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SW-PBM Scenario#130
コマンド・メロディー

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プロローグ


 月夜の森亭

 銀の網亭からそう遠くない場所に、月夜の森亭がある。冒険者の宿ではないが、常宿にしている旅商人や吟遊詩人の多い簡素な宿だ。
 その宿の一室で、吟遊詩人の青年が顔をほころばせながら手紙を読んでいた。
■ 吟遊詩人
…そうか、もう、そんな時期か。
荷造りしなくちゃな…。

 青年は大事そうに手紙を懐にしまい込んだ。すぐに村に帰ろう、そう思っていた。
 銀の網亭

 青年が手紙を受け取ってから6日後。
 朝日が射し込む銀の網亭に、扉を重々しく押し開ける音が響いた。大きな布袋を抱えて、憔悴しきった表情で入ってきたのはあの青年だ。
■ 吟遊詩人 To:おやじ
…すいません。
冒険者の方を斡旋して欲しいのですが…。

 おやじは紅茶を煎れる手を止めて、青年の方を見た。
■ おやじ To:吟遊詩人らしき青年
お、おう。どうしたよ、顔が真っ青じゃねぇか。
依頼だったらあそこに掲示板があるから、適当な紙に書いて貼っておいてくれ。
もうすぐやつらが戻ってくる時期だから、すぐに見つかると思うぜ。

■ 吟遊詩人 To:おやじ
すぐに…ですか。助かります…。

 青年はほっとしたようにため息をつくと、懐から羊皮紙を出してゆっくりと書き始めた。祈るような表情でそれを貼り出すと、背中の荷物を背負い直しておやじに言った。
■ 吟遊詩人 To:おやじ
訳あって外に長くいられないので、僕の宿まで来てもらえるように冒険者の方に伝えてもらえますか?
宿の名前は「月夜の森亭」です。…なるべく早く、お願いします…。

■ おやじ To:吟遊詩人らしき青年
わかった。必ず伝えるよ。
その…背中の荷物は商売道具かい?

 おやじは青年の気持ちをほぐそうと話を振ってみたが、彼はますます表情を固くした。
■ 吟遊詩人 To:おやじ
え、ええ。

 それだけ言うと足早に銀の網亭を出ていった。おやじは首を傾げながら、重く揺れる扉を見ていた。

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SW-PBM Scenario#130
コマンド・メロディー

GM:ともまり