09 円柱の間
扉を開くと、そこには奇妙な光景が広がっていた。
視界を見渡す限りの柱と、部屋の最も奥には巨大な黒い石版。
柱には円形の窓のようなものが付いており、その中には時折、水泡が見て取れる。
どうやら水が満たされているようだ。
黒い石版までの10数mの道のりには、30cmほど高い段になっている。
その部分以外には湖水が波うっている。
ギャルムが聞き取った音は、円柱から聞こえてくるようだ。
■ギュネイ To:ALL |
これは・・・なんとも不思議な空間だな・・・ |
■ギャルム To:ALL |
…すごいな。 水が入ってる……のか? この中を水が流れてるのか。 へぇ…… |
円柱に手を置き、しげしげと中を眺める。
柱の窓を覗き込むと、円柱内部の床や天井が無いことが見て取れた。
時折見える水疱の動きから察して、緩急はあるが、大量の水がここを通っているようだ。
湖水を汲み上げるか、排出しているのだろうか
■リールォン To:ALL |
ホント、すごいですねえ……。なにかの儀式をするための空間だったんでしょうか? |
周囲をきょときょとと見回し、湖水のそこに何かが沈んでいないか惚けたように覗いてみる。
よく目を凝らすと、柱の影や周囲の壁のそこかしこに、黒く変色した骸骨が倒れているのが見える。
湖水で床がよく見えないが、水面下にも倒れた骸骨が散在しているようだ。
■ギャルム To:ナナイ |
ナナイさん、この場所に見覚えは? |
■ナナイ To:ギャルム、ALL |
バショ・・・なない、ココ、シッテル・・・? |
もどかしそうな表情のナナイ。
何かを求めるように、そのまま広間の中央へと進み出す。
■ヘキサ To:ナナイ |
あ、ナナイさん! ひとりで行っちゃあ危ないよ! |
慌てて追いかけ、隣に並ぶ。
■マーキュリー To:ALL |
なんかいかにも仕掛けがありそうな場所ですね(^^;) 用心しながら進みましょうか・・・ |
■マーキュリー To:ナナイ |
って、言ってるそばから危ないですって(^^;; |
ナナイを追い抜き、背中でブロック♪
自分が守られているとも知らず、不思議そうに2人を見るナナイ。
■ギャルム To:ヘキサ&マーキュリー |
(やれやれ……) ナナイは任せたからな、しっかり守ってくれよ。 |
と言いつつ自分はギュネイ導師の方へ。
■フレイム To:ギュネイ |
ふ・・・ん・・・確かに、儀式的な趣だが・・・。 何か、心当たりは? |
■ギュネイ To:フレイム |
ふむ・・・周囲の円柱からは魔力を感じない。 どちらかというと、機械的なイメージの方が近いな。 あの黒い石板からは、強い魔力を感じるね。 |
■ギャルム To:ギュネイ |
この骸骨、動いたりしないだろうなぁ…… 精霊使いの目で、何かわからないかい? |
■ギュネイ To:ギャルム |
あ、ああ・・・。 これは・・・死体じゃない、スケルトンだ! |
■女性の声 To:ALL |
(下位古代語で)ここは私の領域だ。 許可無き開門は厳罰に処される。 いかなる理由があろうと、これを侵すことは許されない。 |
突然、石板の方から女性の声が聞こえる。
その声に呼応するかのように、広間のあちこちから骸骨がゆっくりと立ち上がってくる。
骸骨たちは、手に火掻き棒のようなものを持っており、石板の前に立ちはだかるように移動し始める。
■ギュネイ To:ALL |
まずいぞ、我々のことを侵入者だと認識しているらしい。 くそっ、ナナイくんがいるから大丈夫だと思っていたが・・・ |