12b ドラゴンダンス2
突如あがる甲高い鳴声。
一箇所ではない、周囲から聞こえてくる。
見ると、周りの建物の上に、先ほど倒した翼の獣が羽ばたいて降り立った。
4匹のうち、1匹は明らかに傷ついているが、どの獣も怒ったように警戒のうなり声を上げている。
■アドグル To:ALL |
あいつは・・・俺が倒したやつだ! くそ、1匹じゃなかったのか・・・! |
■メイプル To:ALL |
あ・・・・れの、相手するのはちょっと骨が折れるわねー あーいうのが群れるのって、反則じゃないかなー 逃げ道探す方が、利口かもね。 |
その時、別の咆哮が一行の頭上から聞こえてくる。
急降下した1体の飛竜。
集団の中心にいた大きい飛竜だ。
それは一行のすぐ目の前まで降りてくると、空中で激しく踊り始める。
同時に歌うような唸り声も聞こえてくる。
■ライル |
すごいな… |
■メイプル |
・・怪獣大百科ねー |
百鬼夜行(?)の上空を見上げ、人事のように呟くメイプル
■グレイ To:大きい飛竜 |
わしらにも加勢しろということか・・・ 無茶な事を言うわい。 |
グレイは一息つくと、踊りに集中するように凝視する。
みると、アドグルとアグニも同じように集中している。
そしてすぐに3人の背中から飛竜の翼が飛び出してきた。
■グレイ To:ALL |
お主らは・・・下がってお・・ |
3人の身体は上空の飛竜と変わらない姿かたちとなった。
大きい飛竜からもう一度咆哮が聞こえると、3人を含めた全ての飛竜が、一斉に獣達に襲い掛かった!
■アズラ・ラ・ライト To:ALL |
あれは……さっきの翼の獣のお仲間さんでしかね? あんなに街中に何匹も……さっきの鞭持った人が飼ってたんでしね、きっと。 って、グレイさんまで変身出来たんでしね! ビックリです〜 |
ポカンと上空の光景をただ眺めるしかないアズラ。
■メイプル |
・・鳥獣大戦争でもいいかなー(遠い目) |
■ウォルフ To:ALL |
空で戦われたとあっては手の出しようがありませんねぇ。 |
肩をすくめつつ、そう呟くウォルフ。
■リールォン To:ALL |
なんとゆうか……。この光景って、オランの歴史に残りそうですよねえ……。 |
■カーガッド To:ALL |
飛び道具でもあれば加勢できたのですが……。 成り行きを見守るより他ないですね。 今のうちにさっきの戦闘の怪我を治して起きましょう。 リールォンさん、まずはご自分の怪我を。酷い傷ですよ。 ライルさんも自分のお怪我を治して下さい。 |
■ライル To:カーガッド |
(コクリと頷き)そうしよう。 |
■リールォン To:カーガッド |
あ、そうですね。 すっかり、自分のケガのことを忘れてました。 |
■アズラ・ラ・ライト To:カーガッド |
弓はありますですがあの状況じゃあ、ちょっとでも狙いが狂えばリザードマンさん達に当たってしまいそうで、恐いでしね〜。 |
大翼の獣達が飛び上がる前に、すぐに混戦となった。
獣が鉤爪を振るうと、1体、また1体と飛竜が落ちてくる。
しかし、多勢に無勢。ついに全ての獣を打ち倒した。
■メイプル |
おー(ぱちぱちぱち) |
そろそろ現実逃避しようかしら、とか思ってたりする。
■アズラ・ラ・ライト To:ALL |
あ、決着付いたみたいでしね〜。 すごいな〜、リザードマンさん達ってつおいです〜。 |
激しく踊り続けていた飛竜はその動きを緩め、静かに地上に降り立つ。
続いて次々と他の飛竜たちも降りてきた。
そのうちの1体が、一行に近づいてくる。
■飛竜 To:ALL |
グレイから聞いた。アグニ共々、ずいぶんと世話になったようだな・・・。 礼をいう、本当にありがとう。 この子が無事なのも、君達のおかげだな。 |
見ると、その飛竜は真っ白の大きな卵を胸に抱いている。
■メイプル To:飛竜、ALL |
世話もなにも・・・・ねぇ。 でも、卵が無事そうなのは何よりだわ。 |
■カーガッド To:飛竜、ALL |
これでもう大丈夫ですかね。 しかし、一体どうやって卵が盗まれてしまったんですか? それと、あの獣たち……。 良ければ、何があったかをお聞かせ願えませんか? |
■飛竜 To:カーガッド、ALL |
・・・卵が奪われたのは俺のせいだ。 奇襲されたとはいえ、たった6人で我々の守りを打ち破っていった・・・ 人間は賢い。力だけでは太刀打ちできないことを思い知ったよ。 |
荒々しかった声、そして竜の風貌が、丸みを帯びたものに変化していくのがわかる。
その姿は直立したトカゲ。リザードマンだ。
そしてその声から、最初に会ったトカゲ男、アドグルだと気づく。
他の飛竜たちも、いつの間にか翼が失われ、リザードマンに戻っている。
そのリザードマン達の中から2人の人間が進み出てきた。
■グレイ To:アドグル>カーガッド、ALL |
だからといって、1人で探索に出ることもないじゃろうに。 まったく、人騒がせな男じゃ・・・ おお、あの獣達じゃがの。あれはヒッポグリフという魔獣じゃ。 茶色い大きな煙突がある屋敷・・・ああ、アグニは大樹と言っておったやつじゃ・・・そこの馬屋からヒッポグリフ達が飛び出して行くのを見たんじゃよ。 おそらく、お主達が倒したグリフォンの子供達じゃろう。 グリフォンと牝馬を掛け合わせて、量産しようとしていたらしいのう。 |
■リールォン To:グレイ |
量産ですか……。 なんか、かなり大きな組織が関与しているように感じられてきました……。 |
■ウォルフ To:リールォン |
どうやら‥‥そのようですね‥‥。 |
コクンと頷き、同意の意を示すウォルフ。
■カーガッド To:ウォルフ&アズラ |
そのことを含めて、さっき倒した男の事なんかは、ギルドに報告しておいた方が良いかもしれませんね。 ギルドの不利益になるようなら何か動くでしょうし、もし裏で本当に大きな組織が動いていたら、私達の身も危険ですし。 でも、実はギルドが関わっていた、とかだったら嫌ですね……。 |
■アドグル To:カーガッド、ALL |
そうするといい。 屋敷の主はケビン・スレイナーという男だ。 商売の成功によって、一代で財を成した若手実業家らしい。 だが、裏では密輸や密猟をしているようだな。 必要なら、俺が調べた情報を提供してもいい。 |
■アズラ・ラ・ライト To:アドグル |
是非お願いしますです〜。 あんな事してる人らがいるなんて、許せないでしから。 |
■ウォルフ To:カーガッド |
そうですね。 特に私はそのケビン・スレイナーという男を殺した張本人ですから。 ‥‥官憲にも説明しておいた方が良いかもしれませんねぇ。(溜め息) あんな男のために強制収容所行き、なんてことになったら、泣くに泣けませんし。 あとはギルドが関わっていないことを祈るのみ、ってところですか‥‥。 |
■カーガッド To:ウォルフ>アドグル |
まあ、さっきの男の態度からすると、ギルドの関与はなさそうですけどね。 安心しても良いと思いますよ。 (アドグルに) 情報は多い方が助かりますから、良ければご存じの情報を教えて頂けませんか。 |
■アドグル To:カーガッド、ALL |
うむ。彼はオランと敵対する他国の工作員に、資金面で援助する役割を担っていたらしい。 ジェレイド・アウナンスという賞金首を知っているか? 半年前の事件で・・・ |
アドグルの話は長くなりそうだ。
とりあえず、詳しい話は後日聞く事にした。
■メイプル To:アドグル、グレイ、other |
さて・・・これから、どうするの? あんまり長居すると、厄介な人たちがきちゃうかもよ。 卵を持ち帰って、一件落着・・かな? その前に、銀の網にでも寄る? |
■グレイ To:メイプル、ALL |
そうじゃな・・・リザードマン達の負傷者も多い。 早めに退却したほうがよさそうじゃ。 族長は卵を奪われた怒りがおさまらんようじゃが、ここは折れてもらうしかあるまいて。 |
■アドグル To:ALL |
私が使っていた抜け道を使えば、オラン郊外まで抜け出せる。 水の中を進むから君達には無理かもしれんが、人間の君達ならば人ごみに紛れることができよう。 騒ぎが収まるまで、君達とはここでお別れだ。 |
■ライル To:アドグル、ALL |
了解しました。 そちらも次に会うまでご壮健で…! 行こう、皆。銀の網へ。 |
■アズラ・ラ・ライト To:アドグル、グレイ >パーティメンバー |
はいです、アドグルさん達もお元気で〜。また会いましょうです〜♪ そうですね、ちょっと疲れましたですし、銀の網亭で休みますですか〜。オナカも空いたですし☆ |