02a 探検野朗グレイ・テンダール
おやじが個室を出ていってしばらく。
再び個室の戸が開くと、大きな背負い袋を背負った老人が立っていた。
齢は50に達しているだろうか。
顔には深い皺が刻まれいるものの、その眼光は鋭い。
■おやじ To:ALL>グレイ |
やあ、待たせたな。 依頼人のグレイ・テンダールさんだ。 テンダールさん、彼らが捜査をお手伝いをしてくれる冒険者達です。 |
■グレイ To:おやじ>ALL |
おう!かたじけないな。 わしが世界を股にかける探検家グレイ・テンダールじゃ。 みなよろしくな! |
■ライル To:グレイ |
(軽く会釈し) はじめまして、ライル・クレイバートと申します。 以後、お見知りおきを。 |
■ウォルフ To:グレイ |
初めまして。ウォルフガングと申します。 以後、宜しくお見知りおきください。 |
そう言って、グレイに頭を下げるウォルフ。
■リールォン To:グレイ |
僕はチャ・ザさまの神官をしております、リールォン・オートゥホルンと申します。 よろしくお願いしますね。 |
■アズラ・ラ・ライト To:グレイ |
初めましてです、アズラ・ラ・ライトって言いますです〜 宜しく御願い致しますです♪ |
■メイプル To:グレイ |
メイプル・・です。顔に似合わず、呪い師の真似事やってますの。おじさま。 |
■カーガッド To:グレイ |
私が今回、この一行のリーダとなりましたカーガッドです。 それで一体何をお手伝い致しましょうか、グレイさん。 |
■グレイ To:ALL |
依頼書には目を通しておるのかな? 尋ね人というのは、わしの旧友アドグルの弟子で、アグニという者じゃ。 先日、アドグルと口論して修行場を飛び出していったんじゃが、オランに来ていることだけはわかっておる。 この都会にはそぐわぬ男でな、トラブルが起こる前に なるべく早く見つけ出したいんじゃよ。 報酬は捜査日当が1日50G。 成功報酬はこの宝石で支払おう。 売れば3000Gくらいにはなるじゃろうて。 わしは都会の行動は不得手でな、おぬしらの捜査能力には期待しておるよ。 |
■ライル To:グレイ |
アグニさん…ですね。 ええと、質問してもよろしいでしょうか? |
ライルはそう言うと矢継ぎ早に質問を浴びせた。
1.アドグル(アグニ)さんは何をしている人物?
2.アドグルさんとアグニさんは何故口論を?
3.その時はどんな言語で話をしていたのか?
4.何故オランに来ている事がわかっているのか?
5.トラブルを起こしそうな要因は言語以外に生活習慣などであるのか?
6.捜査期間は最長何日?
7.見つけ出す前にアグニがトラブルを起こしていたら?(相手側への保障など)
8.アグニ自身がトラブルに巻き込まれて死亡、負傷していた場合は?
9.捜査期間が短い場合の成功報酬の上乗せは可能か?
■ライル To:グレイ |
…といった処をお聞かせ願えませんでしょうか? |
■グレイ To:ライル |
な、なんじゃお主は(^^; 逸る気持ちはわかるが、急いては事を仕損じるぞい? |
グレイは破顔して背負い袋を床に置き、空いている席に腰掛けてからゆっくりと語り出す。
1.アドグルとアグニは、武器を用いない格闘技の修行を何年も続けている。
2.口論の理由は特に聞いていない。ケンカはいつもの事だそうだ。
3.アグニはリザードマン語しかしゃべれないから、口論もそうだろう。
4.自分がアグニの足跡を追って、オランまでの街道を追跡した。
5.貨幣価値の概念が無い、所有物の概念がないなど、考えたらキリが無い。
6.特に決めていないが1週間くらいか。働きぶりによっては途中で解雇することも。
7.場合にもよるが、保障が必要ならアドグルと相談して対応する。
8.死亡が確認できた場合も報酬は払う。生きていれば彼を捕まえるまで。
9.特に考えていないが、働きぶりによってはボーナスを出してもいい。
■グレイ To:ALL |
どんな事情があったかは知らぬが、アグニは物心つく前から、沼沢地に棲むリザードマンの集落で育てられたそうじゃ。 逞しい青年に成長した彼をアドグルが見つけ、自分の後継者として鍛え上げているというわけじゃよ。 |
なんとか語り終え、話中準備していた葉巻に火を付けてうまそうに吸うグレイ。
■ライル To:グレイ |
…なるほど。 状況が良くわかりました。 急いては事を仕損じる、ということもあるかもしれませんが兵は拙速を尊ぶ、とも言いますので。 |
(それにのんびりしていたら被害者がでるかもしれないしな)と口の中で呟くライル。
■ウォルフ To:グレイ |
リザードマンに育てられた青年ですか‥‥。 う〜ん、ますますロマンを感じさせてくれますねぇ☆ ところで。グレイさんは、リザードマン語をお話になることができるんでしょうか? それから。アグニさんの格闘技の技量はどの程度のものなのでしょうか? |
キラキラと瞳を輝かせながらグレイに問いかけるウォルフ。
■グレイ To:ウォルフ |
ああ、会話だけだがリザードマン語なら得意な方じゃよ。 わしは直接実力を見たわけではないが、アグニの腕前の方はなかなかのものだとアドグルが言っておったな。 |
■ライル To:グレイ |
…ふむ。 しかし、正直あまり良い状況ではありませんね。 言語が通じない上に人間社会の概念が欠落してるとなると… ああ、そうだ。念のためにお聞きしたいんですがこの件は隠密に動いたほうがよろしいんでしょうか? 例えば網を張るために関係各所に手配書を配ったり聞き込みをしたりすると官憲とかにも嗅ぎ付けられると思うのですが。 |
■グレイ To:ライル |
うむ。アグニがなぜこの街へ訪れたかもわかっておらぬからな・・・ 官憲の石頭どもに知られるのはやっかいじゃな。調査は隠密に頼む。 |
■ライル To:グレイ |
隠密ですか…そうなると一層難易度があがりますが、出来る限りの事は頑張りましょう。 ちなみにアドグルさんはいまどちらにいらっしゃるんですか? 個人的に武器を用いないという格闘技に興味があるんですが。 |
■グレイ To:ライル |
アドグルは部族の長の命で、旅に出たそうじゃ。 本来ならアドグル自身がアグニを捜すところじゃが、 そういったいきさつで、わしにアグニの件を依頼してきたんじゃよ。 格闘技については、わしもよくわからんな。 まあ、並みの猛獣なら楽に絞め殺しておったよ? |
■アズラ・ラ・ライト To:グレイ |
素手で猛獣を、でしか〜。凄いでしね…… 普通の人じゃとてもじゃないけど敵いそうにないでしね(ドキドキ |
■ライル To:グレイ |
部族…というとミラルゴかどこか辺境の出自なんでしょうか? |
■グレイ To:ライル |
部族といっても、アグニを育てた部族のことじゃよ。 出自はどうじゃろうな・・・見かけはいかついが、聡明で不思議と高貴さを感じさせるやつじゃな。 あれが普通に人間をしておったら、どこぞの貴族だと言われても信じるかもしれんの〜 |