| 精霊を見た者は | Scenario #134 |
| 籠の鳥 |
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| ディックリッター家 ディナの部屋 |
| ■ヴィタリ To:リック&ディナ |
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それでだ。今までのいたずらは彼の仕業だった訳なんだが、それはディナのお願い事を叶えたいという思いからなんだよ。 わたし個人としてはレプラコーンをどうこうするより、キミたちのご両親を説得させた方が今後の為にもいいと思うんだが・・・。 |
| ■マーキュリー To:ディナ、リック |
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初めて見たから、さぞビックリしたでしょう・・。 僕たちが頼み込んで姿を見せてもらったけど、逆効果だったかもしれませんね・・ でも、ヴィタリの言った通りなんです。 このレプラコーンが騒ぎを起こしていた張本人なんですけど、ホントの原因は他にあったんです。 根本的な原因はご両親の偏った態度なんです。 僕たちが請け負ったのは『ご両親の護衛・原因の追究・原因の排除』なんですが、仮に僕たちが命がけで“彼を排除”したとしても原因の排除にはならないと思う んです。 ご両親の偏った態度がディナさんを悲しませ、ディナさんの願いを聞いたレプラコーンが騒ぎを起こした・・ ご両親がリックさんへの態度や考え方を改めなければ、リックさんを慕っているディナさんの悲しみは無くならないんです。 世の中にはまだまだいろんな精霊も妖精もいますから、彼が騒ぎを起こさなくなったとしても、ディナさんの悲しみがなくならなければいつか他の精霊とか別の何 かがやってくることも有り得ると思います。 現に僕やヴィタリはディナさんの悲しみをなくすために行動しようとしています。これも一つの例えですよね? レプラコーンは彼のいたずら好きの性格にしたがって行動しました。僕たちから見れば度を超しているように思いますから、今後は手を引くか控えめに行動しても らうとかが必要でしょう。 そしてご両親には、ディナさんがいつも何に悲しんでいるかや今回の騒ぎがなんで起こったのかを聞かせて、考え方を変えてもらうことが必要でしょう。 それが今回の騒動の決着のつけ方だと思います。 |
| ■ディナ To:マーキュリー |
| え…え……つまりディナが……ディナが…… |
そう呟いたとき、間髪入れずにザンセールがディナに優しく言葉をかける。ディナに見えない位置で激しくマーキュリーに目配せをしている。
| ■ザンセール To:ヴィタリ、マーキュリー、ディナ |
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てやんでえ!説明は正しくしろってんでえ!誤解しちまったらどうすんでえ!…たく。 わるいなぁ嬢ちゃん、口べたなヤツでよぉ。俺が説明したらぁ。 まずは…だ…。あんちゃん(リック)がおとっつぁんとおかっつぁんにいじめられるのを見ると悲しいよな? 俺も含めてだな、妖精ってのは嬢ちゃんみてえに可愛い子が泣いてるのを見ると、 ついつい助けたくなるんでえ。 で、たまたま嬢ちゃんが泣いてるところを見かけたのがこいつ(レプラコーン)だったんだけどな。どうやったら嬢ちゃんが悲しんでるかってことをおとっつぁんたちに 伝えられるか考えたんだってよ。例えばおとっつぁんに馬の口から伝えさせたり、鉢植えを届けたりとかな。そしたらちょっと失敗して馬が暴れたり植木が落ちたり のいたずらみたいになったんだとさ。ホントは良いヤツなんだけどよぉ。 もし俺が最初に嬢ちゃんが泣いてるのを見かけてたら、俺がおとっつぁんとおかっつぁんを怒りに行っていたかもしれねえからなぁ。 なぁ、嬢ちゃん。もうあんちゃん達のことで悲しむのはイヤじゃねえかい?俺も悲しくなるぞ。…一緒についてってやるからおとっつぁんたちとしっかり話をしねえか い? |
メルヘン好きなディナに微妙に嘘を交えてのメルヘン調説明。
最後にはひげ面に精一杯の満面の笑み…にしても、似合わないねぇ…(苦笑)。
ザンセールの言葉を受け、リックはディナを抱きしめた。
ディナの瞳から、ぽろぽろぽろぽろと涙がこぼれる。
レプラコーンはその涙を。ただただ辛そうな表情で見つめていた。
| ■ヴィタリ To:ディナ&リック |
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キミが悪いって言ってる訳じゃないんだよ。 ただね、我々は今回の事件について調査を頼まれていて、それがこのレプラコーンの仕業だったと言う訳だ。 |
| ■ザンセール To: |
| ぶえ〜っくしょい! |
| ■ヴィタリ To:ディナ&リック |
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キミ達にとっては異形の存在かもしれないが、我々冒険者からすれば可愛いものだ。 そして理由が理由だけにこの精霊を始末するわけにはいかないと思ったんだよ。 |
| ■リック |
| これが……可愛いもの……? |
| ■ザンセール To: |
| どへっくしょい! |
| ■ヴィタリ To:ディナ&リック |
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この事件を解決するためにはキミたちの力が必要だ。 本音をご両親にぶつけて欲しい。 我々もそれには協力する。でないとこの事件は解決しないんだよ。 |
| ■ザンセール To:独り言&ディナ |
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ほぇ〜っくしょい! あ〜、嬢ちゃん悪い悪い、びっくりしたかい?ヴィタリの説明中だったけど汗が鼻にきちまたっぜ。ちくしょうめ。 まぁ、…つまりだな。嬢ちゃんがあまり悲しんでるとだな、あいつ(レプラコーン)や俺みたいなお節介焼きがついついきちまうかもしれねえってことだ。 ほら、俺がこ〜んな風に(頭に角を生やしたポーズをとって・d( _ _ )b)なって、おとっつぁんやおかっつぁんを叱りに行ってもイヤだろ?(ひげ面でもう一度にかっと笑 み) |
| ■ディナ To:冒険者 |
| だって…だって…… |
ディナはわなわなと震えている。
| ■マーキュリー To:ディナ |
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ディナさん驚かせてしまってごめんね、つまりね、今度はお父さんとお母さんにディナさんの願いを叶えて貰えるようにお願いするんですよ(^^) お父さんもお母さんもディナさんのことが大好きだから、きっとディナさんの願いを叶えたいって思うはずですよ♪ もっとお兄さんとお茶したり、もっと一緒に遊びた いですよね♪ もっとみんなが仲良くなった方がいいですよね(^^) |
| ■ザンセール To:ディナ |
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そ〜ゆ〜こった。 な、俺と一緒になんていうか考えてみようぜ。 |
と、子供をあやすようににかっとした笑顔でひょいと抱き上げて…すこ〜しだけ離れた場所にいってみる。
あぁ、ホントにあわねぇ…(苦笑)
| ■ディナ To:マーキュリー |
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ディナね。お父様にいつもお願いしてるの。 お兄様と仲良くしてくださいって。 お父様ね。私の事にこにこと笑顔で見るの。 でも、でも、お父様。いつもお兄様をいじめるの。 お願いしても…叶えられるわけがないじゃない!!! |
その泣き声は、悲鳴のようにも聞こえる。
その直後、ザンセールが低い声で詠唱を始めた。
| ■ザンセール To: |
| 天神様よ〜天神様よ〜俺の願いをきいとくれ〜。この子の心に癒しとくれ〜。 |
ザンセールの信仰する神はラーダ。だから天神ってわけでもあるまいに…(苦笑)。
とにかくサニティが発動したので、背いっぱい背伸びをしながら頭を撫でつつディナをなだめにかかる。
| ■ザンセール To:ディナ |
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よしよし、落ち着いたかぃ、嬢ちゃん? …まぁ、なんだ…悲しいときは泣きたいだけ泣くのがいいと思うぞ。 腹…じゃねぇ胸かそうか? |
下手くそだがザンセール精一杯の慰め方。
ディナは、ザンセールに抱きつきしくしくと泣いている。
| ■マーキュリー To:リック |
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リックさん、今回依頼なさった件の原因はわかったと思います。 原因の排除のためにご協力していただけますか? |
| ■リック To:マーキュリー |
| …原因の排除…ですか。たとえばどのような? |
| ■ヴィタリ To:リック |
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先ほども言ったが、我々の仕事はキミの御両親の身辺に起こる不可解な出来事の究明と排除だ。 だがこの仕事を終わらせるにはイタズラをする精霊の排除ではなく、キミたち兄妹と御両親の関係が問題だと思う。 酷な事を言うようだが、リックくん。キミはディナがあんなお願い事をして泣いているのをどう思う? 仮にこのままこの精霊を我々が全力を尽くして排除しても、ディナの悲しみは変わらない。 その後もずっと彼女はあぁやって見えない何かに向かってお願い事をして苦しむだけなんだ。 だからキミはもっと父親と・・・義母と向き合う必要がある。 ただ、ディナのことがどうでもいいと言うのなら話は別だ。 我々はキミに言われた通り原因の排除として精霊と戦い、報酬をもらう。それだけだ。 |
| ■リック To:ヴィタリ |
| ……。 |
| ■マーキュリー To:リック |
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・・・例えば、まずは僕たち雇われた冒険者だけで、ご両親に報告に行くなんてのはどうでしょう? 今回の騒ぎは精霊が起こしたこと。なぜ精霊が騒ぎを起こす気になったのか。そしてディナさんがいつも悲しんでいること。 僕たちの仕事はそこまでで、後はあなたがディナさんの想いを汲んで、ご家族みんなで真剣に話し合って解決の道を探していくのが良いと思います。 |
| ■ヴィタリ To:マーキュリー&リック |
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わたしもソレに賛成だな。 精霊のいたずらが原因だったのだから、これは冗談でもなく嘘でもないからね。 報告はしないといけないと思うんだ。 |
| ■リック To:ヴィタリ |
| では…父と母には応接室に来てもらう事としましょうか。 |
そう言うと、廊下にいたハウスメイドに声をかける。
| ■リック To:ターシャ(ハウスメイド) |
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ターシャ。アデーレから父と母に応接室に来てもらえるよう伝えてくれないか? 今回の件について、冒険者の方々から説明があるそうだ。 |
| ■ターシャ(ハウスメイド) To:リック |
| 畏まりました。 |
一礼し、応接室へと向かった。
| ■マーキュリー To:レプラコーン |
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それと、君にはすまないことをしてしまったような気がします。 でも、今後ディナさん達のご両親に妙なちょっかいは出さないって誓ってもらう必要があると思います。 ご両親を説得している間だけ、ちょっと姿を見せてみるとかそんな演出はあっていいでしょうけどね ディナさんのためにも・・どうですか? |
| ■レプラコーン(精霊語) To:マーキュリー |
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俺ぁあんた達がナニ話してるかぁシラネェケドよ。 な・ん・で。嬢ちゃんが泣いてるんだよ? やっぱ俺なんざ見ねぇほうが、嬢ちゃんのタメだったんじゃネーノ? |
| ■ヴィタリ To:レプラコーン |
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あぁ、すまなかったね。御両親の前で姿を表せてもらえればと思っていたんだが、あまりにもキミの気持ちが暖かくて、ついつい彼女の前にも姿を見せたくなってし
まったんだよ。 しかしちょっと・・・箱入り娘と息子は我々冒険者と感覚が違ったようだね。 |
考え込んでいるリックと、泣きじゃくるディナ。
確かに、部屋に入る前には想像もしていなかっただろう。
| ■アルテナ(精霊語) To:レプラコーン |
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ごめんなさい…ワタシの認識不足だったワ。あなたにはつらい思いをさせちゃった。 精霊使い失格よねぇ……もうありがとう。でも、できれば、ディナちゃんの真意を汲み取ってあげてね。 |
| ■マーキュリー To:レプラコーン |
| ごめんね・・君とディナさんがもっと仲良くなれればと思ったんだけど・・ |
ディナが泣き終わるのを待ってザンセールはディナに声をかけた
| ■ザンセール To:ディナ |
| 嬢ちゃん落ち着いたかい? |
ディナは、微かにうなずいた。
| ■ヴィタリ To:ALL |
| それではとりあえず「事件の真相報告」として、御両親の元へ行ってみるかい? |
| ■レプラコーン(精霊語) To:ALL |
| で。俺ぁナニすりゃいいんで? |
| ■ザンセール To:レプラコーン |
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まぁ、とりあえず姿を消してついてきてくんな。 嬢ちゃんのおとっつぁん達が改心するようならそれで良し、お前さんもそれを見届けられりゃ安心だろ。 |
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