04c 記憶喪失?の娘、ナナイ
マルシェ領主へ向かう者と、マイスの家に残る者の二手に分かれた一行。
マイスの家では、ナナイと名乗る娘が慣れない手つきで湯を沸かす準備をしている。
その間中、落ちつかなげに冒険者達を覗き見ている。
■リールォン To:ナナイ |
そんなに、警戒しないでもダイジョーブですよ(ニッコリ)。 ……っといっても、いきなり知らない人が大勢で訪れたら、ビックリしちゃいますよね(^-^; ああ、そうだ、お湯が沸いたらこのお茶を飲みましょう。 とっても香りが良くて、身体にもいいんですよ。 |
そう言いながら、懐からごそごそと、小さい袋を取り出し、紐で結ばれた口を開ける。
すると、部屋に柑橘系の爽やかで仄かな香りが広がってゆく。ナナイはハテナ?の顔でキョロキョロと周囲を見回している。
■ナナイ To:リールォン |
おれんじ、ドコ? |
■フレイム To:ALL |
・・・特に、招かれた訳でもないのだ、 外で待っている方が、良いのではないか? |
■ナナイ To:フレイム |
おれんじ、ソト? |
■リールォン To:ナナイ |
オレンジじゃないんですよ。 このお茶の香りなんです。 |
くんくんと香りの元を探しているナナイの前で袋の口を広げて、お茶っぱをひとつまみして、ニッコリほほえむ。
ナナイはお茶っぱをつまみ取ると、そのままパクっと口に放り込んでしまう。
すぐに苦い顔をして咳き込む。
■ナナイ To:リールォン |
うー・・・おれんじ、ニガイ |
■ヘキサ To:フレイム |
いやさ、招かれたわけででもも何も、もう既に押し入っちゃってるんだし。 それを言うなら、ノックして反応がなかった時点でそうすべきだったんと思うよ? マイスさんにはギュネイさん達が話をとおしてくれてるだろうから、大丈夫じゃない? それにさ、せっかくお湯も沸かしてくれてるんだから。 ……うん、完成完成。 |
家事にいそしむナナイを写生していたヘキサ。
なかなかの出来栄えに、思わず笑みがこぼれる。
額に入れておけば、買う人がいるかもしれない。
■フレイム To:ヘキサ |
・・・入ってしまったからと言って・・・居座って良い理由には、ならないと思うが・・・。 まあ・・・向こうで話を付けては・・・いるだろうな。 |
■ナナイ To: |
ぽっと・・・ぽっと |
一行の話などおかまいなしで、棚の奥をごそごそと探し回っている。
その間に、釜戸の上にかけた薬缶が沸騰して吹きこぼれはじめる。
■リールォン To:ナナイ&ALL |
うわわわぁ! 噴いちゃってちゃってますよう(^o^; お茶の用意は僕がしますから、ナナイさんも座っててください、おいしいお茶を入れてあげますからね〜。 |
腕まくりをしながら、鼻歌まじりに手慣れた手つきでお茶を入れる準備をするリールォン。心底、お茶の準備を楽しんでいるようだ。
■ナナイ To:リールォン |
・・・ぽっと |
ナナイは難しい顔をしてしばらく悩んだ後、探し出したポットをリールォンに渡す。
■リールォン To:ナナイ |
ありがとう(^-^) すぐにできますから、ちょっとの間だけまっててくださいね。 |
こくんとうなずくナナイ
■ヘキサ To:ナナイ |
ナナイさーん、見せたいものがあるから、こっちへおいでよー。 |
自分の名前に反応したのか、びくっとしてヘキサの方を見る。きょとんとして立っていたが、呼ばれている雰囲気を察してヘキサの方にくる
■ナナイ To:ヘキサ |
なない、ヨンダ |
■ヘキサ To:ナナイ |
うん。はい、プレゼント。 |
先ほど描きあがった絵をナナイに渡す。それを見て、ナナイは目を丸くしてまじまじと絵を眺め回す。少々興奮しているようだ(笑)
■ナナイ To:ヘキサ |
なない!なない!○※☆¢△♂◇!(下位古代語で何か言っている) ・・・ぷれぜんと?? |
■ヘキサ To:ナナイ |
うん、それはナナイさんにあげるよ。 他に何か描いて欲しいものある? |
■ナナイ To:ヘキサ |
アゲル・・・なない、モラウ? ぷれぜんと・・・アゲル・・・モラウ! |
なにやらうれしそうだ。
絵を貰ったのがうれしいのか、
はたまた、新しい単語を覚えたのがうれしいのか(笑)
■リールォン To:ALL |
さあ、お茶がはいりましたよ〜。 さっ、召し上がれ。 |
トレイに人数分のティーカップが載せられており、琥珀色の液体からは湯気とともに、心を和ませてくれるかぐわしい香りが立ちのぼっている。
それをテーブルに並べ、微笑みながら自分の分のティーカップを手に取る。
■ナナイ To: |
おれんじ・・・ |
お茶の香りに、まだ首をかしげているナナイ。
ふーふーとお茶を冷ましながら、少しずつ飲み始める
■リールォン To:ALL |
をを! それはナナイさんですね〜。 すごく似てますし、とっても綺麗ですね〜。 |
■ヘキサ To:リールォン |
モチーフが良いからね。 リールォンさんの入れてくれたお茶も、とっても良い香りです〜。 さて、そろそろギュネイさん達も帰ってくる頃かな? |