、ですね。 あ、ボクはミリスレスカと申します。”千の牙” さま、はじめまして。 |
おずおずとしていたが、ぺこりと頭を下げて挨拶してから質問を始める。
■団長”千の牙” To:ミリスレスカ、ALL |
ああ、今は被害がその程度で済んでいるが、今後のことが心配でね。 それで見廻りの募集したんだ。 |
■ミリスレスカ To:団長 |
近隣の方以外に、いやがらせしてきそうな相手に心当たりはありませんか? この場所の使用権を巡って、いさかいがあったとか。 過去に他の土地で、なにかトラブルがあったとか……たとえば…… |
事件に興味がわいてきたおかげで、過去の恐怖も少しずつ和らいできて……。
■団長”千の牙” To:ミリスレスカ、ALL |
我々はオランに来て一月と経っていないからね。 誰にうらみを買うかは、ちょっと検討がつかんな・・・ |
■ミリスレスカ To:団長 |
たとえば、その……ひ と さ ら い |
和らいできて、ないかも(笑)
■団長”千の牙” To:ミリスレスカ |
ん?ひと・・・なんだね? |
よく聞こえなかったようだ
■オルフェ To:ミリスレスカ |
ミリィ、大丈夫だよ。 なにかあれば、私がみんなを守るとファリスに誓おう。 |